2024/07/26 のログ
ご案内:「スラム」にメアさんが現れました。
メア > 汚れの無い衣服、手入れのされた髪や肌
おおよそこの場所に似つかわしくない少女は小さな歩幅で歩く
きょろきょろと周りを見回し何かを探している

「…いない……」

悪い意味でここでは目立つ小奇麗な子供
そう言った輩に目を付けられるのも時間の問題

そこかしこで小さな相談話の声がしてくる

> 「うーん、しゃあねぇ。こういう時は帰って寝るに限る!」

と、スラムにある塒の一つに足を運ぶ…つもりが、スラムでは見慣れない姿に眉を潜めた。

(…何だあの子、まーた小綺麗な服装な事…髪の毛とかも手入ればっちりぽいし…)

これで年齢とスタイルが抜群だったら色々と危なかった。何が危なかったかは割愛する。
ともあれ、嫌でも目立つその姿に、周囲からの相談話が聞こえてくる…うん?

「…おいおい、どさくさ紛れによからぬ企みしてるのも居るっぽいじゃねーの…。」

はぁ、と溜息を零してボサボサの赤髪をガリガリと掻いた。
依頼でも何でもないただの突発的な”面倒事”の類。回避するのが利口だろう。

「お~~い、そこのお嬢さん。こんな時間にこんな場所で何してんだ~?探し物か~~?」

で、回避するどころか、むしろ周囲の輩への軽い牽制も込めて堂々と声を掛けるのである。

メア > 「ん……?」

声のする方を向く
赤い髪の青年、腰には肩慣らし着物が4つ
じっ…と見つめた後そちらへ近づいていく

「おにいさん……はじめ、まして…」

小さくお辞儀
周りからは舌打ち混じりの小さな文句と不穏な空気が緩んでいく

「お金で、なんでも…する人……あってる…?」

探していた目的の人物であるとは思うが再確認

> (ったく、可愛らしいお嬢さんは世界の宝だっての。丁重に扱えよなぁ。数年後に絶対美女になってるだろ。)

何て不満げな野次や愚痴を小さく飛ばしてくる輩を軽く睨んでおきつつ。
まぁ、野郎共はどうだっていい。今はこのお嬢さんだ。

「おぅ、初めまして。…つーか、まぁ、合ってるちゃ合ってるが。」

何でも屋、もとい万事屋なので少女の問い掛けは間違いではない。

(流石に暗殺とか面倒そうなのは割と断ったりしてるけどなぁ。)

何せ風紀から今も手配されているであろう身だ。あまり身バレに繋がるリスクは避けたい。
が、生活の為にグレーゾーンの依頼もちまちまと受ける事は珍しくは無い。

「んで、俺をお探しって感じ?他の誰かと間違いって事はねーよな?」

赤髪紅眼で、”抜けない”刀を4本ぶらさげてる何でも屋なら流石に俺しか居ないだろうけど。

メア > 「ん、良かった……」

将来には大いに期待できそうな顔立ちではある
けれど表情がほとんど動かず声も小さいせいか人形めいた不気味さもあった

今は目的の人物と会えて心なしか少しうれしそうではある

「頭が赤くて…刀が、4本持ってたら…多分間違いないって……」

そう聞いていたのである
少なくともここまで髪が赤い人物は居たりもしたが刀を4本携えてるのは彼しかいなかった

ちゃんと怪しい時は聞いて確認していたので間違いない

「私、メア……お兄さんに、依頼…ある……」

じっ、と見上げる

> (…能面みてーな無表情…まるで人形だな。可愛いのに勿体ない!…いや、これはこれでクールだな。)

なんて、アホな少年の感想は兎も角として。
まぁ、何かすこーしだけ嬉しそうに見える…気がする。分からんけど。

「あ、うん。多分俺で間違いないな…。」

スラムでその特徴に合致するのは流石に俺くらいだと自分でも思うので。特に刀が4本の辺りが。

「ほいよ、メアちゃんね。俺はお探しの何でも屋の『赫』だ。言い難かったらテラとかでいーぜ。」

簡潔に自己紹介を返しつつ…さて、ご依頼と来た。ならば話くらいは聞くのが流儀で礼儀だろう。

「んで、メアちゃんの依頼ってのは?」

流石にちょっとだけ真面目な空気になりつつ。
何せ、依頼の内容次第によっては、彼女は完全に無駄足になる可能性があるからだ。

(――俺みたいな三流にこなせる依頼ならいいんだがねぇ。)

メア > 「赫……何でも屋さん、赫……」

忘れないようにしっかり覚えておく

「ん…メアと、付き合ってほしい……」

とんでもない勘違いが怒りそうなことを言いつつ鞄を探る
そして鞄の中からスマホを取り出し、赫に見せた

そこにはこんなことが書かれていた

手紙 > 拝啓、スラムの何でも屋殿

この画面を見ているということは目の前に可愛らしい美少女が居るかと思われます。
恐らく彼女の言葉だけではきちんと伝わらない為ここに依頼内容を記載させていただきます。

1.目の前の少女に対人戦等を仕込む事
2.訓練場の怪我は大怪我(四肢欠損)等を避けて行う事

以上2点です。
どうぞ可愛いメアちゃんの成長の為ご協力をお願いします。

追伸
メアちゃんを泣かせた場合どの様な手を使っても貴方様を地獄を見せて差し上げます

> 「ほぅほぅ、成程ねぇ。メアちゃんとお付き合い……。」

分かりやすい内容だ。これなら俺にもこなせそうだな…と、思った所で。

「はぁぁ!?付き合う?!初対面なのに!?どういう事なの!?」

思いっきり普通に勘違いしたのか素っ頓狂な声が洩れる。
あ、てめぇら笑うんじゃねぇ!!こちとら童貞だぞ文句あっか!あぁん!?

と、全然誇れない威圧をまだ遠巻きに様子を見ている連中にぶつけつつ。
と、そこで少女が持参していた鞄から取り出した携帯に目を向ける。…まさか連絡先交換…!?

(よーし、落ち着け赫。まず俺はモテない…OK?
…で、この美少女メアちゃんとはマジで初対面だ…これもOK。
…んで、依頼がメアちゃんと付き合うと。…訳がわからんぞ!!)

多分、少女がきちんと説明してくれない限りは混乱しまくりの少年かもしれない。

> 「いや、最後のこえーよ!?何なのこのメアちゃんの保護者ぽいお人は!?」

そこで改めて携帯画面を見つめて把握した。そしてツッコミを入れた。

メア > 「ん、付き合ってほしい……
これは、先生が…書いてくれた……」

驚く様子をもしかしたら依頼を受けてくれないのかな、と少し不安になりながら聞かれたことにこたえる
断られることはまずない、と言われていたのに…と心の中で先生に文句を言う

「えと…お願い、します……」

今度は深く頭を下げる
スマホの画面が見えない野次馬からは子供に付き合ってほしいと頭を下げて懇願される異様な光景かもしれない

「ちゃんと、お金も……あります…」

そしてちょっとした爆弾発言も出てきた

> 「よし、一度落ち着こうぜメアちゃん。ここで君がお金があるとか口にすると色々と誤解があかん。」

むしろスラムでの俺の評判がある意味で上がる。悪評だけどな!!
あと、多分というか彼女は普通に落ち着いているだろう。少年がむしろまだ混乱している。

「あ~…つまり、君の先生が仲介したって事ね。んで、対人戦を君に叩き込んでくれと…。」

完全に想定外の依頼が来た。いや、そもそも彼女の”先生”は自分の噂を何処で聞いた?

(…学生街とかそっちに俺の噂なんて流れてる訳ねーしな…むしろ流れてたら今頃俺は風紀に追い回されてる。)

何せこっちは前科持ちだ。あっち側に迂闊に近づけないし近づく気もあんまし無い。
それに、スラムの零細何でも屋なんて、知名度も全然無いのに――…

(――いや、その方が都合が良いから俺に白羽の矢が立った可能性もゼロじゃないか。)

ぬーん、と腕組みをして考え込みつつ、深く頭を下げる少女を見つめていたが。

「んーと、幾つか質問があるんだけどいいか?それ次第で決めさせて貰うぜ。」

と、指を一本、ピッ、と軽く立てて出来るだけ何時ものおちゃらけた軽い空気でまずそう口にする。

メア > 「ん、分かった……」

落ち着けと言われて少し黙る
押してだめなら引いてみようも立派な交渉だとどこかで聞いた気がする

なぜ自分に、そう感じてる青年の考えは実はかなり的を射ていたりする

「質問…?分かった、答える……」

依頼を受けるために必要な事ならば答えなければならない
顔をあげて質問を待つ

> 「ありがとよ。まず質問その1。そこの先生の依頼の2つ目の”訓練場”での怪我がどうのって奴。
…俺、訳ありでスラム暮らしだから訓練場にほいほいと顔を出せない訳よ。
多分、君の先生が言ってるのって学園の施設のやつだと思うんけどさ?」

流石に学園にのこのこ顔を出せる訳がない。豚箱直行コースは御免だ。
そうなると、仮に依頼を受けたとしても別の訓練する場所が必要になるが。

(流石になぁ、毎度メアちゃんにスラムまで来て貰う訳にもいかねーし…つか普通に駄目だろ。)

でも、彼女の先生が少女を護衛も無しに一人で寄越したという事は、自衛の手段がおそらく”何かある”。

(…と、なると。依頼から考えて体術とかじゃなくて異能か魔術…もしくはすげぇ武器かアイテム持ち、か。)

もし護身術や武術の心得があるなら、そもそもこの内容の依頼になる筈が無い。
必然的に、少女自身の特殊な力か…あるいは、先生とやらが何か”保険”を掛けているかに絞られる気がする。

メア > 「ん、大丈夫…何でもさんの、言う場所で頑張りなさい……って

落第街にくるの…慣れてる……」

路地裏含め、ある程度は分かるし端末に地図も備わっている
訓練場の場はあくまでどこでも良いらしい

「もっと強く、なりたい………
私は、ざこ…がり?はいいけど…実力者相手で、練習しなさいって……」

先生に言われた言葉を思い出す
よく分からない事も言われたが自分は彼に練習に付き合ってもらうのが一番手っ取り早い、らしい

> (待て待て、先生とやらは地味に俺を過大評価してない!?
実力者どころか、風紀時代は目立った活躍も実績も無い一般モブさんでしたけど!?)

思わずそこにツッコミを入れてしまうが、口には何とか出さずに済んだ…えらいぞ俺。

「…雑魚狩り出来る時点で自衛にゃ十分って気もするけどなぁ。」

あと、俺は練習台ですかそうですか…いや、まぁ対人(実力者)戦闘の経験を積みたいって事なら、まぁ。

(いや、だから俺はそこまで実力者じゃねーっつーの!!
くそぅ、何か地味にハードル上げられてる気がするぞ!)

メアちゃんは悪くない。どちらかというとこの謎の先生にちょっと恨み言とか文句は一言言いたい。
追伸の地獄がどうのとかも怖いしな!脅されてる身にもなって欲しい!

「…うーーむ、そうなると落第街で適当な場所を探すか…いや、候補はあるにはあるけど。」

俺の故郷の『伽藍』地区とか。あそこ殺風景だし暴れても被害とか無いようなものだしな…。
まぁ、訓練場所についてはこっちに当てがあるからいいとして。

「んで、もう一つ質問だけど――これは答えなくてもいいんだけどさ。…何で強くなりたいん?」

誰かを倒したいのか、それとも殺したいのか。それとも、強くなって自分自身に自信を持ちたいのか。
色々とデリケートな部分なので、答えてくれなくてもそれは全然構わないけども。

メア > 「強い人に…勝てないと、だめ……」

そう答える目には明確な意思がある
彼への依頼は先生からのおすすめという形だが強さを求める事自体はメアの強い意志だった

「…私が弱いせいで、お姉さんを救えなかった……
助けてって言われたけど、だめだった……」

それ以上は、言えない
事実、その件が無ければ態々強くなりに依頼をしに来るなんてことは無かった
全てを話すことはできないが明確な理由は有った

> 「…言っておくけど、俺は別に実力者じゃねーよ?俺より強いのなんて腐るほど居るしなー。
それに、人に教えるっつーのもあまり経験が無いからさ。ぶっちゃけ教えるという程の事は出来んかもしれない。」

――教えるとするならば、例えば自分と戦ってみて、少女自身がこちらの動きから”学習する”事くらいか。
何でも屋ではあるが初戦は零細の三流だ。一流どころか二流ですらない。
だから、変にハードルを上げられても依頼に応えられない可能性が高い…んだけども。

(成程ねぇ…そういう理由か。…自分の無力さが許せねぇって感じかね。)

――よくありがちな理由だ。少年のドライな部分がそう呟く。
だけど、それは冷めた思考の部分であって、少年自身の気持ちはまた別だ。

「――ったく。やっと依頼が来たと思ったら中々ハードル高いし、変な脅しも付いてるし…。」

顔を上に向けて思い切り溜息を零してから、少女に赤い視線を戻した。

「――わーったよ。その依頼、この何でも屋の『赫』が引き受けた。」

そう、結論を口にする。ただ、「あ、けど期待外れでも文句は無しだぞ!」と、予防線は張りたい三流である。

メア > 「問題、無い……って先生が言ってた……」

彼が選ばれた理由をメアは知らない
けれど先生がそう言ったのだから自分には彼の教えが必要なのだ
今までも先生は間違わなかったのだから

「んっ…!ありがとう…赫せんせぇ……
期待…するっ……」

先生ではないが教えてもらうので一応せんせい
依頼を受けてもらえるとなってほんの少し笑顔…かもしれない

> 「お、おぅ…。」

将来美女確定の美少女から先生とか言われると何かこそばゆいというか何というか。
まぁ、でもやっぱり冷めた思考の部分で考えてしまう事も多少ありはする。

(ま、先生とやらの思惑は…あまり目立たず依頼を引き受けてくれそうなカモを見つけ出してメアちゃんのレベルアップってとこか。)

つまり自分は、身も蓋も無い言い方をするならば少女が強くなるための踏み台や餌みたいなもの。
…まぁ、別にいいか。それが依頼だしなぁ、と冷めた部分はありつつも。

「取り敢えず…あー、連絡先は交換しておいた方がいいか。打合せしねぇと、訓練も何もあったもんじゃねーし。」

ごそごそと少年もやや旧式の携帯を取り出す。風紀時代に使っていたのを色々と違法改造したものだ。
足がそう簡単につかないように、スラムの住人に細工して貰っている。

メア > 「ん、連絡先……」

スマホを操作する
よく見れば最近出たばかりの最新型である
子供でも操作は簡単、寧ろ子供の方が覚えは早かったりする

登録名は赫せんせーだった

「でき、た……
依頼の、お金……今度現金に、変えてくるね……」

古いタイプの携帯を見てその方がいいかなと考える
電子決済ができれば簡単だが、古いタイプはその機能すら存在していない事は知っているのだ

> 「ほいよ、じゃあこれが俺の連絡先…あ、くれぐれも誰かに教えたりしないよーに!」

メアちゃんはその辺り割としっかりしてそうな気がするけど、何処で足が付くか分かったもんじゃない。
そして、少年の呼ばれ方が彼女の中でほぼ確定しているような登録名である。

「うぃ、こっちも登録完了、と。あー、報酬は後払いでいいぜ。」

金欠なのにさらりと口にする。これは少年の拘りだ。
むしろ、そのせいで騙されたり色々なった事もあるけど。

「依頼をきちんと達成しないと意味ねぇからな。
メアちゃんが俺がきちんと依頼を達成したと判断したらそん時に報酬貰うわ。」

え、実際はどうかって?そりゃすぐに金が欲しい!!が、男の子にはプライドという厄介なものがあるのだ。

ちなみに、電子決済だとそっちのデータから足が付きそうなので少年にとってはむしろ旧式の方が楽なのだ。

メア > 「ん、分かった……教えない…」

教えるなと言われれば教えない
けれど先生には一応報告するかもしれない
だがむやみに吹聴したりは絶対にしないだろう

「そう、なの……?
分かった…強くなったら…払う……」

先払いだと思っていたので不思議そう
先立つモノの言われる位だし先が良いと思っていたのだ

「じゃぁ、赫せんせぇ…また、よろしくお願いします……」

ペコリ、と頭を下げる
今日のやるべきことは全てクリア、後は家路につくだけだ

> (う、うーん…多分純粋にいい子なんだとは思うが、ちぃとばかり危なっかしい気もするなぁ。)

謎の先生も正直きな臭いというか気になるが、一介の何でも屋が首を突っ込む事でもない。

「おぅ、そうしてくれぃ。あいよ、依頼を果たせるかは自信ねーけど頑張るわ。」

引き受けたからには、自分に出来る範囲の事はする。プロでも何でも無いが一応何でも屋としての誇り?はある。

「んじゃ、取り敢えず今日の所はこんな感じか。わざわざこんな場所まで依頼に来てくれてありがとなメアちゃん。」

さて、何をどう教えたらいいもんか…と、悩みつつも。
ぺこりと頭を下げる少女に笑って軽く手をひらりと振るが。

「…って、いやいや!取り敢えず途中までは送るわ。
まぁ落第街とあっちの境目くらいまではギリギリ行けるし。」

一応、依頼人なので多少なりその辺りはきちんとしておきたい。万が一という事もある。

メア > 「ん、ありがとせんせ……」

依頼の際言葉足らずを予見されている辺り、そうなのだろう
それでも、今のメアは割とご機嫌である

「せんせぇが…捕まったら、大変……
分かった、途中までで…だいじょうぶ……」

一応彼はお尋ねものだから無理に外へ連れ出してはいけないとは聞いている
せんせーに何かあれば折角の依頼も水の泡になってしまう

だが、せっかくの気遣いなのだ
落第街からでなければ問題ないと頷く

> (くぉぉ…!先生呼びなんてまずされねぇから変にこそばゆい!!)

内心で悶えつつ、如何せん慣れないといけないので我慢である。多分そのうち慣れるだろう。

「あっはッは、そんなお尋ね者に依頼をするなんてメアちゃんも度胸あるけどな。」

謎の先生からの紹介だからなのだろうが。まぁ、ともあれ途中まではきちんと送り届けるつもりで。

「んじゃ、行くか。取り敢えずここまで一人で来れたから平気だとは思うが俺の傍を離れんよーに!」

と、何時もの軽いノリと笑顔で少女に言いながら、落第街からは出れずともギリギリまで彼女を送り届けただろう。

ご案内:「スラム」からメアさんが去りました。
ご案内:「スラム」からさんが去りました。