2025/04/22 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に須野原 流依さんが現れました。
須野原 流依 >  
「はぁはぁ…くっ……ふぅ」


返り血を全身にべっとりと浴びた少年が走る。
それはありとあらゆるものから逃れようとして顔には焦燥感が浮かんでいる。
しきりに後ろを気にしながら走っていって、とにかく追跡から逃れるように無我夢中で駆けて行き……
気が付けばこんなところまで来た。

一息つく。

「はぁぁぁぁ……」

そして溜息。
背負ってるバッグに財布などの最低限の荷物はあるもののこれからは学園に戻れず、そして都市の支援無しで生きていかなくてはならないのだ

そして手を見る。血塗れの手だ。
これは虐げてきた連中を殺してきた痕だ。
当然虐めなのだからイジメた彼らが悪いのだが…過剰防衛だと判断され、風紀委員にまで追いかけられる羽目になった。

須野原 流依 >  
「はぁ…どうしよこれから。まさか俺がこんなゴミ溜めにくるなんて…なんて人生だよ。」

ちなみにイジメっ子は教室で一方的に虐殺した。7人もだ。
そしてそのまま逃げる過程で当然風紀委員に追われたのだが、咄嗟に撃退してしまった。
追ってきた風紀委員に関しては命こそ取っては取ってないものの病院送りは必至。

しかしそのせいで追手の風紀委員も増やしてしまったのも事実。
だが今こうしてなんとか振り切って物陰に隠れているところだ。

「とりあえず…宿を探さなきゃ…お金は…まだある。ATMこの辺使えるかなぁ」

振り切った後はまずは現実的な問題と向き合う。
これから残ったお金をかき集めて宿を探さなきゃいけない。
そしてその宿でこれからの事をじっくり考えないといけない。

ご案内:「落第街 路地裏」にキキさんが現れました。
キキ > かつん、かつん
少年が一息ついた場所に近づいてくる気配がある
それは、少年を追いかけてきたという風ではなく…少年が向かおうとする先から近づいてくる足音
高く厚いヒールがついた、編み上げブーツが汚れた地面を叩く音

「およ。こんなところに慌てて駆け込んでくる男が一人…
きゃー、キキちゃん襲われちゃーう」

こんな路地裏でありながら、明るい声をあげる女
どこか退廃的で、目に生気は無く…『ここ』の住人だと思われそうな雰囲気だ

「あっはは、冗談だよ。やっほー、元気元気?あ、ジュース呑む?ちょっと振っちゃったけど」

知り合いであるかのような気軽さだが、面識はない
ひらひら手を振って適当に、無防備に近寄って
血まみれの男に、自分の手に持った缶ジュース…炭酸入りのブドウ飲料を差し出そうとする


須野原 流依 >  
「誰?風紀の人ですか?」

ならば容赦はしない。そう風紀の人間ならば。
だが現れたのは虚ろな目をした少女。
明らかにまともじゃない。ヤクでもやってるんじゃないか?とすら思えた。

「……俺は見ず知らずの人間を殴るような奴じゃないですよ。
 あ、ジュースですか…どうも」

横目でジトっと睨みつける。
初対面で失礼だなと思いつつも差し出されたジュースには素直に受け取る。
匂いを嗅ぐ。ブドウの炭酸ジュースだ。苦手な飲み物じゃない。
ちょうど喉が渇いたので飲み干す。

相手がひとまず敵ではないことが分かったので少し緊張感がほぐれる。
本来の性格…ちょっと雰囲気に流されやすい気弱な部分が出る。

キキ > 「風紀とも言えるしそうじゃないとも言える。さぁわっちはどちらでしょー」

あまりにふざけた自己紹介だ。1人称すら安定していない
けれど、少年を捕まえようとする気配はない
むしろ目に光が無いせいで何を考えているかがよくわからないのだが

「えー、人ヤっちゃうのに殴らないんだ。不思議だねえ」

どこから出したのか、オレンジジュースを飲みつつ少年の隣へ
返り血塗れの姿を一瞥して、けらけら笑う

「どしたん?痴情のもつれ?むかついた?まー、ヤりたくなる理由なんていくらでもあるよねえ…」

ずけずけと、その返り血の理由に踏み込みながらオレンジジュース缶を一口
睨みつけられても何のそのの失礼な態度
だが、この状況の少年を見ても通報しないのは少年にとってはプラスかもしれない


須野原 流依 >  
「風紀…!なら…!」

身構える。自分の身を守る為なら殺し等まるで躊躇しない目つきだ。
手っ取り早く頭を叩き潰すか、と彼女の頭を注視する。
だが妙な事に戦意もなければ構える気もなさそうだ。

「…風紀というのはどうも噓くさいですね。おちょくってるようにしか……」

だから希望的観測に縋ることにした。
この状況での連戦は流石に堪える。

「今、初めてムカついたんで殴りたくはなりましたよ。人を殺……のは…まあ、ちょっといじめられてたんで、それでちょっとムカついて」


不思議と口が滑った。
この少年が長い事コミュニケーション能力を培わなかったことで距離感の掴み方すら分かっていないのもある。

キキ > 「さあさあどうかな?君の知らない方法で、仲間を呼んでるかもしれないよー?
…まあ、バレバレだよね。そうそう、嘘だよー。風紀と関係あるっていうのは本当だけどネ」

けらけら、高い笑い声
真実があるのかすらも怪しい口調だ
ただ、事実としてここには他に誰かが駆けつけてくる様子はない

「きゃー、こわーい
タガが外れちゃったんだぁ
それでそんな返り血が付くほどヤっちゃうなんて才能あるよー」

殺人の話が本当だと告げられても、むしろ興奮するように目を輝かせる

「ねね。ヤった時どうだった?すっきりした?虐めってことは複数ヤったのー?
風紀に捕まらずにこんなところまで来るなんてすごいなー。君、お名前は?あたしはキキ」

にんまりと笑いながら、本名かもわからない自己紹介と共に矢継ぎ早な質問をなげかける
気弱だとわかればぐいぐい来る様子を見せて

須野原 流依 >  
「嘘か、やっぱり。いや嘘でよかった。
 それで風紀と関係あるというのは?少なくとも風紀の人達と仲良しこよししてそうには見えませんが」

息を整えて少し冷静になれたおかげでいくらか頭を回せるようになった。
その結論としては彼女は今少なくとも敵ではないという事。味方でもないが。

「いや、別に。でもムカついて、頭を叩き潰してハラワタ全部ぶちまけてやりてぇって…そう思える位には酷い虐めを受けてたんです。
 正直、あのクソ野郎共が死んで清々しますが…そのおかげで追いかけられるのはムカつきますが。」

ペッ、と地面に唾を吐く。
それはまるで自ら殺したいじめっ子に向けた者だろう。
彼らは既に死んだというのに死んでもなおもこき下ろして、さらには彼らのせいにもする


「まあ、七人程……今思えば風紀委員の人達も悪くはないんですが。ちょっとムカついて頭をカチ割る勢いでやっちゃいました…生きてるとは思います。
 ああ、僕は須野原 流依です。よろしくキキさん。」

そう言えば事件以降話せる相手がいなかった。
正直誰でもよかった。
だからカウンセラーに向けて話すように殺した理由も感情も話して軽く自己紹介もした


キキ > 「ぶぶー、それを聞くには親密度が足りませーん♪」

空になった缶を持ったまま、両手で×を作る
おちゃらけた態度だが、話す気はなさそうだ

「うんうん。それはムカつくよねー
君の尊厳が踏みにじられて、生きていくのに希望なんて持てなくて…それで君は、外側に棘を向けたんだあ
それは自然なことだよー。風紀の連中も頭が硬いね」

ノータイムで理解を示す女
とても重い話をしているとは思えない軽い調子だ

「わお、七人も!大量殺人犯じゃんー。そりゃあ風紀としては必至にならないといけないなぁ
あっはははは、キキさんなんてやめてよー。キキでいいよ。キキで。むしろそう呼ばないと怒っちゃうから
んでー?るいくんはこれからどーすんの?こっちにアテとかあるわけ?」

けらけらとよく笑う
本当だと信じてはいるものの、怯えてはおらず
呼び捨てを強要しつつも、自分はさん付けで呼ぶ身勝手さも見せつつ…今後について聞いてみよう

須野原 流依 >  
「そうですか。親密度って…そんなゲームみたいな」

気になる話だが今はひとまず置いておいた方が良い。
彼女が何者かであるよりも今は敵か味方かがの方が重要だ。
あっさりと引き下がる。かなり淡泊だ。


「先生にも言ったけど…意味はなくてさ…
 じゃあさ、それって別に仕返ししてもいいってことじゃないかなと思って」

先生には話した。けど効果はなかった。
それどころかチクったせいでいじめは激化した。
そこで彼は『じゃあ仕返ししても怒られない』と思ったのだろう。

「風紀の人も捕まえないといけないのは分かるんです。でも捕まりたくない。
 俺はあんな連中のせいで罪なんてもんを着せられるのは納得いかないから…
 あ、えと…キキさ、じゃ、じゃあき、キキ。」

呼び捨ては慣れないのかしどろもどろだ。
油断すればまたさん付けになってしまいそうだ。
そんな気弱さを持ち合わせながらも身勝手さも持ち合わせている。

「とりあえず何日か泊められる宿とかが欲しいです
 …衣服は少し持ってきましたし、食料もこの辺りならなんとかありそうですし。
 そのためのお金も今財布にいくらか…あ、ATMがあればもっと引き出せます。
 それで、何日か宿泊施設で考えたいと思います…今後の事を」

ひとまずは何日かしのげるくらいの資金はあるようだ。
その為には金さえ払えば泊まれる宿が必要だと。

キキ > どういう理由にせよ、教えるつもりは無いらしい
引き下がられると、ちょっと詰まんなさそうにした後

「あったりまえじゃーん。風紀は風紀の仕事をしてるだけ
君は君の尊厳を守っただけ

人を殺すのは悪いことだー!だからどういう事情であれ償わなければならないー!なんてのは傲慢だよ
人を殺すしか、生きる道が無かった人も居るんだからさ。それは悪じゃない。ただ生きようとしただけー」

風紀の追手もそこまでの事情は把握しきれている者は少ないだろう

「んー?何々?女の子の名前をそのまま呼ぶのは初めてかなー?もしかしてどーていさん?

なんてからかった後

「今後?宿何て私は知らないけど…。
違反組織の用心棒でもやればいいんじゃないのー?そこで住み込みしてさ
金と権力と自由を、暴力と血で得ればいい。るい君にはそれができるよ

"表"に居たのに、"いじめられたぐらいで"躊躇なく7人も殺せるなんて逸材だしさ
最近は物騒だけど、摘発に巻き込まれて死ぬなら捕まらずに死ねるでしょ?」

けらけら
人の生死など構わないという口調

「ふふ
…もしかしたら、自首すれば…完璧に良い人が現れて…君を説得して改心させて…真っ当な罪悪感と償いの意識をくれるかもしれない
違反組織に入っても、君の実力が足りずに鉄砲玉扱いされて、きったない地面のシミになるかもしれない
どっちに行っても、人を殺した君には暗い道が待っている――…かも?」

「でもどうなっても楽しもうよ!死んでくたばるまでさ!辛気臭い顔してたってつまんないよ?
嗤って殺して、笑って逃げて、笑って騙して、笑って償って、笑って死のう?

だってるい君は…生物にとっての禁忌、同族殺しをもう7回もやっちゃったんだ。それ以上に怖い事なんてなくなーい?
…おっとっと。これ以上はいけない。犯罪はしない約束っとぉ…
あくまで決めるのは君だよ、君。るい君自身だ」


中身のあるような無いような話
ただ、光の入っていない目で楽しそうに笑う
どう受け取るかは少年次第だ、と強調して


須野原 流依 >  
「そうだよね…そうだ、俺は俺の人生を守っただけ
 …でもやっぱり"正当防衛"をしただけでここまで追われるのはちょっと納得いかないかな。」

まるで被害者面だ。
今もなおも血塗れだというのに辛気臭そうに顔を伏せる


「ど、ど…女の子がそういうの言っちゃいけない、と思う…」

なんせ異性どころか同性すらまともに話したことがない。
揶揄われれば素直に動揺する。
そして咳払いをして気持ちを切り替える。


「知らないか……しょうがない。今日は空いてる廃墟でも探してみるしかないか。
 いや、違反組織とつるむのは…ってそうも言ってられないか。
 けどやるのは雑用とかでいい。雑用を雇ってくれるところを探す。

 言っておくけど俺は金とか権力とかそんな過激な事はしたくない。
 ただ、生きていたい。咎められることもなくひっそりと…だからそんなものはいらない」


ただ平穏が欲しいだけなのに、とどうしてこうなったのか改めて頭を抱える。
そして相手が話す未来や末路もあながち出鱈目でもないように聞こえ、ますます陰鬱になる。


「話してると悲惨な末路しか思い浮かばないな。
 分かった、とりあえず今日の宿探しから。
 色々とありがとう。まあ、いつかあったら礼をさせて貰おうかな…」

相手の話はどうも実感があるような誇張しすぎかのような。
まあそれでも改心させてくれるような良い人が来ることを望んで…否、自分は悪い事していないのだからと首を振って考えを改める。
より傲慢に。

そして長居してもよろしくない状況だ。
彼女にそろそろこの場から立ち去ることを伝え、伝える前に立ち止まった。


「ああ、最後に一言。
 俺は同族殺しなんかやってませんよ。七人…いえ、七匹の害虫を処理したに過ぎませんから…」


人殺しは認めたくない。
だから自分には歯向かうのは全て害虫だと決めつけ、罪の意識から逃げる。
そうしたことによって気持ちはかなり良くなったのか軽い足取りでこの場を去っていくだろう

ご案内:「落第街 路地裏」から須野原 流依さんが去りました。
キキ > 「かーわいーいー
ワルイ女に騙されないようにね。ここでは特に♪」

動揺した姿を見て追加でからかう

「ふぅん。…あは、るい君は…我慢できなくなるよ
認められて、持ち上げられて、きっと君はそれにキモチよくなっちゃう
平穏なんて、実はどこにもないんだってさ。でも、さっき言った事忘れちゃだめだよ。何でも楽しも?」

じぃ、と紫の目が少年を貫く
くすくす。自分は、雑談をしただけだ
だって、彼女は血しか見ていない
それが人間の血だなんて"認識"していないし。
風紀に追われてるなんて、この街ではよくあることだ

依頼も受けていないのに、少年をどうこうする気はさらさらない

「うんうん。その調子
誰だって、蚊を殺すしハエも殺す。それを恥じることなんてどこにもない…っとこれは"言いすぎ"かな
――じゃ、またね。生きてたら…お相手してあげるよ?♡」

最後に投げキッスを贈ってから、背中を見送る




―――不意に鳴るオモイカネ

「え?大量殺人犯が逃げて落第街に?
そんなの知らないよぉ。害虫の駆除業者ならさっきまで話してたけど
…今度うちの家にも来てもらおうかと思って…ゴキブリが酷くってさあ…」

そう、今話してていたのはただの駆除業者
血はきっとファッションだ。ペンキだったのだろう
そういうことにして、彼女も落第街の夜に溶けていった


ご案内:「落第街 路地裏」からキキさんが去りました。