2024/08/11 のログ
ナナ > 肉を裂く感触と舞う血飛沫
行動不能に至ったと思った一撃は即座に反撃に変わった
無防備な首筋に撃ち込まれる蹴り、それを受けた反撃者は一瞬衝撃に襲われるも即座に武器を足から引き抜き跳び下がる

頭への一撃、ナナですら即座に動く事は出来なかったが襲撃者はそれを動いて見せた
そして肝心のナナは…

「アリカさん!?」

動けるまで回復したのかアリカのすぐ隣に立つ
はたから見れば大怪我、心配した様子

「ぶち殺すのは決めてたけど、念入りにやってやる。」

そうして襲撃者に向き直る
数での有利は出来た、ナナも万全に戦える

襲撃者 > 「…友達なんか作って、良かったね。ナナ。」

そう口にした襲撃者は武器を振り上げる
ロープの様に伸びた武器は建物の屋上まで延び、フックの様に跳び上がる

そうして襲撃者は路地裏から逃走した

狭間在処 > 「――…。」

タフだな…と、青い瞳を僅かに細める。割と手加減無しで蹴りを首元目掛けて打ち込んだ筈。
手応えは一応あったが、衝撃を与えて僅かに体を揺らしたくらい。即座にあっちは武器をこちらの左足から引き抜いて飛び退る。

『――大丈夫だ。傷口は直ぐには塞がらないが出血は直に止まる。…時間稼ぎは何とか出来たみたいだな。』

左足は、足裏から太腿まで思い切り貫通されて穴が開いたみたいだが、出血は青年の言う通りじわじわ収まっている。
だが、いくら頑強で回復力に優れている肉体とはいえ、青年の自己再生能力はそこまで高くない。

(…まぁ、無茶をすれば全然動ける。ナナも復帰したから立ち回り次第では問題ない。)

と、2対1になりはしたが、襲撃者の言葉は青年にも聞こえている。
――相手はナナを知っている…関係者か?と、あの鉄パイプにも槍にも思える武器が今度はロープのように伸びた。

「―――っ!」

逃がさない、とばかりに跳躍して後を追おうとするが…左足のダメージに気付けばまた舌打ち。
その間にも、襲撃者は逃走してしまった。…逃したか。

ナナ > 「は……?」

突然の言葉に固まる
お前みたいな知り合いは居ない
けれど、その声には聞き覚えがあった

「ちょっと待って…!」

去っていく襲撃者に声をかけるもすでにその姿は無い
混乱のせいかすぐに追いかけられない
追いかけるべきかもわからない

「…アリカさん、大丈夫?ごめんね私のせいで、油断しちゃった……」

たはは、と笑って見せる
傷もすぐに止まれば安心できたがそこまで都合よくはいかないらしい
辛そうであれば体を支えようとする

「ほんと、ありがと…あのままだと流石にやばかったよ…」

狭間在処 > 『――俺の事は良い…それより、そっちの方は平気か?
…あまり立ち入るのもアレだが、ナナの知り合いか何かに思えるが…。』

左足からの出血はほぼ止まったが、流れ落ちた血量は普通に貧血を起こしてもおかしくない。
しかも、傷口そのものは塞がり掛けてはいるがとてもまともに歩ける状態でもない。

『――一先ず、ナナはあの仮面の襲撃者を追った方がいい。
今ならまだナナなら追い付け――…。』

戦闘の緊張状態が抜けたのもあり、左足からバランスを崩しそうになる。
ただ、その前にナナが支えてくれたので派手に倒れ込まずには済んだ…申し訳ない。

ナナ > 「……分かんない、ほんとに…あの子がここに居る筈無い…」

思い当たる事はある
けど、なぜここに居たのか側からない
もしかしたら声が似ているだけの他人かもしれない

「ととっ…流石にアリカさん置いてはいけないよ。それにもう追いつけるかもわからないし…」

一先ず安全な所にまで移動したい
また襲われないとも限らないし何よりアリカの怪我が心配
大丈夫とはわかっていても万全に動けないのだからその間は自分が助けになる

狭間在処 > (”あの子”…か。…矢張り関係者…しかし、何故ナナを襲撃した?)

殺害目的…否、無力化して拉致するつもりだった?分からない。
出血が思ったより酷かったせいか、貧血でも起こしたのか顔色は少々悪く立ち眩みもする。

『…悪いな、格好付けてこのザマだ。妙な”武器”の正体も分からず仕舞いだし…。』

僅かにだが苦笑を浮かべる。もうちょっとスマートに助け舟を出せたら良かったのだが。
そこは己の詰めの甘さや未熟の結果だろう。何とか自立は出来るようだが、歩くのは少々辛い。

『…この辺りは…参ったな、俺の知ってる隠れ家とかはあまり無い地域だ…。』

流石にここで回復を待つ訳にも行かないし、ナナの精神状態も少し心配だ。
近くに知り合いとかが居ればまだ何とかなるが、生憎と青年の交友はそこまで広くない。

ナナ > 「私も、殴られたけどよく分からなかった。物凄く硬い何かって事しかね…」

不意打ちをされて殆ど何も分からないまま助けられた
助けがなかったらどうなっていたのか、油断しすぎだった

「大丈夫、ある程度分かるしとりあえず大通りに向かおう。
人が多い所で治療か…食事したら治りが早かったりする?」

歩くのを支えながら一先ず大通りの方へと進む
先ずは路地裏からの脱出、そして人目につく場所ならあんな襲撃も恐らくは無い

いつもの様に振る舞っているが、やはりナナの動揺も少なくはない

狭間在処 > 『…最初、鉄パイプのように見えたが…槍のように鋭くなってこっちの足を貫いたり、最後はロープのように伸びたり。可変式の武器なのかもしれない、が。』

矢張り、何か妙だ。一瞬手元から離れたのは目撃したので、右手に直接くっついている…とかではない気もする。
…駄目だ、思ったより血を流し過ぎて頭があまり回らない。

『…怪我そのものは1日安静にして居れば大方治る。問題は貧血か…血を補充しないといけないな。』

鉄分の多い食事でもするべきだろうか。人が多い場所での治療は、青年の体の都合もありそこは遠慮したい。
食事は普通に摂取が必要な中途半端な肉体なので、優先するなら食事と安静、だろうか。

少女に体を支えて貰いつつ、遅々とした歩みではあるが路地裏を抜けて大通りに出る為に歩く。
ヤタも戦闘の気配が終わったのを感じ取ったようで、そのまま青年の肩…ではなく少女の肩にそっと留まろうと。

『…繰り返すようで悪いが、俺の怪我よりもそっちの方が心配だ。…無理をしても良くないぞ。』

気丈に何時も通りの振る舞いに見えるが、青年でも感じ取れる程度には彼女の”動揺”が垣間見える。

ナナ > 「そんな便利な武器あるかな…?

血…直接血を吸うとかじゃないよね?ならやっぱりお肉とか?」

肩に止まる鴉に笑顔を向ける
言い方はあれだが、ヤタには何もなかったのは良かった
巻き込まれて大怪我をしたらそちらの方が一大事かもしれない

ゆっくりと、路地裏を抜けようと進む
邪魔も無ければもう暫くすれば表の通りに出られるはず

「あはは…私はもう大丈夫、頭の傷は塞いだ。
あれは…今は考えても変わらないから変なのに襲われたって事で納得する。」

そう答える
それは果たしてアリカに伝えたのか自分に言い聞かせたのか
どちらにせよ今はそうするしかない
悩むのは安全が確保できてから

狭間在処 > 『…無い、とは言い切れないがあまりその手の武器は見た覚えが無いな。』
『…流石にそんな吸血鬼みたいな特性は植え込まれていないぞ。…まぁ、肉とかで十分だと思う。』

そもそも、体を散々弄られて好き勝手された後遺症でもあるので、完治はどのみち無理なのだ。
どちらかといえば、今回は後遺症ではなく単に怪我で血を流し過ぎたというのが大きいが。

ヤタは相棒たる青年と知己の少女を交互に見つめて「カァ!」と小さく鳴いた。一先ず二人が無事?で安心した様子。
そして、もうすぐ路地裏を抜けるという所で――面倒な複数の気配。落第街には珍しくも無い連中だ。

『……片足を怪我した男と、見目麗しい少女…連中から見れば格好の”獲物”か。』

まるで獲物の血の臭いを嗅ぎつけてよってくるケダモノ共だ…間違いでもないか。
こんな連中に時間を取られるのも馬鹿らしい。ナナは平気そうに振る舞うが、矢張り心配は拭えない。

(――こういうのが甘さと言うか余計なお節介…というやつなのかもな。)

やんわりと、体を支えてくれたナナから離れようとしつつ連中を見渡して。

『――今は時間が惜しい。掛かってくるならさっさとしろ。…ナナ、ここまででいい。後は自分で何とか――…いっ…!?』

言い終わる前にヤタが青年のこめかみを思い切り突いた。思わず顔を顰めて。
『なーに格好付けてんすかご主人!』とでも言いたげだ。
ほら、そこに頼れる美少女の知己が居るではないかと。

ナナ > 「血液提供はちょっと…私の飲むと危ないかもだし良かったかも。」

自分の血なんて飲んだらどうなるのか想像ができない
素直に肉で血を回復してもらうしかない

と、今のタイミングでは一番会いたくない連中が目に映る

「…ちょっと今余裕ないから、まじで。」

壁にアリカを預け、両手の先に鋭利な角の様な物が生える
敵を無効化する為の物ではなく明確な武器として

「かかってくるなら殺される覚悟で来な。」

見てわかる異能
溢れ出る殺気、そして今のナナは脅しではなくそれを実行する気でいる

狭間在処 > 青年は失敗作とはいえ怪異だ。もし彼女の血液を摂取したら、それこそどうなるかは未知数すぎる。
青年も、そんな博打をする気は無いので勿論彼女から血を貰う気は無い。肉で何とかカバーしておこう。

しかし…ヤタにはこめかみを突かれるわ、ナナがどうやら殺す気で連中を相手にしていようとするのを見れば。
壁に預けられたまま、ゆっくりと深呼吸…ここで連中を皆殺しにしたとして、憂さ晴らしにも気晴らしにもなるまい。

別に殺し殺されは珍しくも無いし、連中も自業自得だからナナの行動を止める気は無い。だけど。

(――今のナナに連中を殺させるのは何か…駄目な気がするな…。)

なので、【四凶】の一角を行使する――不意に、連中の背後の空間から無数の”獣の口”が浮かび上がり。
それに気付いた連中が、殺気立つ少女と獣の口の板挟みで動揺しているのを見て取り。

『――選べ。俺の”友人”に串刺しにされるか、後ろの獣に喰われるか。それが嫌ならとっとと失せろ。』

声は貧血のせいで弱弱しいが、それでもよく通る――そんな声で淡々と威圧する。

連中の何人かが、縋るようにリーダーらしき男に視線を向ければ、怯みつつも悪態をついて散り散りに逃げていく。

『―――まったく…。』

余計な体力を使ってしまったが、まぁいい。獣の口は何時の間にか空気に溶けるように消えていた。
ナナにつまらん殺しをさせるよりかは全然マシだ。何せ彼女の殺気は、脅しではなく本物の殺意だったから。

ナナ > 「…アリカさん、無理しないでよ。別に私は大丈夫だよ?」

初めてって訳じゃないし、なんて
けれど意味のない殺しなんてせずに済んだのは素直に感謝する
逃げて行った男達にはもう興味は無い、アリカの所へ戻りまた体を支える

「あんなすぐ逃げる連中が居るんだからもう大丈夫かな。
とりあえず、どこか食事できるところに入らないとね。また変なのに絡まれるのも面倒だし。」

落第街にはよく居る連中
つまり人の多い所まで到着できた
こんな場所で正面から襲撃されることは無いだろう
安心からか、少し考えがまとまってくる

「……最優先はアリカさんの回復だね。
ご飯食べてダメなら闇医者に輸血してもらお。流石に血に混ぜ物なんてしないだろうしね。」

狭間在処 > 『――あんな連中を殺しても無駄な時間を取られるだけだ。ナナが手に掛けるまでもないだろう。』

そう口にするが顔色は少々よろしくない。異能を使ったので若干の反動もある。
それでも、あんなどうでもいい連中に”意味のない殺し”なんて彼女にさせたくもない。
再びナナに体を支えて貰いつつ、今度こそ大通りへと抜ける事が出来た。

『…そうだな。…いや、待て。有難いがそこまで付き合う必要もないぞ。ナナこそ帰って休んだ方がいい。』

この辺りは食事処も幾つかある。闇医者もまぁ世話になった事はあるので、後は自分で何とかしようと。
彼女は肉体的にはもう全然平気そうだけど、精神的にはちょっと休息が必要なように思える。

ヤタが心なしかこちらをジト目で見ている気がする…そんな目をするなって。
ナナの行動は有難いのだけど、こちらの自業自得の怪我であまり世話を掛けるのもどうなのかと、少し引け目があるのだ。

ナナ > 「そうかな…でも、ありがとアリカさん。」

気遣われている
こんなに辛そうにしているのに
外から見れば自分はそんなにも動揺している様に見えてしまうのだろうか
事実、そうなのだろう
冷静になってもまださっきまでの件が頭の中で完全には整理できない

「何言ってるのさ、アリカさんは恩人なんだからそれ位手伝わせてよね。
それに、帰るにしてももうちょっと時間は空るつもり。」

まだ奴がどこかで見張っているかもしれない
それにまだもう少し時間だってほしい
なら危機を乗り越えた相手と一緒に他愛ない事をしていた方が気が休まる

最低限、食事をするか闇医者の所に着くまでは離れる気は無い

狭間在処 > 『…どういたしまして。』

貧血と怪我の痛みに耐えながら小さく笑う。
幾ら人間離れした肉体になっていようが、痛覚はあるし血が流れ過ぎるとクラクラする。
それでも、知己や友人を不器用でも気遣うのが青年の気質だ。
それは甘さであり、お節介なのだろうけど…ある意味で青年の弱さであり強さでもあり。

『…恩人とは大袈裟な…友人が危機だったら助けずにはいられない、というだけだ。』

そんな自分の甘さはとっくの昔から自覚してはいるけど直りそうにもない。
だから、ナナの心的負担になりそうな事はなるべく避けたかった、先のように。

しかし、ヤタはじっと見つめて来るしナナもこう言っているし…少し悩んだ挙句。

『…分かった、じゃあ食事と闇医者の所まではナナの世話になる事にするよ。』

やっと諦めが付いたというか受け入れたというか。
ヤタが少女の方を見て「カァ!」と申し訳なさそうに鳴いた。
『こんなご主人ですいませんね』とでも言いたげだ。

ナナ > 「割と大袈裟じゃないけどなぁ。助けてくれたのも恩人なのも事実だよ。」

助けられた身からすればそれは変わらない
遠慮がちというかなんというか、そう言う性格なのだと理解はしているので何度でも同じことを伝える

「おっけ!じゃぁまずはお肉が沢山ある所だよね、生肉が良いなぁ。」

血が滴る状態でも食べられるナナとしてはそれ位のものを食べさせたい
彼の胃腸が持つのかは分からないけれど、ヤタ君は喜びそう
肩を貸して一先ず歩き出す

「色々分かったら、ちゃんと話すから。」

小さな声で伝える
今は、これが精一杯

狭間在処 > 『…いや。でも…恩人は流石に気恥ずかしいぞ…。』

地味に目線を逸らしつつ。ヤタがからかうように騒ぐが、うるさいので頭に軽くチョップを入れておいた。
単独行動が多く、人との交流があまりない分、どうにも不器用になりがちだ。

『…まぁ生肉は俺も別に平気ではあるが…。』

この青年、肉体構造は人間のようでいて大分変っているので生肉もまぁ行けるようだ。
ヤタは勿論大喜びである…ちゃっかりしているなこの使い魔は。
ともあれ、彼女の肩を借りながらそういうお店を探して歩き出しつつ。

『――分かった。いずれ話して貰えるだけでも十分だよ俺は。』

無理強いはしない。彼女の中で色々と消化して整理が付いたらで構わない。

『――勿論、何かあれば俺もささやかながら助けにはなるからな。』

ヤタと顔を見合わせてから、そう笑って口にしつつ。ヤタも「カァ!」と明るく鳴いて。
そんな二人と一羽で落第街の大通りを歩いて行こう。

ご案内:「落第街 路地裏」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から狭間在処さんが去りました。