2024/08/18 のログ
ご案内:「数ある事務所 / 休日の朝 」にエルピス・シズメさんが現れました。
■エルピス・シズメ >
休日の朝。ぱしゃまから普段着に着替え、資料室に向かうエルピスの姿。
朝飯前に、作業の詰めをしておこうと決めた。
「書類整理も、あとちょっと。」
「抜粋したサマリーも作っておいたし、説明の時はこっちで都度確認。」
資料室。棚の一角から書類の束を抜き出して旧い資料と新しい資料の整合・確認を終えた朝。
昨日の内に抜き出した資料の中から不要になった資料を束ね、改めてサマリーの内容を復唱する。
「『常世学園は《大変容》後の世界のあり方のテストケースとして作られた学園で、ひとつの都市でもある。』」
「『そのため、入学条件は特に設けられていない。入学条件は非常に緩い。』」
「『年齢、性別、この世界の者であるか否か、異能や魔術を使うか否か、人間か否か、それらすべては問われない。』」
暗記のために、サマリーを復唱する。
正面から門戸を叩けたものへの説明だろう。
「『一種の駆け込み寺のような役割』の側面もあるから、過去の経歴なども深くは問われない。基本的には、そう。」
ただ、状況次第では保護や監視などが付く場合もある。
良くも悪くもそのようなケースもあったと記憶している。
■エルピス・シズメ >
「『他の学校に比べれば大した額ではない』けど、一種の『税金のようなものとして、学費が必要』。」
「援助がなかったら学園内・島内で働く必要はある。」
学業を行いながら働くのはそれなりに大変な生活。
どちらかに偏り過ぎて、学生としての基盤が崩れて不良になった者も記憶に居る。
「ケース『何かしらの事由によって正規の入学を果たせず学生証を得られない学生は、偽造学生証を用いる』。」
「ケース『正規の手続きを取らずに島内へと紛れ込み、住民となっているものもいる』。」
(イーリスやナナは、この辺にあたるのかな。)
過去は無償だったらしいが、今は少額ながら学費が必要とされている。
それらを払えないものや、それらがわからないもの、あるいは学園の規律の外にあるものもいる。
この辺りは対外向けのパンフレットから読み取れなかったため、経験と裏側の知識から補完した。
■エルピス・シズメ >
「申請面。『入学願書に「秘匿しているか/秘匿していないか」がまず問われる。」
「秘匿していない場合は自らの異能や魔術について記入する。』」
基本的にはそのような手続きがされていると記さている。
自分の記憶や古い資料と照らし合わせても、概ねそうだったと認識を。
「極めて暴走の危険が高い異能や、周囲に危険が及ぶ可能性は別だっけ。」
ハイ/ロウは意識できてもオン/オフがコントロールの出来ない異能も多い。
そのものたちの不慮な事故を防ぐために配慮はあったと記憶している。
「『学年/修業年限。学する年齢は問われないため、どのような生徒であれ、最初は「一年生」として数えられる。』」
「初等部・中等部・高等部などの区分はなし。一応の修業年限は4年。」「ただし、カリキュラムや自主的な残留は可能。」
小中高大みたいな区分けはない。
大学に似た単位制で、望めば年度を超えて学ぶものもいる。
そんな先輩の噂を聞いた事がある。
■エルピス・シズメ >
「お勉強の話は最低限でいいかな。問題は……」
サマリーを捲る。
表側からは入手が難しい、過去の事例を踏まえた話。
申請書の類も、正面側からだと中々もらえないタイプの書類だ。
「ケース『二級学生が被害者となった、事態が発覚すれば風紀委員会によって救出・保護されるケースもある。』」
「『その場合、殺人などに手を染めていなければ、一年かそれ以上の学費免除と共に正規学生へと昇格される。』」
そのような規定もある。
想い人であるイーリスも、この規定の内にあたる。
「無論、場合によっては例外も存在する……」
「この辺は現場判断だったかな。生活委員に回ると楽になるんだけど。」
公安委員としての故エルピスの記憶を思い返す。
この辺の駆け引きで風紀委員・生活委員と揉めた記憶は大分多い。
(思い出すと、やっぱ頭が痛いね。)
二級生徒が保護・救出された場合の処遇。
正直、現場に居た当人と書類で関わったものの裁量で決まることが多い。
■エルピス・シズメ >
「イーリスのお友達の話はともかく、ナナを学園に通わすのはまだ早いから……」
「来賓……いや、見学……なんかあった気がするんだけど……」
ううん、と唸らせる。
一時的な外出が出来る程度に誤魔化す手段を思案する。
「最悪使い捨てられる、二級生徒としての仮身分の調達かな。
足が付かない方法で出来るかな……。」
この辺りは落第街の便利屋としての領分。
後ろ暗い手段と言えばそうだが、必要があれば使う。
「ひとまずこの辺にして……イーリスの様子を見に行こう。」
(おでかけできるぐらいまで、回復してるといいんだけれど)
不安を胸に資料室を後にし、『昨夜何かあった』イーリスの様子を見に行く。
ご案内:「数ある事務所 / 休日の朝 」からエルピス・シズメさんが去りました。