2024/07/08 のログ
ご案内:「スラム」にさんが現れました。
> ――その【黒】と【紅】の死闘の決着がついてからおよそ数十分後。

「…お~お~~何か妙な感じがして来てみたら、何か一戦あったぽいな?」

カチャカチャと、左右の腰に1本ずつ、更に腰の後ろに交差するように2本。
計4本の刀を提げつつ、鍔鳴る音に混じるのは鎖のジャラついた音色。
…その刀は全て鞘と鍔を結んで固定するように鎖が巻かれていた。

「…んー、別に斬った張ったは日常茶飯事だけど、なーんか変な気配の残滓もするわな。」

なんだろなこれ?と、足を止めて戦闘の痕跡を検分してみるが、ぶっちゃけよく分からんね。

> 「ま、俺みたいな二流の端役にゃここで何が起こってたかなんて欠片もわっかんねぇわなぁ。」

ヘラヘラと軽薄な笑みを浮かべながら、検分の真似事はさっさと切り上げる。
『前職』ならもうちょっとは真面目にしたんだろーが、今の俺はただの前科ありの落第生様だ。

「…しっかし、最近は何か紅い怪異がどうのとか落第街でもこっちでも持ち切りだし…。
それの関連かもしれねーけど…いやはや、どんだけ規模が広がってんのかねぇ?」

俺は未だにその紅い怪異の類に遭遇した事すら無いから、人伝てに聞いた曖昧な情報しか知らん。
ついでに、どれもこれも確証に欠けた断片的なものだ…つまり考えても意味がねぇ。

「しっかし怪異ねぇ…俺みたいなのじゃ到底相手にならんし、遭遇したら逃げるが吉かね、やっぱ。」

逃げ足にはそこそこ自信がある。実際逃げてきた実績があるから多分間違いない。

> 「んでも、こちとら用心棒とか何でも屋の真似事で食い繋いでる身だし、場合によってはワンチャンあるのか。」

いや、チャンスじゃねぇや不幸だわ。もしその怪異からの護衛とか頼まれても俺は速攻で断わるね。
命あっての何とやらというだろ?自分の命を守れなきゃ他人なんて守れねーって話。

とはいえ、この辺りは俺もちょくちょくブラつく一角だ…ちょっと行動範囲の見直しが必要かこれ。
一応、周囲の気配とかを探ってみるが、まぁ取り敢えず今は平和?そうで何より。

「…でもなぁ、俺みたいなのでもスラムには世話になってんし、最低限何かしておきてぇな。」

とはいえ、悲しいかな…俺には後ろ盾も伝手も仲間もなーんもない一匹狼な訳で。
つまり、出来る事なんてたかが知れてる…世知辛いねぇ。

> とりま、何か戦闘はあったぽいけど、それ以上は結局なーんも分からん!という結論。
一応、気になったからホイホイと足を運んでみたけども。

「ま、考えによっちゃ”お楽しみ中”にうっかり遭遇しなくて良かったわな。」

下手したら俺は死んでいたかもしれない。二流剣士は慎ましやかに生きたいね。
自分の強さとか弱さっていうのをちゃーんと把握してないと、マジで命を落としかねんからな。

無意識に左手を刀の柄に手を乗せる。このポーズが地味に楽でいいんです。

> と、ここで黄昏てて何か別のおっかねぇのに遭遇したらいかんね。
改めて、周囲の戦闘の痕跡をもう一度確認してから踵を返す赤髪の四刀剣士。

「…さてさて、端役は端役のまま関わらずってのが一番安全っちゃ安全なんだけどな~。」

ここで暮らしている以上、何時関わるかなんて誰にも俺にも分からんので。
舞台に上がるつもりはなくても、運命さんっていうのは偶に蹴り飛ばして舞台に上げてくるんだ。

なんて、そんな気取った戯言は程々にってな。軽く首や肩を鳴らしながら、一先ず戻るとしよう。

ご案内:「スラム」からさんが去りました。
ご案内:「スラム」に紅き月輪ノ王熊さんが現れました。
紅き月輪ノ王熊 >  


   「おお、針鼠きゅんッ!しんでしまうとはなさけなぁいッ!」


 

紅き月輪ノ王熊 > 先日の戦闘で敗北した針鼠の死体が転がっている。
普通なら王がそれに出向くことはない。
なぜなら王とは高貴であり
人前に出てくる事等滅多とないからだ

だが

「宣戦布告するってえ?この王様にぃ?あっはっはっは!」

なんだか、喧嘩を売ってくる気らしい。
面白いね。

紅き月輪ノ王熊 > 「じゃあ、キミにもう一度チャンスを与えよう」
「王の慈悲を、あげよう」

羽が潰えてくたばった
だが
形が残っている針鼠の屍骸

そこに紅い月光が、注ぐ

紅き悪魔ノ針鼠 > ―――!!!

それは。
まるで。

もう一度命を吹き込まれ。

さらなる力を
慈悲を吸い込むように。

死んだはずの針鼠が"蘇生"していく。
より
凶悪に
より
殺意的に

紅き月輪ノ王熊 > 「キミには期待してたからねえ。」
「じゃあ」
「もし彼に会ったら…」
羽ばたき、夜空へ消える針鼠に。
一本

月の冠を添えた針を
王からの贈り物を
付随させて

空へ飛ばす

「代わりに伝えといてよんっ♪」

紅き月輪ノ王熊 >  


    「宣戦布告、受け取った。ってね♪」


 

紅き月輪ノ王熊 > 「しかしねェ…」
「"死体を残して"くれるとはね。」

「その辺さ、なんだろう」

王はふと、想像する。
愛おしきあの女の顔を。
美しきあの姿を。

「イーリスなら」
「死体は全部二度と使えないようにしていただろうね」
「…王様の、やることに先回りしてくる」

「ああ、たまらないなあ、やっぱりあの子は♪」

紅き月輪ノ王熊 > 「なんか王様、キミと戦ってからずっとおかしいんだ。」
「ことある事にイーリス…」
「キミの事が頭をよぎり」
「心が」
「体が」
「全てが」
「熱く滾る」

「これが"恋"でなければ何なんだろうねぇ?あっはっはっは!」

王は、とても…とても愉快そうにつぶやく。
そう
あの戦い以来
ずっと忘れられない

紅き月輪ノ王熊 > 「なんだか」
「イーリス、キミが…」
「王様の事を、呼んでくれたような気がする」

気のせいかもしれない
だが
王に怯える彼女の姿が、声が、想像できてしまった。

なんと…なんと愛おしいのだろうか…ッ

紅き月輪ノ王熊 > じゃあ、王様も君の呪縛に向けて答えよう。
この恋文が届くかなど、分からない。
全く気付いてくれないかもしれないけれど。
恋文ってのは、届くか届かないか。
それでドキドキするのも含めて恋文だ。

もし届くならイーリス。
君に刻んだ紅き月紋の呪縛にこの言葉を送ろう。

紅き月輪ノ王熊 >  

「愛しているよイーリス」
「王様はいつでも君を待っている」
「君が王女様になる気になったら…いつでもおいで」


 

ご案内:「スラム」から紅き月輪ノ王熊さんが去りました。
ご案内:「スラム」に崛葺 茉璃さんが現れました。
崛葺 茉璃 > さて、いつもの通り治安はよろしくありませんが、いつも通りです
すなわち、平安といって差し支えないでしょう

たとえ戦火に焼かれようと、何者かが暴れようと
そこにヒトがいて、営みを続ける限り
所詮はさざなみにすぎないのです

「さて……とはいえ、ですね」

あたりを見回せば、ただようものがあれやこれやと
これもまた、いつも通り

「畏しや――」

女の声が暗闇の中に響く
反響し、広がり、更に響く
澄み切ったそれは、どこまでも遠く
しかし静かに浸透していく

ご案内:「スラム」に能守重高さんが現れました。
崛葺 茉璃 >  
濁った空気が揺れ動く
……そう、感じたものがいるかも知れない
見るものが見れば、女を中心にして「何か」が集まっている。
そう、感じ取ったかもしれない。

「さあ、いらっしゃい。
 貴方達は、私が引き受けます。
 はい。全て、全てを」

女は遠くを見るようにして、
女は近くを見るようにして、
なにかに語りかける

能守重高 > 治安の宜しくないスラムにまた一つ人影が追加される。
治安はよろしくないが所々戦があり、営みがあり、事件や事故があり
表には表の 裏には裏の仕来りに則って治安が保たれていると聞く。

数日前にも訪れたが怪しき影や何か得体のしれない何かに至るまで
何かと話題に絶えないこの地は何事が突如として起きようとも
警戒は怠らぬようにゆっくりとした足取りでスラムの中を歩く。

「色々と見えてしまうので 警戒は怠らぬようにしなければ」

といっても今はあえて手ぶらのようにしている。
いつも持っていそうな火縄銃は影も形もなさそうにない。

何か空気が揺れた気がした、どこへそれらが集っていくのか。
視線で追っていくと、その先に「何か」が集まっているのと、それらの中心に白髪で赤瞳の女性を見つけた。

「あれは?」

崛葺 茉璃 >  
「……畏み、畏み申す」

すう、と
女の中に、何かが入っていく……ように、見えたかもしれない

「ああ、そうですか。
 なるほど、これですか。これが、貴女の……
 はい、それで。こちらが、貴方の。」

おぼろげな女の姿が、また何重にもぼやけ、様々な姿に見える……かもしれない
それもまた、白髪で赤い目をした女に戻っているだろう

「……ひぃ、ふぅ……
 やはり、数はあまり変わりませんね」

小さく女は吐息を吐く
やはり、いつも通り

世の中は不穏に平和である

「さ、て……?」

何某かの生者の気配がある?
小さく女は首を傾げた

能守重高 > 何と表現していいか分からない現象が起きているのを目撃していた。
白髪の女性から唱えられている言霊は祭祀局ならではであれば馴染みのある祝詞だったか。
いや、そうではなくて、女性の中に「何か」が収納していくのは何だというのか。

一瞬にして何重にもぼやけ様々な姿になったかと思うと元の姿になっているという。
いやあれ何。まじまじと目撃してしまった。うぇええ?と小さな声を漏らしてしまった。

「…なんか気づかれた気がする、何故だろうな。」

女性が見える位置にいたからそれは気づかれるか。
開き直ってそう思うとゆっくりと白髪の女性の方へと近づいていく。

「あの、どこかで見た記憶があるのですが祭祀局の方ですか?」

何をしていたとか問わずに、近づきながら聞き馴染みのある祝詞で祭祀局の方かなと思い込みながら
恐る恐るといった形で少女は女性へ質問をかけたい。

崛葺 茉璃 >  
「……ええ、ええ、はい。はい。」

宙に向かって何事かを話しかける。
ひとしきりそれが終われば……

「では」

くきり、と。
首が180度回った――気がした。
当然、そのようなことはなく体ごと向き直った女がそちらを向いていた。

女の目に映るは和装の人物

あらあら、どちらさまでしょう?
お話からすると、局員の方でしょうか?

「ええ、はい。
 確かに、私は祭祀局の者です / 確かに、我は祭祀局の局員である。
 えぇ、と……ということは、貴方も、でしょうか? / 汝も、だろうか?
 なにしろ、局員の方については私も疎くて…… / 仲間については疎くてな……
 もし、お会いしていましたら、大変失礼をば / もし会っていたのであれば申し訳ない」

どこか、奇妙な音節で。どこか奇妙な聞こえ心地の言葉で。
女は返事を返す

「祭祀局の方、であれば……ええ、とお仕事、でしょうか? / 職務であろうか?
 このあたりの鎮めは、やってしまいましたが……」

わたし、やっちゃいました?
ああ、どうしましょう、どうしましょう

くきり、と女は首を傾げて問いかけてきた
 

能守重高 > …霊視だけじゃない、霊媒しているのでは?
複雑極まりない何とも言えない顔になった少女、
いや嘘でもなんでもない現に今目の前で起きている現象がそれ以外説明がつかない。
専門知識はプロに比べて劣るので断言も出来な…首が180度回った気が!?
いや、動きが素早くて最早残像です、こちらを目にも止まらぬ動きで振り返ってる!

ど、どうしよう いやでも会話は成り立ってるので
挙動不審にならざる得なかった少女はおっかなびっくりで会話を試みる。

女性の声が二重に聞こえなくもない 平均で聞き取れば大丈夫かなと
考えてから言葉を選ぶ様にゆっくりと声を発送と口を開く。

「声が二重に聞こえるような…いえ。
 此方も祭祀局の祓使の者です。霊視・霊媒能力は多々劣っていまして。
 少しの間あれは何事かと目撃してしまい大変申し訳ありませぬ。
 いえ、局員と言えども時々局に赴くだけなので、面識がないのも無理らしからぬこと、
 詫びは不要にて。祭祀の職務もありますが…いえ、鎮めは大変ありがたく。
 腕前素晴らしき方にやっていただく事申し訳なしもあり。感謝申し奉り候」

何か言葉遣いが古い日本語のような感じになった。
少女は最後に感謝を述べた後、深々と最敬礼をして頭を下げる。

崛葺 茉璃 >  
「ああ、ああ。そうですか / そうであったか
 局員のお方、ですね? / 局員のものだな?
 これはよいことです / なんと良きことか」

パン、と手をうつ。
それだけで、重い空気が少し軽くなったような気がする

「声……? ああ、いえ。あまりお気になさらず / 気にするな。
 といって、気になるでしょうけれど / 気になるだろうが。
 これは、そういうもの、とお思いください / そういうもの、と思うが良い。」

ごめんなさいね、とペコリと頭を下げるのです
これはもう、そういうものですからお付き合いください

「さて、ええと……はい。
 では、こちらもお仕事はほぼ終わりましたので / こちらの職務は大方終わったのでな
 そちらの用向きをお手伝いいたしましょうか? / そちらの用事を手伝おうか?」

せっかくのお仲間様ですから、スキンシップです
……これでよかったでしたっけ?

「ああ、いけません忘れていました / よくない忘れておった。
 私、崛葺茉璃、と申します。
 ……ええ、と……はい。もし聞き覚えがあれば、その通りのものです」
 
 
 

能守重高 > 気にするなと聞こえたので
二つ分の会話を二で割って平均して聞き会話として成り立たせようとした。
手を打つ動作、開手(神道)だったか。
何か気息が軽くなったような感じが心もちした。

「色々と気になりますが気にしないでおきます。
 祭祀局の末席としておりますが、不可思議な現象には目を開く事がありまして。
 ええ、はい。気にしないでおきます。此方の用事の手伝い…!
 数日前に式神を解き放ったのですが 気配が全く終えなくて、
 このくらいの大きさの鳥型の紙の式神なのですがお見掛けしませんでしたか?

 …あ。私の名を告げておりませんでした。崛葺様?
 某の名は能守重高(たかもりしげたか)と申します。
 此方こそ宜しくお願い致します」

式神については掌における大きさを示し、白い小鳥のようなものですと告げ、
名乗りの口上の後に 改めて小さく会釈程度に頭を下げよう。

崛葺 茉璃 >  
「シゲタク様、でございますね。」

にこり、と頬を綻ばせる。
といっても、その容姿はどこか朧気なままであった

「さて、式……ですか / 式、であるか。
 うーん、私も覚えがありません、が……」

なんということでしょう。ここでお役に立てないとは悲しみの極地
何かしら、考えることといたしましょう

「気配が追えない、というのは……
 あるはずの気配が感じられないのか。それとも、気配そのものが消えたのか。
 どちらなのでしょうか? / どちらなのだろうか?」

まずは聞いてみましょう、状況整理です
最悪の場合、式さんがやられている可能性もありえます
その場合は……ある意味、そちらのほうが探しやすくあるかもしれませんが。

「場合によっては、すでになにかの被害にあっている可能性もありますので / すでに破壊されている可能性もありえる
 そうでなければ、そうですね…… / そうだな……」

小さく、首をひねる

「この辺りの霊に聞いてみるのは如何でしょうか? / 周囲の霊にたずねてみるのはどうだろうか?
 なにか、多少の参考にはなるやもしれません。 / 些少は役に立つこともあろう」

能守重高 > 「しげたか です…」

よく間違えられます、名は人でいう名でその物を縛る呪と聞きます。
ぽつりと訂正を何となく求めたのは そこだけは間違えないでもしいという願いも含んでの事であった。

「特に攻撃力もなく回避力だけの式神なので…
 なさそうですか、であれば撃破されて散ったとしか思えてなりません。
 式の構造は清められた和紙と墨字で書かれた呪符で作られています。
 気配が鳥なので…攻撃力も積めばよかったのか、いやどこに詰め込めば。」

偵察を式に願い解き放って一日経った頃に回収のはずが戻ってこない。
スラムという場所柄戦いに巻き込まれてやられたかと最悪な事を想定していたが、想定はしていても実際見つからないので うぅんと腕を組み考えてしまう。

「霊媒ですか?霊と会話をちゃんとしたことがありませんので
 どう尋ねるとよいのでしょうか、気配を感じる、だけしかなくて。
 霊にお聞きする役目お願いをしてもよろしいでしょうか、崛葺さま」

崛葺 茉璃 >  
「ええ、はい。存じております。
 シゲカタ様」

治らない。これは、そういうものである。
ただ、もし。それでも。正しく呼ばれることを願うのであれば――

崛葺 茉璃 > 「ふむ、ふむ……
 それは、そうですね。で、あれば / さあらば
 危機を知らせる呪を追加する、くらいであれば書き足せるかもしれませんね?」

自分が破壊される、もしくは何らかの危機に会う
そういった時に、知らせだけが届く
そこまでなら、組み込めるかもしれない

問題は、情報が得られないことには変わらないんですけれど。
それ以上は、なかなか難しいですよね。うーん

「はい、はい。そうですね。勿論、私がしても構いませんが
 簡易な会話程度でありましたら / 簡単な会話程度であれば」

袖口から紙を取り出します
さらりさらりと、そこに文字を書き足していきます

「こちらの霊符を使っていただければ、短い時間でしたら可能ですよ?」

そうして、札を差し出した。

能守重高 > (察した 何となく指摘しても治らない)

治らないな。あまり指摘し続けても意味はないことにやがて気づくと
少女は名に対して詰問することをそれっきりやめる事とした。

「それは盲点でした、次からは危機を伝える呪を組み込みましょう。
 それくらいは容量がまだ余裕あったような… まだ在庫はあったはず」

和綴じの束を取り出すとパラパラとめくって、折りたためられた鳥の形をした何かのうち、
一枚の鳥の紙を取ると和綴じの束を腰に差し戻して。
二枚重ねの鳥(紙)を捲って中を見る。呪は組み込めそう。

「簡単な会話とはどのレベルでしょうか。」

撃破されたか な感じなのかどうなのかと悩みながら
持っていた鳥の紙を和綴じに戻しながら改めて
差し出された札を手に取るとまじまじと見た。

「霊符!これがきちんと作られた霊符!」

使うどころじゃなかった、うわあと憧れの霊符を目の前にして
もったいなくて使えない!と言わんばかりのあわあわぶりを見せた。

崛葺 茉璃 >  
「結局のところ、何を求めるか、ですね。
 一番よいのは、眼を借りる、なのでしょうけれど / 視界を共有する、なのだろうが
 ずっと式の眼を使っているわけにもいきませんしね / 常に式の眼を使っているわけにもいくまいしな」

偵察ならそれでも良いのでしょうけれど、多分短い時間向けですよね
もしくは常に何かを連絡……も大変ですね
もしくは紙に書き出す……も紙が大変なことになりそうです
なかなか難しいですね?

「式紙ですね。良いものをお持ちで」

パラパラと相手がめくる束を興味深げに眺める
一から式を組み上げるのも趣深いが、最初から編んであるのもまたよいものである

「ああ、簡単な会話、というのはですね / 簡単な会話、というのはな。
 あまり長い内容は話せない、と思っていたければ / あまり長い内容は話せない、と思っていただければ
 ……ええ、と。その……慣れない他所の言葉で話をするような、イメージ、で?」

段々と自信がなくなってきます。
伝えるためのさじ加減というのはなかなかに難しいものですね

「? 霊符、珍しいですか? / 珍しいか?
 簡易符ですし……あまりお気になさらず、お使いください / 気にせず使うが良い
 ひとまず、喚びますね」

小さく、くきり、と首を傾げる

「こよ、こよ、まつろわぬものたちよ……」
 
小さく唱えると、また女を中心にして、空気がなにか歪むような気配がする。
また、何某かが集まってきている……ような、気がする

能守重高 > 「空より下を俯瞰する目を求めているのです。
 眼を借りるのは昔使っていたのですが膨大過ぎて
 式にある程度知能を持たせて鳥のように振る舞いながら
 目的用途別にみて貰っているのですが…あ、お近づきの印に一羽(枚)どうぞ。」

殆ど偵察用に式を使うことが多くて大抵は一晩用。連絡用は
使用者が単独だと意味がないので二人以上にならないと使えない。
繰り返す使う用と使い捨て用があるけど今回のは繰り返し用で損害は地味に痛い。

「式符ですが、普段は小鳥です、スズメとかですね。
 一晩用だとカラスとか梟とかになるのですが…こちらはカラスです。ある程度繰り返し使えますよ。」

どうぞ、と恭しくカラスの繰り返し用の式紙を差し出そう。

「長い会話が無理と?ええと、慣れない場所での会話は確かに片言」

考えれば考えるほど難しい。
腕を組んだかと思うとほどき きちんとした霊符を作ることもない
式紙作りはそこそこ作れるのにちゃんとした霊符が作れない少女は
頂いた霊符をあわあわするだけで。 何か空気がよどんだと気づけばびたっと動きが止まった。

「!」

存在は何となく感じる、けれども明確に見えていない。
崛葺さまの周りのよどみに目を細めた。

崛葺 茉璃 >  
「鳥となれば、そうですよね。
 お空の目線 / 空より睥睨する瞳
 であれば、やはり緊急時の対応をどうするか、ですね」

必要は発明の母である、でしたっけ?
必要になってからどうにかしようと考えるやつです

「あら、いいのですか?
 なんということでしょう。これは、お友達の印では?」

お近づきの印に、式符をいただいてしまいました。
なんということでしょう。これはやはり、お知り合いにいただいた貴重なぷれぜんと、というやつでは?
神棚に飾っておくべきでは?
てんしょん、というものがあがってしまいます。

「お相手も、そこまで長く話せませんので / そこまで多くを話せないゆえに
 それくらいを意識していただければ……大体、どうにかなるはずです / 概ねどうにでもなる」

そういったところで、辺りの空気が淀むように
何かが、集まってきて

「さて……ええ、と。
 符を、肌に触れさせて……それから、少々念じていただければ
 それで、集まった子たちの雰囲気を感じ、声をかけることができるはずです」

そう言って、周りに手を振る

「やはり、元をご存知なのシゲタハ様ですので……よろしければ、どうぞ。
 さあ、貴方達。そちらの方とお話を」

そう言って促すのです

「参考になれば良いのですけれど。
 もし、ダメだった場合は……その時に考えましょうか」