2025/01/21 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に余燼さんが現れました。
余燼 > 息を切らせて路地裏を闇雲に走り回る。
こっちは…行き止まり、ならこっちだ。現在地なんて知りもしない。

「…しつっこい…!!」

舌打ちと共に更に走る速度を上げる。
偶々、風紀の警邏に出くわしたのが運の尽き。
見てくれも相まって、職質から逃げ出してこのザマだ。

連中は職務熱心なのか点数稼ぎなのかは分からないが、結構しつこくて困る。
一つだけマシな事があるとすれば、頑張れば自分でも撒けそうな事くらいか。

「…味方だとそれなりに頼もしいけど、そうじゃないと本当にクソ厄介だな…!」

悪態を零す程度の空元気はまだあるらしい。
息を切らせながらも、路地裏をひたすら走り回って…

「……足音が…ぜぇ…聞こえなくなったな…ハァ…。」

やっとこさ撒いたか?30分くらい追い掛け回されていた気がする。

余燼 > 「…クッソ…無駄に体温上がっちまったじゃねーか…。」

乱れた息を整える事より、上がった体温を下げる方が難題だ。
何時も携帯している『冷え冷えピッタンコ』もさっき逃げている間に落とした。
つまり、体を冷却する手っ取り早い手段が無い。ただでさえ体温高めなのに。

「…また後で買いに行くか…余計な出費が…。」

周囲を見渡して、もう追いかけてこない事を十分に確認。
すぐ近くの壁に背中を預けて息を大きく吐く。その吐息も陽炎が揺らぐ。
望んでもいないクソ異能の副作用で、少年は常に体温が高いが今は更に高温だ。

余燼 > 取り敢えず、まず呼吸を整える事から始める。
体は熱いが頭はなるべくクールダウンしないといけない。
冷静沈着…なんて本来自分には無理だが、無理にでも演じないと異能が暴発しかねない。

「…自分の異能に殺されるなんて溜まったもんじゃないしな。」

苦々しそうに呟きながら、少しずつ息を整えて頭も頑張って冷やしていく。
体温だけはどうにもならないが、時間が経過すれば少しずつマシにはなる筈だ。

「…学生の時に冷却の魔術とか勉強しておくべきだったよな、絶対。」

時間の猶予は幾らでもあった筈だ――勝手に絶望して勝手に自暴自棄になって。
そして、勝手に自主退学して逃げるようにこの街へと流れ着いた。
…結果がこれだ。取るに足らない落ちぶれた落伍者が今の少年の現状。

余燼 > 「…取り敢えず、『冷え冷えぴったんこDX』の購入を検討するしかないか…。」

通常のぴったんこより倍近い値段だから懐が痛いのだが。
体温以外は一先ず落ち着いたので、少し考える余裕も出来た。
冷却グッズは少年にとって割と生命線に近いので常備はしておきたい。
実際、常備はしているのだけど使い捨てなので結局出費が嵩んでしまう。

「…割の良い仕事…なんて、落第街じゃ泥沼か。」

そういうのは結局地獄の片道切符としか思えない。
真面目に稼ぐ…なんて今更出来るかどうかも怪しいけど。

余燼 > 更にグレードが上の『極冷えびったんこ』が理想ではあるが、お値段が無駄に高い。
使い捨てなのに理不尽だが、あのくらいのグレードの冷却アイテムを常備出来たら…

「…まぁ、そこそこ金回りが良くないと無理だろうな。」

何時か大量に常備したいな…『極冷えびったんこ』。
そもそも、今は冷却アイテム無いので体温が一先ず落ち着くのも時間が掛かる。
使い捨てではなく、恒久的に体を冷やし続けるアイテムとかも探せばありそうだが。
残念ながら、落第街1年生である少年にはあちこち探し回る程の土地勘などは無かった。