2024/08/23 のログ
■シア > 「そう。残念、冷静な判断」
組織の人間として正解を選んでいる。それに否やは言えない。
でも、正直ちょっと残念だ。変わったものが調べられたかも知れないのに……
いっそ、一人でもいいか
「よく言ってるし、力が、みたいな感じのこと。
見せびらかしてどうするんだろうね、本当」
小さく首を傾げる。
わざわざ必要もなく力を見せて回るのは馬鹿らしい。
「……変なの。させたいだけ、混乱?」
ますますわからなくなってくる。
「いっぴ……一人、を。
調べるとか、捕まえて……ああ、ダメか」
軽率に行動は進められないらしい。
「終わったの、見回りは?」
そういえば、あれに追われたということは……終わってないのでは、と
■伊都波凛霞 >
「残念、って…。
危ないこと、考えてない?」
ダメだよ、と一応クギを刺す。
好奇心旺盛なこの子のこと、一人でも彼らに接触しそう…なんていう妙な予感。
「…それはわかんない。
急に力を手に入れたら、見せびらかしたくなったり…使ってみたくなるのかも。
混乱させたいだけ、とも思えないけど、現状だと実際混乱が起こってるだけ、だからね…」
推測するにももうちょっと多角的な情報が必要。
刑事課の方にも色々報告が上がっているし本格的に捜査チームが組まれてもおかしくはない、けど。
「……やっぱり危ないこと考えてる?」
眼を細めてじっとシアを見る。
が、そういえばと論点は変わり…。
「見回りどころじゃなくなっちゃったからね…。
異常なしとも報告できないし、異常アリアリ白黒仮面の大勢に追いかけられました。
詳しい調査・捜査の必要性大アリです───で報告しなきゃね」
■シア > 「ないよ、危なくは」
調べるくらい、危なくはないよね、という思考
すでに、理論からしてずれている。
「力……もらう、力を……
わかんないな」
力を誰かからもらう。その発想自体がわからない。
異能も何も無いが、欲しいとは思わない。便利そうなのは、そうかもしれないが。
そのうえ、それを見せびらかす。自分の力でもないものを。理解が出来ない。
少女は、首を傾げた。
「考えてないよ、危ないことは」
一人くらい捕まえて話を聞く、くらいなら危なくはないよね、という思考。
以下略
「アリアリの大アリ。白黒アリ。
……大変そうだ」
一人、ナニカを想像していた。
「大変だね、風紀委員というのも」
■伊都波凛霞 >
「んん…危ないことしないなら、いいけど…」
大丈夫かなぁ…なんて思いつつ。
でも本人が危ないことを考えていない、というなら信用するしかない。
「力…あったらあったで、なかったらなかったで。
人によりけり、考え方も千差万別だね」
自分は"持たざる者"じゃない。
抱えるコンプレックスや、劣等感…そしていざ力を得た者の高揚感なんかは、共感することは難しい。
持っている者が抱える悩みと、持っていない者が抱える悩みは本質から、違う。
それは、身を持って知っている。
「…たしかにアリって言いすぎたけど」
苦笑、ヘンなこと想像していそうだ。
「ねー、夏季休暇もあっという間。
デスクワークとかも続くと肩こっちゃって…」
トントン、と自分の右肩を叩いて、やれやれと嘆息する。
「まぁ忙しいのは承知の上でやらせてもらってるからいいんだけどね」
■シア > 「……そっか。違うか、人によって。
凛霞は? 欲しい、力?」
力が欲しいか、と。まるで悪魔の契約のような文言を問う。
千差万別、自分にはない発想。それではこの人は?そんな問いかけであった。
ガラスのような瞳が、じっと見つめる
「ぞろぞろと……アリ……確かに……」
ぶつぶつ、と想像が更に進んでいたらしい。
ふと、我に戻る
「承知なんだ、忙しいの。そうか、それも。
……ん」
大きなもので更に凝っているのでは、とは少し思うが
それはそれとして。
「でも仕事するんだね、凛霞は。
……どうして?」
首を傾げた。
■伊都波凛霞 >
「え?」
力が欲しい?
そんな、質問。
あまり問われたことがなくて、少しきょとんとする。
「んー……どう、かな……」
口元に手をあて、考える…。
欲しい…と願うには、もう持ち得ているとも言える。
でも力不足を感じることがなかったわけじゃない。
あの時も、あの時も、あの時も…。
じっと見つめるその視線に、鈍色の視線を交わして。
「欲しい…かな。
何に替えても、とまでは言わないし、
自分で身につけて、自分で成長していくカタチで…とは思うけど。
もっと出来たらな…って思うことはたくさんあったから」
口元にあてていた手を開いて、視線を落とす。
取り零したものは多いし、汚したこともある、自分の手の平。
「そうだね、忙しいのは承知でやってる。
…なんで…って言われると難しいなあ……最初は推薦されて、だったけど…」
「今は、自分が役に立てることがあって、
それで助かってくれる人がいることがわかったから、かなぁ…。
社会の一員としては、とりあえずそれで誰かの役に立てるかな?…みたいな」
改めて口にしてみるとちょっと恥ずかしい。
照れ隠しに思わず苦笑を浮かべて。
■シア > 「……」
自分の発した問に、少女がしばし考え込む。
どうやら、考えるような問いかけだったようだ。
そんなに難しい問いだったか……
「そっか。もらったりする感じじゃないんだね、じゃあ。
瞑想とかも、それ?」
なにかを犠牲にして、安易に外から力を得るのではない。
できるだけ、自分の努力で。それは、根本的に仮面たちとは異なる解答。
現状に満足できていないから、さらなる修行を、というのはすこぶる健全とも言える。
そしてふと、この間の光景を思い出す。あれも修行の一環、だろうか、と。
「……?」
自分の手の平を眺める姿に、ほんの僅かに首を傾げた。
「役に立てる。助かる人がいる……」
ふむふむ、と頷く。
「大事にしてる、誰でもない誰かを。
……不思議」
思えば、自分もその恩恵を受けた、といえる。
わざわざ、仕事でまでするのだから、そういう性質なのだろう。
■伊都波凛霞 >
「そうだね。そんな感じ」
勿論、瞑想…精神統一。
それ以外にも意義を持つものではあるけど。
…手の平を見つめる自分に首を傾げた少女を見て、
なんでもない、と笑って見せる。
「うーん、不思議かなぁ…。
例えばシアちゃんも、こないだ私と出会うまでは、お互い"誰でもない誰か"だったじゃない?
"誰でもない誰か"が明日大事な人になることもあるかもしれないからね」
誰でもない誰かは、ある日突然友人になったり、大事な存在になったりするかもしれない。
そう考えると、実に有意義なことであると思うのだ。
■シア > 「すごい、見習うべき」
現状に満足せずに先を目指す。
そこにどんな想いがあるかまではわからないが、良いことだと思った。
忘れていた訳では無いが、少し在り方を見直そうと思った。
「ん……」
"誰でもない誰か"が、"知っている誰か"になる可能性。
そんなもの、どれほどの確率かはまったくわからない。
大真面目に計算したところで、おそらくは木端のような数字だろう。
それでも
その僅かな可能性を、そのいつかを信じている、というのが主張。
「……なるほど」
理解はできた。同じ考えにまで到れるかは別としても。
そして、その域に達せるからこその、こういう人物、なのだろう。
「向いてるのかもね、確かに」
そういえば、推薦された、といっていたか。
■伊都波凛霞 >
見習うべき。
そう言われると、ほんの僅か、鈍色の眼を細める。
「妹がいてね」
「妹に自慢してもらえるような、誇りに思えるような立派なお姉ちゃんになろう~、って。
だから私自身、目指す私が見習うべき私…みたいな」
なんかややこしいね、と笑って。
「向いてる…かなぁ。
まぁ…単純に人にお願いされると断るのが苦手なだけだったりしたんだけど…」
頬をかきかき。
まぁ…動機はどうあれ、向いていたのは確かだった。
結果オーライである。
■シア > 「妹」
家族。姉妹。
そういえば、そういう存在が目の前の相手にいるだろうことは当然のことだった、
「自慢してもらえる、妹に。妹、誰かではない……
目的かな、凛霞の」
自慢してもらえる、は少しわからない。
わからないが、やることを果たした自分をみてもらう、という気持ちはなんとなくわかった。
それが目的になる、なら。それも
目的……
「手伝ってもらったし、ボクも。
お願いされるだけじゃないよね、別に。」
学生手帳の使い方を教え込まれたことを思い出す。
頼んだわけ……ではなかったはず、だ。
「ん」
遠くからざわつく気配。まだ、それなりに遠いがしばらくすればこちらに来るかも知れない。
多分だけれど、仮面の連中ではないだろうか。
「話しすぎたかな、もしかして。別のかな、それとも。
気配、しない?」
そういって、首を傾げた
■伊都波凛霞 >
「そ。だから…見習うべきとか言ってもらえてちょっと嬉しかったりして、ね」
照れてれ。
模範的生徒、規範となるべき行動倫理。
ある種煙たがられても仕方がないところもあるのは自覚しているので、
そう評されるのは、結構嬉しいことだったりもするのだ。
ちゃんとそうできている、ということだから。
「今は、もう目的なんていうほどではなくなったんだけどね。
ただずーっとそうしてきたから、生活に染み付いちゃって」
自分も手伝ってもらった、という言葉。
ふと首を傾げかけたけど、…ああ、と手帳のことかなと思い至って。
「お願いされなくても、私が自分でしたいと思ったことはするよぉ。
まぁ…おせっかいだったり、余計なお世話だったりすることも、ちらほらあるけど…」
思い当たるところもあるのか少しバツが悪そうに視線を外した、その時に。
同じく感じた、遠方からの喧騒にも似た気配。
「うっかりうっかり…そりゃあ向こう探していなかったら戻ってくるよね…。
なんでそんなに風紀委員のことが嫌いなんだろ……」
多分、仮面の彼らに間違いない。
風紀委員に対し落第街の住人の持つヘイトは、単なる逆恨みじゃないのはわかっていつつも、やや悲しい思い。
「気配も嫌な予感もビンビンするし、長居はしないほうがいいね…」
■シア > 「そう?」
現状に落ち着かず、さらなる先を目指す。
錆びつかないように保つより、よほど役立ちそうだ。
そして、それくらいは許されるだろう。
だから、見習う。
そんな当然のことを、喜ばれるのは少し不思議だ。
「いいこと。極みに至る、千、万超えて。
身になる、染み付いてこそ。」
染み付くほどに努力を重ねることができるのは、ある種の才能である。
愚直に続け、身に染み渡るほどに……というのは簡単ではない。
少女は感心する。
「助かったよ、ボクは」
おせっかい、だったのかもしれないが、少なくとも自分は役に立った。
感謝することはあっても嫌うことはない。
「嫌いなのは、風紀か。それ以外か。」
組織なのか、個人なのか。ひょっとすれば、他のなにかか。
わからないが、狙われる可能性があることは忘れずに置こう。
「……逃……移動する、どこか?」
逃げる、というのは些か聞こえが悪いかも知れない、と思い言い直す。
凛霞はどうする?と
■伊都波凛霞 >
少女から向けられる肯定の言葉。
むず痒くも嬉しい賛辞だ。
「そう言ってくれると、安心する」
お節介や余計なお世話。
表には出さずとも嫌がる人は一定数いるから。
少女がそうでなくて、一安心だ。
「嫌ったのが個人だったとしても、
同じ腕章をして同じ立場にいる人を嫌うことは、なんら不思議じゃないよ」
──坊主憎けりゃ袈裟まで
風紀員だって、落第街の住人…という括りで見ているところがあるのは否定できない。
感情的な話は大きな括りに発展しやすいもの。
さっきの彼らも、自分の腕章を見て風紀委員だと襲ってきたのだろうし───。
「そうだね。無駄な争いは避けたいし。
一旦、本庁に報告に戻るよ。…シアちゃんは?」
さっきの様子…危ないことをしなければいいけど。とやや不安。
■シア > 「?」
安心。安心とは。意味はわかっている。理解に結びつかないだけ。
そんなに不安なことがあるのだろうか。
「嫌う、同じ立場の人間を……そうなんだ。
………………そう、かな……?」
しばし何事かを考えてみる。考えてみたが、答えは出なかったらしい。
首を傾げつつ、理解、したようなしないような。
「ボク? ん……」
しばし考える。あの連中から情報を集めるということも視野には入る。
あまり考えてもよくないので手短に思考をまとめる。
「戻る、今日は。
あったし、収穫は。」
よくわからない仮面集団。それから凛霞との会話。
今日は、それなりの収穫があったと思う。
欲張る必要は……とりあえずはなさそうだ。
■伊都波凛霞 >
「わかんなかったら、また今度お話しよ」
通話でも、会ってでも良い。
にこやかにそう言葉を向けて、そして。
「ん。じゃあ、気を付けて。
仮面のあの人達、この辺りの結構な範囲で暴れてるみたいだから」
念の為、危ない目に遭わないように釘を差しつつ、そうだ…と。
「歓楽街の入口まで、送っていこうか?」
と、提案してみる。
自分が一緒にいれば、彼らが絡んできたとしても…何とかして見せる。そう思って。
■シア > 「うん」
こくりと頷く。話すことは有用だ。
拒否する理由もない。
「送る……」
要するに一緒に行こうか、ということだろうか。
自分一人でも行けそうな気はする、が……
「お願いする、じゃあ」
二人のほうが、捌く効率は良いだろう、と頷く。
フックロープも出番はないかも知れない。
「……どっちから?」
そして、首を傾げた。
戻る道はわかっているが、さて、どこからいこうか、と首を傾げるのであった。
■伊都波凛霞 >
「おっけ、それじゃあ…」
ほかにも落第街を警邏している風紀委員はいる。
普段の見回りのルートは張られている可能性を考慮して──。
「北西のほうから抜けよう。
さ、連中が戻ってこないうちに──」
行こう、と促して進行方向を指し示す。
違反部活などの拠点が多いエリアは避けて…落第街ももう歩き慣れたものである。
できれば鉢合わせしませんように。注意を祓いながら。
そう祈りつつ、その日は歓楽街のバス停付近まで共に歩いて、
運良く白黒仮面の連中とは遭遇することなく、無事に別れることが出来ただろう──
■シア > 「……ん」
凛霞の提案を聞いて頷く。
北西……だと比較的穏やかな方だろうか。
少し気にかければ、違反部活などとはそうそう出会うこともなさそうなルート。
選択としては無難だろう。
そうして、少女二人は進み出す
「なんだ」
結局、仮面どころか他の不穏、不審な連中に出くわすこともなく。
二人は無事落第街を抜けたのだった。
拍子抜けと言っていいのか、悪いのか
なんにしても、二人は無事帰路についたのだった。
■シア > 「……感謝、凛霞」
別れ際に、そんな言葉があったとか。
■伊都波凛霞 >
無事に彼女と別れ、胸を撫で下ろす。
感謝の言葉ににこやかに笑みを返して……。
──正直、少しひやりとしていた。
治安が良いとは言えない場所に、友人……友人と言って良い筈。
少なくとも自分がそう思う人物が、いたことには驚いた。
危ないことはしない、少女の言葉を信じつつも…。
好奇心旺盛な少女が仮面の連中に興味を持ってしまわないかがやや不安になり。
風紀委員の本庁に戻ると、迅速にギフターに関しての調査と捜査の手筈を進めることになるのだった。
ご案内:「スラム」から伊都波凛霞さんが去りました。
ご案内:「スラム」からシアさんが去りました。