2024/07/09 のログ
ご案内:「数ある事務所」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
事務所に戻る。

すすり泣くような音が聞こえたので、
急いで客室に向かって手早くを扉を開ける。

イーリスが求めるように、緩慢な仕草で恐怖に怯えながら両腕を伸ばした。
僕はその両腕を受け入れて、抱きしめて留める。

「大丈夫。大丈夫だよ。」

黙して泣きついたイーリスが落ち着くまで、
十分な時間を以って彼女の不安と恐怖を受け入れる。

理由は分からないし、今は聞き出すべきではないと判断する。
落ち着きを取り戻すまで抱きしめて支えた後、休むよう促した。

エルピス・シズメ >  
(呪いの影響下でなお、ここまで身体が回復したんだ。)
(きっと大丈夫……)

 己に言い聞かせながら階段を下る。
 給湯室の冷蔵庫に食糧と飲料を補充し、資料室に向かう。

(どうせ思い出しちゃったんだ、アスモディスさんのお願い事の準備もしないと。)

 『エルピス』が公安を離れて学校を辞め、
 学生証を再取得した時にどのような伝手と工作を行ったか。

 そもそも『書き方ひとつ』でどうにかなる可能性はないか。
 悪意の無い異邦人には、尊重もしくは保護の意味で審査が緩い側面もあった筈だ。

エルピス・シズメ >  
 
 たとえば、常世島には魔王を名乗るが悪意のないものも多い。
 魔王を名乗る存在の実力にもそれなりの幅がある。

 そのため怪異に対する危険度指標の名称が"「魔王級」" から "「大規模災害級」"へと配慮された──

 ──なんて事例も存在する。

(入るとしたら先生かな。いやでも、性格的に……まさかね……)

 一抹の不安を覚えながら資料漁りを続け、気付けば結構な時間が経っていた。
 

ご案内:「数ある事務所」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にエルピス・シズメさんが現れました。
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