2024/07/11 のログ
カエルム > 魔物の分析は元の世界での生業だ。今の環境でも通用するかは怪しい。
…いや。ならば知ればいい。今の環境の魔物を。
当面の目標が出来た。これは収穫だ。

「さてね、彼女と王サマの大立ち回りの後だから混乱してたのはあると思うよ?」

実際あの後しばらくは周辺が赤い海だった。色んな意味で。
人々の混乱は相当なモノだった。故にマトモに情報が出てこない、という部分もあった。

「はいはい。まいどあり」

去って行く背中から感じる強烈な敵意。己に向けられたものではないが底辺で育って来た人間にとってはありふれていて、かつ敏感に感じ取れる感情。
…つまり、"そういうコト"ね。

「…気に食わない」

完全に彼が去ったあとに呟く。感染リスクの低減。それには賛成だ。
…だが。気に食わない。何が、と言われると困るのだが。

「はぁ。時間ムダにした。仕事仕事」

そう言って歩みを進める。依頼人にもうすぐ着くとメールを送信しながら。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からカエルムさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「数ある事務所」にカエルムさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 事務所に戻り、私室に戻ってイーリスの様子を伺う。
 彼女が頼りになる人に会うと言って出かけて戻ってから、調子が良くなっている気がする。

(今の所は。……でも、これならきっと"もう少し"なのかな。)

 彼女は彼女で動いて、問題が取り除かれている。
 すすり泣く弱った彼女を抱き留めた時は不安に思ったが、もうそうではない。
 一抹の不安はあるが、それもきっと彼女や彼女が頼る者が乗り越えるだろう。

(そもそも彼女の周りにはいろんな人がいるからね。きっと後は収束に向かう。)
(僕もその友達の一人だけど、それはそれ。これはこれ。……うん。だから劣等感。)

 ……すこしだけ、劣等感のようなものを覚えた。
 一瞬、それが『嫉妬』だと思いかけたものの、"まさか"と首を横に振る。

(昼は久しぶりに男子寮戻ったなぁ。)
(にしても、義理のお姉ちゃんかぁ。)

 『エルピス』の経験を頼りに、異邦の魔王の身分を作ったらお姉ちゃんが出来た。
 その時の出来事を振り返りながら一通りの家事を済ませて、一息。
 

エルピス・シズメ >  
 そうこうしていると、メールが届く。
 頼んでいたものがそろそろ届くとのことだ。

「お、そろそろ来るかな。準備しなきゃ」

 玄関の裏まで来て、人が来ることを待つ。
 

カエルム > とある建物の前まで来、周りの様子を窺う。
きょろきょろとあたりを見るような真似はしない。それだと探っていると周りに教えているようなものだからだ。
扉に背を向け背中を預ける。体重は掛けないのでフリ、だが。

コンコン。最低限の動きで扉を叩く。

ここまで警戒する必要はないかもしれない。だが、場所と状況が彼の警戒心をいつも以上に尖らせていた。

エルピス・シズメ >  
「どうぞ。」

 ナチュラルに扉を開く。
 扉の主に警戒心はあれど、嫌な予感はしない。

 メールの主で相違無いだろう。との判断。
 

カエルム > 扉が開いたのを音と気配で察する。

「どいて」

そう呟き自身も数歩後ずさって玄関へ身体を滑り込ませ、早く扉を閉めるように指示をした。

「尾けられたりはしてないよ」

どこか確信めいた発言。彼の実力と自信から来る発言。
念のため、と小さな目ついた蝙蝠のようなモノを召喚して外に放つ。…コレ、そういや使えるの忘れてた。

「コレが依頼の品。あとこっちはオマケ」

頼まれていた電子機器数点、しかもそこそこ良い品である。
オマケの方は数冊の本やここ数日分の新聞。本の好みがわからなかったので雑誌をメインにした。

…肩の荷が下りた。文字通り。
どさりと事務所にあるソファに腰掛ける。

ご案内:「数ある事務所」からカエルムさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にカエルムさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 確信めいた瞳と、『何らかのスキル』。
 仕草も含め、本気度合いが全然違う。
 
「それは良かった。
 ……警戒するようなことがあったの?」

 "以前会った時以上に気を張っている。"
 "初対面の僕相手でもこれ程じゃなかった。"

 訝しく思ったのか、それとなく話を振る。

「パソコンよし、モニターよし、周辺機器良し……
 ……予算から足出てない? おまけもありがとね。」

 検分しながら応接室に持っていき事務机に手慣れた具合でセットする。
 もともと、そこに在ったかのような収まりの良さだ。

「お疲れ、助かったよ。
 ……ペットボトルのお茶ならあるけど、飲む?」

カエルム > どこまで話すべきか。
…否。どこまで聞くべきか。

「…風紀委員サマが、"例の女の子"を探ってる」

これだけ言えばわかるだろう。あとの判断は任せた。
巻き込まれるならそれはそれ、だ。

「予算は…まぁ。依頼料の範囲」

流石に赤字を出すほどお人好しではない。…飛ばしじゃないと聞いて使い勝手などに多少こだわったのは事実だが。

「いや、いい」

自分の分はちゃんと用意してある。

エルピス・シズメ >  
(口ぶりと状況的に……過激派だ。)
(『公安のエルピス』もそれについていけなかったんだっけ。)
(向き合いたくないけど、やっぱり居るよね。)

 頭を痛める仕草を見せる。カエルムの緊迫した口ぶりと、言葉を選ぶ仕草。
 それだけでどのような手合いの委員かは分かってしまう位、痛む既視感がある。

 『王子様のように気高い矜持を持つ者』や
 『お人よしのような甘い者』ばかりではない。

 その事実を再認識する。
 そのあと、呼吸を入れて気を取り直す。

「分かった。でも僕とは関係ない話かな。そう思っておいて。
 ……あ、2階には行かないでね。プライベートなものが多いから。」

 とりあえず、詮索はしないように促す。
 そうすれば日常に戻れると言わんばかりに。

 そのままざっくりセットアップを進め、PCの起動と動作確認を終える。

「パスワードは一旦適当でいいや……PC起動確認。ブラウジング良し。
 帰り道は大丈夫? と言っても、出来ることはあんまないけれど……」

カエルム > 「いいや。関係はあるね」

断言をする。

「アレがどれだけこの街で大きな事件だったか。それがわからないほどアンタも馬鹿じゃないデショ」

そう。この落第街に関わる人間の誰一人関係なくはないのだ。
先程のように風紀や公安が関わって来ることそのものすら、この街では困ったことのリストに挙がってしまう。

「それにアンタは絶対に"人助け"とか言って余計なコトに首突っ込む」

しかも、ロクに依頼料も取らずに。
付き合いは浅いが経験則だ。こういうタイプの人間には心当たりが山ほどある。
そういう人間に振り回されるのが日常だった。だから、帰る日常なんて表通りにはない。

「……別に、寮に帰るだけなら眼をつぶっててても帰れるよ」

出身地ではないので流石に地の利まではないが、こういった街で育って来た人間である以上落第街は庭のようなものだ。
表通りに出てしまえばさらに危険度は下がる。心配されるほどのことはない。

エルピス・シズメ >  
 "こんなことはよくあることで、さざなみのようなものだ"。
 落第街に対する認識には、ある種の諦観のようなものがあった

 ただ、そう思わないものも居る。
 事実被害も出ているし、大事件と認識するものがいる。

「それなら……はやくなんとかしないとね。」

 "それならば、この事態は好くない。"
 落第街の日常も脅かされ、この問題の影の『別の悲劇』も見過ごされる。

 カエルムの言葉は、彼の甘い認識を改める忠言足り得た。

「……それも、否定しないけど。
 友達のことはやっぱり、見過ごせないし……。
 だから思い出しちゃった今でも、便利屋業は休業だよ。」

 なので再開するつもりもない。
 居心地と都合がいいので、設備は拡充している。

(本当に?……ううん、考えるのはよそう。)

「わかった。それなら見送るよ。
 次会うときは他愛のない話でもしたいね。島のどこかにすごく可愛いふわふわのコーギーがいる噂とか、
 僕に義理のお姉ちゃんが出来た話とか、そのお姉ちゃんが魔王を自称して現地民の協力でダンジョンを開設した話とか。、
 あとは"麺処たな香"って言う美味しいラーメン屋が……そうだ。これあげる。」

 麺処たな香のクーポン券の束を投げ渡す。
 そういえばことあるごとにこのお店を布教している気がする。

「異邦人街のお店なんだけどね。
 依頼のチップには安いかもしれないけれど、結構おいしいから食べてみて。」

カエルム > 「…関係ないんじゃなかった?」

言葉尻をつつきつつ。

「…ま、別にいいケド。依頼はいつでも募集中だから」

とは言ったものの。こういうタイプは抱え込むことも知ってる。
…魔物調査のついでにたまに様子を見に来るか。
何かあった時に依頼料をたっぷり貰えば労力もチャラだ。

「……ダンジョン?」

やはり元冒険者としてはそこは外せない話だった。

「いや…詳しくはまた後日聞かせて。じゃ、また来るから」

さっきの騒動の後だ、長居をするのもよくないだろう。
使い魔に周辺を見廻らせ異変が無いことを確認してから扉を開ける。

エルピス・シズメ >  
「……うん、関係ないよ。」

 言葉尻に応える。
 "こういうタイプ"にありがちな、少しだけ含んだ言い回しだ。
 
「その時はお願いするね。
 ……そうそうダンジョン。この話も今度しようか。」

 興味がありそうな反応だ。 
 今はともかく、状況が落ち着いたら話してみよう。

「うん。ありがとう。また会おうね。」

カエルム > 「はぁ」

特大のため息。予想通りの返事。

「…ん。また。」

手短に伝えて帰路についた。

ご案内:「数ある事務所」からカエルムさんが去りました。
エルピス・シズメ >  
「イーリスちゃんの調子は、多分良くなってる。」
「人に会いに行ってたから、それだけのことを出来る協力者がいる。」
「なら、何処かで準備が進められていてもおかしくない。」

 独り言つ。
 思考の整理と、状況の再確認だ。

「落第街の多くに影響を及ぼす事件になっている。」
「その余波で、落第街のある種の日常が揺らいでいる。」
「この問題の影で、『別の悲劇』も起きている。」

「少なくともカエルム君はそういった。
 僕は思うより、環境は好くない。けど、僕ではどうにもできない。」

 現状を再認する。
 "大事な友達"にばかり目が行っていて、周りをあまり見ていなかった。
 だからと言って、それを対処できるのは僕ではない。

 少し、気持ちが沈む。
 

エルピス・シズメ >  
「物語の王子様や救世主のようには、僕はなれない。
 英雄開発プロジェクトなんてものも、きっと……。」

 向き合いたくないものが脳裏に浮かぶ。
 薄々分かっていてどうしようもないから、メンテナンスを彼女に頼もうとしたのかもしれない。

「そのおかげでSOSに間に合ったんだ。それに、一人のお友達としてでも頑張りたい。
 僕の課題は後で済ませるとして、置いておこう。」

エルピス・シズメ >  
(と言っても、今できることは書き置きぐらいかな。
 イーリスちゃんの信頼できる人にも、話を通した方がいいかな。)

 イーリスが見そうな、分かりやすい場所を選んで書き置きを残しておくことにする。

 "風紀委員の過激派が巡回している。会ったら多分悪い方に転ぶ。"
 "窮屈かもしれないけど、極力一人で外に出ないで状況を待った方が良いかも。"
 "信頼できる人ならここに呼んでもいいから。僕の名前は出しても良いから。"
 "アクシデントがあったら地下室に逃げ込んで。そこだけは極端に安全だから。"
 "応接室にあるパソコンは適当に使っていいよ。IDとパスワードは僕の名前。"
 "あと、冷蔵庫にいくつかプリンがあるから、3個ぐらい食べていいよ。"

 集中し、【既視感】に頼る。
 高まった思考で幾つかの状況を想定し、必要そうな情報を書き置きに残した。
 
(……何か見落としている気がする。
 でもちょっと疲れたな、眠ろう。)

 私室までいくのが面倒くさかったので、ソファーで眠ることにした。

ご案内:「数ある事務所」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > 昨日は酷く呪いが強まり、紅き文様が肌に浮き出ていた。今は大分マシになってきている。今は文様が浮き出てはいないけど、所々肌が溶けて機械が剥き出しになっているのはそのままだ。
ソファーで就寝につくエルピスさん。

「……エルピスさんには負担を掛けてしまっていますね」

小さく呟く。
私室戻る事もなくソファーで寝ている。それだけ疲れているという事だろう……。
申し訳なく思い、眉尻を下げる。

Dr.イーリス > 「……エルピスさんのために、私が出来る事…………」

そんな事を考えつつ、書き置き見る。

「……風紀委員の巡回が厳しくなりましたか。出歩くリスクが日々増していきますね……」

最近は少々外出が多くなっていた。全てスラムに放棄された廃品を取りにいくためで、外出時はエルピスさんに言われた通りその都度書き置きしていた。

Dr.イーリス > ストリートチルドレンであるイーリスの技術者としての道は、ゴミの山から始まった。
スラムは“表”と比べて風紀が悪い。表では不法投棄として取り締まられる事も多いかもしれないが、スラムでは放置される事もざら。

近況を説明すると、スラムに放棄された廃品をその場で分解して効率的に持ち帰り、まずは運搬用のカート型メカを造ってさらに効率化し、次々とメカを造っていった。
メカの開発だけなら他のエンジニアでも出来るだろうけど、スラムという悪環境から廃品でメカを作り出すのがストリートチルドレンであるイーリスの強みでもあった。
工具は事務所にあればそれを借り、加えてイーリスが唯一持ち出せていたアタッシュケースにあるものを使った。
電力は、地下の発電機がある。

一度敵に見つかって手紙さんに助けられた事もあり、体内センサーの破損部分を修理して警戒を強められるようした。人がいない道、いない時間を選んで外出し、慎重に事進めてはいたが……。

「……この辺りでひとまず限界ですね」

慎重に、しかし少しずつ再起を図っていたが、イーリスが回収する廃品に関しては一旦今ある物で打ち止め。
せめてエルピスさんの義手をメンテナンスできる環境整備が出来たらよかったけど、それはもう少し先になりそう。
しばらくは、一人で外を出歩かない。

Dr.イーリス > 「パソコンを確保していただけたのですね、ありがとうございます」

メカを造ってはいるものの、システムの構築は全然進んでいなかった。パソコンがあればあらゆる作業がかなり効率化する。

それも、正規品のパソコンである。
不良集団にいた頃のイーリスはジャンク品を頑張って搔き集めてパソコンを造ってそれを使っていたのだが(それはそれで改造しまくってはいたけど)、なんと正規品を用意してくれた。ありがたすぎる。

しかし、パソコンを入手するのもタダではない。結構な費用が掛かる……。重ね重ね、エルピスさんには感謝を……。

Dr.イーリス > ソファーの前で両膝を地面につけて、エルピスさんの寝顔を眺めながら微笑む。

「ありがとうございます、エルピスさん。プリン、いただきますね」

しばらくエルピスさんの寝顔を眺めてから立ち上がる。
この季節は暑い。
イーリスは客室から、サーキュレーター型のお部屋を冷やすメカを持ってきて、お部屋の端っこに設置する。
快適に寝心地の良い温度と湿度になるよう設定した。

……エルピスさんのためにイーリスが出来る事は、自身の技術を使ってもらう事。

Dr.イーリス > その後、エルピスさんが用意してくれたプリンを食べる。
なんと、三つも用意してくれている。嬉しい。

「凄く、美味しいです。本当に、凄く……」

大袈裟と思われるかもしれないけど、少し涙が出た。
一人という事であまり遠慮しなくていいというのもあるだろう。
エルピスさんのお陰で食事が出来て、プリンもこうして食べられて。
その優しさに触れつつ、幸せいっぱいのこの甘さが合わされば、自然と涙が零れてしまったのだ。

プリンを食べた後、書き置きを残す。

・書き置きの内容に「了解致しました、本当に感謝です」といった旨。
・パソコン、大切に使わせていただきます。
・プリンおいしかったです。
・必要な機械があれば、今確保している部品で造れるものであるなら造ります。

ご案内:「数ある事務所」からDr.イーリスさんが去りました。