2024/09/23 のログ
神代理央 >  
無線が鳴る。
どうやら後輩達の仕事は無事に完了した様だ。
違反部活の残党の襲撃も無く、異形の砲身が火を噴く事は無かった。

「……だからと言って、乗り物代わりに使って良い、とは言っていないんだが…」

どうやら後輩達にとって、針鼠の様に砲身を生やした異形はアトラクションに見えているらしい。
よじ登ったり砲身にぶら下がったり…実際に異形が戦った姿を見た事が無ければ、あんな反応なのかも知れないか。

「とはいえ…」

「後で説教だな」

この後、風紀委員会屈指の過激派。鉄火の支配者に呼び出され懇々と説教された下級生が居たとか居なかった…とか。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に比良坂 冥さんが現れました。
比良坂 冥 >  
「………」

違反部活の拠点、その屋上を地上から見上げている少女がいた。
ぼんやりとした、光を宿さない昏い瞳。
まるで屋上に誰がいて、それを見上げている様に、ただただ何をするでもなく…見上げ続けている。

『ちょっと、この近くは危ないわよ』

制服を着た少女を、紛れ込んだ一般生徒だと思ったのか、一人の風紀委員が声をかける。
どこか初々しさを感じる──まだ経験の浅い新人…そんな雰囲気だ。

「………」

『ねえ、聞いてるの?』

昏い瞳の少女はかけられた言葉など気に留めずに、屋上を見上げていた。

『──もう、知らないからね。変な子…』

風紀委員の女子生徒は駆けてゆく。
───ゆっくりと、視線をその遠ざかる背中へと降ろした。

比良坂 冥 >  
今日の"彼"の仕事は…後輩達の監督…?
──ああ、じゃあきっと、今の彼女も……。

………。

…こんなつまらない用事で、"彼"を私から遠ざけた。

す…と瞳が薄く閉じられる。
見たくもない世界を狭めるかの様に。

ドッ……。

遠くで、音が聞こえた。
違反部活の拠点に向かって走っていた女子生徒が転んだ音だ。

それを見て、昏い瞳の少女は溜息を吐き、踵を返す。
……今日の帰りも遅くなるのかな。
ぽつりと、小さく重苦しげに言葉をつぶやく少女の喉元から、ぱさりと黒いモノが落ちる。
焼け焦げたナニか。それを掌で受け止め…きゅ…と握る。

「………」

再び開かれた少女の掌から黒い塵が秋に乗って、散る。
それ以降は視線も向けず、ただ歩いて、その場から去っていった。

『アンタ何なんでもないとこで転んでんのー?』
『いったぁ~…何かに躓いたのかなぁ……』

そんな声が、背中越しに聞こえる。

「……邪魔(ウザ)──」

ぽつりと呟いた小さな小さな言葉は、秋風の音に消え……

比良坂 冥 >  
──数日後、本作業に参加した女子風紀委員の一人が自ら爪で喉を掻き破り死亡した。
  

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から比良坂 冥さんが去りました。