2024/06/10 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に紅き殺刃鴉さんが現れました。
■紅き殺刃鴉 > 要対策怪異
見るからに毒々しい
深紅の体を持つソレは
単体では凡そ脅威とは言い難いが
時と数を味方にその脅威を増すモノ
紅き屍骸
常世学園内では
そのような名で知られている
■紅き殺刃鴉 > 存在しないとされる街の真夜中の上空を飛ぶ
鉄の塊のような翼
それは
鴉というにはあまりにもおぞましく
不吉極まる赤染の色をしていた
■紅き殺刃鴉 > なにゆえ
夜空を舞い上がり
地上を睨むのか
偏に殺傷行為のために過ぎぬ
ソレ自体が凶器とも取れよう
千の刃を束ねた紅き翼を羽ばたかせ
虚ろに
しかし
ギラつかせた
鴉の眼差しが
光る
■紅き殺刃鴉 > 翼からはじき出される
殺傷行為のみを目的とした赤塗りの刃
地上を這い蹲り歩き回る
生命全てを冒涜するかのような棘の罠
なにゆえ
殺傷を行うか?
仮に怪異が言葉を持てば
応えて云おう
紅き仲間を作り
増やすためである、と
■紅き殺刃鴉 > ふわり、と飛び上がり。
紅き鉄の翼は、真夜中の黒色に飲まれて消えていった
後に残ったのは純粋なる悪意によって仕掛けられた罠、のみ。
ご案内:「落第街 路地裏」から紅き殺刃鴉さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に狭間在処さんが現れました。
■狭間在処 > 紅い鉄翼が夜空の闇に飲まれるように飛び去ったその翌日。
件の路地裏の一角を、偶然一人の青年が黙々と歩いていた。
右肩には三本足の黒い鴉を乗せ、何時ものように塒の一つへと戻る為の最短路を往く。
――その筈だったのだが。
「………?」
ふと、一度足を止めた。誰かが居た訳でも気配を感じたとも違う。
純粋にただの違和感。何時もと変わらぬ、落第街にはありふれた路地裏に変わりない。
だが、何か――そう、似たようなモノを感じるのだ。
…否、それは正確な表現とは言えまい。むしろ――…
(――気のせいか?いや…これは…。)
分かる者には多分分かる感覚。残滓にも似た僅かなそれは、己とは違う本物のソレだ。
■狭間在処 > (――俺みたいな失敗作の偽物とは違う本物、か)
こんな唐突に、ピンからキリまで千差万別あれど本物の怪異の残滓を感じ取る事になるとは。
だが、それだけで済む…なんてことは無く。
「………!」
何か危険を感じたのか、青年は反射的に低い姿勢でバックステップ。
右肩の鴉が驚いて翼をばたつかせるが、今は悪いが構ってられない。
…そこには誰も居ない――いや、居た。地面を這い回る血塗られたように赤い、刃の棘の群れが。
「………。」
じりじりと距離を取りながら、さてコレは一体何だろうか?と、考える。
感じた違和感の正体はコイツ等で間違い無い。実際、本物の名残を今ははっきり感じ取れるからだ。
(…本体の分身、あるいは武器みたいなものか?自立活動するようだが。)
■狭間在処 > じりじりと距離を詰めてくる赤い棘の群れ。それなりの数が居るようだ。
背後や壁、上にも油断無く気を配りながら下手に攻撃は仕掛けずにじりじり距離を保つように後ずさり。
(本体は見当たらないのに、待ち伏せのようにコイツ等が居たとなると――『罠』の類か。)
対象は?特定の誰か…ではなく、おそらく無差別。自分は偶々運悪く通り掛かっただけか?
ついでに言えば、青年は怪異の失敗作ではあるが怪異に精通している訳ではない。
(…どうせ改造されるなら、そこいらの知識もインストールして欲しかったものだが。)
倒すだけなら造作もない、と言いたい処だが…わざわざ仕掛けられていた所を見ると。
かすり傷でも攻撃を食らってはいけない。そんな気がする。
ご案内:「落第街 路地裏」に紅き殺刃鴉さんが現れました。
■紅き殺刃鴉 > 殺す
それが唯一最大の目的であれば
言葉は
仁義は
加減は
不要
卑劣?卑怯?卑陋?
――なんとでも罵るが良い
罠に気取られた生命を刈り取り
殺めよう
後ずさる貴殿のその背後
"待っていました――死ね――ッッ!!"
言葉の代わりに繰り出そう
不意打ちの一手
殺刃の斬撃
紅き翼の放つ
千の刃――ッッ!!
■狭間在処 > 「―—…っ!?」
しくじった。決して警戒を怠ってはいなかった。
背後から迫る奇襲そのものには対応出来ようが。
この距離で千の刃は単純に数が多過ぎる…!!
両側は壁、跳躍は間に合わない、伏せても無駄な広範囲。
咄嗟に、相棒の三本足の鴉を左手で乱暴に引っ掴み。
(―—具現は間に合わないが…!!…【饕餮】!!!)
空いた右手を後ろに回し、青年の異能の一つが発動。禍々しい異形とも言えるシルエットの斧槍。
空間を食い破るが如く現れたそれを掴み、不利な体勢から斧槍を旋回させて千の刃を迎撃する!
「……ッ…!!」
だが、片手に相棒を抱えて背後からの奇襲への対処だ。全てを綺麗に弾いていなす武芸は彼には無い。
結果、大半は何とかいなしたものの、背中や肩、腰などに何本かの赤い刃が深く突き刺さる事になる。
それでも、身を捻りながら旋回させた勢いをそのままに奇襲の主へ一撃、カウンターをかまそうとするが。
■紅き殺刃鴉 > そうとも
これは不意打ち
仮に不意打ちでさえなければ
背後からでさえなければ
数が少なかったならば
こうはなるまい
なるまい、が――
背後から切り裂き、刃を打ち込む
紅い、紅い邪念――意志の弱い者を侵す毒々しい悪意がこの鴉に――否
この鴉を紅く染めたモノに宿されている
だが
奇襲を仕掛けた殺人鴉も無事では済まぬ
貴殿から撃ち返された一撃を食らい奇声を上げて路地裏を滑った
剥がれ落ちる紅
垂れ落ちる紅
"殺し損ねた"
"だが命拾いした"
互いの状況は
五分
ただし "不意打ちがあったうえで" 五分
紅き怪異は確信する
"やはり貴殿は殺害するに値する"
…否
"僅かでも殺傷するに値する"、と――ッッ!!
■狭間在処 > 本当、これだから本物の怪異は…油断ならない。
自らの未熟は百も承知の上でそう思う。
(通った…少なくとも物理攻撃は通じるか。)
カウンターをした勢いで身を翻し、ついでに相棒の鴉を遠くに放り投げる。
三本足の鴉――ヤタは、そのまま我先にと主を置いて飛び去って行く。ああ、それでいい。
改めて、両手で斧槍を構え直しながら視線は奇襲の主へ。
だが、背後にはじりじりと棘の群れも迫っている事を失念してはいない。
背中側のあちこちに刺さった赤い刃。猛毒の類は無さそうだが…食らってしまったのは事実。
(…毒は無いとしても、麻痺などの効果がある場合は不味いな。)
ダメージそのものは、これでも改造されて怪異にされた身なのでそれなりに頑丈。戦闘行為に問題は無いが。
(…そして鴉か。うちの相棒と同じ類の姿とは奇縁か?)
アレが本当に奴の姿そのものかは別として。群体型や変身型の怪異の可能性もある。
油断なく、背後にも気を配りながら斧槍を構えた姿勢はそのままに、殺刃鴉を碧眼で見据えて。
「………。」
ふぅ、と息を零して斧槍を握り直す。相手の言葉も意志も青年には分からない。だけど。
(――悪いが黙って殺される趣味はない。せいぜい抵抗はさせて貰うさ。)
言葉は喋れない青年は、薄く笑む事で己の意思を示し。