2024/07/25 のログ
ご案内:「スラム」にさんが現れました。
> 「…うし、取り敢えず何とか生き延びたぜ…空腹的な意味でな。」

アレから、結局ツケで何とか食い物を恵んで貰って持ち直した…危ない危ない。
相変わらず、腰に鎖で抜けない四刀を提げた出で立ちで赤毛紅眼の少年がスラムの通りを歩く。

このスラムに流れ着いて…多分2年近く。元々生まれ故郷は落第街とスラムの境目にあったから空気感は馴染みがあったが。

「…いやぁ、勢いとノリで何でも屋…つーか万事屋の方がカッコいいかね。…開業するんじゃなかったなぁ。」

でも、それ以外だと用心棒くらいしか稼ぎ口が思い当たらないので仕方ないのだ。
用心棒を選択しなかった理由は明確だ。…普通にそっちの方が命がやばそうだからです。

大通りを堂々と歩きながら、時々馴染みの顔とすれ違えば挨拶くらいはする。
少なくとも、拒絶や嫌悪をされていないだけ2年近くここで暮らしている成果だろうか。

> (まぁ、訳ありの連中なんてスラムじゃあちこち居るだろうしなぁ。)

俺みたいな三流剣士の犯罪者なんて珍しくも何ともないだろうから、そういう意味では助かる。
世の中、目立ちすぎて良い事なんて多分ねぇし…あ、でも何でも屋としてはもうちょい名声が欲しいな…。

しかし、ツケという縛りで飯を食えたはいいが、相変わらず金欠だ…やっぱいね、こりゃ。
一度でいいから、財布の中に大金が欲しいものである…あ、カツアゲされそうだからやっぱいいや。

「よぅ、ばんわ~元気してる?え?貧乏人?間違ってないけどもうちょいオブラートに包んで…貧相!?面は関係なくない!?」

「…ったく、確かに別にイケメンではねぇけどさぁ…お、おっさん久しぶり!何か目ぼしい情報とか…え?金?ねぇよんなモン。
むしろ儲け話とか何か…あ、お~~い!?…くっそ逃げられた!」

なんて調子で、矢鱈と見知った顔に気軽に声を掛ける姿はフレンドリーと見るべきかうざったいと見るべきか。

> 「まぁ、うざがられるだけマシなんじゃねぇかなーって。」

軽薄な調子は崩さずに、肩を一度竦めてそんな独り言を漏らす。まぁ自覚あるし。
本当に悲しいのは無関心だからな…そうなったらご近所付き合いも出来ん。

そもそも、このフレンドリーというかいまいち緊張感のないおちゃらけた態度。
意図的にそう振る舞っているだけであり、本質はクール…なんて事はまず無い。憧れはするが。

「――最近はちょいと怪異やら噂話も落ち着いてきた感じかねぇ?…つっても。」

興味本位やら箔を付ける為にそいつらを狙う輩も増えている気はする。
まぁ、当人たちはご愁傷さまだ…そう考えるとやっぱ目立た無くて正解かもしれない。