2024/07/22 のログ
ご案内:「違反組織群 ゾーク《Zorch》」に八ツ墓 千獄さんが現れました。
■八ツ墓 千獄 >
「……はぁ。ブレードイーター…?」
落第街にいくつか点在する酒場。
その隠し扉の先にある地下深く、とある違反組織の拠点の一つ。
暗い影の中には幾人かの人影があり、女の言葉に応えるよう、口を開く。
『最近このあたりで起こってる刀剣狩りの話、お前じゃないのか変態女』
「さぁ…?
最近はそれなりに大人しく恋人達を愛でて過ごしていいますけれど…」
女はとぼけた様子もなく淡々と、紫銀の髪を指で弄りながら興味なさげにそう答える。
■八ツ墓 千獄 >
『…気狂いの言葉を信用して良いものかね』
「でしたら、わざわざ呼びつけてまで聞かないでくださいまし。
──嗚呼、でも…最近新たな恋人に出会えないのはそんなお方がおられるから、なのでしょうかね…」
『……本当に違うのか?』
はぁ…と深く深く、ため息を吐く。
『お前なら、余り暴れすぎるなと忠告するつもりだったが』
「生憎ですけど、私は噂になるような行動なんてしませんし…。
それに、そんなに死体が転がるような話、ありましたか?」
『いや、被害者はみな生きている。』
深い、深い深い溜め息。
本当にわかっていない。
「ブレードイーターとやらが私だったら、全て殺しているでしょうに」
■八ツ墓 千獄 >
「くだらないですね…。
被害者が生きているなら目撃もされているのでしょうし。
私に疑いをかける都合の良い話だっただけ、でしょうか?
疑いをかけて、何をしようというのかはわかりませんけれど」
紫銀の髪の奥、血色の瞳が影達を見据える。
どこか正気とは思えぬような、薄ら寒気を感じる眼光に影達は狼狽を隠さない。
『…そうではない』
『どちらにしても派手な動きを慎めと通達する機会を…』
「───そうですか。よくわかりました」
にこりと柔和な笑みを浮かべた女は、極々自然にその白魚のような手を滑らせ、腰元の恋人へと手をつがえる…。
『──なんのつもりだ!』
狼狽していた人影が吠える。
女が瞬間、発した殺気に弾かれるように反応を見せてしまったのだ。
「いえ、別に」
ぱちん…。
鞘鳴りの音が地下に響く。
■八ツ墓 千獄 >
『■■■■■■■』
言葉と聞き取れぬ言葉を発し、影達はその形を保つことができず、崩れてゆく。
斜に、八つ裂きに、そして賽の目に。
その場には水の入ったゴム風船が床に落ちるような音が断続的に続き───。
「…ああ」
「この組織は"力在る存在"を求めているそうですよ
───でしたら、貴方達は不要ということでよろしいのでしょうね」
愛し下に、煽情的に腰元で既に収まっている刀の柄を撫でる女は、ただただ、薄い笑みをその唇に湛えている。
「…ブレードイーター、ですか」
「…邪魔かも、ですね」
くすりくすりと、女の小さな笑い声は地下の闇に沈んでいった。
ご案内:「違反組織群 ゾーク《Zorch》」から八ツ墓 千獄さんが去りました。