2024/08/04 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にナナさんが現れました。
■ナナ > 落第街大通りから少し外れた場所
まだ比較的通りに近い路地を調べている顔立ちの整った女が1人
目立つ見た目のお陰か不良達にもある程度認知され始め、変なちょっかいをかける相手も殆ど居ない
(そう思ってたんだけどなぁ…)
近距離から眼前でこちらを睨みつける青年を見上げる
何が気に障ったのか、その答えは少女の左手に握られていた本にあった
『猿でもわかる魔術の基礎』
凄まじく怪しいタイトルには猿が魔法使い然とした帽子をかぶりつえを振る表紙が描かれていて
それが彼の琴線に触れたらしい
その気もないのに馬鹿にされてると勘違いする、よくある話では合った
ご案内:「落第街 路地裏」に狭間在処さんが現れました。
■ナナ > 「だからこれは私の勉強用だって言ってるよね?
こんなのしかなかったんだからしょうがないし、どこで読んでも私の自由じゃない?」
参考書なんて真面に手に入らない落第街
唯一見つけた魔術関連の書籍がこれしかなかった
こんな見た目でもそこそこちゃんとした参考書の値段がしていたのだ
が、そんな事は暑さで苛立った不良には関係ない
見た目が奇麗な女が態々路地裏でこんな馬鹿みたいな本を読むわけない
魔術も真面にできない自分達を馬鹿にしているのか!と…
一度火がついたらなかなか鎮火しないのだ
「大体、ムカつくなら魔術覚えればいいじゃん。
頭を使えば割と誰でも使えるって書いてるし、使える様に覚えたらいいじゃん!」
参考書のお猿と不良青年の目が合う
地雷を踏み抜いたのか青年のトラウマでも呼び起こしたか、とにもかくにも爆発寸前
■狭間在処 > 何時もの様に、特定の違反組織を調べ、潰し、風紀が介入してくれば即座に撤退。
そんな青年にとって何時もの日常が一段落したその隙間時間。
慣れた足取りで、路地裏の一つを大通りへと抜けるべく歩いている鴉を連れた青年。
「………?」
もう少しで大通りに抜けられる、という所で前方で揉め事の気配と光景を確認。
僅かに碧眼を細めつつ、右肩に留まる三本足の鴉の相棒に視線を向ける。
鴉――【ヤタ】は、「カァァ!」と、青年の代わりに大き目の声で一つ鳴いた。
(…この馬鹿、わざわざこちらに注目を向けないでもいいだろう。)
だが、ヤタが何故いきなりそんな行動をとったかは分かった…どうやら、片方は知己だったらしい。
「……!」
そういう事か、と納得しつつ青年は歩みを止めずにそのまま揉めている?二人へと近づいていく形。
(…まぁ、どう見ても一方的に絡まれているだけに見えるが)
そう、思いながら二人の間に割って入る…青年ではなく、一足先に飛んで行った鴉が。
『――そこまでだ。揉め事は好きにやればいいが往来の邪魔になるぞ。』
男と少女の周囲を飛び回る鴉の口から、落ち着いた青年の声が響いて。
■ナナ > 爆発寸前の青年と同じく爆発寸前の少女
言葉で足りないなら拳で語り合う、そんな展開になる前におかしな存在が割り込んだ
喋る鴉に驚き数歩下がる青年、普通の反応はそうだろう
だが少女は違った
「あ、ヤタ君やっほ。という事は…あ、アリカさんもやっぱり居た。」
周囲を見回せば無口な銀髪の青年を見つけて手を振る
怒り心頭だった青年の方は鴉をとても気味悪がっている
怒りよりも困惑が勝っているらしい
なぜなら鴉は喋ったりしないので
■狭間在処 > 「……。」
ヤタが一足先に飛んで行って割り込んでしまった事に頭を軽く押さえて溜息。
と、知己である少女の方――ナナに挨拶をされれば、何時もの無表情で軽く右手を挙げて。
『――ん、数日ぶり。…何か揉め事か?』
と、ナナに問い掛けつつ続いて男の方にも目を向ける。困惑顔なのはほぼヤタのせいだろう。
何故なら、青年の声は全て飛び回る鴉の口から発せられているからだ。
『…知り合いが何かやらかしたのなら謝るが…どうもそうではないらしいな。』
と、少女のお隣で足を止めれば困惑した様子で一歩引いた男を眺める。特に威圧も何もない静かな無表情だ。
■ナナ > 「揉め事というか絡まれてる。
お猿の表紙が気に入らないんだってさ。」
アリカを見て、小さく笑う
面倒な事をしなくても丁度いいタイミングで現れてくれた
近くに寄って、改めて不良青年の方を見る
「変に絡まれて怖かったな~
私、勘違いだって言ったのにな~」
わざとらしくそんな事を言う
不良青年はと言えば新たに表れた存在を改めて認識する
チェスターコートを着た体格の言い銀髪の男
ナナの事は外見から舐めきっていた青年は外見からしっかりと男を見て警戒する
謝罪をされても無表情のまま一切顔色がうかがえないのがヤタも合わさって余計に不気味
結果として青年は悪態をつきつつもそそくさと逃げていく事になる
ナナはと言えばそんな彼の背中をすっきりとした視線で眺めながら高らかに中指を立てていた
「男相手だとビビるなら最初から絡んでくるなっての。
や~ありがとねアリカさん、それにヤタ君も。」
■狭間在処 > 『――猿の表紙?』
首を傾げて、改めて少女に視線を戻す…そこで、漸くその書物に気付いたらしい。
そのタイトルと絵柄を確認すれば、そういう事かと静かに頷いて。
(…俺としては、ナナが一方的にあの男を打ちのめす未来しか想像できないが)
わざとらしいナナの台詞に、思わず心中でそんな感想を漏らすが口には出さない。
この季節なのにそこそこ厚着で、しかも淡々とした無表情で体格もまぁそこそににある。
そんな男が静かに、不気味な鴉を伴って現れれば相手も流石に警戒したようで。
「………。」
青年の方はと言えば、別に好戦的ではないので自分から仕掛けたりするつもりはない。
会話で退けられるならそれが一番楽だからだ。もっとも、その会話の手段を男は気味悪がっているが。
――結果、ヤタが丁度青年の右肩に留まるのを尻目に男はそそくさと悪態交じりに去っていく。
それを見送れば、やれやれと小さな吐息を己の口から漏らして。
『…別に構わないが、俺が通り掛からなくてもナナならどうにでもなっただろう。
…相手の男が少々可哀そうになりそうだが。』
まぁ、この知己の少女は確かに男にちょっかい出されそうなくらいには整った容姿ではある。
ヤタはナナのお礼に「カァ!」と得意げに鳴いていた。…この相棒ちゃっかりしているな…。
『…それで、その本は……もしかして魔術を覚えるつもりなのか?』
■ナナ > 「イラっとするけど見慣れたら可愛くも見えてくるよ?」
自分はもう慣れた
加えて、嫌がらせの為にこんな本を買って態々見せつけるなんて言いがかりも甚だしい
しかし夏の暑さで沸点が低い不良達に理論は通じなかった
「アリカさんが来なかったらいつも通り適当に叩いて丸めてたかな。
けど面倒臭いし威圧でどっか行かせられたらそれが一番なんだよね~
ムキムキの体で威圧…やっぱ顔に合わないから無いかな。」
筋骨隆々の自分の姿を想像して首を振る
想像でも気色悪いし鏡を見る度げんなりしそう
本について問われればこくりと頷く
「ちょっと前に凄い魔法使う人が居てね、できる事は覚えないとなぁって。
私こっち方面は殆ど触れてこなかったから一から勉強しないと。」
なので、猿でも分かる魔術の基礎なのだ
■狭間在処 > 『…挑発的ではあるが、特に苛立ったりはしないな…。』
著者というか作者が意図的にこういうデザインにしたのなら、イイ性格していると思うが。
タイトルがタイトルなので、まぁ猿でも違和感はないといえば無いか。
『…まぁ、俺はそうしている。会話や威圧で向こうが退いてくれるならそれが手っ取り早い。』
無駄な事に労力を割いてもこっちに利は無いし、絡まれる事なんて日常茶飯事のこの街でいちいち相手もしてられない。
あと、ムキムキの体に関しては…
『…そうだな、ナナは今くらいの姿の方がいいと思うが。基本的に。』
そもそも、今のナナの姿が青年の知る少女の姿なので、可変出来るとしても今の姿の方が見てる側としては落ち着く。
『…魔術か…俺も覚えたいとは思っていたが。』
魔力自体は持ち合わせているので、魔術が使えない、という事は無い。
ただ、少女と同じく知識面はほぼ0に近い。視線を再び本へと向けつつ。
『まぁ、入門書としては悪くないと思う。落第街にもその手の書物は多く流入しているが、最低限知識が無いと読めないものばかりだからな。』
なので、超初心者用の本は案外貴重だったりする。少なくとも青年はこの街であまり見た覚えがない。
■ナナ > 「うそ、アリカさん大分穏やかだね?絶対にこれ買う人馬鹿にしてるよ。中身は真面そうだけどさ…」
すぐ投げ出したり起こりやすい買い手に渡らない為なのかどうなのか
ただの嫌がらせの線も有るのだ
「だよね、私もムキムキはちょっと嫌だな。
綺麗な顔と華奢な体、思わず守ってあげたくなるでしょ?」
そう言って見上げる
実際、こうして助けてもらえたりもしている
ムキムキだとこうはいかないのだ
「アリカさんも?
そりゃもっと難しそうなのは色々あるみたいなんだけど私は素人だからさ。
店の中で一番簡単なやつって言ってこれ渡されたときはちょっとびっくりしたよ。」
先程の不良と違い見知った彼でも覚えられないとなると思ったよりも難易度は高いのかもしれない
自分が思うような魔法を使える様になるのにどれ程時間がかかるのか…
考えるだけで少しげんなりする
「因みにだけど、何で覚えなかったの?
アリカさん頭が悪そうに見えないし、やってみたら思ってたのと違ったとか?」
■狭間在処 > 『…そうか?まぁ、あまり何かに腹を立てた覚えがないが…。
…あぁ、いや。最近はコイツの勝手な行動に偶にイラっとするが。』
と、右肩のヤタを指さす。鴉が抗議するように「カァァ!」と、鳴くがさらりと無視。
ともあれ、青年はあまり怒りの感情をハッキリ出す事は無い…単純に理性で抑えてるだけだが。
『……それはそうかもしれないが、俺は別にナナの見た目がどうので助け舟を出した訳じゃない。
――知り合いが何かトラブルに巻き込まれていたら、少しは気にもなるだろう。』
淡々とそう答える。ナナの外見は確かに彼女の言う通り庇護欲などを擽りそうだ。
だが、それはそれ。青年は別に外見だけで知己の少女に助け舟を出した訳ではない。
『――表紙とタイトルは腹立だしいかもしれないが、実際入門書としてはおそらく優秀だろう。
同じ作者の別の書物を前に見た事があるが、流し読みした限り中身はまともそうだったぞ。』
と、普通に読書などもしているらしい青年のそんなフォロー。まぁ最近はあまり本を読んでいないが。
『…俺の場合、魔力の問題だな。常に不安定で増減が激しい。波がある…というべきか。
習得自体はきちんと勉強すればおそらく出来るが、使う時に問題が発生する可能性がある。』
この場合、魔力量もだがその質も同じくだ。安定して魔術を使い辛い、とでも言おうか。
習得自体は可能なので、あくまで体質というか肉体の問題とも言える。
■ナナ > 「ヤタ君?
でも元気な動物って見てて面白いから可愛いけどなぁ。ヤタ君なら魔法使いの格好してもカッコいいと思うよ。」
抗議する鴉にフォローを入れつつ、帽子をかぶった姿を想像する
可愛いと言ったら怒られるかもしれないが、どちらかと言えば可愛い寄りな気がする
「カッコいい事言ってくれるねぇ。嬉しいけど、そこは綺麗だって言ってくれても良いんじゃない?」
知り合いだから助けられたのも悪くないが、やはり綺麗と言われる方が良い
真面目な回答なので不満は無いけれど
「え、この作者の人割と有名なんだ。
こんなの書いてるのに…やっぱこれ狙って書いたのかな。
あ~魔力かぁ、大小は有るんだっけ………波?そんな事有るの?」
魔力は言わば物理的に言えば血の様なもの
それが常に不安定なんて有るのだろうか…それがどうなのかもいまいち詳しくないのでそんなものなのかと納得する
さて、なら自分はどうなのかと考える
「……ま、それに関しては多分大丈夫かな。どうせ私は魔力多いだろうし。」
ただの直感、だがある程度の根拠は有る
■狭間在処 > 『…コイツ、多分オスだから女子に良い格好をしたいだけだろう…人間で言えばナンパ男――…っ!』
途中で言葉が途切れた。ヤタがどうやら怒って青年の頬をダイレクトに突いたかららしい。
それをグイグイと片手で押し戻しつつ。何だかんだ仲は良い?一人と一羽。
『―――綺麗なのは言うまでもないと思うが。あと活動的な今の格好も良いが普通に女子が着るような服装も似合うと思う。』
真顔で真面目に答えた。まぁこういうノリの青年である。
落第街で生きている癖に、あまり裏表が無い。時と場合により勿論打算も出るが。
『…有名といえば有名らしい。かなり偏屈な人らしいが。
ただ、初心者から上級者まで分かり易く魔術について纏めた本を多く出しているようだな。』
つまり人格は癖があるが、普通に優秀な人っぽいという事。
波に関しては、肩を竦めて…鴉が「カァ」と一声鳴くが、構わないとばかりに。
『俺の場合、昔、散々人体実験で体を弄られて魔術的な処置もかなりぶち込まれたからな。その影響だと思う。』
身も蓋もない言い方をすれば、まるで”闇鍋”みたいな肉体になっている。なので魔力も色々不安定。
『――ナナは多いだろう。少なくとも俺よりはよっぽど魔術に向いてる。』
半ば確信じみた言い方をしつつ。それは青年の勘に近いけれど。
■ナナ > 「ナンパ男かぁ、ヤタ君ならデート位はしてあげても良いかな。」
鴉とデート、散歩に見えない事もないかもしれない
こんな風にじゃれあえる位には2人…人?は中が良いのだろう
相棒と言えそうな空気感を感じる
「言うまでもないのを言うのが女の子には喜ばれるんだよ。
あ~この格好はさ、ちょっと動きやすさ重視というか、これ位楽な方が色々動きやすいんだよね。」
シャツは大きめのサイズ、ホットパンツは足がよく出るタイプ
こういう格好をしていると色々と便利だったりする
「偏屈…だろうね、これは。
人体実験、やっぱ多いんだねこの島。でもそれで魔法まで使えないのはムカつくよね。
せめて魔法使い放題になってるとかメリットくれないと。」
同情と、諦め
抱く感情はそんなもの、人体実験と聞いても驚く様子は無い
この島ではよくある事なのだから
「うん、多分普通よりは多いと思う。
そう言うのどうやって測るのか知らないけど、どこかで検査とかやってたりするのかな。」
魔法具とやらが存在しているらしいが、そんなものどこにあるのか
大きな病院や関連施設ならできるかもしれないがそれは個人的な事情で不可
今度聞いてみるか…と頭を悩ます
■狭間在処 > 『…それはそれで、俺が喋る手段が無くなるんだが…。』
そうなると、ヤタがナナに付き添っている間は手話か筆談、あとはジェスチャーで何とかするしかない。
円滑なコミュニケーションに不可欠、という意味でもヤタは欠かせない相棒だ。
『…まぁ、確かにナナはおしとやかな格好より活動的な格好で動いているイメージはある。』
そこは納得したように。しかし、シャツは兎も角ホットパンツの方がむしろ問題では…。
変な男が寄ってきそうという意味で。とはいえ、動き易さ重視の少女の方針には合致した格好なのだろう。
『――俺の場合、メリットより細かいデメリットが多いからな…自分で喋れないのもデメリットだが。』
声帯が機能しないのも実験の後遺症だ。そもそも青年の場合、成功体ではなく失敗作。
むしろ、この程度で済んでいる…まだ生きているだけ御の字ではある。
『――簡単に魔力を測るだけなら、ヤタが使い魔だからある程度は出来るかもしれないが…。』
ヤタの主な役割はあくまで青年の声の代替だが、使い魔なので魔力の簡易測定も出来ない事は無い。
■ナナ > 「あ、そっか。ならヤタ君とのお出かけはダメだねぇ。
でも逆にアリカさんとデートとなってもヤタ君が常に見てるって事で…うん?」
ちょっとややこしくなってきたので一旦置いておく
「そうそう、動き回るのに便利な恰好なんだよね。
ひらひらのスカートも可愛いんだけど、お洒落より実利優先かな。」
色々と試した結果今の格好にいきついた
試しはしたがどうしても派手に動くと服がダメになってしまう
勿論、この格好のせいで無用のトラブルに巻き込まれる事も有るのだがそれは仕方ない事と割り切る
「喉もその時の影響なんだ?
それはきっついね…魔法なんて有るんだから誰か治してくれたらいいのに。」
そんな便利なものは存在しているのかいないのか
存在していたとして病院の様に素直に治療を受けさせてくるのかは分からない
「あれ、ヤタ君そんなこと出来るの?なら試しにやってもらおうかな。」
そう言って鴉の方を向く
簡易的な物でもやれるならば試してみたかったり↓
■狭間在処 > 『…そもそも、仮に俺とデートしたとしてそっちが楽しめるか?という問題があるんだが。』
ナナが少し混乱してきたようなので、まぁこの話は置いておこう。
『……そこは共感出来るかもしれない。』
オシャレなどより実利、機能性重視。青年の場合、厚着気味で露出が少ないのも相応の理由がある。
お互い、お洒落よりまず優先すべきはそちらという事なのだろう。
『…闇医者とかにも通いはしたけどな。色々弄られ過ぎててほぼ再起不能だと。』
肩を竦めるが、青年はもう今の状態が普通なので慣れてしまっている。
まぁ、それはそれとして。ヤタに視線を向ければこちらの意志が伝わったのか「カァ!」と一鳴き。
こちらに向き直ったナナとヤタの視線が合う。鴉の目が薄っすらと赤く光り――
「―――……!?」
一つ誤算だったのは、ヤタは青年の使い魔で意識をリンクしている。
円滑に青年の意志をヤタが汲んで動いてくれるのはそれのお陰だ。
そして、そのリンクが今回魔力の測定の際に青年に”流れ弾”を齎した。
つまり――測定したナナの魔力や情報が青年にもダイレクトに流れ込んでくる。頭の中に。
(……何だこの魔力量は……?そこらの人間より遥かに多い…?…いや、問題はむしろ。)
魔力量も洒落にならないが、問題はその”質”の方だ。人間とそれ以外をごちゃ混ぜにしたような…。
やがて、ヤタの簡易測定が終わったのかその目から赤い光が消える。
『――簡易的だが結果が出た。…俺の方にも直に情報が流れ込んできて少し混乱したが。』
■ナナ > 「でしょ?アリカさんなら合理的に分かってくれると思ったよ。」
実利優先、お洒落は余裕のある時に
今の自分には余裕なんて無いのだから
「お医者さんでも駄目だと…魔法なんだしどこかでお祈り捧げたら大丈夫にならないかな?例えば教会とか!」
教会でそんな事行ってたら有名になる筈
そういう噂が無いのなら、それが答えかもしれない
鴉のヤタ君と目を合わせる
これで分かるのかぁ凄いなぁ、なんて暢気に構える
「もう終わったの?ヤタ君凄いねぇ。
それで結果はどんな感じだった?量には自信が有るんだけどなぁ。」
測定結果がとても気になる
これで少ないと言われたら、その理由についても考えなくてはいけなくなる
■狭間在処 > 『…合理的かどうかは分からないが、まぁその辺りはナナと同じ感覚というか考えなのは確かだな。』
青年も青年で、肉体的な意味であまり余裕があるとは言えない。
だから、お洒落なんかより機能性や実利を重視して負担を減らさないといけない。
着飾る機会と余裕が有れば吝かではないが、今はそこまでの余裕は矢張りない。
『……一通り試したが”駄目”だった。そもそも俺は実験の失敗作の側だからまだマシとも言える。』
成功作だったら、そもそも肉体の問題も異能の問題も何も無かっただろうに。
まぁ、そんな未練なんてもうあの時捨ててきてしまったが。
『――魔力量だが、これはそこらの人間より遥かに多いのは確かだ。
具体的にどのくらいか、というのは流石に簡易測定では正確には測れない。
…あと、魔力の質だが…一言で言うなら【混沌】な状態だ。
…人間と、それ以外の無数のものが混じり合っている。』
彼女の素性をハッキリ知らない青年だが、だからこそ確信出来る事が一つ。それは――
『――【混成禍獣】…と呼称するべきか。』
■ナナ > 「ん~多分合理的だと思う、いい意味で!」
悪い意味なら冷たいとか機械みたい、になる
良い意味は無駄がなく効率的
少なくともナナは彼の事をそう認識している
「失敗作、ね……どこの世界もそう言う実験だと付き物だね。勝手に試して成功とか失敗とか。」
くそくらえ、なんて
「多めなんだ、やったね。これはやっぱりどこかでしっかり測らないとなぁ。
カオス………」
混沌、そう聞けば少し押し黙る
小さく静かな深呼吸
「めっちゃカッコいいね、私。キメラの魔法使いとか名乗っちゃおうかな~なんて。
魔法を勉強する前から二つ名持ちなんて逸材じゃないかな。」
そう言って笑顔を見せる