2024/08/17 のログ
ご案内:「スラム」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > スラムにある《常世フェイルド・スチューデント》アジトの一つ。
そこはぼろ小屋のアジトであった。

「ぐぁ…………ッ!!」

アジトの外にあるフェンスにイーリスは吹き飛ばされ、フェンスを背に倒れ込んでしまう。
イーリスはかつての不良時代の仲間達に殴られていた。

不良達 > 不良A「姐さんよぉ、随分と腑抜けちまったじゃねぇか。あの時の頼りになる姐さんはどこいったんだ?」
不良B「何がマフィアと手を切れる案を考えただぁ? もうあの時の俺達じゃねぇんだよぉ! マフィアの奴等は随分と金をくれるぜ?」
不良C「分かった事があるぜ、姐さん。義理人情で飯が食えるかっての!!」

不良の一人がイーリスの髪を引っ張り、立たせようとする。

Dr.イーリス > 髪を引っ張られたまま、イーリスは不良達を凛と睨む。

「……それで、随分と誰かに迷惑をかけているみたいではないですか。マフィアの手下に成り下がり、この島の闇を突き進んでも……あなた達には何も良い事はありません……」

このままでは、彼等がさらに闇へと堕ちてしまう……。
過激化して、取り返しのつかない事になってしまう……。
どうにかして、彼等を助け出したい……。

不良達 > 不良B「俺達は姐さんみてぇに才能もなければ頭もよくねぇからよ! 満足に飯食いたきゃ、マフィア頼る道しかねぇだろうがよ! おらぁ!!」

不良Bがイーリスを殴ろうとした時、別の不良が駆けつけてきてその拳を止める。

不良D「おい、てめぇ等。姐さんに何してくれている?」
不良E「姐さんに手ぇ出すとは、良い度胸してるなぁ? アァ!!」
不良F「これまで姐さんから受けた恩を忘れるような恩知らずには、痛い目に遭ってもらわねぇとなぁ!」

不良A「上等じゃねぇか! こんな裏切り者を庇う奴なんざ同罪だ!」
不良B「かかってこいよ!」

マフィアの手下に成り下がっていき、どんどん闇に堕ちていく《常世フェイルド・スチューデント》 。
それを止めようとするイーリスを裏切り者と罵倒する不良が手始める。
一方で、不良達を闇から這い上がらせようと頑張るイーリスを慕い続ける不良達もいた。
《常世フェイルド・スチューデント》は、そんな二つの思想に分裂しつつあった。
今も、不良達は仲間同士で喧嘩を始める。
イーリスも、リーダーのエメラルド田村も望んでいなかった内部分裂の危機……。

Dr.イーリス > 不良達は、追い詰められすぎてしまったのだろう……。
マフィアからの仕事を受けて、闇にどんどんと堕ちてしまわなければいけない程に……。
イーリスはゆらゆらと緩慢に起き上がる。

「……喧嘩は、やめてください。仲間同士で……争わないでください……」

殴り合う不良達は、イーリスの言葉が聞こえていないかのように喧嘩を続けている。
聞き入れてくれないから、イーリスは《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》を動かした。

「やめてください、と言っているのが聞こえないのですか!」

巨大な漆黒のアンドロイドは、喧嘩する不良達に割って入り、次々と殴り飛ばしていく。メカニカル・サイキッカーにとっては軽く殴るだけ、不良達には強烈な一撃。

不良達 > 不良達「ぐえええええぇ!!」

殴り飛ばされた不良達は全員倒れ込んでしまった。
不良達に大きな怪我はないし、しばらくしたら立ち上がれるだろう。

Dr.イーリス > イーリスの瞳から瞳孔が消え、視線を地面に落とす。

落第街は存在しないものとされる、この島の闇……。様々な闇が蔓延る街……。
《常世フェイルド・スチューデント》はスラムのストリートチルドレンが集まり、力を合わせてなんとか生き抜こうと頑張っていた不良集団。
スラムで貧困に育ち、そしてマフィアの手下となっていく様は、まさしく島を一直線に進んでいる。
イーリスはもう不良少女ではなくなっている。そうなれば自然と不良集団からイーリスの居場所はなくなり、もはや属しているとは言えない状態だ。
それでも、イーリスはかつての大切な仲間達を見捨てられない。どうにか、闇に堕ちきる前に助け出さなければ……取り返しのつかない事になってしまう……。

「……“王”も、皆さんのお力を頼ったとは言え頑張って倒したんです。私、諦めません。負けません」

やがてイーリスの瞳に光が戻り、前を向いて歩き出した。

ご案内:「スラム」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「スラム」にさんが現れました。
> 「――これで最後かな…っとぉ!」

とある廃ビル。黒服の連中や、それに混じった半グレだか不良集団かはまぁ知らんけど。
そういう連中を片っ端から叩きのめし、今最後の一人をぶっ倒した所である。

「ふぃ~…やっぱ一人だとしんどいわなぁ、こういうお仕事。」

今回の依頼は、最近幅を利かせてきているマフィア連中への”牽制”だ。
要するに、その連中の息が掛かった傘下組織やそれに組する不良集団や半グレ連中を潰せ、というやつ。

「ま、命は取らないから安心しなよ。この後にどうなるかまでは俺の依頼範囲外だから知らんけど。」

一通り昏倒させたのを確認してから、両手に持っていた鞘に納めたままの刀を腰の後ろに交差させるように戻した。
ジャラリ、と巻き付いた細い鎖の音が部屋に小さく木霊する。

(ま~だ残党とか取りこぼし居るかもしれねーしなぁ。ちょいと探ってから報告かねぇ。」

気になるのは、マフィア連中に混じった不良連中だ。マフィアがこんな連中を取り込むか?
単純に勢力拡大の為の足掛かり――『駒』の意味合いが強い気もするが。つまり使い捨ての鉄砲玉。

「…真っ当に生きろなんて言うつもりはねーけど、碌な未来が待ってねぇぞーアンタら。」

黒服連中は大人だからどうでもいいが、下手すれば自分より年下も混じってる不良連中を眺めて溜息。

> そもそも動きに統制が取れていないし、黒服連中の動きや指示から薄々感じてはいたが。
いっそ、風紀の連中に連行・保護された方がマシな気もするがそれを望まない奴も多いだろうし。

「…って、人の心配よりまずは自分の懐の心配しねぇとだよなぁ。」

残党や取りこぼしが居ないかを確認がてら、黒服連中”だけ”からお財布の中身を頂戴しておく。
まぁ報酬とは別のお小遣い稼ぎみたいなものだ。マフィア連中だから意外と持ってやがる。
何かイラっとしたので、倒れた黒服全員からきっちり巻き上げておこう。

「――よっし”臨時収入”ゲット!…んで、確か薬とかの取引もしてたっけか。」

依頼人からそういう事前情報も受け取っている。薬に興味があるかって?むしろ嫌いなので潰したいです。
と、いう訳で家探しを敢行。どうせ何処か隠してあるんだろう。こういうのは仕事で慣れてるので程なく見付かる。
で、薬の詰まった袋を紙袋に纏めて放り込んで屋上へ移動。そのまま、紙袋ごとライターで着火。ファイヤー。

「おーおーおクスリはよく燃えますなぁ!」

何か楽し気だが別にそんな事は無いんだ。ちょっと憂さ晴らしみたいなもんです。

> クスリの”お焚き上げ”をしつつ、さっき黒服の一人からくすねた煙草の箱をゴソゴソ。
1本取り出して咥えてライターで着火…スゥ…。

「ゲホッ…ゲホゲホっ!!…うーやっぱ慣れんなぁ煙草って。」

ちょっと涙目になりつつ煙草を蒸かしながらお焚き上げを眺める図…何だこれ。シュール過ぎないか?
ちなみに、家探しをしてる合間に依頼人には報告しておいたので、程なく”回収”しに来ると思われる。

「――別に珍しくねぇとはいえ、まぁこういうのは気分が良いもんじゃねぇわなぁ。」

割り切っても日常の一部になっていても、見慣れていても気分が悪いものは悪いんだなぁ、これが。

ご案内:「スラム」に里中いのはちさんが現れました。
里中いのはち >  
「――ならば何ゆえその様なことをしているのでござる?」

恐らくは青年の背後より、本当に何気ない日常会話が如く気軽さでもって問いが投げかけられる。
屋上の出入り口、その上に佇んでは青年と炎を見つめている忍者が一人。

闇に溶けるが如くの忍び装束から覗く墨色の瞳は、視線が交わればニコ!と人懐っこい笑みを浮かべるだろう。

> 「そーだなぁ。単純にこれが今の俺のお仕事の一環だから――って誰!?」

煙草を蒸かしながら黄昏アーンドぼやいていたら、いきなり背後から声を掛けられた。
あまりに自然な問い掛けだったから、つい普通に答えちまったじゃねーか!

で、後ろにバッと振り向いたら…闇夜に溶け込むような忍び装束…え、忍?まーじで?
赤い双眸を思わず丸くして、口もぽかーん…あ、煙草が落ちた。慌てて片手でキャッチして咥え直しつつ。

「えーと、どうも?つーか、もしかしなくても現役の忍者さん?本物?」

すげぇ、忍者のコスプレ…か、マジなのかは知らんけどそういう格好をしてる人を初めて見た。
しかし、音や匂いは勿論気配も全く感じなかった。…あっさり背後を取られたのは少し冷や汗ものだ。
つまり、その気になれば普通にこっちを暗殺とかも出来たかもしれんという事だからだ。怖い怖い。

里中いのはち >  
「ほほう! 明快でござるな!」

分かり易い回答と反応に男は肩を揺らして盛大に笑う。
振り向いた青年の顔に困惑と疑問を見て取れば、刀印を結んで見せる。ニン!

「おっと、驚かせてしまったでござるな。すまんすまん!
 然り、拙者はただの通りすがりの現役忍者でござるよー。」

ござるよぉ、くらいの、間延びした緩い声。結んだ印を解いて自由になった右手をひらひらと振る。
青年が煙草を落としかけると軽く目を眇めその隣に下り立たんとするが――此方を警戒している様子が窺えるのであらばその場に留まる心算。

> 「いやぁ、何事も単純なのが分かり易くていいだろ?世の中そういう訳にもいかんのはよーく理解してるけどさ?」

めっちゃ驚きはしたが順応は早い方。直ぐにケラケラと笑って肩を竦めて軽口を返し。
おぉ!あれが印って奴か?…やべぇ、普通にカッコいいんだが?
しかもござる口調をナチュラルに使っている…!すげぇ!と、謎に感動している赤毛少年。

「いやぁ、まさか忍者がこの島に実在するとは…俺、この島に住んでてそれなりだけど現役忍者に会ったの初めてだわ。」

けど、忍者ってもっとクールで淡々としている印象だったが彼は人懐っこい感じがする。
それが表向きなのか真実なのかは置いておいて、こちらもひらりと右手を振り返し。

何とか無事に煙草は落とさずに済んだので、煙がそちらに流れないように…あ、忍者さんの方が丁度風上だから平気か。

「んで、忍者さんの名前とかって聞いて平気かい?俺は赫(てらし)ってんだ。
スラム…んーとあっちにある貧民街で『何でも屋』をやってる。万事屋とか便利屋って言ったら分かり易いかね?」

ともあれ、フレンドリーにこちらから自己紹介。警戒心は内に秘めて自然体。
警戒しすぎても疲れるし、同時に完全に気を抜いて寝首を掻かれるのも勘弁なのだ。

里中いのはち >  
「全くもって同意しかござらんなぁ。しかし現実は大概が灰色故に。ショッギョムッジョといふやつでござるな!」

ショッギョムッジョ。とぼけているのだか本気なのだか。
頭巾で覆われた口許が大きく笑みを模っていることだけは確か。

フレンドリーな様子を墨色でさり気なくかつ確りと見、確認した上で「よいせ。」と軽い掛け声を意思表示がわりにコンクリを蹴る。
一足でその隣へと下り立ち、やはりニコニコと呑気に見える懐っこい笑みを向けよう。
無手を常に青年の視界にいれる事で、少なくとも此方に害意はないことを声なく主張しながらに。

「ふむ?先日会った少女は忍び事情に明るい様だったので、てっきりありふれて居るのかと思っていたのでござるが。」

ほんのりと目を丸くする姿に嘘偽りはない様子。

「これはこれは。拙者は里中いのはちと申す。御覧の通りの忍びの者でござるが、此の世此の島では新参者につき、無礼があったら御免。
 万屋ということは、同業のようなものでござるな!仲良くして頂ければ幸いにて。」

頭巾の下で微か鼻を鳴らす仕草。
踊るが如きほむらへ、一瞬だけ墨色を転がした後に、

「ところで赫殿、御手は大丈夫でござろうか?」

先程穂先が燈った侭に取りこぼしかけたのを気にする風。
炎から手へ、手から咥え煙草へ。墨色がゆるりと流れる。

> 「諸行無常なぁ…まぁ、そりゃ確かに頷くしかねーわ。」

…この忍者さん、もしかしてスレイヤーの方だったりしない?とか思いつつ。
ともあれ、彼の態度は何処か飄々としていて掴み辛いが、忍者らしいなぁと思う。
刃の下に心と書いて『忍』だ。心は、その本心は内側に秘めておくものなのかもしれない。

そして、その身軽さに内心で舌を巻いた。一足でこちらの隣まで来たのもそうだけど。

(…音が全くしねぇし空気も殆ど”揺れて”ない…さっすが。この忍者さん身のこなしは『本物』だわ。)

警戒と同時に素直に尊敬。”近い”動きは少年も出来るが、彼ほど熟練した動きは無理だ。
そして、彼の態度や立ち位置からその意思表示を読み取ったらしく、少年も腰に提げた4本の刀に手を伸ばす様子も無く。

「あー、忍者は昔は普通に実在したっぽいけど、現代だと…いや、居てもおかしくねぇけどさ。」

うーん、でも島の外には普通に今でも忍者が大活躍してるかもしれない。
そもそも、島から出た事が無いので”外”の情勢にはちと疎いのだけども。

「まぁ、アレだ。忍者の存在自体は知ってるやつは多いと思うぜ。俺も知ってるし。
ただ、実際に忍っつぅのをこうして目の前で見る奴はあんまし居ないかも。」

と、己の見解を述べながら煙草を蒸かす。たまーに咳込みそうになるのはご愛敬。

「ほぅほぅ…いのはち…いのはち…ハチって呼んでもいいか?」

知り合いにナナという少女が居るから番号みたいだけど、何か呼び易いし。
ちなみに、少年も気軽に呼び捨てでも構わない気持ちだ。まぁ偽名なんだけど。

「…ん?もしかして異邦人…別の世界、別の世の中から来た忍者さんかい?
あーー細部は違うけど似たようなもんか。あまり諜報活動とかはしねーけど。」

忍の仕事内容を詳しく知っている訳ではないが、大まかな括りでは多分似通っている気がする。
手については、「あぁ落としたけど寸前でキャッチしたしだいじょーぶ!」と、右手を軽く振ってみせる。
危うく火傷する所だったが、一応は平気だったらしい。視線を一度彼から街並みへと向けて。

「んで、ハチは――最近島に来たんだっけ?新参って言ってたけど。…馴染めそうかい?」

と、世間話の代わりにそんな問いかけを。質問に特に深い意味は無い。