2024/09/27 のログ
■エルピス・シズメ >
「痛くもないし、苦しくもない。
罪を贖い続ける必要もないし、奴隷にもならなくていい。
困難なそのあとに悩まなくていい。だから……救い。」
故に、エルピスは殺す事よりも生かす事を選ぶ。
当然、そうできないことも、ないと言えば嘘になる。
(……一線を超えない為の誤魔化しかもしれない、けど。)
「そうだね。選択の連続なのかも。
……後悔しない様に、しなきゃね。」
自己嫌悪を超えて、取返しの付かない後悔だけは避けよう。
内心でそう決意する。
「うん。もしかしたら外している可能性もあるけど、だいたいこう。
そうだね……無力化できたら、それがベストかな。出来そうならお願い。
信徒が多かったりした時は、様子を見た方が良いのかな……。」
思案を変えて、無力化にも頷く。
集団の頭であることを踏まえて、多勢で在る時は無理しない様にも伝えた。
「探偵……ううん?
この辺で、数ある事務所は経営しているけど……」
記憶を探るが、紐づくものを思い出せなかったらしい。
不思議そうに首を傾げた。
■シア > 「……ん」
そう考えれば、生かしたことはただの慈悲、ともいえないかもしれない。
けれど、その善悪、などということを論じることも、考えることもない。
それは、そういうものなのだ、と少女は受け止める。
「多くあるはず、上手くいかないことも。
やるだけ、できることを。後悔の果てでも」
やるだけやって、ダメだったらそれまで。
選んでみて、ダメだったらそれまで。
思い通りにならないことなど、無数に味わってきた。
無限のそれまで、の中で精一杯やるしかない。そう、少女は考える。
「ああ……一杯いるね、こういうの。
面倒そう、確かに」
実際、たまたま追い回されたこともある。
相手にはしなかったけれど、相手取るなら面倒くさそうではある。
「……痕跡、動機……そういうの。
探偵の仕事と記憶してた、警察じゃなければ。
違った……」
どうやら、どこかで学んだらしい単語を口にしたようである。
「……えっと……うん。探すね、これ」
ともあれ、ギフター、なるものの似顔絵を指してみせた
■エルピス・シズメ >
「そうだね。……うん、今日はシアにとても元気付けられた。
上手くいかなくても、出来ることを……やれるところまで、頑張らなきゃ。」
エルピスにとっては、激励と映ったらしい。
上手くいかなくても頑張る。思い通りにならないことが当然。
そう激励してくれるものは少なく、
そう言っていられる状況はもっと少なかった。
でも、今は違う。
思い通りにならなくても危機にはならないし、
試行し続けられるだけの余裕はある。
平静と余裕を取り戻すには、十分な言葉だった。
「探偵さんや警察さん、あるいはヒーローのお仕事だけど、これは僕の我儘だからね。
……残念ながら、お仕事じゃない、かな。」
苦笑い。
誰かの為ではなく、自分の為のささやかな復讐。
だから探偵や警察とは違うかな、と、思っての言葉。
「たしか、連絡先も交換していたよね。
一応、あとでちゃんとした似顔絵と画像データも送るよ。シア。」
襤褸紙に血で描いた資料では少し心許ない。
なので、後でデータを送ると伝えた。
■シア > 「……そう?」
白か黒か。生か死か。
少女の世界は明瞭であり、だからこそ選べるものが少なかった。
言えることが、ほとんどない。
世間ズレしていることは流石にわかってきている。
その自分の考えで、相手を元気づけられたのであれば、それは実に珍しいことだ。
少しはピントが合ってきたのだろうか、と少し考えるが……油断は禁物であろう。
「ああ……なるほど」
仕事ではない。そう、エルピスはいう。
ただ、己の想いのために。
それなら、選べるのだろう。
「ん。交換した、連絡先。わかった、よろしく。
最近覚えたし、使い方も」
知り合った女子から色々学んだ。今ではそれなりに使える。
「……うまくいくと、いい」
■エルピス・シズメ >
「うん。……少なくとも、僕にとっては。」
受け取り方や想いにズレがあれど、
エルピスは、シアの言葉に希望を見出した。
エルピスが勝手に見出した側面もあるが、希望は希望。
こうして少しずつ、ピントが合っていくのかもしれない。
「あんまり我儘を出すことは、少なかったんだけどね。
……少し位は出しても、いいかなって。」
これまでは、伺うばかりで択ぶ事をしなかった。
心境の変化で我を出す様になったのは最近のこと。
「ありがとう。シア。
上手くいくつもりでやるけど……上手くいかなくても、頑張るよ。」
少なくとも、択べる内は大丈夫。
色々やってみて、考える事にする。
「僕はそろそろ行くけど、シアなら帰り道は……は大丈夫だよね。」
■シア > 「そう。よかったんだね、じゃあ」
頷く。
言葉によるやり取りは、やりづらい。
ただ少なくとも、今回はよかった……のだろう。
「いいんだと思う、エルピスには。
我儘も」
是非、ということは少女にはわからない。
けれど、心の平穏を保てるのなら、我儘もいいのだろう、と思う。
人それぞれ、だろうし。
「ん。手伝う、上手くいかないなら」
それこそ、今の話だ。
必要であれば、我儘を言えばいい。
それくらいは、してもいいのだろうと思うし。
「うん。平気、帰れる。
気をつけて、エルピスも」
■エルピス・シズメ >
「ありがとう。……じゃあ、またね。シア。」
嬉しそうな声色で、挨拶を交わしてこの場を立ち去った。
……ヒトガタは、当然放置。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からエルピス・シズメさんが去りました。
■シア > 「ん、じゃあ……また」
去っていくエルピスを見送った。
そして
「……ああ」
辺りを見回す。
うめき声を上げる影がいくつもあった。
「……ん」
放置されたヒトガタをどこかにまとめて、少女もその場を去った。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からシアさんが去りました。