2024/06/26 のログ
■サティヤ > 「その感性を否定は致しません。
刺激的な出来事に心躍る感情については自分も理解できます。」
自分にも、かつてそのように享楽にふけっていた時期があった。
故に、その感覚や欲求は理解できない訳ではない。
「ですが、自分はそれを求めません。
そのように面白半分で生み出した波が何とどう影響し合い、脅威を増し、周囲に降りかかるか…
それを考えれば、エンターテインメントに興じる気など失せ果てます。」
バタフライエフェクトなんて言葉もある。
因果応報という言葉もある。
「それに、愚かな人々は愚行を好みます。見下してあざ笑う為です。
誰から見てもあからさまな愚行を提供する部長様は、普段は愚かでなくとも、エンターテインメントを提供する際、愚かな人になっているでしょう」
怪異を燃やすなんて、どう考えても危険だ。
手間も費用も、命だってかかっている。
そんなことをする人間がどう思われるか。語るまでもないだろう。
■『流れ』 > 「どうも…分かっているクセに、分かってないなお前は。サティヤ。
耳障りの良いキレイゴトだけじゃ、面白くないんだ。
考えても見ろ。
予定調和で単調なストーリー
やってはいけない、はいそうですかで終わる世界
あれもだめ、これもだめ。
……なあ、それの何が、面白いんだ?
エンターテインメントってのはよお。もっと刺激的で楽しくてドキドキしてなきゃならねえだろ?違うか?オイ」
「正しさだけを求めた結果、生きる意味すら失せる。
お上品ぶったところで、なにも楽しくない。……お前は生きていて何が楽しい?」
そうだ。面白半分で波を生み出して、脅威を増して、周囲に振りかける。
まさにそうだ。
愚行。それも正しい。
やらないほうが良い。それも正しい。
見下して嘲笑う行為。それも正しい。
ああ
ああ
「お前の言っていることは正しい。
認めよう。……正しいからなんだね?
お前のいう事は至極つまらない。」
「それになぁ……見下して嘲笑う行為、つったか?
俺が見下される側になると。
俺がそれに気づいていないと思ってるのか、お前。
カッカッカ……!」
■『流れ』 > 「みんな、みんな、み~んな!目に見える"愚"を……"愚かな誰か"を見下して嘲笑う行為が大好きなんだよ。俺はねぇ……バッカみてえな事やってわざとそれを煽ってんだよッッ!!」
■サティヤ > 「そうですね。仰る通りです」
そんなことは、分かり切っている。
人間のみではない。生きとし生けるもの皆愚か。
そして、人はそれを知っている。
愚かであることを理解し、見下し、見下され、笑い、笑われて生きている。
だが…
「ですが、それでは立ち行かないのが世の理です。
愚かさを甘受していればいずれ破綻します」
人は愚かだ。だからこそ、他人の愚かさを理解できない。
「自分は生きる事に楽しさなど求めていません。
愚かでない事のみを求めます。愚かさが自らを苦しめる事を知った故、愚かでない事をただ望みます」
楽しいか、楽しくないか。そんなものは考えていない。
それを考えていた時期もあるが、何れも立ち行かなくなった。
「他者を見下し、さらに見下されている事を理解しているのであれば分かる筈です。
見下されている者がどういう目に会うか。その状態が如何に危険か」
気付いているならなお愚かでしかない。
「楽しさを求められているのでしたら、そのまま続けられればよろしいのではないでしょうか。
自分は咎めません。これ以上止めません。
ですが、いずれ後悔されると思います」
経験談。言葉に重みがある。
それは、愚かさに興じたとある末路を知る者としての警告。決して被害妄想や戯言ではないのだ。
■『流れ』 > 「……ん、…いや。気ぃ使わなくて良いぜ。カッカッカ……」
ぴたっと、饒舌な口を、止めた。
…そう、全部、正しい。正しいとも。
他者を見下し、さらに見下されている―――それが破滅の引き金となる。
その通りだ。だから皆それを注目するんだぜ?
彼女の話は正しい。
だが、それだけだ。
それは面白くない。
「言いたいこと、思いっきり言ってみろ。雇い主だからとか固い事は言わねえよ。
理性的に小難しい正論ばかり言うより、思うまま殴りつける勢いで言ってみろや。
俺が納得すりゃ……お前の言う案に従おう。
さッ…俺がより楽しめる話を出してみろッ
な?」
■サティヤ > 「…言いたい事ですか…?」
予想だにしなかった問いかけ。
そして同時に、自分の思考では決して辿り着かない選択肢。
言いたい事を言うなんて、そんな選択肢はない。
問いかけに応じる。自らの身を守る。ついでに愚かさとは何かを説く。
…何故愚かさについて説くのだろうか。
歩みが僅かに遅くなる。
思考に重きがおかれ、集中力が下がったのだ。
(自分は何故こんな不要な事を…?)
何故だろう。愚かさについて説いた所で、大抵の人には受け入れられない。
人は愚かだ。自分の愚かさを理解していても、受け入れられない。
受け入れられていたとしても、部長の様にその上で行動をしている。
そんな事、分かり切っているのに…何故…
「…」
仮面の下で僅かに口が開く。
「他者に愚かであってほしいから…?」
愚かであることを自覚させる。
それは即ち、自分と同じであると分からせたい。
自分と同じであると、思って欲しい…?
そんな考えが、脳裏をよぎった。
なんて愚かな考えだ。他人の不幸を願った所で、決して意味はない。
それに、自分は先日不幸になりゆく少年に苦しい思いをしたばかりではないか。
何故だ?他人に愚かであってほしいと思っているのに、何故愚かにはしたくない?
分からない。
「自分は…恵まれている他者を…疎んでいるのかもしれません
だから…愚かさを説いて…」
自分で至って欲しい。愚かさに。
恵まれているという、普通という常識を崩し、愚かさという思想に染まって欲しい。
そう、思っている…のかもしれない。
■『流れ』 > 「カッカッカ……
恵まれてる他者を疎んで、
愚かを説くかぁ。」
渦が笑う。
「お前さあ。」
「本当はなーんも楽しくねえんだろ」
「愚かだ、何だと斜に構えて」
「全部全部全部つまらんモノだと見ている」
「違うか?」
話が、流れていく。
「お前はなぁ…」
「"楽しい事"を"幸せな事"を」
「愚かだと切り捨てて、理由付けて拒んでやがんだな。カッカッカ……」
「正論だけで塗り固めて、自分からつまらん、楽しくない、不幸せな…」
「他人の不幸を願う前に自分自身の不幸を望んでんじゃねえのかなぁ……?」
「故に他人にもソレを振りまく。」
「恵まれている他者を疎むのはなあ、お前自身の心が貧しく恵まれてねぇから」
「楽しくねぇからだ」
間違っても、俺は偉そうに説教できるような立場じゃねぇぜ。
でもこの話は、俺の都合のいい流れにさせてもらおう。
「最後にドキドキしたのはいつだ?」
「楽しいと思ったのは?」
「なあ」
「なんかの縁だ。楽しい事、してみようや。サティヤ。」
■サティヤ > 「…」
突き付けてきた正論を投げ返されているような感覚がした。
だが、それを受け入れたくない。
何故か。
それは、こいつが分かっていないからだ。
自分の境遇を、自分の旅を。
愚かな全てを。
理解を求めるのは愚かだろう。愚かでなくても求めたりはしない。
理解出来るなんて思っていないから。
「…拒んでいる訳ではありません。
自分は楽しさも知っています。
ですが、その後にくる代償も知っています」
苦い記憶がよみがえる。
それらが自分の邪魔をする。
「ですので、遠慮しておきます。
自分は、これ以上愚かになりたくはありません」
見方を変えれば、手を差し伸べていてくれたのかもしれない。
だが、その手は愚かさに塗れている。
その手は、とれない。
「…案内人の分をわきまえない発言の数々…大変申し訳ございませんでした」
これ以上話すことはない。そう感じた。
そして…話したくないとも感じた。
愚かさの先には愚かさしか待っていない筈だ。
これ以上、聞きたくない。
■『流れ』 > 「カッカッカ……そーかい。
…その判断は、正しいぜ。」
この一手でぜーんぶ流れるくらい、人間関係ってのは甘くないさ。
でもな。
ちょっと話して置いたら、後々で効いてくる事だってある。
思い通りの流れってのは1日で作るもんでもない。
「正しいが、つまらん。
退屈は人を殺す。」
「一つ俺から所見を述べようか。」
「愚かだ、愚かだ、そう言って楽しい事を切り捨てることがなあ。」
■『流れ』 > 「楽しい事を追及できない事が、何よりも愚かだ。」
■『流れ』 > 「……じゃあ、行くか。なーに、気にすんな。喋らせたのは俺だ。」
そうとも、お前から見りゃ俺は愚かだろう。
だが、愚かにならねば得られないもんもある。
それを見過ごす事こそ、最も愚かなのだ。
それから、彼女の先導で
それはそれは愚かな罠を仕掛けてしまう、ことだろうか。
■サティヤ > 「…そうですか」
『愚か』を『楽しい』と言い換えただけだ。
なんら揺らぐことは無い。
そのように愚かさを甘受することが愚かなのだ。
そのはずだ。
その後は、依頼通り、契約通りこなすだろう。
愚かさに目を瞑って。
ご案内:「違反部活群/焼け跡」から『流れ』さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/焼け跡」からサティヤさんが去りました。