2024/06/29 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 落第街の路地裏。
 人気もない裏通りのひとつ。

「この辺にある気がしたんだけどなあ……
 僕の既視感もあんまり当てにならないや。単純に道を間違えただけかもしれないけど……。」

 "既視感頼りに進んだがなにも見つけられなかった"
 そんな具合で、露骨にがっかりしている。
 
「なんとなく、落第街の路地にいい感じの魔法関連の商品・悩み解決を扱っているアトリエがある……と思ったんだけど。
 気のせいだったみたい。異能頼みじゃなくて、ちゃんと下調べした方がよかったかな……。」

エルピス・シズメ >     
「……もしも、委員会から距離を取ったり、訳アリになって、」

 昨日や一昨日見た彼や彼女のように、
 僕が訳アリの落第街住みだったらこのような場所で便利屋ごっこでもしていたのだろうか。

 そんな既視感を思い出しながら、その辺のガラクタに座って休む。

「そうしたら……やりがいはあるかもしれないけど、たぶんとても大変だよね。
 向いているかもしれないけど、自分で全部のお金を稼ぐのはちょっぴり厳しいかな……。」
 
 生活費、学費、義手義足費、趣味代。
 援助もなしに稼ぎきることはすごく大変だったように感じる。

エルピス・シズメ >    
「もうちょっと他の路地を探してみようかな。
 でも、流石に危険だよね……んー……。」

 廃材の上に座ったまま、周囲を見渡す。
 事前にカエルムから聞いた中で、格別に危険な場所は避けたつもりだが、
 それがいつまでもそうとは限らないし、それにそもそも正しく歩いているかどうかも定かではない。
 
「とりあえず、もう少し休憩。」

 歓楽街で買ったエナドリの蓋を開けて飲む。
 果物と薬を混ぜた味の、ありふれた市販品だ。
 

エルピス・シズメ >      
「うん……?」

 流れが変わった。
 具体的にはスラムの方から埃風が流れてくるし、妙に周囲が騒がしい。
 局所的に嵐でも起きて、今も尚続いている。そんな流れだ。

「……困ったな。どうしよう。」
 
 流れを追うべきか、過ぎるのを待つべきか。
 戻るにしてもリスクはある。通報するには都合が悪い。

「イーリスちゃんとか、大丈夫だと良いんだけど……。」
 
 

エルピス・シズメ >      
「んー……」
 
 危険な怪異の噂を聞いたような。
 曰く、とても危険なゾンビのような怪異が居るとか、その辺りは封鎖されているとか。それでも尚被害が出ているとか。

 今のところ既視感は働かないが、大分物騒な噂だったので印象に残っている。

(話が出るぐらい、風紀委員さんたちが働いている、ってことでもあるよね。正直、すごく心配になるけど……)

 現場を確かめたい偽善的な欲求と安全を確保する理性。
 葛藤しながら動けずにいる。幽かな情報から、対岸の嵐を思うばかりだ。
 

エルピス・シズメ >      
「……止んだ?」

 なんとなく、スラムの方角の嵐は収まりつつあるように思う。
 内心で安堵し、脱力。廃材に凭れ掛かる。

「スラムの方角は事後処理で騒がしくなりそうだし、今日は近寄らないようにしよ。今は動かない方がベターかな……。」
 
 妙な居心地の良さを路地裏から覚えつつ、周囲や足元を見渡す。
 そういえばここ、廃材が結構ある。

「イーリスちゃんと……名前は分かんないけど店番のあの子が修理してくれたり、
 買い取ってくれそうなものとかあるかも。」

 直観的にそう思えば、足元の廃材の山を機械の腕で漁りはじめた。
 整理が得意なのか別の理由か、それなりに手慣れている。
 
(テストまでに魔法方面の不調、なんとかしなきゃなあ……
 友達の顔も、まだぼんやりしてるし……。)
 

ご案内:「落第街 路地裏」にファレーマンさんが現れました。
ファレーマン >   
かつ、かつ、かつ
路地裏に足音が響き、現れるのは白髪と、サンタのような立派な髭を蓄えた老人

「おや…… 強炭酸のようにコーラのように黒く、痺れるような気配が消えたので見回りに切り替えたのじゃが」
「ふむ、どうやらリサイクルの途中のようじゃが、邪魔だったのかのぅ?」

あなたの廃材を回収する姿を眺め、少し目を細めると

「あぁ、わしはファレーマン、異種道徳、倫理学の教師をしておるよ……何、見とがめるつもりは無いとも」

教師、かつ公安に所属している老人は、落第街(この場所)に置いて自分がどう見られるかを把握していた
そしてあなたが二級学生や不法入島者である可能性を考え、まずは自分に敵意や害意が無い事を伝えようとしているのだろう

「一人での作業は暇じゃろうしな、よければひと時の会話を楽しみたいのじゃが、如何か?」

老人は柔和に微笑みながらあなたに近づくだろう、軽く手を広げ、武器も何も持っていない事を示しながら

エルピス・シズメ >    
「この懐中時計は使え そっ サンタさん?」

 声が掛かると驚いて振り向く。
 そして目に入った印象がそのまま零れる。

「じゃなくて、ええと……ありがとうございます。
 ファレーマン先生。僕はエルピスって言います。僕でよければ、喜んで。」
 
 その人物が教師と名乗れば居住まいを正して立ち、頭を下げる。
 一般的な生徒らしい仕草だ。物漁りも一旦止めた。

「物漁りは"ついで"で……お友達を探しにきたんです。……?
 そうしたら、ちょっと嫌な気配がしたのでここに留まってました。」
 
 会話の前に、首を傾げながら自身の状況を説明した。
 
「ファレーマン先生は、大丈夫でした?」

ファレーマン >   
「はは、あんな子供に夢を与える方と間違われるとは光栄じゃの」
「生憎プレゼントは……おぉ、これがあったのぅ」

袋、もとい鞄からすっ、と10円で買えていたようなスティック系の駄菓子を取り出し、しーっ、と口元に指をあてる

「特別じゃよ?」

といってあなたに差し出すだろう、ちなみにサラミ味である

「エルピスくんか、いや、気にせんで大丈夫じゃよ、今は授業外で、この島に置いて教師と生徒は、本島程上下があるわけでもないからのぅ」
「じゃが、その相手を敬う姿勢は倫理教師として〇あげちゃうぞい」

顎髭を撫でながらふぉっ、ふぉっ、とそれこそCMで見るサンタのように笑って見せる

「あぁ成程、あの気配じゃな、既に離れたようじゃが……」
「君子危うきに近寄らず、良い判断じゃ、何かは分からんが見えた時には遅い場合もあるしの」
「しかし友達か、生憎この道を通る間には誰とも出会わんかったのぅ、この辺りにはいないのかもしれぬな」

留まっていた、というあなたの判断に嬉しそうに微笑みを称えて返しながら、自身もそれらしき相手を見ていないことを伝えるだろう

エルピス・シズメ >    
「あ、なつかしい……じゃなくて、ありがとうございます。」

 どこにでもある10円であるような駄菓子。
 パッケージに多少の差異はあれど、"一目でそれだと"わかる菓子に懐かしさを覚え、受け取った。
 
 受け取ってしばらくしてから我に返り、礼を述べる。

「歓楽街で出会った対等な関係だとしても、あるいはだからこそ、
 "『知識や経験』を教えてくれる先達"には敬意を払わなきゃ、と思って……あっ、ありがとうございます。」

 一方のエルピスは緊張が残っているらしく、〇をくれると言えば堅さの残る笑みを返した。
 言葉にも嘘偽りはなさそうはなく、矜持のようなもの見え隠れする。

「それよりも、知人が巻き込まれてないといいんだけど、ですけれど……
 誰とも出会わなったなら安心かな。少なくとも、荒事に巻き込まれている知人は居ないから……」

 報告を聞いて安堵の素振り。
 親しみや安心感を覚えているのか、口調も少しずつ崩れてきた。

「ファレーマン先生って、こういうお菓子が好物だったり……するんですか?」

 受け取ったサラミ菓子のお菓子を掲げてみせる。
 持ってたことを不思議に思っているのかもしれない。

ファレーマン >   
「成程……それならこれ以上は野暮というものじゃな」
「その気持ち忘るる事なかれ、相手への敬意を失った時、人は何処までも残酷になれるのじゃから」
「どんな関係でも変わらない、まずは敬意を持って相手を知り、そしてそれに応じた関係を構築、時に変容させる」
「それによって"より良く"共存できる状態が生まれる、それは道徳と倫理が正常に機能している状態の目安となるじゃろう」
「この場所とも――いつかはそうなりたいものなのじゃがな」
「おっと、ついうっかり長ったらしく語ってしまったの、申し訳ない」

あなたの矜持を老人も感じたのか、サラミ味を私ながら頷き、語り掛けるように言葉を連ね……
語りすぎたことに気づいたのか、こほん、と咳ばらいを一つ

「うむ、それに恐らくすでに近くの風紀が動いているじゃろう、状況が状況、正規の生徒以外にも悪いようにはせんじゃろうて」

「あぁ、食べる事はわしの大事なライフワークじゃ、特に駄菓子は好みの一つじゃ」
「駄菓子は一つ一つのアイディアに、『手に取った人を喜ばせたい』という気持ちが籠っておるからのう」
「後は食べ歩きや店巡りもやっておる、たまぁに食事動画の配信もしとるんじゃよ?」

からからと楽し気に笑いながら軽くスマホをかざす
そこには『ファレーマンの食探訪チャンネル』という動画投稿サイトのチャンネル名が表示されていた

エルピス・シズメ >  
「ええと、子曰わく、敬せざれば、何をもって別たんや。と……三人行けば、必ず我が師あり。
 その善なる者を択びてこれに従い、その善ならざる者を改む。
 ……でしたっけ。後者はともかく、前者の『敬意を失った人間は獣と区別が付かない。』……残酷な人間を獣と呼ぶのは、今だとちょっと過激な気もするけど、そういうことなのかな……」

 『先生が連ねた言葉』といつか、どれかの授業で習った気がする一節を思い出し、結びつけて理解しようとする。
 どこで習ったかはやや曖昧だが、目の滑る書物を頑張って読み解いた記憶が強い。

「ううん。僕も色んな『経験』に助けられているので、こう言うお話は大事にしてます。
 ……悪いようにしないなら安心です。僕はどうしても、正規じゃない生徒だからどう、ってのは思い辛くて……」

 "不良さんぐらいはどこにでもいるし"。
 無意識にそう付け加えつつ、悪いようにはならないとの予測を聞けば嬉しそうに頷いた。

「駄菓子一つにもそんな想いが……でもちょっと納得かも。教えてくれてありがとうございます、先生。
 本当にファレーマン先生は『食べる』ことが大好きなんですね。あっ、チャンネルまで……」

 かざされたスマホを覗く。
 本当に好きなんだなぁと再認識しつつも、再生数はどうなんだろうと動画の詳細に注目した。

     

ファレーマン >   
「おぉ、孔子じゃな、良く"習っておる"わしの居た世界ではああいった概念は根付いておらんかったが…」

さらりと自身が異世界人である事を晒しつつ

「残酷さ、それもまた道徳の一側面じゃ、道徳が守られている状態とは、つまり良心が機能している状態の事」
「そして良心とは、常に『良い事』だけのために働くものでは無いのだから」

あなたの出す言葉に嬉しそうにふぉっ、ふぉっ、と髭を撫でながら笑って

「うむ、経験が人を作るとはよく言ったものじゃ、君は大成するぞ、わしが保証しよう」
「不良か……そうじゃの"何処にでもいる"」
「じゃが、其処に"どうしているのか?"のQと"どうすればいなくなるのか?"のAを考えるのが……わしらの仕事よ」
「あ、勿論物理的にいなくならせるわけじゃないぞ?わし暴力は対話目的以外は嫌いじゃし」

嬉しそうにうなずくあなたを見ながら、老人も目を細める

「うむ、まぁそこまで人気では無いのじゃがな、不定期更新じゃし」

登録人数は100人台、再生数も100~500程度を推移している、内容はチャンネル名通り飲食店巡りや
偶に大食い企画もやっているようだ、これだけ再生数が数倍になっている辺り人気企画なのだろう