2024/05/31 のログ
ご案内:「スラム」にサティヤさんが現れました。
ご案内:「スラム」からサティヤさんが去りました。
ご案内:「スラム」にサティヤさんが現れました。
サティヤ > この世界に来て、この島で暮らすようになってどの程度経つのだろう。
何度か冬と夏を経た記憶があることから、既に数年が経過している事は分かるが、それ以上は全く分からない。
どれほど時間を経ようとも、何一つとして変わらない。
死と縁遠いこの身が、ただ愚かにも生命活動を続けるだけだ。
「…」
右手にケースをぶら下げながら、スラムを無言で往く。
表情に生気はなく、活気もない。ゾンビであると言われても納得してしまうような表情の女がただ淡々と歩みを進めていた。
そんな女を背後の物陰から追従する者が2名。
パッと見はストーカーや襲撃者のような彼らは、女と同じ仕事を請けている同業者である。
女は、運び屋の仕事の最中であった。
サティヤ > (このまま何もなく終わっていただけると助かるのですが)
その日暮らしといっても差し支えない女の主な収入はこういった運び屋や暗殺、護衛や警護など。
組織にでも属すればもう少し楽になるのだろうが、それは女の思想が許さなかった。
違法な仕事であり、報酬も受け取っている以上楽に仕事が終わるとは思っていない。
それでも、少しでも楽に仕事が済めばよい等と願ってしまうのは…愚かだが、仕方がない事だ。
(彼らは生き残れるのでしょうか)
仕事中に余計な事を考えるのは、無駄な事であり、愚かな事だ。
それでも、背中を任せている仕事仲間の身を案じてしまう。
彼らも、自分と同じような生き方をしているのだろうか。
この島で、何処にも属さず、風紀に怯え、不信感に呑まれ、こうして日銭を稼いで暮らす。
きっとただの人間である彼らにとって、それは苦行であろうに。
周囲への警戒を続け歩みを進めながらも、謎を深めていく。
何故苦行を続けるのか、理解できない、愚かだ。
そんな思考が脳内を巡っていく。