2024/07/06 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に狭間在処さんが現れました。
狭間在処 > 表側から落第街に帰還して数日経つが、矢張り例の怪異による騒ぎは沈静化には程遠い。
又聞きや不確かな情報も多分にあるものの、そろそろ風紀や祭祀局も本格的に人員を投入してくる可能性も低くはない。

――とある違反組織の跡地…否、瓦礫の山。先ほどまで健在だったそこは、青年が一人で”潰した”。
人員はしぶとく逃げたようだが、それでも痛手は十分に与えただろう。
右肩へと、三本足の鴉が不意に舞い降りてきて留まる。青年の使い魔にして”通訳”だ。

(…これでしばらく人買いの商売も上がったりだろう…まぁ、いたちごっこでしかないだろうが)

一つを潰せば五つも十も後から沸いてくる、と言いたげに小さく吐息を零す。
軽く、コートやシャツについた煤を払い除けつつ、瓦礫の山の天辺に座り込む。

…異能の反作用…ではなく、人造怪異としての”後遺症”だ。頭痛と貧血が特に代表的な副作用。
もう慣れているが、人間が服用する薬が殆ど効かないが少々残念な所だ。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にノイズさんが現れました。
ノイズ > 表の街より落第街のエリアに混乱に乗じて踏み入れた人影が追加された。
その人影は例の怪異の騒ぎもあるがとある立場を持ち名乗ればただで済まないことから、
どの立場で行くか考えた後 祭祀局が妥当ではと決定をし表の姿ではなく知名度が圧倒的にない姿になってから訪れる。

そして今に至り、袈裟懸けにした弓と腰から下げた矢が入った筒を時々コトコトと揺らしながら
あまた点在する違反組織の一つ一つを見学しに来つつ、あっちにフラフラこっちにふらふらと歩いていく。

女の肩には隼が一羽とまっている、式にして使い魔。
そろそろとある違反組織があっただろう場所に着く、視界の向こうに見えるはずのそれが

لا!(ない!)

一言女は口を発したが日本語ではない異国語であった。
瓦礫しかないではないか、きょろきょろと視線を泳がせれば瓦礫の上に誰かが座っているのが見えた。
あれは何者でしょうか、場所がら会話が成り立つのか分からないが聞いておいても損はないと思い
瓦礫の上に座っている人影に向かって質問をすべく口を開く。

「そこの、ここにあった違反組織の行方を知っているか?」

ここに、と指さしたのは瓦礫の山の麓付近。

狭間在処 > 「……?」

頭痛と貧血のダブルパンチは中々にきつい。
人より丈夫な肉体とはいえ所詮は失敗作の偽物だ。
視界が若干朦朧としているが、努めてそれを悟られぬように声の主に碧眼を向ける。

『…ここにあった人身売買の組織の事か?それなら俺が今さっき潰したが。』

落ち着いた青年の口調――それは青年ではなく、その右肩に留まる三本足の鴉の口から洩れる。
見る者が見れば、それが使い魔であり青年の声を代弁しているのだと察するだろう。

件の組織の人員は既に散り散りに逃亡しているようだが、連中がどうなろうが知る所ではない。

――もっとも、この組織のボスだけはきっちりと”始末”させて貰ったが。

『…下っ端の連中は既に逃走しているだろう。追いたければ好きにしてくれ。』

とはいえ、彼女がわざわざここに訪れて尋ねて来る辺り、狙いはボスか幹部級の連中だろう。
残念ながら、ボスも幹部級も一人も残っていない…この組織は既に壊滅しているに等しい。

ノイズ > その人影は反応するように動いた。が、
人陰 否 口を開いたのは 三本足の鴉 八咫烏であろうか?
瓦礫の上の彼の細かな表情は女の能力で見えるが特に何も言わない。
瞳の揺れ具合、顔色が宜しくない 等 体の具合が万全ではないのか?とまでは見たが
瓦礫の上とかには近づかない、あくまでも女がいる位置は瓦礫の山の麓。

「そうだ、潰した…潰した!?で、ではここに…」

反芻するように呟いてから マジで瓦礫にするまで潰したのかと納得すべく独り言を呟く。
これでは瓦礫の山を掘り返す以外ないではないか。彼を見上げるように鴉へと若干視線を向けて。

「下っ端に用事はない、あるのはここの組織が床に描いていた、
 とある封印が残っているか なのだ。床もすべて瓦礫に吹き飛ばしてしまったか?」

ボスでも幹部級でもない 求めていたのはとある結界を描いた封印陣の有無。
組織が壊滅しているのは咎める風でもない、床の有無について大事な事なのだと付け加えて質問を続けよう。

狭間在処 > 『……封印?…さて、どうだったか。』

少し考える。記憶には無いが、仮にその封印陣があったとして。
おそらく自分の異能――【四凶】の一角である饕餮(悪食)が喰らい尽くした可能性もある。
そうなると、この来訪者の女の目的は、この青年が横取りしてしまったみたいなものだ。
勿論、青年にもその封印陣を食らったであろう異能もそんなつもりは毛頭無かっただろうが。

『――一つ尋ねるが、その封印陣とやらで封印されていたモノは何だ?』

己の異能が喰らったものは『放出』という形で吐き出す事は可能だ。
だが、封印陣が損傷していない、とはとても言えない。どちらにしろ無くなったに等しいだろう。

(…そもそもこの女が何者かも分からないからな…さて。)

彼女の出方次第で対応は考えているが、向こうはどう出るのだろうか。

ノイズ > 「魔法陣の形をしていたのだが、掘るしかないのか」

これをか。瓦礫の山を吹き飛ばす以外ないに等しい。
かなりの重労働であり体力には適当に自信があるとは言えない女は
どこから手を付けるか考えもしてしまう、瓦礫をどかさないで探す手はなくもないが、
余り他人に見せるような術ではないので迷ってしまう。どうしてくれようかと腕を組み考えていたところ、
鴉より質問が下りてきたので 顔だけを彼の方へと向けた。

「封印というより結界だ。とある者たちがここを気にしなくなる、
 無意識に別にと避けるようにする結界のようなものでな。
 私がここまでやってきて無事ならば 壊れているということになるのだが」

此処にたどり着いているしな、これは潰したと先ほど鴉が答えてくれた答え合わせになってしまう。
無くなったか壊れているのであれば 目的が達せられてしまった。

「仮に壊れていなければ 私が壊す事になっていた。
 大いに感謝します、ありがとう。」

女は彼に向け敵意でもなく感謝を述べて礼を込めて頭を下げた。

狭間在処 > 『…掘るのは止めておいた方がいいと思うが。時間も掛かるだろうし…何より、この瓦礫も後で俺が全て始末するつもりだからな。』

青年の流儀として、組織を潰した後は痕跡を残さない事にしている。
つまり、異能で纏めてすべて食らい尽くさせて綺麗さっぱり無くなる。
ただ、青年はとある系統の違反部活や違反組織以外には一切手を出さない。
あくまで用があるのは…潰したいのは、人身売買や人体実験に深く関わる組織だけだ。

『…アンタの話が本当なら、結果的に壊れていた方が都合が良かった、という事になるが。』

どの道、封印陣ごと異能が喰らってしまったのはほぼ確実だ。
ならば壊れたといってもいいだろう。どのみち時間が立てば”消化”される筈だ。
それよりも、感謝をされて戸惑うように瞳を僅かに細めた。こっちはただ己の都合で動いただけだ。
あくまで、その封印陣を壊したのはついで、というより結果論に過ぎない。

『…別に礼を言われる事でもないが。俺は俺の目的で動いただけだから、単なる偶然の成り行きだろう。』

そう、緩く肩を竦める。先ほどから瓦礫の山の天辺に座り込んだままだが、動くと眩暈がするので下手に動けないのだ。

ノイズ > 「分かった、瓦礫も処理してくれるのか。
 それは大いに助かる、私がやるとちょっとよろしくないな。」

ここは表の街ではない落第街やスラム、違反組織が犇めく場所。
表側の存在である女が気軽に手を出してはならぬ場所、命があれば動く事が叶うが今回は動けない。
今回許可が下りたのは 捜索のみであるので処理がないから始末も出来ない。

「そうだ、壊れていないと今後 とても困っていた。」

今後の活動に大いに関係するし 先の活動もしやすくなる。
感謝を述べたら何故か戸惑いの反応をされた気がする、
色々と事情があるのだろうと感じる。腕組を辞めて手を下ろし、

「偶然か。偶然でも此方は感謝をしたい。
 御身が誰かは問わないが、体を大事にと述べておこう。
 私は ليلى صالح(レイラ・サレハ)、祭祀局のものだ。
 破壊に感謝をしつつ失礼をする。それでは」

最後に名乗り、彼の名を訪ねることなく女はその場を後にしていく。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からノイズさんが去りました。
狭間在処 > 『…まぁ、こっちも痕跡は残したくないからな。』

後ろ盾も伝手も殆どない単独行動。余計な敵を増やすのは可能な限り避けたい。
証拠隠滅もだからこそ徹底している。無論、異能の反動で後で苦しむ事になるが、それは見越している。

(…いくら特定の組織だけを狙っているにしても、他の連中に変に刺激を与えてはな)

強力な力があろうと所詮はたった一人。だからこそやる時は迅速に、そして痕跡は綺麗さっぱり無くす。
勿論、組織の襲撃に関しても下調べや襲撃のタイミングもきちんと考えてやっている。
ただでさえ、偽物で失敗作とはいえ【怪異】と”同類”なのだ。余計な敵は作らないに越したことはない。

『――そうか、ならお互いの目的は達成したという事でいいだろう。』

話は付いた、と見ていいだろうか。それよりも、彼女の名乗りに…失礼を承知で、僅かに嫌そうな顔になる。

『…祭祀局……か。…まぁ、名前は一応覚えておこう。』

こちらが名乗りを返す前に、既に女は踵を返して立ち去っていた。
その姿を暫く碧眼で見据えていたが、やがて大きく息を吐き出して。

『……祭祀局とは地味に縁があるな全く。』

呟く。過去に三度…止む無くやりあった。結果はこちらの全敗…逃げ延びたからこそ今こうしているが。

狭間在処 > (…取り敢えず、瓦礫とか残りの痕跡をさっさと消して俺も引き上げないとな。)

緩慢な動作で瓦礫から腰を上げれば、一度麓まで少々危なっかしい足取りで下っていく。
途中、何度か躓きそうになるが何とか麓まで降りてから一息。

『―――万象喰らい尽くせ【饕餮】。』

青年の呟きと同時に、彼の全身から黒い靄のようなものが立ち上る。
それは、直ぐに影のような黒い大型の獣へと姿を変えた。
獣がその口を開くと同時に、瓦礫がまるでブラックホールに吸い込まれるかのように根こそぎ”喰らわれる”。

「―――…っ!」

眩暈が酷くなった…だが、そこは気合で堪えて瓦礫群を全て綺麗さっぱり消失させた。
獣は直ぐに形を失い、黒い靄になって青年の体内へと吸い込まれるように消えていく。

「―――…ぁ…。」

さて、そろそろ引き上げなければ…と、思うが足が動かない。気が付いたら視界が斜めに傾いで倒れていた。
…思ったより早く限界が来たらしい。せめて塒に戻るまでは持って欲しかったが。

狭間在処 > これだから、怪異にすらなれなかった半端物の肉体は困る。
ただでさえ、人間の手で究極の怪異を作ろう、なんて頭のおかしい計画だった。

(――その末路が”俺”というのも盛大な皮肉だが。…まぁ、ざまぁみろとしか思わんが。)

こっちからすれば、望んでも居ないのに人造怪異にされた身だ。恨みこそすれ感謝など欠片も無い。
…そもそも、何が丈夫な肉体だ。後遺症や異能の反動で倒れるなんて脆弱も良い所。

とはいえ、ここで倒れ伏したままで居る訳にはいかない。
誰が通り掛かるとも限らない…それが平和な相手ならまだマシだ。
視界が相変わらずクラクラとするが、何とか上半身だけ起き上がらせて息を吐く。