2024/08/16 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」に灰色狼さんが現れました。
エルピス・シズメ >    
 落第街の裏通り。
 路地裏に近いこの場所は、混沌とした大通りよりはやや静か。
 それでも人は居る様で、古びた建造物や奇妙な店も立ち並ぶ。

「色んな用事を済ませてたら、思ったより遅くなっちゃった。
 やることって、ほったらかすと溜まるね……」
 
 栗色の髪の、右腕が2本ある多腕の義手と義足の少女のような少年。
 ざっくりと羽織った学ランを靡かせながら、のんびりと歩いている。
 

灰色狼 > そのものはとても静かに現れる。
落第街の大通りではなく裏通りの闇より深い暗がりから、
人々に認識されているのか、それとも気づかされていないのか
定かではないが、そのオオカミは武骨な首輪を首に着けられ
尻尾をゆるりと動かし威風堂々と四肢を使い地を歩く。

「わふ」

とある少女のような少年の視界に入るのは時間の問題であった。
相変わらず殺気がなく 図体が大きい犬のような感じで置物宜しく通りの一角にお座りをしていた。

エルピス・シズメ >  
「でもこれで、旅行の準備も……ん。」

 自然な所作で、暗がりから何かが現れた。
 一瞬だけ気を張ったものの、剣吞な雰囲気がないと分かれば気を緩める。

「あっ……あのときのわんちゃん。たしか……しげ。」

 呟きながら、答え合わせをするように首輪をみる。
 氷割りのお祭りや、スラムのあたりで見た犬もとい狼の名前だ。

「こんにちは。元気にしてた? 僕は元気だよ。
 ちょっと大変だったけどねー……しげはどう?」

 近寄って屈み、背中の毛並みを堪能しようと背を伸ばす。
 この子が人の言葉を理解することは知っているので、世間話。
  

灰色狼 > ぬそっと現れる、その辺の幽霊よりも存在が怖い。
襲い掛かるなら飛び出すように行動をするがこの狼気づいてくれるように鳴くようにしていた。

「わふ」

耳が伏せられたと思うとピッと立った。
首輪の名前は『しげ』と書かれたシンプルな文字。
氷割祭りの際は瞬間移動な移動と分身で氷柱を粉砕したし、
スラムでは普通に遭遇したわんこでありました。狼の概念を壊します。

「わふ。わっふ、わふわふわふ」

爪でガリガリと地面に文字を書き始めたが相槌を打つように吠えてた。

『こんばん。われはげんき。ここすうじつ このへんがにぎやかだったがなにあつた?』

つとっの区別は狼はついていない模様。
エルピスが近づいてきて撫でて貰えるのであれば なでるがいいとされるがままになった。
嫌がることもなく寧ろ撫でやすいようにお座りから伏せのような体勢になったかも。

エルピス・シズメ >  
「んーとね……あ、お水呑む? お皿があればよかったんだけど……。」

 一度手を止める。
 言葉を選びながら、ポケットから300mlの水を取り出す。
 キャップを空けて置いた。完全に動物だと思っている。

「そうだね。色々あったかも。僕の大好きな人……イーリスって言うんだけどね。」
「イーリスにつきまとってた悪いストーカーさんを、やっと撃退出来たんだ。」
「赤き月とか王熊とか言われていても、好きな人に悪い事する相手はやっつけたいもん。」

 完全に動物だと思っているので、惚気混じりに答える。
 伏せた狼さんを再び撫でながらも、ちょっとだけ誇らしげだ。

「それでね、昨日は同居人とのナナも一緒に3人でお祝いですき焼きしてね……
 すごく美味しいお肉を食べたかも。僕は用意してないけど、A5クラスのお肉だったかも……。」

 聞いてないことまで喋り始める。
 めちゃくちゃ美味しいすき焼きを食べたらしい。
 

灰色狼 > 「わふ」

水?うんまあ飲むわ。頭を動かしぐびぐびと数回飲んだ。
半分つまり150mlほどは飲んでしまって舌をぺろりと動かし顔を拭った。

「わふ、わふわ…」

イーリスさん?氷柱祭りにいた人か?
ナナさんは同じ祭りいた気がするし何なら先日会いましたね。
ストーカーを滅したことだけは分かった、赤き月や王熊については
正直最後まで直接と間接的にも関わる事がなかった。
狼は撫でられながらも言われた人物について記憶を遡っていた。

「…わふ」

お肉を食べた!?A5級の肉なんて中々食べられないような。
お金を積めばちゃんと買えるだろうけどその辺のお店には置かれていない伝説の肉、それがA5級!
狼は耳がぺたんと伏せられたし心なしか肩を落とすような残念そうな状態になった。

『いーりす、わからない。すとーかーはめつするべき。
 ななさんはあつたことある。とてもたよりがいがあるおねえさんだ』

あとすきやきはおいしい。うらやましい!!
 

エルピス・シズメ >  
「下手したらそれ以上かも。千年に一度って謡ってたお肉だけど、誇張でもないのかも。」

「良いお肉のさしの脂って、ラップ越しにもっても溶けそうで溶けなくてね。」
「"さし"が網目状になっているのに、箸で積まんでも千切れそうにならないぐらいしっかりしてて、」

「すき焼きの割り下にさっと通すだけで綺麗に火も通って、なのにあくもほとんど出なくて。」

「口の中に入れると割り下では解けなかったはずの『脂』がすきやきの割り下と絡み合って『融ける』んだ。」

「すき焼きの味と脂と……肉そのものの旨味がまじりあって、噛むのが惜しくなるんだけど、噛むとまた味が溢れて……」

「卵の用意は……ううん、卵は無粋かな……」

 とても美味しかったらしい。
 昨日のすき焼きの感想で言葉が止まらない。

「そんな感じで、みんなでたべてとってもおいしかった……。」

 思い出すだけで表情が緩む。
 恍惚まじりの、だらしのない貌。

「あっ、ごめん。つい。とにかくそんな感じ。それで忙しかったから、後の事は知らないや。
 ……ちなみにナナちゃんとも一緒に住んでるよ。イーリスと三人で住んで……ちょうどあっちの方かな。」

 事務所のある方を指し示す。
 ここから近いというか、見える位置。
 

灰色狼 > 感想が止まらない彼の顔が締りのないだらしない顔。
狼は分かりにくいが嫉妬を通り越して若干あきれたような顔になってた。
撫でられていたり水もくれた彼を時々見上げながら水をもう一度飲むべく頭をもたげぐびぐびと飲み切った。

「わっふ」

そりゃそうだろう、いい肉を使うと他の具材の味を底上げしてくれるらしい。
日本食にそんなに詳しくない狼(中身が)は今度夕飯はすきやきにしようと覚えた。
黒毛和牛の肉をどうにか購入して同居人と一緒に舌鼓を打つんだと決めた。
卵は…あればよいと思うのは個人的に烏骨鶏だと思う。

「わふ わふ」

『ななさんにおれいをしたいだが…いつしよにすんでいる?
 ほうかほうか。あのたてものか?』

事務所の方を指さしてくれる先をつっと見た狼。
似たような建物があるけど見える位置であればあれかと理解した。

『ひつだんがつらくなってきた。どうしてくれようか』

がりがりと爪で筆談をしていたがじっと彼を見上げた。ゆっくりと体を起こしお座りの体勢になった。

エルピス・シズメ >  なお、思い出して喋っていたので、
 しょんもりを通り越して呆れ気味の狼の機微にはようやく気付いた。

 バツが悪そうに眼を逸らし、戻す。

「そうそう。あの建物。にしてもナナにお礼、かぁ……。
 最初にあった時はちょっと擦れてて、助けたりとかはしない印象だったけど……
 ……今はそうだね。しげのいう通り、凄く頼りになる。」

 思い返しながら、ナナの印象に同意を示す。
 ナナもナナで活動していて、お礼をされるような生活をしていると知れば、安堵の素振り。

「どうしてくれようか……? ええと……」

 表現に引っかかるものがあった。
 少々の違和感を覚えて、お座りの体勢の狼に視線を戻す。

(なんか引っかかる。よく考えると、筆談は明らかに動物としての範疇を超えてる気がする。)

 文字を理解し、聞き、読み、書き、適切に使う。
 "なんとなく"で仕込んだり、芸を教えるような反復の学習で出来ることではない。


 

灰色狼 > 含みを持たせた視線に彼が気づいたらしい。
数秒くらいか反らされ落ち着いてきたのか戻ってきた。

わふ、と狼は息を吐いただけであった。

「わふ わふ」

ナナさんには買い物の案内から帰る時まで見送ってくれた。
年齢はこちらが上だと思うけど精神年齢絶対ナナさん上でしょと何度か思った。
今度個人的にお礼にしに行きたいと思ったが、スラムには表側の人間が余りいくべきではないと
釘を刺されたのでどうしようかと思っていたら、彼(エルピス)に会いこの際だと思っていたのだが。

「わふ」

『違和感がやっと発揮してくれた。我の演技も上達したということだ』

筆談に漢字を使い始めたこの狼!彼と遭遇してきていつ晒そうかうずうずしていた。
しこんでいたのではない 最初からこの狼 狼ではなかった。

エルピス・シズメ >  
「あの、もしかして。」

 一連の記憶を掘り起こす。
 思い返してみればおかしい点はあった。
 擦り寄って撫でさせてくれた辺りで完全に動物だと誤認していた。

 状況と記憶を整合する。
 筆談に漢字まで使い始めた。とは言え確かに大変そうに見える。

「……人になれるたいぷか、人だったり……?」

 人間か亜人か化身かまでは判断できない。
 おそるおそる、口を開いた。
 
 

灰色狼 > 「わふ」

まだ狼の鳴き声をしているが疑惑は確定になろう。
もしかしてと言われたので「わふわふ」と返事はすぐにした。
撫でられたりすり寄ったりするのは元々本人がスキンシップ大好きなので嫌がられたりしない限りやっていたこと。
人でいうとハグとチークキッスでの挨拶みたいなことであった。

『人になれるよ、最も我ドラゴンであるな、が、常世島ではドラゴンにはならん、人で過ごしている』

では姿を人にするか。よいせと腰を起こすと
ぎゅるりと瞬きより早く姿が変わり―――

ご案内:「落第街 路地裏」から灰色狼さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に能守重高さんが現れました。
能守重高 > そこにいたのは ちょっと背の低いほぼ和装の少女だった。
やれやれと肩を回し、笠の角度を見やすいように指で弄った。

「いつまでにばれるか観察したのですが 意外と気づいてくれませんのでやきもきをしておりました
 改めまして 私 能守重高と申します、祭祀局に属しております身です。」

どうも、狼に化けておりました、キチンと礼儀宜しく手を前に揃えて名乗りと会釈もした。

エルピス・シズメ >  
「ど…………」

 ドラゴン。とんでもない単語が出てきた。
 ただ、"人として過ごしている"と知れば、続く言葉は呑み込んで、変化を見守る。

「あ、えっと。ごめんなさい。
 信じたものは疑わないようにしてるから──。」

 非日常に於いては経歴故に、勘働きの強いエルピスではあるが、
 こと日常、そしてさらに"悪いものではない"と認識したものを疑うことは滅多になく、鈍い。

 敵意や悪意が向けられていれば別だが、日常のおける彼はそんな性格だ。
 お人よしで、疑うことをしない普通の人間。ここの(落第街)住人の貌としては、相当甘い。

「えっと、能守重高さん。エルピス・シズメです。祭祀局の方──ぁ。」

 祭祀局。常世島内の「霊的守護」「霊的調和」を司る機関。
 それがゆえに、多くの委員と繋がりのある機関の一つ。
 ……色々喋っちゃったのどうしよう、と、緊張を強めた。
 

能守重高 > 竜かドラゴンかどっちかと問われたとすれば形的にドラゴンではないかと答えるに留まる。
人として生きてきた方が圧倒的に長くて、一世代ごとに姿を変えては姿を変え、
時々住まいをかえ、幾度と繰り返した挙句―常世島に流れ着き数年。

「謝罪は不要にて。この島は面白き場所に思えてなりません。
 強いて言えばドラゴンであることは数名の者知りえない事ですので出来ましたら秘して頂きたく」

謝罪は不要と掌を彼に示し、すぐに手を下ろす。
敵意と悪意は明確に敵対していれば別だが向けた事は稀だった。
感情がよく揺れるが懐に入ったか若しくは信用に値するものに足しては表現が豊かになる。
彼の人となりは観察してきたからこそわかる、落第街では彼よく生きておりましたなと。

「どうも、シズメさん。祭祀局といっても配属してようやく1か月となりました、
 あまり局員としては新米であります。興味があるままに入ってしまったので…。
 他の委員会などに若干興味が移りつつあります最近。おや、何かピリッとしてきましたね。」

祭祀局の隅々まで知らない、入りたて新米。
霊的守護や霊的調和を司る機関と聞いてはいるが、
祭祀局がメインではなく寧ろ他の委員会の手伝いをしている身。
彼の人となりは調べてもいないし知らされていない、何かピリッとしたが少女は不思議そうに首を傾げていた。

エルピス・シズメ >  
「うん。勿論、能守さんの事は人間だと思うけれど、誰にも言わないよ。」

 "どうして教えてくれたんだろう"と疑問に思いながらも、頷きながら承諾の意思を見せる。
 
 目の前の和装の少女が人間と過ごしていると言った以上、人間として認める。
 ……少しだけ、もふもふの狼の印象も強いけどそれはそれ。

「新人さんなんだね。興味……それでこの辺を散策してたのかな。
 機関の人なら大丈夫だと思うけど……うん?」
 
 "気を引き締めた事を悟られたのだろうか。" と、思考する。

 先ほどまでの甘い素振りは見えない。
 性根の甘さを覚悟と理性で補強した、落第街で過ごすものとしての貌。

 死ぬような目から生き残れたものとしての、貌。

「特になにもしてないけど……ちょっと緊張しちゃって。
 公的機関の人が来る時は、ややこしい手続きになることが多いから。」
 
 何か要員になるものがないか、周囲を見て探る。
 彼女の発言が、自分の振る舞いに言及しているかどうか確かめる。
 

能守重高 > 「それは大変助かります。」

気配がまだ人じゃない、魔力視出来る人からしたら諸バレしてしまう。
疑問については問われない限り答えることはしない。
人間として過ごし、幾時代を共に過ごせることが出来たのは
当時世話してくれた方々の恩義に則り 人として過ごす事にしているのだ。
ただ人としている事を選んだために幾つか竜としての能力が封印状態になって使えなくなったのは言えない。

もふもふだったのは モフモフとした獣が好きだから。聞かれればそれは答えるだろう。

「昔、門から落ちた時にお世話になったのですが、当時いた方々もおらず、
 何となく散策をしてああついでに任務で身回りも兼ねて探しているんです、お墓を」

少女は今でこそ学生という身分を手に入れ祭祀局にいるが、
常世学園に入る前の肩書は傭兵。学生になるまでの経緯が波乱万丈であるが割愛。
ただ気がかりとして当時お世話になった方が亡くなりお墓で眠っていると聞いているからそれを探していると告げる。

「私の主な任務上 単体ですよ。それが幸いして色々と動けるのですが。緊張するのもわかります。
 今は機関としてではなく個人でいるだけです。
 お互い疲弊するので先ほどのように撫でていただいた時の顔になっていただけると幸いです」

こう、顎の下や耳や尻尾、背中を存分に撫でてくれた仲ではありませんかと彼に聞く。
機関として落第街に来ていない、来るのは主にプライベートで買い物とお墓参り。

エルピス・シズメ >  
 無意識に、ほんの少し眼を凝らす。
 エルピスは魔力視そのものではないが、"流れを追って"見ることに関しては長けている。

 変化も踏まえ、改めてみれば違和感はある。
 それでも目の前の女性は能守重高。ありのままを受け容れる。

 何でもふもふの狼だったのかは気になるけど、一思考の隅に置いておく。
 
「お墓を……そっか……」

 緊張の中、表情に哀しむものが混じる。

 追悼の意を捧げるべき墓を探している。
 それだけで彼女にも様々な事情があることは、理解できた。
 
「うん。そうしよっか。……でも、ちょっと待ってね。」

 なにか、感じ入るものがあったのだろう。俯く。
 少しの沈黙の後、顔を上げてゆっくりと口を開く。

(むかしの話みたいだし、僕が知らないことで、言うことじゃないかもしれないけど……)

「その……お墓、見つかるといいね。」
 
 月並みだが、気持ちを込めてそう答えた後、いつもの彼の表情に戻った。
 緊張感もなく、同情や哀悼もなく、日常にある緩んだ彼だ。

 

能守重高 > 人より少し多めの魔力を持ち、長い人生ならぬ竜生を過ごす。
人は加齢をする生き物であるので年をとらないものは違和感でしかない。
それを防ぐために違和感が違和感として形造る前に新たな地へ居を移し、
姿を変えて名をかえて過ごすのを繰り返す。
『能守重高』の名と姿は数多かえてきたが割と恩義がありその姿で過ごす事を好んだ。

…本当の姿は全く違うのでこれがとあるドラゴンの人型ではない。

「お墓に参って あの時の礼を言うために」

あの時とは余裕も出来たしきちんとした身分も手に入れた。
何より余裕が出来てきたので色々とやることが出来る。
待てと言われたので黙って待機をした、暫し時間が過ぎる。

「?」

「ええ。最初に出会った教会にはなかったので、もう少し時間はかかるかもしれませんが探し当てて見せます。
 ああ、先程 シズメさん、ナナさんと同居されているとお伺しましたが、
 言伝は可能でしょうか?」

見つかるといいねと言われた時は真顔ではなく、
薄く微笑むような少女の表情だった。言伝を頼む際は若干縋る様な顔になったけど。

エルピス・シズメ >  
 彼は竜の真の姿を知らず、幾億の旅路も見てはいない。
 そこにあるものをそう、と、単純に受け容れる。

「応援してる。……うん、言伝も可能だよ。
 あ、そうだ。ナナもスマートフォンも持ってたから……」

 少し近づく。
 スマートフォンをひらいて、QRコードを開く。
 読み取ることをすれば、彼の連絡先が記載されている。

「個人的にってことだったら……ううん、能守さんと出会ったのも何かの縁だし、
 連絡先、交換ってことで、聞いても良いかな。そうしたら、ナナにも伝えられるから。」

 合理もあるが、人となりを信頼しきったらしい。
 連絡先の交換と、ナナへの言伝の中に連絡先を含めることを提案した。

能守重高 > 語るには時が足りないくらい旅路は果てしなく。
竜の姿は知人全てに止められたので決してなることはない。
全員に止められたので 混乱にさせたくないので決してしないと誓った。
ただ気配が人ではないそれ以外と感じられる気配になっているのはどうにもならなかった。

「墓石形として残っているといいんですが。
 正直亡くなって葬られたと人づての情報なので不安しかないです。
 持ってますか? このコードの開き方は」

懐からオモイカネ8を取り出す、おどおどとQRchordを起動。いや単純にカメラで撮ればいいのか。
カメラで撮れば読み取りも同時にしてくれる機能のはず、操作をし許可を押す。
彼のデータを読み取って同時に自分の連絡先も読み取れるようにQRchordを展開。 連絡先が記載されるが…。

『فرتورة أسرار أسرار ليندبلوم.
 XXXXXXXXXXXاتصل بـ』

文字化けを起こしていた。少女はなんか首を傾げた。

「あ、日本語表記にしていない すみません、表記直します」

慌てて設定のし直して再度 QRchordを開こう。今度は連絡先は日本語表記になっているはず。

「どうぞ、ナナさんにどうぞお伝えください」

一先ずこちらの連絡先は彼に提出しよう。その先については
此方は待つことにした。言伝はお礼がしたいというだけであるので。

エルピス・シズメ >  
「あれ……?えっと……
 ……ん、何とかできたみたいだね。」

 言語が化ける一手間あったものの、連絡先を受け取る。
 異なる言語に彼女の幾億の旅路の一端を見た気がする。
 ひとまず、送受信も確認。問題なし。

「確かに預かったよ。ナナに伝えておくね。」

 頷く。
 言伝の中身はナナに直接届けることができるように、ナナに伝えることだろう。

「ナナに連絡先を届けるためにも、僕はそろそろ帰るね。
 また会えたら嬉しいな、能守さん。」

 引き止めるものなければ、彼は帰路へと向かう。