2024/07/06 のログ
エルピス・シズメ >  
「それでも、傍から見たらどっちかわかんないからね。
 ……ん、そっか。じろじろ見ちゃってごめんね。」

 言葉通りに受け取り、追及も詮索もしない。
 握手を交えれば再び歩き出す。
 
 途中、一度足を止めて。
 
「こっち……はちょっとヤな空気がする。荒事でもしてるのかな。
 少しだけ迂回して……えっと、方向音痴さんなんだっけ。
 ちゃんとついてきてね。」
 
 時折、迷わない程度に道を変えて歩く。具体的には廃墟群を避けて、路地を択んだ。
 その分だけ時間は掛かるが、見失わなければ逸れて迷う事はなさそうだ。

「……そろそろ落第街を過って、歓楽街の端っこに出る所だと思う。
 この辺の地形に見覚えはある?」
 

蘇芳那由他 > 「そういうもんなんですかね…うーん、本当にただの凡人なんだけどなぁ。」

そんな”余裕”を持てるほど大物なら苦労はしないが、生憎とそんなものは本当に無い。
スラムに迷い込んでも、ほぼ”何時も通り”という時点で一般学生には疑惑は残るが。
彼も詮索や追及はしてこないので、少年が本当に【怪物】と言える側なのかは不透明なまま。

「…どうしまし……え?そういうの分かるんですか?空気?」

彼が足を止めたのもあり、少年も足を止める、が。嫌な空気とやらが少年には感知できないらしい。
何でスラムに迷い込んだのか、いよいよ怪しくなる無防備さというか素人さだ。

「あ、えぇそれはもう。むしろ付いていかないと迷子に逆戻りですし。」

彼の先導に再び従って迂回ルートを進む。態度は落ち着いているが、この辺りを歩き慣れていないのが丸分かりの足取りだ。

「…この辺りは…あー…はい、何となく。多分大丈夫だと思います。……大丈夫です。」

大事な事なので二度繰り返した。うん、大丈夫。この辺りならナビ機能もエラー出ないだろうし。

エルピス・シズメ >  
「そうだったら、変なのにあったら真っ先に逃げてね。
 『これは危険だ』と思ったりすぐにね。」

 凡人を自称する少年には、慮る声。
 彼が『恐怖知らず』であることなどは露知らず。
 
「なんとなく、流れを追ってくとね。勘みたいなものだよ。
 空気とか、匂いとか、足音とか……後で調べておこうかな。」

 簡単に説明しつつ、危険を避けて迂回路を進む。
 "大きな騒ぎになるようなものならSNSやアングラな記録アーカイブで出回るだろうし、行かない方がいいだろう。"
 道案内を担っている以上は危険には寄り付かず、安全を期す。

「本当に大丈夫……?
 不安だから、やっぱもうちょっと進むね。」

 念には念を入れてほぼ歓楽街と言った所まで出る。

「今度こそ、大丈夫かな。……大丈夫だよね?」
 

蘇芳那由他 > 「…変なの……危険……あー……了解です。」

妙な間が空いた生返事の如き了解の意。分かっているのか居ないのか。
なまじ恐怖心が欠落しているので、危険や危機への感知能力が極端に低いのだ。
つまり、ホイホイと危ない場所に迷い込んで余計な事に首を突っ込みやすい…可能性が高い。

「…僕にもそういう勘とかあればいいんですけどね…。」

エルピスさんも、やっぱりこういう場所に適応して慣れてるんだなぁ、としみじみ感心。
そして、少年の場合本人が行くつもりが無くても”迷い込む”可能性が常にある。それが悩み所でもある。

「…だ、大丈夫です!…た、多分?」

自信満々どころか自信無いのが丸分かりの返答である。
結局、念には念を入れてくれた親切なエルピスさんの配慮で歓楽街の付近まで歩いて。

「あ、流石にこの辺りは大丈夫です。…本当に大丈夫ですからね?」

何かまた不安にさせそうだが、今度こそ大丈夫だと念を押しておきたい少年。

エルピス・シズメ >  
(大丈夫かな……)

 妙な生返事に一抹の不安を覚える。
 とは言え詮索しないと決めたので、目の前の振る舞いも見逃す。


「僕のこれも、外付けのようなものだから自慢は出来ないけどね……」

 少しだけ自分のことを語りながら道を歩む。
 見立て通り適応しているのだろう。慣れた所作で道を選ぶ。

 しっかりと危険な所は避けて、案内を終える。

「ん。それなら安心。とりあえずここで到着だね。
 ……近づかないのが一番だけど、方向音痴だとそうもいかないよね……」

蘇芳那由他 > 実際、偶に大丈夫じゃない場合もあるのだが、少年は大丈夫だと意地で言っておきたい。

(だってお世話になりっぱなしだと申し訳ないし!)

…既に馴染みのある場所の近くまで案内して貰っているので、かなりお世話になってしまっているが。

(…本当、僕は人の世話になってばっかりだ。)

――僕は誰かを助けたり救ったり出来るんだろうか?
そんな、負の思考に行きかけたが直ぐに思い直した。
自分の手の届く範囲で自分が出来る事をすればいい。
…例え、ほとんど何も出来る事が無いとしても。

「…正直、僕は自分から落第街とか…あとさっきのスラムに近づこうと思った事は一度も無いんですけどね…。」

気が付いたら何故か迷い込んでいるので、最近これは呪いか何かじゃないか?と、変な悟りを開きつつある。…駄目かもしれない。

「…ともあれ、大変助かりましたエルピスさん。今度何かお礼…その、ご飯を奢るとかくらいしか出来ませんが。」

悲しいかな、少年に出来る事はまだ全然少ないのが現実だ。

エルピス・シズメ >  
「そっかー……でもそうだね。
 ああいう場所って"引き寄せられる時は引き寄せられる"し……
 ……何かあるのかもね。お化けとか残留思念とか。」

 振り向いて落第街の方面を見て、
 本気とも冗談とも取れる口ぶりでそう言ってみせた。

 お礼、と聞けば──

「んじゃ、連絡先とか交換しない?
 こう見ても友達が少なくてね……。」

 どこか自嘲めいた言い回しだ。
 ……実は友達が少ないことを、ここで吐露する。
 

蘇芳那由他 > 「…それだと、僕はそういうのに”引き寄せられやすい”って事になるんでしょうかね…。」

…何て嬉しくない特性だ。矢張り呪いか何かではないんだろうか?疑惑が強まる。
彼は冗談めかしているが、少年は割と内心でマジ思考をしている有様であった。

「連絡先、ですか?ええ、構いませんよ。……あ、僕も友達殆ど居ないので…。」

友達とハッキリ言えるのは…浩平と、あとはミアさんくらいしか居ない気がする…悲しい。

(…椎苗さんはかなりお世話になってるけど雇用主だし、崛葺さんも間接的な雇い主?みたいな感じだしなぁ。)

ともあれ、友達が増えるのは大歓迎なので、取り敢えず連絡先をお互い好感しておこう。

エルピス・シズメ >   
「かも。……悪いものばかりじゃないかもしれないけど、
 とにかく気を付けてね。」

 再三の念押し。暖簾に腕押しな感覚を抱きながらも、
 言うだけ言っておこう。

「うん。ありがとう。
 んじゃ、このコードの先のアドレスに試しに送ってくれると嬉しいかな。」

 スマートフォンを差し出し、QRコードらしきものを表示する。
 カメラ機能か何かで読み取れば、彼の連絡先が表示・記録されるだろう。

蘇芳那由他 > 「…一応、気を付けてるつもりなんですけどね。」

初対面のエルピスさんでも疑問に思いそうな少年のこの発言である。
そもそも、危機感知が低いので少年の”気を付ける”発言の信頼性はかなり低いかもしれない。

「はい、了解です…と、これでいいですかね?」

表示されたコードをカメラ機能で読み取る。表示された連絡先が記録されたのも確認した。

「よし、ちゃんと登録出来ました…と。では、エルピスさん今日は本当にありがとうございました。」

と、改めてお礼を述べながら頭をきちんと下げて。

エルピス・シズメ >   
「ううん。このくらいならお安い御用だよ。」
 
 連絡先の交換を終えれば、ちょっとだけスマートフォンを弄る。
 "なんかやたら伸びてる配信があるような。今はいっか。"
 そう思って思考の隅に置く。

「じゃ、僕は行こうかな。
 また会おうね、蘇芳さん……那由多くん?」

 連絡先が増えて嬉しいのか、やや上機嫌で名を呼ぶ。
 そうしてから踵を返し、どこかへと去って行った。

 

ご案内:「スラム」からエルピス・シズメさんが去りました。
蘇芳那由他 > 「…もし、またお世話になる事があったらすいません…。」

あと、その時はまたよろしくお願いします。…うーん、本当にお世話になりっぱなしはマズい。
とはいえ、少年が気を付けても本人が自覚が無い欠けた部分や方向音痴が悪さをしてくる。

「はい、またお会いしましょう。おやすみなさいエルピスさん。」

律義にまた会釈をしてから、彼が立ち去るのを見届けてから少年も歩き出す。
…一応、ちゃんとナビ機能は起動してきちんと作動も確認しておいたのは勿論の事。

「……参ったなぁ。」

本当に、まぁ色々と。まぁ、凡人は凡人なりに頑張ろう。
頑張ってもどうにもならないなら…その時考えよう。

半ばやけっぱちに近い思考なのは理解している。
ともあれ、少年もやっとこさ帰路に就くのであった。

ご案内:「スラム」から蘇芳那由他さんが去りました。
ご案内:「スラム」に九耀 湧梧さんが現れました。
紅き蟻人 > とある日から――落第街やスラムにその姿を見せるようになった、新たな脅威。
その姿を、敢えて形容するならば、「紅き蟻人」という所か。

紅き蟻人は、各々が武器を手に、進軍する。
殺戮を撒く為に。
その数を増やす為に。

その様に、力を持たぬ人々は、ただ身を隠すか、逃げるしか、なかった。
狩られぬ為に、そのひとつに飲み込まれぬ為に。

紅き蟻人 > 紅き蟻人は進軍する。
殺意と殺傷の意志で以て。
まるで、狩人のように。

そう、彼等は己が狩る側だと確信していた。
先日の惨劇が、配信によって広まった恐怖が、己らに対する恐れを広め、
抵抗の意志を打ち砕いたと確信していた。

故に、紅き蟻人は進軍する。
その進軍の先が、

剣閃 > ――――

斬滅の末路に続く道がひとつ、

口を開けているとも知らぬまま。

九耀 湧梧 > 「……今ので何体目だ…。」

心底からため息を吐きながら、黒いコートの男は手にした刀を軽く振る。

その足元には、正中線から縦に真っ二つにされた紅き蟻人の姿。
それも一体だけではなく、二体、三体。
いずれも、遊びなどなく一撃、一太刀で屠られている。

「何があったか知らんが、気が付かない内にここら辺も物騒になったもんだ。
おちおち休んでもいられない。」

紅い姿に、強い殺意。
以前に一度見た、紅い花によく似ている。無関係とは思えない。
そんなものに徘徊されているせいで、ゆっくり休む場所を見つけるのも大変だった。

ご案内:「スラム」に紅き弾丸ノ紬蟻人さんが現れました。
紅き弾丸ノ紬蟻人 > 「んんん。」
「ありえない。ありえないですな。」

進軍は順調に
進むはずだった。

だが…
明白に何かに
止められている
箇所がある

なんだ?
これはなんだ?
下っ端共を進軍させた進路をたどる。

…これは……

「んんん、貴様は―――」
「殺すには手に余るが。殺せるなら今すぐ殺すべき―――そう報告を聞いておりますぞ。」

相対する、斬撃の主と、
蟻害の大将格。
他の蟻と明白に違うのは喋る事。
そして―――

そのサイズは他の蟻人の3倍程の巨体。
手には悍ましいサイズの銃を持っている。

ああ、こいつは。
花を"無傷"で退けた脅威。
道理で。

紅き弾丸ノ紬蟻人 > 「だが関係ない。殺戮ですな。殺戮以外、ありえないッッッ!!!」
九耀 湧梧 > 「――――。」

突然の大声。しかも内容が物騒だ。
振り向けば、其処にいるのは先程まで斬っていた蟻の怪物共を大きくしたような、敢えて言うなら巨人蟻。

「成程、お宅がここらの蟻連中の指揮官級という所か。
喋る程度の頭の余裕はあるらしい。」

手にした刀を肩に担ぐように構え、とんとんと軽く上下させる。

「しかしまぁ……酷い事をしてくれたもんだ。
お宅の所の兵隊さん方が喧しくてゆっくり寝る事も出来やしない。
蟻は蟻らしく、エサを見つけたら(お家)に帰んな。」

しっしっ、と空いてる手で追い払うような仕草。
無論、無意味に煽っている訳ではない。
喋る程度に知恵がある相手なら、挑発――言葉による牽制が効く余地はある筈。
それを推し量る為の、敢えての口の悪さだった。

紅き弾丸ノ紬蟻人 > 「貴様は強い、それは聞いている。」
「殺すには手に余ると」
「我も、バカではない。」
「圧倒的な強さを前に、勝利を見る程愚かではない。」

そう。
こいつは強い。
圧倒的に。
撃ち合って勝てる相手ではない。
それはわかる。
だが。
もし。
少しでも怪我をさせられたら?
1%でも感染させられたら?
これ程の強者に、
不完全でも、感染させられたら…?

「クックック……!」
「ハーッハッハッハッハ!」
「寝れないか」
「休めぬか」

「まさにそうですぞ」
「まさにそうですぞ」
「まさにそうですぞ」

大きな体が、頷く。

「我らは貴様ら圧倒的強者に対して、殴り合いでは勝てぬ」
「であれば…」
「食事を」
「休息を」
「場所を」
「圧倒的数で奪い、生活のリソースを破壊して追い詰める」
「生命は1人では生きていけない」
「我らは個ではなく、軍。」
「故に殺戮です。殺戮以外ありえない。」
「殺戮をすることで、おのずと勝利の道は開ける」

「ま。そんなことはどうでも良い。」

「これの方が良いですなッ!我が異能―――無限銃弾をとくと味わうんですな!」

構える銃は、1秒に60発の銃弾を放つッッッ!!!
こいつは
毒の霧も
嵐すらも
斬れるらしいが、
別個の
それも
次々と打ち出される
攻撃は、果たしてどうだろうか。

一撃くらいは入れたいものだッッ!!