2024/07/10 のログ
■イーリス・ロッソルーナ > 「衆目を浴び過ぎた事で、神秘性を失った……。私は、感染者達に希望を抱かせられるかどうかという事ばかり考えてしまっていました。なるほど、“王”は手の内を大衆に晒しすぎてしまったのですね。うっ……。授業と思った瞬間に、なんだか嫌な気持ちになりましたよ……」
魔術研究には積極的なイーリスだけど、授業という言葉を聞いたらなんだか嫌になってくる酷い天邪鬼。
だが、イーリスは情報戦に負けてはいるけど、手紙さんの言うように配信という情報戦を仕掛けたという事は“王”は絶望だけではなく、それ以外も曝け出しているという事。
イーリスは機械の体、それだけではなくちゃんと人間としての生物としての部分があり、ちゃんと人としての血も流れていた。その体は人肌で温かい。
手紙さんに背中をぽんぽんと叩いてくだされば、安心感を覚えて、恐怖が抜け落ちるかのように安堵して。
「……では、少なくとも私にとってあなたは救いになりました。私にとっての救世主ではあります」
スラム、落第街の人々にとって何が救いになるかは手紙さんの言う通り分からない。実際、イーリスもあの配信で救世主をあえて名乗ったのは、スラムで感染して絶望を抱く人々に希望を抱かせるきっかけとなれば、以上の理由はない。その人々にとって何が救いになるか断じるのは難しいだろう。
それでも、主観であるなら手紙さんがイーリスを救ってくれているとは言える。
クマがご執心、という言葉を聞いて一瞬びくっと震えるも、その後に続く手紙さんの言葉がとても心強く感じて、ぎゅっと抱きしめる力を強める。
手紙さんがいてくれるなら、全部へし折れなくて済む……。
「『ブラックウルフ』……。私に恩がある方……」
抱き締めながらも、小首を傾げた。
本名を聞けば誰だか分かるのだろうけど……。
「実際に会えばどなたかは分かるのでしょうけど、それだけだとまだ分かりませんね……。手紙さんはその方とコンタクトを取る方法があるでしょうか……?」
こてんと小首を傾げる。
「私の方も、匿ってくださっている協力者がいますね。団結が大切だと思いますので、近い内に、対紅き屍骸共同戦線として集まる機会があればと思うのですが……」
協力者の存在が凄く心強い。
出来れば、連携していきたい。
そうして、手紙さんがイーリスに触れる事で発動する『七つ目ダイス』。
なんと、イーリスを蝕む紅き文様がだんだん巻き戻っていくように短くなっていく。
「手紙さん……これって…………」
目を見開く。その右目も、だんだん赤から変色していた。
文様もまた一つの点へと収束させていく。
これまでの苦痛が嘘であるかのように、体が楽になっていく。
■『単独捜査本部』 >
「あと希望をブチ砕くようだけど、アレも『王』っつってるだけで感染者だよね。……元の熊の怪異を殺害せしめたヤツは別に居るンだろうけど……ははは。いつものイーリスちゃんらしくなってきたじゃあないか。ぜんぶ終わったら……そうだな。夏休みに入るし、家庭教師してやってもいいぜ?」
なんて、良く回る口を回しながら。
あの怪異は、そこまで考えているのだろうか。衝動の殆どが殺害欲だ。その特性は変わらず、まあ随分とお喋りな――手紙風に言うのであれば神秘性に欠けるモノが『王』という。最初に染めたのが何か。殺傷以外で――たとえば、熊の怪異の死体を苗床に、最初の怪異が根を張った、など色々推察はできる。その域は出ませんが。
「……王子様に救世主か。まったく、どいつもこいつも」
息を吐く。まあ、これは協力者である『彼』に頼まれた――イーリスの、彼女の精神的支柱になってくれ、という要請もある。それに是と答えたのなら、その役割を嘆きこそすれ、投げ出したりはしないのだ。
「まァ、表裏あるのお互い様だしね。今回の騒動で先生手紙が公安だって知ってるのは君だけだし、悪党のツラも知らないよ。お互いコンタクトは取れる。君の意思を確かめたがってた。あとで伝えておくよ。それから君が一命を取り留めた、その協力者?って子も踏まえて、きちんと話し合おうじゃあないの」
『単独捜査本部』というパーソナルネームが聞いて呆れるチームプレイだ、と。男は俯き加減に笑った。
「さぁ、具合はどうかなお姫様。言っとくけど一時しのぎっていうかアレをブッ叩かないと解決しないからね。ついでに言うと、おれは君に能力を一つ分かけっぱなしになるから戦力的には一割ダウンってとこ。でもま、安心しなよ。おれが術式をかけ続ける限り、アレがどう発狂したって『爆発』なんてことにはならないからさ」
安心させるように。安心が、続くように頭を撫でる。ついでにリスクの話もした。一割、というのはこの異能が破格ではなく、先生手紙にとって数ある手札の一枚を使った、ということだ。他にやりようはいくらでも、と。
「前も言ったろ。如何様さ。こンなのは如何様にでもできるのさ、おれはね」
■イーリス・ロッソルーナ > 「え……? そうなのですか……? あの“王”こそがアンデッドの王にして、紅き災いに纏わる全ての元凶のように思っていました。あの“王”すらも……感染者の一人に過ぎないのですか……!?」
王である事は間違いないのだろう。
同時に、あの“王”こそが、全ての黒幕とイーリスは思い込んでいた。
「うぅ…………。ほ、本来なら……家庭教師なんて嫌ですけど……絶対お断りしてますけど……手紙さんなら特別にお願いしてもいいです。いえ、ごめんなさい……教えていただく立場なのに上から目線すぎました。教えてください……お願いします」
勉強が嫌と思う感情と、こういうきっかけでも少しずつ心を入れ替えていこうという感情が混ざったようなお願いの仕方だった。手紙さんが教えてくれるなら、まだ嫌じゃないかもしれない。
「王子様、そうですね。ふふ。紅き呪いという毒リンゴを食べてしまい眠ってしまっていた私の前に現れた王子様と言えるかもしれませんね」
手紙さんの腕の中で泣いて、励ましていただいて、そして一時的とは言え呪いもだんだんと弱まっている今、いつもの調子にだんだん戻っていた。
王子様という言葉に、冗談を交えつつそう返す。
しかし、あの『白雪姫』という物語の王子様は、白雪姫にとっての救世主と王子様、そのどちらとも言える立ち位置にはいるだろうか。
「協力者の方と裏のお顔同士の接触という事になっているのですね。そうなれば、私が接触してもどなたかは分からない可能性がありますか……。はい、よろしくお伝えください。私の方も、協力者に皆さんと話し合いたいという旨を伝えておきますね」
もちろん、手紙さんのお名前は伏せるという形で。
「大分、苦しみが和らぎました。時限爆弾も、爆発までのカウントが止まっているようです。ありがとうございます、手紙さん!」
ぎゅっと手紙さんを抱きしめる力を強めて、喜びを表す。
“王”が何かアクションを起こせばまた苦しみを味わる事になるだろうけど、それでももう比べ物にならないぐらい楽になった。
「しかし、その分手紙さんに苦労を掛け続ける事になりますね……。私のために、申し訳ございません……」
手紙さんのお陰で、呪いが強まった状態のロッソルーナ状態と、呪いが弱まり手紙さんのイカマサが強く効力を働く通常の状態を行き来するようになった。
今は手紙さんが呪いを弱める力の方が強いので、通常の状態に戻る。
頭を撫でてくだされば、イーリスは目を細めて笑みを浮かべた。
「こんな事までイカサマが出来てしまいのですね。本当に、手紙さんには感謝です」
ご案内:「落第街 路地裏」からイーリス・ロッソルーナさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」にDr.イーリスさんが現れました。
■Dr.イーリス > 手紙さんの『七つ目ダイス』の効力で、一時的にロッソルーナ状態が解除。
今のイーリスは、体の紅き文様が消えて、右目も通常通り青に戻っている。
■『単独捜査本部』 >
「いやあ、あの口ぶりだとねェ。それに《三大》の一がアンデッドだった、って記録も無いし。……ま、君は当事者だった。目の前の脅威のデカさに、可能性を見落としたって落ち度じゃないよ。……やっぱり、ごめんね」
あの瞬間、あの場所には居られなかった。その映像を見ていた。その冷徹。次回に繋げる情報の方を、公安としての自分は優先してしまったのだ。
「龍宮センセがキレてたし。『書とはは我々の内なる凍った海を割る為の斧なのだ』とも言うからね。ま、理数はさっぱりだけどね。魔術概論とか異能研究とかそっちの、この島らしいのを、楽しんでみるといいよ」
励ますように言いながら、言葉の中に詠唱が混じっている。もう一段階、呪いは力を削がれたことだろう。
「…………うン、いい顔になった。独りでも立てる、ニンゲンの顔だ」
抱擁を解く。煙草を銜えて、指を弾いて火を点す。初級の発火魔術の応用である。
「……ふーっ。いろんな連中が君に肩入れするのは、それぞれの思惑があってこそだろうけどね。今回は全員の利害……じゃなくて方向性が一致したって感じ」
友情もあろう。秩序もあろう。ほんとうに、それぞれの思惑があり――
「――だから、あのクマ公は君が這いつくばらせろ。それ以外はおれたちに任せてくれていい。どう?Dr.イーリス。君にその意思はあるのかな」
あらためて、決意を問う。
■Dr.イーリス > 「確かに、《三大》の一がアンデッドだという記録はないですね……。《三大》おの熊がアンデッドではないという事が承知の上で、しかし何らかの方法でアンデッドとして蘇った王熊が、紅きアンデッドの王と成ったのだと思っていました。手紙さん、とても良い事を聞きましたよ。“王”の威厳が損なうような可能性を提示してくださりありがとうございます。あの“王”すら、本質としてはゾンビの一体なのですね」
“王”であるが、ゾンビの一体。強力な事は変わりないけど、元凶でもなんでもなくゾンビの一体。
確かに、“王”の神秘性が剥がれる可能性だ。
「鋼先生が……。あ、あの方、とても怖い元“伝説の不良”な教師なので……怒らせないようにしたいのに……。そんな……。魔術概論は異能研究は、日々独学していますね。独学です、そう独学すればいいのです」
鋼先生がキレてるという言葉には、顔が青ざめてガタガタ震えていた。先日も不良集団のアジトに鋼先生を招いた時も、不良トップのエメラルド田村と張り合って、テーブルを踏み潰したりして、恐ろしかった……。さすが、かつて落第街で一大勢力を築き上げただけはある。
独学と強調するのは、テストで良い点数を取るための学びではなくて、科学と複合させてどう実用的に活用させるかという学び方をしてる故。授業や自習ではなく、独学。
「手紙さんのお陰ですね」
イーリスからも抱擁を解き。
救世主な王子様の救いで、また前を向いていられる。
「みんなが私の味方でいてくださるのは、とてもありがたい話です。ええ、とても感謝したいです」
双眸を閉じて、両手を胸の前でぎゅっと握りしめ、手紙さん、救出して匿ってくれたエルピスさん、まだ見ぬもうひとりの協力者に、感謝を……。
手紙さんに力強く頷く。
「任せてください! ……必ず滅します、“王”を……!!」
手を貸してくれる味方がいる。
みんなが、紅き災厄に立ち向かってくれている。
だからイーリスもまた“王”と戦える! 次は必ず、“王”を討滅する!
“王”が全ての元凶ではないゾンビの一体に過ぎないのなら、ただのゾンビの個体の一つ。
やれるはずだ……。今度は、“王”を倒す手段を以て挑む。
■『単独捜査本部』 >
「……まァ、おれの素性柄、祭祀にも顔が利く。こっちはこっちで色々調べるからさ。別段隔離されてない落第街から出てこないってのも、結界かなンか施されてるンだろうし」
逆を言えば、封じ込めに成功している怪異だ。殺害性能。伝染性。凶悪さを取り出せばキリがないが――それでもただの怪異だと、先生手紙は言い切った。
「ははは。おれもあのセンセとは相性くっそ悪いからコンタクト取れないンだけどね。ほらおれ、こんな感じでチャラかろ?」
ふー、と紫煙を吐いて肩を竦めてみせる。……その仕草の中に、彼女――イーリスの精神面でのケアができたかを、検分する視線があった。自己嫌悪は湧かない。おれは、そういうニンゲンである。
「ま、アドバイスしとくンなら次は落第街を背負おうなんてしない方がいい。ここの連中は存外、ともすれば表側の連中よりも生きることにハングリーだ。ただのイーリスとして、ただの怪異の討滅を目標とすればいい。……たらればは詮無いことだけどさ。配信に関していうのなら、煽りには適していた。でも、その分の科学力?君の得意分野であるメカニカルサイキズムかな。そっちに全振りしてれば十分、通じる相手だと思うよ」
そう言って。
「ちなみに連中のヘイトはおれに向いてるのは確かだ。何度も殺して差し上げたからね。純度が低くなって嬉しい限りだが、おれを見過ごせはしない。出てきたらすごく、すごく殺したがる」。非効率であっても。連中は合理を求めない。ニンゲンではないからね。あと相方のブラックウルフ君が『針鼠』を倒したっていう情報も入ってる」
――戦闘被害のことを度外視し、公安に丸投げするスタイルはどうかと思うが。それこそ公安の自分としては……正しい意味でのコラテラルダメージとして割り切っている。終わった後に、報告書を纏めればいいだけだ。幸い試験も終わったことだし、この件が片付けば余裕もできる。
「おれはさァ」
本来、この落第街の少女を救う、手を差し伸べる必要などなかった。無い場所の住人だ。だが随分と肩入れをしている。二級学生で不良生徒。ついでに赤点常習で勉強嫌い。だが。
「芯の通った子が好きなンだよね。だから助けて、次も助ける。更生とかは考えてないよ。君、まだまだ若いだろうし」
等と言いながら煙草を捨てた。
覚悟を聞いた。これで『相方』にもいい連絡ができるだろう。
「ンじゃ、君のいま居るヤサにでも送っていくかァ。此処で駄弁り続けたらまァた不良生徒たちに絡まれそうだ」
思えば随分と長話をしてしまった。手を差し出す。
「……王子様だからね。エスコートするよ。行先知らンのだけど」
最後はたっぷりの冗談を込めて、笑うのだった。
■Dr.イーリス > 「顔がお広いのは心強いですね。よろしくお願いします、手紙さん。紅き屍骸が落第街の外に出ないのは、そうですね……何かしらの結界でしょうね。SS級怪異と言えども、根幹は結界で閉じ込めておける怪異……」
こくん、と頷く。
どうしようもない程の脅威ならば、そもそも結界なんて突き破れる。
「煙草を吸っているところは、お似合いとも思いますよ。鋼先生は、私達不良も見捨てず助けようとしてくださるとても良き教師です。私は、鋼先生にとても感謝してます」
そう口にして目を細める。
鋼先生ガチギレに対して顔を青ざめてしまっていたのは、単に仲の良い教師をちょっと怖がっている程度のものなので、根本的に嫌っている“王”に対してのものとは全く違う。
鋼先生に対してはむしろ、色々片付いたら進路相談したいと思えるぐらい信頼しているので、あくまで教師と生徒という立場で怖がっている程度。青ざめているのが冗談と思うほどに、すぐけろっと元に戻る。
「スラムの人達は貧困で……それでも、必死に生きている人達です……。根幹の部分で、私もスラム住民ですね。そんな人達を見捨てる事が、私には出来なかったです……」
落第街はともかく、スラムはいわばイーリスと似たような立場の集まり。不良集団は、スラムにいくつかのシマがあって守っている。イーリスが特に守りたかったのは、そういった自分の似た立場の貧困に苦しみ、必死に生きる人達……。
「しかし、そうですね。おそらく、もうあのような大々的に配信する手段も取らないと思いますし、もし背負うとしても、その範囲をスラムの貧困層に絞ってもいいかもしれません。人が手を差しのべられる手の数は決まっていますから。私は任侠を捨てられません……。誰かのために戦ってしまいます……。配信は必要がなくなったとも言えると思います。配信は、挑発する事で紅き屍骸の主戦力となる群れをおびき出して叩く事を目的としていました。しかし、今はもう私が撃つべき相手がはっきりと見えていますので、もはや過度な挑発なんて必要ありません。そんな事をせずとも、“王”は私を見ています。分かりました、私はメカニカル・サイキッカーやその他、“王”を倒す事のみを主眼に活動します」
他の屍骸は全て、手紙さんや他の方々に全面的に任せる。
イーリスの目標はただ一つ、“王”のみ。
ただ“王”を撃つ事のみを主眼に準備を整え、その他の余計な戦いで戦力を労費しない。
“王”以外を見ない。
それがイーリスのやるべき事で、そして連携に繋がると信じて。
「そうですね、手紙さんもまた狙われているので気を付けてくださいね……。今は、私の呪いを押さえるので力の一部を使っていただいてもいますからね……。ブラックウルフさんは、あの針鼠を討伐したのですか。あの針鼠は隠密性に優れているので撃つのが厄介なゾンビでしたが、ブラックウルフさんはとても強いですね! お見事ですよ。針を見掛けなくなったのは、ブラックウルフさんのお陰だったのですね」
針鼠討伐の報告には、イーリスの表情が明るくなった。
あの針鼠を倒したのだから、それはもう心強い味方すぎる。
「なんでしょう?」
手紙さんに首を傾げた。
続く手紙さんの言葉に、嬉しさと、そして安心感を抱き、イーリスは目を細めて笑みを浮かべた。
「ありがとうございます、手紙さん。そう、ですね。鋼先生も、私達不良集団が更生するよう本気で考えてくださっています。私達に手を差しのべてくださる人が結構いて、嬉しく思っていたところです」
空を仰いだ。
「今は、“王”の討滅に集中したいです。しかし、全てが終われば……ちょっとずつ更生、していきましょうか。いつまでも、何かを盗んで誰かの迷惑を掛けて生き続けるなんて、息苦しいですね」
スラムや落第街で暮らし、奪われ、奪う、それしかないと思っていた。
だけど存外、イーリス達に冷たくあたり人達ばかりでもなく。
全て終わったら、また頑張ってみようかな、と思い始める。
手紙さんや鋼先生を始めとした、色んな人との交流を通じて生じた心境の変化。
「そうですね。今、また絡まれてしまったら、今の私ではどうしようもありません。ふふ。ありがとうございます、それではエスコートよろしくお願いします」
手紙さんが差し伸べてくれた手を掴み、そして歩き出す。
エルピスさんの旧事務所までエスコートしていただき、そこで分かれた事だろう。
ご案内:「落第街 路地裏」から『単独捜査本部』さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からDr.イーリスさんが去りました。