2024/08/20 のログ
■汐路ケイト > 「おっ。 そういえば……メガネ仲間! ですね!」
素顔も知ってはいたが、あらためて見るとそうだ。
ちゃき、と自分の丸メガネを示してみて、メガネの奥でにっこりと笑う。
そこでふいと顔を逸らすと、じゃあ、と踵を返した。
「もしかしたらギャンブルで作った借金返済かもしれないですよ!
なーんて。そういうとちょっと勇気出ますね。
明日の朝からは土木作業のヘルプなので、ばりばり働けそうです!」
むん!と腕を曲げて、力こぶを見せるポーズだ。骨太だけど、そこまでがっちりじゃないけども。
「でも、あたしは迷わず動いてくれた橘くんのおかげで!
おカネももらえるし、帰りにラーメンも食べられちゃうので!
とっても立派な風紀委員さんなんだって思いますよ、あたし!
……そおですね、実際、このあたりで動くなら、風紀のひととコンビ組むのはありかも。
なんか、異能者がふえてる……みたいな噂もありますし、気をつけたほうが良さそうですね」
むー、とすこし考え込むようにしながらも、そこを判断するのは偉い人たち。
「でも、血が流れないに越したことはないのは、確かだよねー……」
なんていうのは、独り言のように。
「だいじょうぶ!これくらいラーメン食べれば治りますんで!
あたしはケイト・ショーディー……日本だと、汐路ケイトって書きますかね。
汐路でもショーディーでもケイトでも、呼びやすいほうでどうぞ、橘くん!
――――じゃじゃじゃじゃーあ、割り勘というやつで……チャーシュー丼つけてもいいですかねっ!ね!」
なんてちょっとごうつくばり、割り勘ならいっぱい食べられちゃう!
そんなこと話して、どうにかこうにかお陰様で、お仕事終了となりましたとさ。
ご案内:「違反部活群 廃アパートの一室」から汐路ケイトさんが去りました。
■橘壱 >
「ん、言われるとそっか。乗る時は外してるからなぁ……。」
対衝撃用の装備はあっても戦闘兵器。
とにかく揺れる。眼鏡なんか付けてたら怪我だってしかねない。
思えば初の眼鏡仲間かもしれない。ちょっと嬉しい。
「ギャンブルでも、他人に迷惑を掛けなければいいんじゃないかな。
働くのはいいけど、あんまり無理はさせないようにね。」
そういうのは体は資本という。
特に体を使う仕事なんだし、無理のさせすぎは良くない。
学生身分のまだまだ子どもの15歳だけど、落ち着いてはいるつもりだ。
力こぶを見せるポーズに思わず苦笑しつつも視線はちょっと肉付きの良さに目が行く。
うん、まぁ、そういうところある。
「僕は風紀委員として仕事をしただけさ。
コンビを組むって言うなら、何時でも言ってくれていい。」
「僕で良ければ、だけど……。」
それこそ戦闘には自信がある。
伊達に非異能者で、機械一つで戦い抜いてるわけじゃない。
そこだけは胸を張って言える。今回のことで証明は出来たはず。
「……まぁ、そうかもしれない。」
そもそもの話、争いが起きないに越したことはない。
それはわかっている。だけど、それがなければ時分の存在意義はなんだ。
この異能社会における、ただの非異能者の少年。
二律背反だとわかっている気持ちをぐっ、と押し殺した。
無意識に、トランクを握る手に力が入っていた。
「じゃあ、ケイトで。ハハ、割り勘でも何でもいいよ。
とりあえずじゃあ、行こうか。そこまで言うなら味は期待してるから。」
……いや、この仄暗い感情は忘れよう。
軽く明るく笑いながら、二人して帰路へと入っていくのであった。
ご案内:「違反部活群 廃アパートの一室」から橘壱さんが去りました。