2024/06/13 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >
暗がりにも質がある。光量の多寡に因らず、だ。落第街の路地裏なんていうのはそのわかりやすい一例だ。夜で、人気が少なくそして――陰気な場所。
最後に回収されたのはいつか――むしろ廃棄の業務を全うされたのがいつかわからない、金属製のフタつき業務用ゴミ収集コンテナに座って煙草を吸ってる男は、まあゴミ溜めに似合いのヤサグレ感のまま、考え事をしている。
先生 手紙 >
『SS』と『トクタイセー』二名。風紀が動いているから関わらなくてもいいかもだが、そこはそれ。こっちにもこっちの事情がある。とりわけ『SS』の方だ。先生手紙は一般に、自分を善人と判断していない。二分できるほど人間社会は達していないから、が自論である。つまりはここの、人生にチェックが入った連中が『チェックメイト』されても気持ちが良くないのだ。
「……ふーっ。まァ、あの子は大丈夫でしょ」
信頼と言うか所感である。万が一以上の確率で染まっちまったら、もうなんか別のヒトに頼んじゃおう。
さておき。
「赤い屍骸。大蜘蛛、カラス、クラゲときてお花か。真っ赤なのは彼岸だけにして欲しいンだが――」
思考を回す。釣り針と餌を兼ねた自分ではあるが。お話が通じないのは知ってる。条件が成立していなかったかもしれない。
――行っているのは、ヒトならざる怪異に対してのプロファイリングだ。指針、思考、嗜好、目的、本能。凶行に奔る理由は何故か、いやそもそも、当該怪異に凶行としての自覚はない――?
先生 手紙 >
討伐すると色が褪せ、残った屍骸は怪異のモノだ。とすると蜘蛛を怪異化したわけではなく……蜘蛛の怪異を赤く染めた別の怪異、ということになる。カラスもそうだろう。クラゲはフツー、空を泳がない。
……ジジ、と吸った分だけ僅かに弾けた音を出す煙草。吐き出す紫煙。
相対して感じた強烈なまでの殺害意識――恨みではない、なにかこう、なんだ。……そう、必死さを感じた。それこそ死の間際まで先生手紙を傷つけようとしていた。矛盾している。いや、
「ソレが目的――ええと、」
言語化しろ。埒外の道理を。
先生 手紙 >
「――――生殖行動」
活動域を広げるために、たとえば菌糸の類だ。虫に寄生し、宿主が歩み、息絶えたところが新たな版図となる――そういう、殺傷することが増殖の条件の、概念的な怪異。これまで確認された赤い怪異はいわば被害者であり、感染させたナニカがどこかに居る――
「……熱っ」
気づけば煙草の火が指に触れるほど短くなっていた。てい。捨てます。踏みます。
「…………現状、風紀委員の実働体レベルの人間なら対処可能な脅威。だがソレ以上を染めたら……」
よろしくない。これはたいへんによろしくない。クソ。SSランクは性能ではなく処理の面倒くささに因ってるなコレ。二本目を銜える。
「……全部、全部当たってたと仮定して。『次』は何が来るかは予測できる範囲でニンゲン、それ以外はお手上げ。動物限定だったら良かったが花は植物だもンな……無生物に感染しないことが救いか」
してたらバイオゥ・ハザァァァド待ったなしである。
「ふーっ。……出所は、何処だ……?」
感染者は言っちゃアレだが容易に見つかる。なにせ赤いし行動にニンゲン性が見られない。だが大本の保菌者は何製で、どこに潜んでいるのか――
「……『穴』だったら打つ手無ェンですけども」
先生 手紙 >
――それと。この存在が病原じみた怪異であるならば、いま巷でアレソレを襲っている『端末』の得た情報は共有されるのか。これは実際に再遭遇しないと確かめられない。
新たな赤い怪異は、大蜘蛛の赤を仕留めた先生手紙を、個体認知しているのか。否であって欲しいがこれは願望程度で断定しない。自分の能力は割れたところでどうとでもなるが……戦闘経験を積み、成長する怪異だとするとひっじょーーーーに厄い。
「はふぅー……参ったなこりゃ。風紀連中も今は怪人の方で手一杯だろうし」
なんか会う機会が多いがソレは偶然だ。風紀委員という組織の絶対数は、学園全体からみれば少ない。
他に戦力に数えられるのは――いや、ある意味で元からアテにしてるのはここの連中だったりする。はみ出し者だろうが無頼漢だろうが、何かしらの『能』があれば、対処、処分は可能だろう。問題はそうじゃない連中も一定数――これは表もウラも変わんない――いて、もうちょいヤバだとこの怪異を悪用しようとするワルめの組織がいっちょ噛みしてくるパターンだ。自分がマジのマジで手ェ出すなら後者になる。うーんうーん。
先生 手紙 >
ちなみにこんな場所で思索しているのは現場ニアイコールだからです。
初動の遅いお役所仕事、とか揶揄られるより自分がルアーになって、浮いてる間に思考を回した方がお得。空気すっげえ悪いけどね!アッ空気を汚す一端を担ってるけどね!煙草うめえー!スッパァーーー!
ご案内:「落第街 路地裏」から先生 手紙さんが去りました。