2024/08/07 のログ
シア > 「気にしないで、それは。慎重になる、命が関わるなら誰でも。
 悪かったね、言わせて。」

ほんの僅かの気の緩みが命を奪うことはよく知っている。
このことを口にするだけでも危ないのかも知れない。

「ん。感謝。ありがとう」

教わったことに礼を返す。
最低限、そういうことは大事であると学んでいる。

「普通の匂い……なるほど。」

辺りをほんの僅かに見回す。
"普通"とは違う匂い、気配がそこら中に存在している。
つまりは、その逆。分かりやすいといえば分かりやすい。

「色々教わったね、エルピスには。
 お礼しないとかな、どこかで。」

そういえば、と考える。そういうものも必要だと、学んでいる。
とはいえ、お礼として出せるものはあるだろうか。

エルピス・シズメ >    
「ん……大丈夫。どっちかと言うと、シアに後ろ暗い話を聞かせたくなかっただけだから。」

 正直には話したものの、言える範囲でしか答えていない。
 誤魔化の根底は、彼女を闇から遠ざけようとした、単なる我儘。
 
 その感情も正直に伝え、危険はない範囲であることも答える。

「どういたしまして、かな。」

 謝礼を素直に受け取り、懐っこく笑う。
 この手の表情をする彼は少々幼く見えるかもしれない。

「この辺で普通に生活出来ているのが、例外みたいなものだからね。
 ……お礼は、そんなに気にしなくても大丈夫だけど……」

 "どうしようかな"と、少し悩む。
 過度にお礼を固辞するのも良くない事は理解しているが……

「……とりあえずこのカッコでいたこと、みんなにナイショにしてくれると嬉しいな……」

 真っ先に浮かんだのはそれ。
 不思議だけど変ではないとの言及に安心感は抱いているが、
 それじゃそれとしてナイショにしたい。

「僕はそろそろ行こうかな。シアの探し人、見つかるといいね。」  
 
 

シア > 「……ああ」

後ろ暗い話を聞かせたくなかった、という言葉を聞いて頷く
そういう配慮というものであった、ということだろう。少女は、それを理解した。
いわゆる、優しさ、というやつだろう。

問題ない範囲の言及であることも理解できたので、それならいいか、と思う。

「ナイショ? 思うけど、合ってると。
 でも、わかった。恥ずかしいだったね、見られると」

確か、そういう話だったはずだ。変だと思われる、とか。
その辺りの感覚はよくわからないが、エルピスがそういうのだから、そうなのだろう。
別に断る理由もないので、素直に頷いた。

「うん。見つからなくても大丈夫、今日は。
 知っていればいい、場所だけ。運が良いよ、見つかれば」

用事があるかと言われれば、特にあるわけではない。
ただ、場所だけは知っておかなければ会うこともできない。
今回のエルピスの家の話にしても、そうだ。

「じゃあね、エルピス。
 なにかあったら、また。」

手を振って、スラムの方へと歩いていく

エルピス・シズメ >   
「うん。また会おうね、シア。」

 彼女を見送って、彼もまた帰路に着いた。

ご案内:「落第街 路地裏」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からシアさんが去りました。