2024/08/22 のログ
■『金狼』 >
「何してんだはこっちのセリフなんですけどぉー…。
残暑厳しいこの時期に暑苦しい転移魔法でやって来ないでよね~…」
ソファに寝そべる少女はものすごく気怠げな返答。
「別にアジトでだらけてたっていいじゃん家みたいなもんなんだし。
誰かいないかなーと思ったけどよりによってアンタか~」
ミストちゃんが良かったなー。なんてぼやく少女。
口元にくすくすとした笑みを浮かべているあたり、本意ではなく冗談なのだろうけど。
■『篝火』 >
「ハァ~?知るかよ。テメェ等が暑いだの寒いだの弱すぎなンだよ。
大体なァ、夏だとテメェ等揃いも揃ッて避けやがッて、冬になると寄り付きやがる。」
「鬱陶しいッたらありゃしねェぜ、ッたく。」
見た目は人型だが本質は炎である。
熱を感じる機能なんて有りはしないから気だるさの共感は出来ない。
そう、炎である。暑くなったのはそもそこコイツが原因。
夏場で最も遭遇したくない人物第一位!
「だらけすぎだろ。見えてンぞ。」
何がって?ご想像におまかせする。
ケッ、と悪態を付いたまま腕を組んで、じ、と少女を見下ろした。
「悪かッたな、エル公じゃなくてよ。どーせどッかで引きこもッてンだろ。
それこそテメェ、"ハデ"にやッたみてェじゃねェか。怪我でもしてンのか?」
人成らざるものの金は人より多くのものを"視る"。
何があったか、詳細までは聞いてないが大変な事になったのは知っている。
視線は自然と、彼女の脇腹へと移った。
■『金狼』 >
「ああ~、うっさいうっさい…。
喋ると余計に暑苦しいわね『篝火』」
気温の上がった地下室でぱたぱたと手うちわしながらの悪態
「む…、見た? すけべ」
裸にシャツ一枚。一体何が見えたというのか…。
言動には気をつけないと身を滅ぼすぞヤンキー
「──ミストちゃんは忙しいの、アンタと違って。
怪我って程でもないよ一発小突かれただけ。
破れた服のほうが高くついちゃうわよ」
まぁ、もしかしたら肋骨に罅ぐらいは入ってるかもしれないけど。
怪物の自然治癒能力を侮るなかれ、もう治りかけである。
「はぁ、で、アンタはどこまで聞いてるわけ。
例の白黒仮面の連中のコト」
向けられる視線を鬱陶しげに身を起こして、ちゃんとソファへと座る。
■『篝火』 >
「お前のがよッぽど暑苦しい見た目してンだろーが『金狼』が!」
「ッたく、しょうがねェな……。」
ケッ、と吐き捨てればす、と人差し指を天井に向ける。
『────────────』
それはこの世成らざる言語。
鼓膜を這う不快な雑音。
この世成らざる大いなる者の名を呼び、力を使役する魔術。
その言の葉に乗せられたように何処からともなく涼しい風が吹く。
風の中に潜む名状しがたきものの一旦の応用。
謂わば何処でも冷房状態。
「興味ねェよボケ。もう少し成長してから出直してこい。」
残念おっきい派でした!
彼女が色々大きいからね、しょうがないね。
「なーにが"忙しい"だ。自称備品の寡黙ッ子だろうが。
どーせそのへんでぼーっとしてンだろ。ほッぺつねッてもたまに反応しねーんだぞ。
つーかずッと引きこらせてンのもウゼーし今度どッか引ッ張ッてくか……。」
あること無いこと無茶苦茶言うが、組織内では特に地位はない。
ある意味自由な男ではある。此れでも頭には気をかけてるつもり。
そう言えば本当に普段何してるか検討もつかない。
今度小突いておこう。場所はまぁ、探せば見つかるだろう。
「知らン、興味ねェ。テメェが喧嘩した事しか知らン。
オレ様が出るような事なら調べるけど、どーせ一過性のモンだろ?」
「……まァ、お前にしちゃァヘマしてンなッて思ッただけだ。
もう治りかけてるみてーだけど……まァ、よかッたな。傷跡とか残らないならよ。」
そういうとこも心配できるタイプのヤンキー。
■『金狼』 >
「うわサイアク。興味ないからって見てイイわけじゃないんですけどぉ?
まー、涼しくしてくれたから許してやるかぁ…」
口も悪いし暑苦しいしムカつくことも言うけど根っこがクズじゃないのは周知の事実。
何をいちいち口を尖らせているのやら、と思わなくもないが、いちいち自分も応じているのでおあいこみたいなもの。
「…ま、それも一旦落ち着いてからじゃん?
ここらがきな臭いうちはいちおーアタシは待機しとく。アンタと違ってマジメだからぁ」
「どーせ一過性のモン、ねー…。
"いつもの"で終わるならいいけど。
どーも胡散臭いっていうか、無秩序に見えるだけな気がするっていうか…」
難しいことを考えるのは苦手。
ギフトを与えん、理不尽への反逆、揃いも揃って白黒の仮面。
何かしら大きな流れの中に流されてんじゃないか感が凄い。
"組織"としてどう判断するのかは、その大きな流れの向かう先次第なんだろうけれど。
「…まぁ知らないならいっか。
──何それ、心配してくれてんの?雨に捨て犬が濡れてるとほっとけないタイプ?」
ウケる。
そんな表情を隠そうともしない。
■『篝火』 >
「テメェがだらしねェから目に入ッただけだろうが!
悪かッたな!見られたくねーならちッたァシャキッとしろシャキッと!」
勿論故意ではない。偶然目に入った。
まぁでもデリカシーラインが低めなのもある。
けど、したことはしたことなので謝りつつもいいたことは反論する。
このクソガキめ、と悪態は吐きつつもいけないことには謝る辺り性根が見える。
「オレ様は裏切りの黒じゃサイキョーだからな。
やたらめッたら動くほどの"格"はしてねーンだよ。」
相変わらず事実はどうあれ言動もデカい。
カカッ、と軽く笑い飛ばす。
「つーかさり気なく不真面目ッつーな。
オレ様はオレ様の考えがあッているだけだッつーの。
まァ、姫君様が動くッてンならオレ様も動いてやらン事もないが。」
組織の考え、思想、そういったものに完全に共感した訳では無い。
勿論、そこにいる以上は組織の考えに従い、行動もする。
だが、男が入ると決めた理由は、それ等を束ねる少女の行く末を見守るためだ。
最低限の仕事はこなしてはいるが、活動的な人員と比べると不真面目に見えるかもしれない。
ドカッとそのへんの木箱に座ればフン、と鼻を鳴らした。
無詠唱の耐熱魔法。木箱が焼ける心配もない。
「そうだが?テメェの仲間がヤられてンだぞ。
心配するのが当たり前だろーが。」
おくびに出そうともせず肯定した。
口も悪いし態度も悪い。だが、一定の筋目は通す。
身内の心配なんて、仲間でも友人でも当たり前のことだ。
じ、と金色の双眸が真っ直ぐと少女を見据えていた。
「今回は良かッたけど、ヘンに無茶はすンなよ。
傷の治りが早いからッて死なないワケじゃねーし
オレ様も今はその気になりゃ殺されるんだ。」
「オレ様はともかく、テメェエル公の事気に入ッてンだろ?
だッたら、少しは体を大事にしな。アイツにとッても大事されてンぜ。
オレ様から言わせりゃ、アイツの事を心配するなら、アイツから勝手にいなくなンなッて話だ。」
「アイツ多分、仲間の名前いちいち覚えてるタイプだぞ。」
未だ姫君の心底を、性根の全てを覗いたわけじゃない。
ただ、印象だけで言えば空虚な雰囲気を感じた。
人形のような雰囲気、自らを備品と自称する少女。
ただ、組織の事は大事にしている気もする。
言っている事は憶測だし、半分適当言っている気もする。
ただ、裏切りの黒(コレ)が彼女のものなら、必要以上に失わせるべきではない。
へ、と笑う男の笑顔は何処となく清々しい。
■『金狼』 >
「まー一般道徳的なハナシで?
アタシは別に見られてもイイけどね。ヘルもんじゃなし。
……ああ、はいはい…サイキョーね…」
何を楽しそうに笑ってるんだか、と余り気味の袖をひらひらとさせながら。
「アンタてホントーに組織って枠にムカないヤツよねー。
言ったからにはミストちゃんの言う事はちゃんと聞きなさいよ?」
細っこい膝の上に両手で頬杖をつきつつ、
木箱に柄悪く座る緑髪に赤い瞳をじーっと向ける。
「よけーな心配。
心臓に銀の杭でもブッ刺されなきゃ死のうとしても死なないって。
今どきそんなコトしてくるようなヤツもいないんだし」
なーに無用の心配してんの、と。
まぁそういう性分なんだろーといえば、それまで。
けど、なんかミストちゃんのことをわかったよーな口ぶりなのが、なんかムカつく…。
「アタシにとってはこの組織のヤツはみんな家族みたいなモンなんでー。
ミストちゃんだけじゃなくって、アンタみたいな新入りだってそーなのよ。
もうちょっと可愛らしい後輩ですって感じの態度できないもんかしら」
清々しい笑顔してんのが余計に腹立つ…。
むぷー、と頬を膨らませている様子をみればとても先輩には見えないのである。
■『篝火』 >
「…………違反組織が道徳語ンの???
まァいいか。そーだよ、オレ様が一番つえーンだ。」
道徳心ってなんだっけ。まぁいいか。
でもそれはそれとして実際力には自信があるらしい。
適当にあしらわれても揺るがない自信がアホっぽい。
「ウルセーな、言う事は聞いてンだろ。
ちゃンといる以上は従うッての。」
ジロリ、少女を見据える金色が鋭くなる。
「アホ。その気になッた奴等は怖ェーンだよ。
銀の杭でもなンでも、"その気"になりゃ殺ッてくる。
……"死なない"奴はこの世にはいねェ。神も人も、滅ぶときゃ滅ぶンだ。」
あたかもそれは見てきたかのような言葉だった。
重圧な言動は霞んだ記憶の一片、紛れようもない体験談だ。
頑丈さに胡座を掻くのはただの慢心だ。
特に世の裏側、秩序もへったくれもあったものじゃない。
守るべきが何も無い所において、慢心は最大の弱点だ。
だからこそ、釘を差しておく。そんなものの、絶対はない。
ゴトリ、と音を立てて木箱から立ち上がる。
「だから言ッてンだよ。家族だッて言うなら、尚更。
思ッた方は同じこと考えてるかもしれねーぜ?なァ、先輩。」
不意に、パン!と背もたれに掌をついた。
圧倒的な体格差。大柄の体格に少女の姿が隠れてしまう。
所謂壁ドンみたいな形で、ズィ、と顔を近づける。
緑髪の隙間。爬虫類めいた鋭い眼光が彼女の赤を覗き込んだ・
「──────そういう態度にさせてみろよ、なら。」
ニィ、挑発的に男が口角を釣り上げる。
■『金狼』 >
悪徳語るよーなクズでもないクセに。
仲間を心配するようなヤツは十分に道徳的なヤツだ。
「はいはい、気をつける気をつける。
『いのちだいじに』なんてそれこそ違反組織が語ることじゃなくない?」
ため息混じり、目深く被っていた帽子をぽい、と脱ぎ去り、立ち上がる。
姿勢を変えなければ、見下ろす形。
「アタシはこの身も命もマスターに捧げてある。
組織の為なら命くらいいくらでも捨てれるしそれが組織の、ミストちゃん達や仲間の皆の為になるなら迷わない」
一歩も引かない少女は見下ろす紅の眼に人外の灯を燈しながら、笑う。
「あんまナメたクチきいてっとシメちまうぞ、コゾー♡」
■『篝火』 >
「生憎と、クズでも何でも命ばっかは等価値らしいからな。
裏切りの黒の方針がそうなら話変わるが、そうでもねェだろ。」
「捧げてンなら"捨てる"なンて気軽に言うなよ。
姫君様も金狼も、掛けてるモンがあるならその為に生きろ。
人に命ァ預けるッつーンなら、そういうモンだ。」
「捨てるッて出てくる時点で、テメェを軽んじてるよーなモンだぜ。」
どんな形であれ、何かを成せるのは生きてる奴だ。
死んだ後に動くような輩もこの世には至りはするが
生きている時点の物語は既に終わっているのだ。
いる場所、立場の問題ではない。悪徳も正義も、結局動くのは個人だ。
男は大局も見るが、瞳に映る個人と常に対等に、そして常に気に掛ける。
悪道を進むも外道ではない。男の性根が良く現れてはいる。
人外の灯火が宿る赤も、それこそカカッと笑い飛ばした。
「ケツが青いガキンチョにオレ様はヤれねェよ。
押しのけれンのか?テメェみてーなガキンチョに。」
たかが狼、されど犬っころ。
侮っている訳じゃないが、年季を語るのは百年早いと、金色が語っている。
■『金狼』 >
「命が当価値、ね……」
紅眼が薄められる。
どこか嘲るように、少女にしては珍しい表情を浮かべて。
「アタシが自分の命が軽いと思って、捨てるなんて言葉を選んでると思ってるなら」
「やっぱりナメてる。
ポケットから出てくる埃みたいに軽い命なんて賭ける意味すらないじゃん?」
小さく肩を竦め、ソファへ倒れ込むようにして、腰を落とす。
僅かばかりに舞い上がった埃が、室温の変化に揺らぐ空気に流されてゆく。
「死なないってコト前提に話てるの忘れてるだろ?
ワルいけど重いよ。そんなアオったらしいコト言うようなアンタじゃ焦がせもしないくらいにさ」
再び見上げる形になった紅眼。
「何を達観したつもりになってるのかは知らないけど、
アタシのコトすらアンタは全然わかってないじゃん?
命を軽んじてるのはお前だよ、『篝火』」
■『篝火』 >
「ほォ。」
随分と言ってくれる。
だが、その通りではある。
確かに彼女のことを全て知ってるわけじゃない。
なんなら多分、此処にいる連中の事を知らない事が多い。
「そーだな。知ッたようなクチ利いて悪かッた。
ついついクソガキにそう見えちまッたな。そこまで跳ね返れンなら上等なのかもなァ。」
外面に惑わされたのは自分らしい。
記憶が戻ったせいで、自分が"何か"を理解してから鈍ったか。
おもんばかったつもりだったが、尾を踏むつもりはなかった。
彼女から離れるとガシガシと自らの後頭部を掻いて、再び木箱に座る。
別に裏切ろの黒を軽んじた訳では無いが、尊大が過ぎた。
「すまん、オレ様が悪かッた。」
膝に手をつき、深々と頭を下げた。
大袈裟なかも知れないが、筋目が通らない事には頭を下げるのが筋だ。
恥も外聞もあるはずもない。自分が悪い。
彼女から何も言わなければ、頭を上げる事もない。
変な話、悪道にいながら律儀な男なのだ。
■『金狼』 >
「ま、深入りはしないタチだし、アンタがなんでそんな俯瞰的な視点で物事見てんのかはしらないけど。
……別にいーよ。謝んなくて。先輩が後輩いじめてるみたいに見えるじゃん」
「組織に一人くらいそういう考えのヤツがいてもいーとは思うし」
やめろやめろ、なんて素振りで余り袖をひらひらと振って見せる。
「エラそーに人の命の価値とか定めなくていいよ。
別に誰かに言われんでも、そいつの命の価値はそいつが決めるしかないっしょ」
ソファに転がっていた帽子を広い、ぽふっと被り直す。
目深く被って視線を閉ざしたのは、小っ恥ずかしいことを口にしている自覚から。
「ま、それとは別にして…」
「摂理も道理も、悪魔だろーが神だろーが。
組織の為なら粉々に噛み砕いてやる」
帽子の下に覗く口元は好戦的に笑う
「ヤりたきゃ、いつでもどーぞ♡」
■『篝火』 >
ゆっくりと頭を上げる。
なんとも言えない表情だ。
自らの不甲斐なさと言うか、そう言われるとそうだ。
「や、オレ様が履き違えただけだから気にすンな。
ガキだからッて侮れるモンじゃねェッてだけだよ。」
「オレ様がバカだっただけだ。
……まァ強いて言えば……や、なンでもねェ。」
彼女には関係のないことだ。
手前の事情は関係ない。
自分が彼女を見誤っただけに過ぎない。
記憶の中の自分と、当時の自分の混濁など、言い訳になるものか。
ただ…。
「……、……そこは譲れねェな。
テメェとの価値観の違い程度だし、値踏みッてワケでもねェ。
ただ、自分で決める以上に他人が決めるモンのに価値があるとは思ッてる。」
「そうでなきゃ、アイツが……、……?……???」
存外、生命の等価値とやらは自分だけで決めれないらしい。
本当に孤独で生きているならまだしも、組織の中。
何かしらの人の群れで生きているなら、自分だけのものにはならない。
……そう、これは幻影だ。
少女の隣に見えた、"赤い幻影"。
細めた金は少女を見ていなかった。
語る言葉は悠久に取り残されたものだ。
多分、彼女に言ったものじゃない反芻的、或いは模範的言葉。
だから、途中で気づいたんだろう。
目を見開いて、は、として首を傾げる。
一体何を言っていたのかと、間抜け面だ。
「……ア?何を?ジャンケンか???
オレ様と喧嘩してーなら買うけど違ッたか???」
はいアホ。
話の前後まですっ飛んだぞコイツ。
■『金狼』 >
「…ソレも含めて、最終的な命の価値は自分で決めるんだよ。
周りのヤツが重く思ってたらそれも上乗せ、当たり前じゃん。そんなこともわからないのかぁ~」
だからアオい、なんて言うんだよ。とけらけら笑って───。
「──…?」
「…お前、記憶───」
不意に、様子のおかしさを見せる『篝火』に、僅か、身を乗り出して顔を覗き込む。
…僅か、心配の色がその紅眼には覗くが……。
「………」
その後の言葉に、憮然とした表情へと変わる。しょうがないね。
「…やっぱ、頭下げるだけじゃ許すのやめた。
ピザ、XLサイズで明太子ハーフとテリヤキチキン。それで手打ちにしてやるよ」
にやにや、ソファの上で胡座を組み直した少女が悪戯に笑みを浮かべて。
■『篝火』 >
パチパチと目を瞬きした頃には目の前には少女の顔。
驚きこそしないがジィー、と彼女の顔を見据えた。
なんてこと無い男の顔。人相は悪い。
炎が人をもした偽物の顔。この表情も何もかも。
何かの模倣に過ぎないのだ。
「ア?記憶?ねーぞ。や、ちょッとこの前思い出した。
オレ様がとりあえずニンゲンじゃないってことがわかった。
……後は、この世界にはいねェなンか位しか思い出せてねーけどな。」
別に無理に隠すことはないので察されればしれっと話す。
絶賛記憶は曖昧だし全然思い出せてもない記憶喪失。
本人にとってはそこまでその思い出した部分は重要ではないらしい。
ある意味そういうのにこだわらないサッパリした性格故だろう。
種族も人も、性別も何もこだわりはしない。
重要なのは、個人の人物。それは自分も変わらない。
「つーか、間近で見ると結構可愛いな。
まだまだ全然ガキッぽいけど。」
そしてこう、しれっと言う。
そういう男である。
「いいけど太るぞ?」
そして、此れである。
稼ぐけど生活以外で使わないから貯まる。
食費がそもそもいらないから貯まる。しょうがないね。
■『金狼』 >
「──なんだ。アイツがどうこうとか言いだすからてっきり」
戻ったのかと思った。
「まぁ、ニンゲンにしとくには凶悪なツラしてるしね」
しれっとした態度がなんか腹立つ。
なので軽口を返しつつ───…。
「お前は近くで見るとヒト殺して喰っちゃってそうな顔してる。あとデリカシーもなさそうな顔。
くだらないこと言ってないでさっさと買ってきてよね。お腹すいた」
ソファの上でぎっこんばっこん、身体を揺すって催促。
──なんとなく照れ隠しのようにも見える。
■『篝火』 >
顔をしかめて口元はへの字。
「そう簡単に戻ッたら苦労はしねェよ。
なーンか時々"ヘンなモン"見えるし、オレ様だッて困ッてンだよ。」
それこそいい迷惑だ。
思い出せるに越したことはないと思うが、時折思うことがある。
果たして此れは、全てを思い出すべきものなのか。
……それこそ表には出さない。
それを言ってしまったら、本当に何もかもが無意味に成ってしまう。
「ウルセーな、好きでこンな面してるワケじゃねェよ。
偽造先の生徒証がそーゆー顔してたンだよ。文句はソッチに言えよ。」
ギーッ、とギリギリ歯を噛み締めて威嚇するように反論。
やはり他人からよく言われるが余程凶悪らしい。
どうこう言われたって気にしはしないが、彼女に言われるとムカつく。
だから普通に反論した。売り言葉になんとやらだ。
「ハァ~~~???
そーゆーテメェだッて大人ぶッてるけどガキじゃねーか!!
だッたらお前だッてガキッぽい割にはまぁまぁしッかりしてるし
可愛げもあるしいい女じゃねーか!ふざけンな!……ン???」
吠えといて何だが此れ悪口じゃないな。
頭に「?」浮かぶ位の間抜けヅラ。
けどまぁそれならそれでいいか。適当に踵を返せば首を回した。
「ッたく、落第街までデリバリーやッてりゃ楽だッてのになァ。」
「……よォ、ハインケル。」
振り返りはしない。背中を向けたまま、一旦足を止めた。
「悪ィな、色々言われて助かッたわ。
オレ様もお前を頼りにしてるから、テメェもオレ様を頼れよな。」
「仲間、なんだろ?ンじゃ、買ッてくるわ。」
それだけ言って、炎が爆ぜた。
……数分後、買ってきた注文が絶妙に違ったのでまた一悶着あったのは言うまでもない。
■『金狼』 >
「ふーん…まぁ、どうでもいいや。
お前が一応仲間で後輩には違いないし」
記憶の不都合や色々思うこともあるんだろうが。
それについて何かをしてやれるわけでもない。
そういうところは実にリアリスト。
「いーや、それを選んだアンタが悪い。
つまり美的感覚が悪いって話かなー?」
けらけら、誂うようにそう言ったところで…。
「………」
見た目で判断するとかコッドモ~。
って煽ろうとしたのになんか急に褒めはじめる。
やっぱりヘンなやつ。
「まぁわかってるから一々言わなくていいけど…」
帽子をより目深く被る。視線完全シャットアウト。
「アタシは強いからへーき。
お前は、後輩なんだから先輩を頼れ。
そしてさっさとピザ買ってくること」
視線は向けないまま言葉を向けて。
炎の爆ぜる音と気配がすれば、帽子の鍔をあげて、視線を熱の残滓へ向け…、深く一息を吐いた。
それから買ってきたピザが注文と違うだろだのどうのこうの。
食べてみたらこれも案外美味しいななんて結局何でもいいんじゃねえかだのどうのこうの。
そんな喧騒が似合わないようでよく似合う、廃ビル地下の一幕───。
ご案内:「違反部活群 最深部-忘れられた廃ビルの地下」から『金狼』さんが去りました。
ご案内:「違反部活群 最深部-忘れられた廃ビルの地下」から『篝火』さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に紅き鋼鉄ノ大蝮さんが現れました。
■紅き鋼鉄ノ大蝮 >
な に や ら 面 白 い こ と に な っ て ま す ね ~~~ !
■紅き鋼鉄ノ大蝮 > 最近ヤケに落第街がにぎやかだ。
妙な異能者が増えた。
理由は知らん。
怪異にとってはどうでも良い。
だが、
この喧騒は"利用できる"ッ!
祭りに花を添えてやろうッ!
まるでビルのような超巨体の蛇が突然現れて―――
違反部活の街並みのビルを品定めする
■紅き鋼鉄ノ大蝮 >
"どれにしようカナ~?"
―――消滅光線
―――照準ッッッ!!
■紅き鋼鉄ノ大蝮 > 超威力の熱線が、
異能者の新たなたまり場を一つ、
"消した"
消えた一画から湧き出るは
紅染の屍骸共
施設の中身は勿論
巻き添えを喰らった通行人まで
真紅紅
■――― > その日、封鎖区域の某所一地点で紅き感染爆発が巻き起こった。
封鎖区域に寄らなければ、大きな害はないだろう。
だが、封鎖区域の中には―――
妙な異能、妙な魔術を用いる、妙な屍骸。
そして何より。
■――― >
感染爆発の主犯の痕跡は。
何処にも、なかった。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から紅き鋼鉄ノ大蝮さんが去りました。