2024/08/05 のログ
■狭間在処 > 『…そうか、まぁ誉め言葉という事で有難く受け取っておく。』
自分で合理的かどうか、というのは正直あまり考えた事が無い。
そもそも、非合理的な所業を淡々と独りでこなしているのだから。しかも終わりが見えないただの自己満足。
(…まぁ、それの助っ人をナナに頼むかもしれないのは気が引けるが)
とはいえ、やる事は”潰す”だけなのでシンプルではあるのだけれども。
『――まぁ、その研究施設は俺が暴走してきっちり吹っ飛ばしたが。』
暴走したのは青年の意志ではないが、結果的に因果応報にはなったのだろう。
――だからといって、今更青年の体が元の人間のものに戻る訳でもないが。
『――いいんじゃないか?けど……。』
何と言葉にするべきか。ヤタと共に沈黙を挟んでから、ゆっくりと口を開く。
『…余計なお節介なのは承知で言うが、何か思う所があるのなら無理はするなよ。』
ナナの浮かべた笑顔に対して、青年は静かにそう口にする。
その笑顔を浮かべる前に、少しの間押し黙り…小さく深呼吸をしたのを見逃さなかったから。
(…まぁ、ナナの事情もあるだろうし俺が聞いていいものかも分からない。)
割と気が合う知己かもしれないが、だからこそ安易に踏み込んで聞けない。
■ナナ > 「勿論誉め言葉だよ。アリカさんに悪口なんて言えない言えない。」
色々と助けられていて、今日も助けられた恩人
そんな人を悪く言える程腐ってはいない
「凄いねアリカさん、研究施設潰せたんだ。
なら全然失敗作なんかじゃないよね、寧ろ逆だよ。」
何が失敗なのかと思ってしまう
規格に合わなかったから?声を失うほどのデメリットがあったから?
やっぱりそう言う奴等の考えは分からない
「思う所は沢山だよ。」
笑顔を崩さず答える
「けど、思うだけだと大体何にもならないから受け入れるんだよね。
受け入れて呑み込んで、いつか盛大にぶちまけてやる。
ん~これだと言い方悪いかな?まぁいいか、別に。」
そう、別にここで愚痴を吐くくらい構わない
でもちょっと傷ついたメンタルを癒すために愚痴に付き合ってもらった
■狭間在処 > 『…だが、俺がナナに対して不快な言動や行動を取った場合、そこは遠慮なく指摘して欲しい。』
勿論、青年はそういうのはなるべく気を付けてはいるけれど。
こういう所は性分であり、堅苦しいかもしれないが青年にとっては大事な事だ。
『…異能の暴走だから、俺自身の意志とは違うけどな。
それに、研究施設は潰したが生き残りの研究者が何人か逃亡してる。
…案外、あっち側の研究区とかに潜り込んでいるのかもな。』
ここ最近は、本当に偶にだが最低限変装をして表側に行く箏もある。
だが、研究区――流石にあそこはセキュリティ等色々な問題もあって足は運べない。
『――そうか。じゃあ…ささやかだが先輩として一つだけアドバイスだ。』
『…盛大にぶちまけるのはいい。結果的に俺もやったからな。
…だが、本当に大事なのは”その後”だ。ぶちまけるからには、何が何でも”生き残れ”。』
ぶちまけて満足して死ぬ、だとか馬鹿らしいから。どんな形であれ生き抜く意思は常に持て、と。
『――知り合い程度でこう言うのは傲慢だろうが、敢えて今だけ言っておく。』
『お前が死ぬのは許されない…誰かの為じゃない、ナナ自身の為にも。』
勿論、ナナにそういうつもりが欠片も無かったとしてもだ。一言そこは言っておきたかった、今の話を聞いて。
■ナナ > 「いいよ、じゃぁその時はちゃんと言わせてもらう。」
こうして話している分にはそんな事怒らなさそうだけれど、もしもの時はちゃんと伝える
もしもが無いのが一番なのだけれど
「あ~なるほどね、やっぱ異能って変な事起こったりして怖いなぁ。
研究区…なら頃っと死んじゃうかもね、先輩。」
生き残れ、と言われればムッとする
なんてことを言ってくれるんだと
「人を死にたがりみたいに言わないでくれる?
私は死にません~絶対生き残ります~」
寧ろ自分程死にたくない奴は相当いないと思っている
そう思っているからこそこうしてここに居るのだから
許されない、と言われると笑顔は消える
「…死ぬ気は無いよ、けど許されないはあんまり気に入らないかな。
私は私自身の為にしか行動しない。いつか私が死にたいと感じたら誰が許そうと許すまいと私の思う様に死ぬ。
私が何かするのに誰の許可も求めないし必要ない。それだけは譲らないよ。」
瞳の色が翡翠色から黒く濁る
黒目と白目があべこべの奇妙な色
瞼を閉じて、穏やかな顔をする
「持病のドライアイが酷いから今日は帰るね。ヤタ君も特にアリカさんは熱中症とか気をつけなよ?」
そのままくるりと通りの方へ向かう
瞼を閉じていても見えているのか足取りは軽やかで
■狭間在処 > 「……。」
無言で小さく頷いた。指摘される前にきちんと察して回避出来ればそれが一番いいけれど。
何処でうっかりと彼女や誰かの地雷を踏んでしまうか分からないのだから、伝えておくのは無駄では無い。
『…異能……とは正確には言えないが、まぁそうだな。』
正しくは怪異だが。得体のしれない怪異を複数、体に宿らされた結果が先の暴走なのだ。
(――しまったな、さっそく地雷を踏んでしまった気がする)
致命的、ではないが彼女の矜持に反する言葉だったかもしれない。
『――そうか、悪かった。やっぱり慣れないアドバイスなんてするもんじゃないな。
…ナナの矜持に障る言葉だった。すまない…先のは忘れてくれ。』
だから、きちんと頭を深々と下げてから…顔を上げた先、その白黒反転した色彩が見えた。
ヤタが心配そうに少女と青年を交互に見ているが、それに構ってはいられない。
『――あぁ、熱中症以前に別の問題で倒れてるかもしれないが。』
そもそも、肉体的な後遺症が複数あるので熱中症を含めてそこは気を付けてもどうなるか分からない。
少女の軽やかな足取りを見送りつつ、軽く右手を挙げて。
『――お疲れさん。またな。』
そう、挨拶を投げかけてから小さく一息。
(…本当に余計な一言だったな。やっぱりこういうのは俺には向いてないかもしれん)
何時も、俺は気付いてから反省してばかりだな…と、知己に申し訳ない気持ちを抱きつつ別の方角へ歩き出し。
ご案内:「落第街 路地裏」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から狭間在処さんが去りました。