2024/07/05 のログ
ご案内:「スラム」にヴァイスさんが現れました。
ヴァイス >  こんなところと人は言うのでしょう

「Requiem…」
「æternam…」

 闇の中で白い火が揺れていました
 不思議なろうそくがたたえる灯り
 
 落第街のスラム
 悪い言葉をふたつつなげたその場所で
 少女が祈りを捧げていました

「dona eis…」

 心の行き違いによって
 お腹にあいた穴から命をこぼしてしまったひとに
 
「domine…」

ヴァイス >  そう心から願うだけなのです
 おだやかなひだまりでお昼寝をすることが
 どれだけ安らかなことか知っているから

「et lux…」

 行き着く先はそういう場所でいてほしいのです
 白衣を着た偉い人たちが言っていたことは
 少女にはよくわからないことだから

「perpetua…」

 でもいっこだけわかるのは
 自分にはそれができるのだから
 やってみせますということでした

ヴァイス > 「…luceat eis」

 ろうそくの火が消えました
 すこし暗くなったそのスラムで
 少女は眠るひとを抱きかかえます

 開かれたままの棺桶は
 故郷にあるようなものとはちょっと違って
 蓋をそっと閉めると鍵がかかって
 よりよく眠れるところへ運ぶために
 しっかり守ってくださるそうです

「…んしょ」

 ほんとうは引きずらずに連れていければいいのですが
 このあたりは車を走らせることがむずかしくて
 だから少女が来るのでした

ヴァイス >  ちょっと格好が悪いのですが
 魔法の滑車がついていて
 すこしだけのでこぼこ道なら中もそんなに揺れないようです

 しずかなしずかな闇のなかを
 少女はゆっくりと帰ります
 棺桶といっしょに

ご案内:「スラム」からヴァイスさんが去りました。
ご案内:「スラム」に蘇芳那由他さんが現れました。
蘇芳那由他 > 「――さて、まぁいい加減にもう慣れてきたんだけど……ここ、何処だろう?」

放課後までは普通の学生生活、放課後以降は”仕事”だったり祭祀局経由の簡単な手伝い。
そんな感じで過ごしていたが、”気が付いたら”何故かスラムを彷徨っていた少年。

しかし、この感覚や現象も流石に何度もあると悲しいかな…慣れてくるもので。
とはいえ、スラム等を歩き回った経験など無い。手探りで周囲を探索するしかない…これも割と何時もの事だ。

(……落第街…と、また少し空気?雰囲気が違う気がするけど…どの辺りなんだろうなぁ、ここは。)

蘇芳那由他 > 試しに、ちょくちょく見掛ける人達に話を聞こう…と、したら何か警戒する目を向けられた。

…それはそうだろう。何か目が死んだ少年が、普通の空気で話し掛けてきた。しかも学生服姿で。
風紀でも公安でも何でもない。ただのいち学生が…普通ならカモだろうが、これはこれで逆に警戒されるもの。

「…えーと…僕、何かしたかな…?ただこの場所の事を聞きたいだけなんだけど…。」

あと、ついでに学生街方面への帰り方を教えてくれると凄い助かります。
が、何度か話を聞こうとして悉く失敗する。…僕、凶悪犯か何かに見られてる?

蘇芳那由他 > 一つ、何となく素人目にも分かるのは…落第街よりも荒廃、というか寂れた雰囲気が強い感じがする。
勿論、少年は落第街に何度か迷い込んだ事はあれど、その一端しか知らぬ訳で。
だから、比較しようにも材料が足りないのだが…あくまで素人目の印象でしかなく。

(…僕のアレな方向音痴の事を考えると、無暗に歩き回るとまた変な場所に迷い込みそうだしなぁ…。)

かといって、このままじっとしている訳にもいかないので、この辺りの人に話を聞こうとした訳だ。
それも芳しくない…こういう時はどうすれば。あ、ナビ機能か!?……エラー表記が出るんですが。

「……まさか裏常世渋谷みたいに、変な異世界ぽい場所……じゃあないよね、さすがに。」

見掛けた人たちは、少なくともちゃんとした生きている人間だったから。あの裏世界とは違う。
つまり、ここはちゃんとした島の一角で街の何処か…になるとは思う。

ご案内:「スラム」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
「こっちのほうに来るのは初めてかな……
 物騒な話が多かったから避けてた、と言うのもあるけれど……」
 
 落第街を過ぎてスラム街へ辿り着いた少女のような少年。
 周囲を見渡して雰囲気を伺いながら、スラムの中を突っ切って歩む。

(委員? っぽくはなさそう……けど困ってる?気のせい?)

 その最中、スラム街に似つかわしくない学生服の少年の姿を認める。改めて視線を少年に合わせてから、声を掛けてみることにした。

「こんばんわ。えっと、迷子さん?」
  

蘇芳那由他 > 「…はい?…あ、どうもこんばんわ。…えーと、まぁ。その……えぇ、絶賛迷子中です。」

声を掛けられれば、そちらへと振り向いて…その風体にん?と、不思議そうに。
…腕が多い?…まぁ、そういう人も居るか。いや、今はそんな事より。

「…あの、ここって何処か分かりますか?学生街から多分結構遠い場所のような気がするんですが…。」

前は転移荒野に何時の間にか居た事を思い出せば、今回もまた距離がある場所では…と、嫌な予感がした次第。
ちなみに、少年は服装も容姿も凡庸なので目立たないが…この場所だと逆に浮いた意味合いで目立つかもしれず。

エルピス・シズメ >  
「そっか、まいごさんかー……」

 見間違いではなく、腕が多い。
 一つ多い機械の右腕をぐるんぐるんと回した。

この異形にも取れる風体もまた、スラムの住民を避ける要素足り得るが。顔だけは可愛いが。


「歓楽街の一部……って答えじゃダメだよね。
 ここは歓楽街から落第街を抜けて……多分"スラム"って呼ばれている所だと思う。

 僕もちょっと知り合いがこの辺に居るみたいだから、下見に来たんだけど……どうする、送る?」

 きょとんとした栗色の瞳で黒目の少年をみつめた。
 警戒心は持っていなさそうだ。

「あるいは、もうちょっと見ていくか……。
 野暮用とか人に言えないこともあると思うし、どっちでもいいし詮索もしないよ。」

蘇芳那由他 > (正確には自分でもおかしいと思うくらいの方向音痴の結果ぽいんですけどね…。)

心の中で嘆きつつ、改めて相手の姿を見る。…男性か女性か分からない。でも聞くのは失礼な気もする。
あと、矢張り腕が二本ある…しかも機械仕掛け?義手なのだろうか?
見ると、足も片方が同じように機械式の…義足ぽい?

「…はぁ、スラム……え、スラム?」

思わず尋ね返した。いや、スラムの意味は流石に大まかに知ってはいるけど。
まさか、この島にスラムというものがあるとは――いや。

(落第街があるって事はスラムくらいあってもおかしくない…のかな?)

いや、それよりこの人は知り合いがスラムに居るのか…交友関係が広そうだ。

「あ、そうですね…出来ればお手数を掛けますが送って頂けると助かります。
その、僕が一人で帰ろうとすると余計に変な場所に迷い込みそうなので…。」

既に何度か変な場所に迷い込んでいる実績があるので……全然誇らしくない実績だ。
ちなみに、少年側も警戒心も何もあったもんじゃない。危機感が無さすぎる、とも言う。

「あと、僕は野暮用も何も無いですよえぇ。そもそもここがスラムっていうのを今初めて聞いたので。」

エルピス・シズメ >      
「うん。スラム。……僕も自信ないけど。
 いろんな理由でここにたどり着く人が居るみたい。」

 自信のなさから来るものか、機械のつま足で地面をぐりぐり回す。
 見た目通りの義腕義足と判断して問題なさそうだ。

「そっか。特に用事もないならこのまま案内するよ。
 来た道を戻るだけなら、迷わないしね。」

 知り合いがスラムにいるらしいが、実は交友関係は少ない。
 とは言え、そのような素振りは今の所見せてない。

 そのまま、踵を返して"こっち"と帰路へ先導する。

「危なくない道を探していくけど、一応気を付けてね。
 ……僕はエルピス。キミの名前は?」

 帰路への間、他愛のない世間話の様に名乗り、名を尋ねる。

蘇芳那由他 > 「はぁ…成程。ちなみにさっき何回か人を見かけたので道を尋ねようとしたんですが、何か警戒?されてしまったみたいで。」

不思議そうにそう口にする。別に少年自身はスラムの住人から見たら脅威足り得ない雑魚に過ぎない。
むしろ、良いカモにしかならない筈だが。彼には警戒される理由がさっぱり分かっていない。
そして、見間違いでも勘違いでもなく、矢張り義手義足を身に付けているようだ。

「えぇ、お願いします…来た道を戻るだけでも僕は迷う可能性あるので羨ましいです。」

自分で方向音痴っぽいのをさらっと暴露していく。まぁ隠している訳でもないが素直に言うのは恥ずかしい。
ともあれ、踵を返して先導する彼…ん?彼女?に続いて歩き出し。

「あ、了解です。とはいえ僕は異能も魔術も無い一般学生の凡人なので…何かご迷惑おかけしたら申し訳なく。」

素直に頷きつつも、そう口にして先に謝罪をしておく。
実際、少年は”弱い”しこういう場所や危険に慣れてはいない。迷い込む事には慣れているが。

「…あ、僕は蘇芳那由他と言います。常世学園の1年生です。」

エルピスさん…名前からして、男性?ぽいけどどうなのだろう。まだ判別が付かないらしい。

エルピス・シズメ >  
「落第街で礼儀正しい人は、大体"不慣れ"か"余裕"のどっちか。
 それもスラムみたいな奥地となれば……だから警戒されたのかも。」

 彼の見解ではそうらしい。本当かどうかは定かではない。
 義手義足への視線を感じれば、アピールするように第三の腕を遊ばせる。

「そうじゃなければ、"怪物"。……キミは本当に一般人?」

 ちょっとだけ気になったのか、じろりと蘇芳那由他と名乗った少年を上から下まで観察する。

「となると、同級生かな。改めて宜しくね、蘇芳那さん。」

 観察もそこそこに終え、生身の左手を差し出す。

蘇芳那由他 > 「…あ、僕はそれなら間違いなく前者ですね…まぁ、そもそも不慣れどころかスラムは初めて来たんですけど。」

彼の見解に当て嵌めるなら自分は前者で間違いない。少なくとも余裕なんて自分には無い。
感情が一部欠落しているので、端から見たらそう見える場合もある、というだけで。

「凡人ですって。そもそも怪物どころか僕は雑魚ですが。」

自覚のない『恐怖知らず』(フィアレス)を一般人と見ていいなら、だが。
あくまで少年は凡人であると言い張る…特殊な【槍】を所有している、とはいえ。
じろり、と観察されると流石に居心地悪そうにはしつつも。

「あ、同級生なんですね。こちらこそよろしくお願いします。」

ナユタでいいですよ、と小さく笑いつつこちらも左手の方を差し出して握手を。