2024/09/18 のログ
ご案内:「ある違反部活の拠点跡」にエボルバーさんが現れました。
エボルバー > 捨てられてから間もない違反部活の拠点。
”商品”を保管する倉庫でもあったようで
違反部活群でも深部の方に位置する。

月光が雲に遮られ、地上に届かない。
そして空からは何かが降ってくる。
それは黒。
闇に溶け、僅かな光も吸い込む黒。
拠点は降り積もる黒い雪に覆われていた。

それは外部だけでなく内部にも入り込む。

床に残る爪痕、転がった使用済み注射器、体液が染みつく布。
そして、
衰弱しきり息も吐かず横たわる複数の女。
拠点内部には惨たらしい地獄があったことを
空間そのものに刻み込む。

そんな場所の壁や天井の隙間から侵入した
漆黒のアメーバとも呼べるような砂群が
息が絶えた女を覆っていった。
それはまるで、動物の死骸に群がる蟻の如く...

エボルバー > 新たなる可能性。


>構造をスキャン中...


新たなるアプローチ。


>キャトムマップ生成中...


更なる変化を生むために。


>キャトムマップ生成完了



...やがて横たわる女たちに群がっていた黒い砂達が
蜘蛛の子を散らすように離れていく。
そして黒い砂群は冷たい拠点のコンクリートに
川のような流れを作りながら続々と合流し、
一つの大きな流れ、塊へと変わってゆく。

硝子を転がすような特徴的な金属音とともに
まるで粘土細工のように単純な形から
構造体のようなものが出来上がっていこうとしていた。

エボルバー > 拠点の壁にかかる時計の針の音だけが響く。


時計が見つめる先、
一糸纏わぬ一人の女がいつの間にか横たわっていた。

それは、明らかに。
最初からそこには居なかった。

朽ちた壁の隙間から入る夜風が
不意に彼女の黒い髪を揺らす。


>聴視覚システムオンライン


ぱちりと。
女が目を開ける。
それは何処か虚ろさを感じさせる翡翠色の瞳。


>磁圧アクチュエータ構成完了


女はその華奢な手をゆっくりと動かす。
地面で体を支えながらゆっくりと立ち上がる。
白い肌が雲から漏れる月光で彩られる。
地面に移る影と共に
女はゆっくり立ち上がった。

エボルバー > 女は自分の手のひらを見下ろし
握ったり、開いたり。
また握って、開く。
自分の身体である筈にも関わらず
興味深そうにそれを見つめる。

やがて視線は壁の方へ。
風が漏れる。空いた穴からは夜の闇が顔を覗かせる。

女は吸い寄せられるように歩みだす。
ひたりひたりと肌がコンクリートと触れ合う音。

そして儚げなシルエットは
月光が再び遮られた夜の世界へ...

ご案内:「ある違反部活の拠点跡」からエボルバーさんが去りました。