2024/08/27 のログ
ご案内:「スラム」にキングさんが現れました。
■キング > 異世界生活…もう何日目だっけ
兎にも角にも何とか人類の文化圏に突入したキングは今、スン…としていた
親切な人間のお陰でやってきた街と呼べる場所
そこから魔物だし~と言う理由であれよあれよと落第街にまでやってきた
「我キングなのに……なんか…扱いが雑……」
学生地区とやらでは生徒じゃないから
歓楽街では人間じゃないし小っちゃいから
異邦人街という異界の者達の街、そこではなんとスライムと言うだけで素材にされかけたりトイレにつっこまれそうになった
スライムを何だと思っているのだと涙と共にやってきたここ落第街
訳アリの者達が多く集まるというこの場所は優しくもないけれど自分の事をすんなりと受け入れてくれている
「けど、ご飯が無いのだ……」
■キング > 柔らかなクッションの上で冷たく奇麗な水と共に食事とおやつが交互に運ばれるそんな生活は無かった
冷たい地面、汚い水、おやつどころか食事は野犬達と争う始末
スペシャル異世界生活はどこ……?
そんな色々が有ってキングは今スラムの端っこでスン…としている
どうしようかなとは思っているけれどどうにかする手段が思いつかない
とりあえず綺麗な水が沢山飲めればなぁと思いながら今日も元気な落第街の住人を見守る
(なんか元気なのが多いのだ…変な仮面なのだ。)
珍妙な連中が元気に暴れてる
あんなに街中で暴れてるのに討伐されたりしないのは人間だからかもしれない
魔物だったら冒険者とかが大挙してくるのに……
キングに電流走る
「もしかして、この世界には冒険者が居ないのだ?」
水色の脳…は無いけど頭をフル回転させる
この街に至るまで冒険者らしき存在は居たかと
もし冒険者が居ないなら魔物対策のプロなんてめったにいないのでは?
ちょっとやそっと悪い事をしたくらいでは問題ないのでは???
■キング > スススス…と水道の蛇口の近くへ
スラムでの催し事等で使われる蛇口
普段はロック用のゴテゴテとした装置が付けられているのだが…我流体系生命なり!
ちょっと失礼、と鍵穴に指を突っ込んで鍵の形に固定
かちゃんと回せばもう邪魔物はなし!
(あ、ぬるい!!けど割と綺麗な水!!)
ごくごくごくごく
垂れ流し状態になった川や汚染水よりは綺麗な水を補給する
10分ほど飲み続ければ使えない水場で何をしてるんだと他の住人も寄ってくる
満足いくまで水分補給を終えたキングは富の再分配の如く水場を変わる
「感謝するのだ、これも王の慈悲なのだ!」
普段は使えるはずもない水場が使える
住人達が殺到するのもそこまで時間はかからなかった
気付けばぽーいと水場から引き離されたキングと殺到する住人達
誰のおかげでと怒らないのは満足したのと懐の深さを示すため
ちょっとくらい感謝されたりまつりあげられたりとかを期待していなかったわけでもないのだけれど
「にしても割と大騒ぎなのだ、やっぱり人間も水がないと大変だししょうがないのだ。」
ご案内:「スラム」にギジンさんが現れました。
■ギジン >
たまたま用事があったスラムを歩いていて見かけたもの。
青い髪の……少女?
謎の技術で“装置”を解除してしまった。
よくわからないけれど、その存在に近づいて声をかける。
「驚きました、神群の加護でしょうか」
清潔な水を使っているスラムの住民たちを尻目に。
話を続ける。
「失礼しました、僕はギジンです。あなたの名前を聞いてもいいでしょうか?」
「とはいっても、僕も本名ではないので適当に名乗ってくれて結構ですが」
日傘が作る濃い影の中で微笑んだ。
■キング > 惜しむらくは冷たい清流の様な水が良かったなぁとか思いつつ次の悪巧みを…
始める前に声をかけられた
「うん?神の加護ぉ?
そんな妙ちくりんな物ではなく我、キングの慈悲である!」
割と美味しい水を知りもしない神の加護扱いされてはたまらない
あれは!一応!キングの御業!
自慢げに語り改めて見てみれば落第街において小奇麗な恰好の少女
同じ落第街の住人かなと思ってみたり
「うむ、ギジンであるな。覚えたのだ!我はキングだぞ!
本名じゃないのだ?まぁいっか、ギジンも飲みたかったら飲んでいいぞなのだ!」
装置を外しただけで自分の所有するものではない
けれどそれがどうした、覚悟を決めたキングに怖いものは殆ど無い
しいて言えば相手が日傘をしている事で気付いたこの日差しと暑さが怖い
ちゃんと生き物が死ねる暑さだから怖い
■ギジン >
「キング」
言葉に出してみた。王を意味する言葉。
なるほど、声に出してみれば口をくすぐる良い語感だ。
「そうですか、それは重ね重ね失礼しました」
「僕は名乗るほどの名前ではありませんので…」
否定を意味するように首を小さく振って。
「それほど喉が乾いているわけでもないですし」
「芽吹いた向日葵のように水を必要としているわけでもないので、遠慮しておきます」
見下ろす姿は、どうにも性別の区別がつきにくい。
ただ、光を反射するせせらぎのような髪と、蒼穹を思わせる瞳。
不快感を覚える存在でないことは確かだった。
「キングさんはこの街に来て何日くらいでしょうか」
■キング > 「別に失礼って程でもないから気にするななのだ!」
名乗る程でもない名前…どんなだろうとはちょっと思った
キングと言う名前は自分の誇りでもあるのでその逆、名乗るべき名前と思っている
変わってるなぁ、自己紹介を終えた後に抱く感想はそんな感じ
「なんかあれだな、ギジンは吟遊詩人みたいなだな。」
難しい言い回しをする人間は総じて吟遊詩人だった
ともかく、今は喉が渇いていないらしい
まぁ多少喉が渇いていてもあの水の争奪戦は面倒だと感じるだろうし?なんて
「多分数日ぐらいなのだ、他の街は我を雑に扱ったからもうここしかないのだ!
ここはなんかこう…緩く受け入れてくれるから気に入ったのだ!
そう言うギジンはこの街は長いのだ?」
ここに至るまで落第街は割と気に入っている
ちょっと危なそうな所もあるけど無意味に狙われないだけましである
■ギジン >
「そういうわけにはいきません」
「王に非礼を重ねれば首が泣き別れになると相場が決まっていますからね」
日傘の下で大きくなる騒ぎを遠巻きに見ていた。
「吟遊するほどフットワークの軽いオプティミストではなく」
「詩人というにはペシミストが過ぎるようにも自認しています」
数日、と言っていた。
なるほど、得心が言った。
ならば、後は老婆心の出番だ。
無論、王に諫言するに当たり陰腹を召しても誰一人喜ばない。
「あれはスラムでイベントの時にだけ解放される水道です」
「基本的に、この管轄の支配者が管理するものですね」
「キングさん、僭越ながら面倒なことが起きる前にこの場を辞去したほうが良いかと」
「この騒動だと暴行を受ける程度では済みませんので」
■キング > 「おぉ…この世界で初めて王と認めてもらったのだ…!」
かなり嬉しい
皆スライムとか魔物として扱うので王として扱ってはくれなかった
「お、おぷ…?ぺし??」
どういう意味なのかしっかり分からなかったので置いていかれた
けど気にしない、これから知っていけばいい
とりあえずなんだか分かったような顔をしておく
「あんなに喜んでるんだからずっと解放してやればいいのに。
ん~そうなると我のせいであいつらが酷い目に遭うのだろう?
なら適当に我が散らしてやるのだ!」
はっはっは!と高笑い
こそこそ逃げて何が王か、やれるものならやってみろとでも言いたげである
■ギジン >
「王を自認するのも気苦労が耐えないようで」
微笑んでキングさんを見る。
表情がコロコロ変わる。移ろうは万華。
「そうですか、確かにイタズラをして素知らぬ顔でその場を後にするのも」
「泥棒のように駆け足で逃げ出すのも王らしくはないのかも知れませんね」
日傘を回転させる。
あまり傘の骨には良くないのだけれど。
上機嫌になるとついやってしまう。子供のようだ。
「では僕は王の道行きを見ておくことにしましょう」
「後学のため、というと些か誤謬があるかも知れませんが……」
八月も末。
世は夏季休講の真っ最中。
日傘の魔女と蒼の王の接見だ。
■キング > 「王に気苦労などないのだ!」
なぜならキングだから!と理由もない宣言
「い、イタズラ!?」
王の一大決心の行動はどうやらイタズラレベルだったらしい
何だその過小評価はと思うがやってる事は確かに水泥棒
それも蛇口から…イタズラ……
「とくとみるがいいのだ!
我はこんな所で止まらないのだ!」
王らしく自由に、そして荒々しく
騒ぎを聞きつけた武装警備員達が遠くに見える
ただの蛇口騒ぎに物々しいと思われるかもしれないがこれが落第街なのだ
「来たなぁ、とりあえず帰れ帰れなのだ!」
堂々と警備員の前に立つキング
その様は何か勘違いした子供のそれが近い
警備員達も少し動揺するものの、無視して仕事にとりかかろうとする
■ギジン >
「そうでしたか、キングさんは器が大きいのですね」
相手がショックを受けたような声音を出す。
なるほど、少し言葉選びが良くなかったかも知れない。
古来より王を嘲笑っていいのは道化だけと相場が決まっている。
「失礼しました、キングさん」
「王は大海より広き御心で市井に清水を分け与えられました」
「その慈悲深き行いを何人が咎めることができましょう」
言葉を選んで、弄する。
日傘の魔女らしい、詭弁遣いであったことだろう。
警備員を前に視線を下げる。
あまり目立っても良くないのだけれど。
■キング > 「そう、我は大きな王だからな!」
実際ショックだった
だけど負けないめげないくじけない!
王が諦めない限り敗北は無いのだ!
けど、警備員達が無視してキングの横を通り過ぎようとしたのは良くない
無視はどうなんだ無視は!
太古より最も人を傷つけるのは無視と相場が決まっている
「……無視すんなごらああああ!」
振り返り、怒りのまま警備員を掴んで投げ飛ばす
子供が重装備の警備員を軽々投げ飛ばす姿は見ていて奇妙極まりない
そして運動エネルギーと偉大な重力に体を打ち付けた警備員は苦しげに呻く
他の警備員達も警棒を抜く
注目を集めているキング、他の者の事迄は気が回らない筈
「おらおらかかってくるのだ!我の怒りはこの程度ではおさまらんのだ!」
近付く警備員を掴んでは投げ掴んでは投げる
警棒を振り下ろされても平気な顔で腕や手で受け止め、また掴んで投げる
肉体が強化されているとかそう言う問題ではない
そもそもこんな小さな棒で叩かれたくらいでは意にも介さない
改めて、キングとは正しく魔物である
■ギジン >
眼を。疑った。
小柄で細身の存在が。
語られずにいた怪力乱神が眼の前でその力を振るっていた。
警備員たちが。確か……沙京から流れてきた流民の力自慢たちが。
投げ飛ばされている。
足元にも一人転がってきた。
一歩後退り、事態を見守る。
暑い中、歓声すら飛んでいた。
よほど腹に据えかねていた住民もいたのだろう。
この場に王道を阻む者はいない。
■キング > 重装備で投げ飛ばされ地面に転がる
それが何か重篤な怪我になるというわけではないのだが
体力と気力はみるみる削られる
そしてもう一つ、明らかな子供の見た目でこの怪力
間違いなく異能だろうと判断する
『ギフトの可能性あり!全員一度撤収するぞ!』
警備員の内1人が指示を飛ばす
幸い動けなくなった者はいない
少し足を引きずる者、動きにくそうな者は居るがそれでも全員が引いていく
第一次蛇口防衛戦はキングの勝利に終わった
「おとといきやがれなのだああ!!」
高らかにこぶしを突き上げる子供
これを見て王を感じる者は殆ど居ないがそれでも普段良い目には遭っていない住人達は湧き上がる
歓声の中もっと褒めろ称えろとキングは満足げに頷く
「これぞ、これぞ我の求めた異世界生活なのだ!
はーはっはっはっは!!」
気分はまさに有頂天
分かりやすく調子に乗っている
■ギジン >
「御見事でした、キングさん」
日傘を畳んでパチパチと拍手をする。
そして近づくと、柔らかく微笑む。
「沙京のならず者をちぎっては投げる姿、覇道驀進の一語」
「ただ……彼らは下っ端、ここからは異能者や異能対策をした存在が現れるでしょう」
少しだけ困ったように眉を寄せて。
「まだ御力を振るわれますか?」
「彼らもまぁ──横暴で横着ではありますが」
「水や物資を管理しているスラムの秩序維持の側の存在」
「改めて聞かせてください、まだ御力を振るわれますか?」
魔女にはこれくらいが発言の上限と言ったところだろう。
我ながら初対面の相手に肩入れしているな、とも思った。
けれど、目が離せない存在だとも。
■キング > 「そうだろうそうだろう!…沙京?」
沙京とは?知らない単語に首傾げ
そして話を噛み砕けばなんだかもっと強い連中がまた来るらしい
「ん~……よし、お前達解散するぞ!」
解散だぞ~解散!とパチパチ手を叩く
これはあれだ、下級冒険者を追い払ったら上級がやってくる流れだ
ここで慢心するのは破滅フラグだ!
「ギジン、我は勇気をもって後ろに前進をするぞ!」
これは撤退ではない!なんて言いながら住人達も水場から離れ始める
この辺りで生きている彼等も引き際はわきまえている様子
お祭り騒ぎも終わればすぐに静かなもので、取り残されるキングと魔女
■ギジン >
「沙京は外の地名ですよ、キングさん」
一つくらい苟且に摩耶化さずに答えたほうがいいだろう。
「英断をしましたね、王は多くの場合過ちを広められる側ですし」
「キングさんがそう言っていただければ無為な破滅が民に訪れなくて済みます」
煙草を取り出すと火をつけて。
甘ったるい香りの煙を吐いて歩き出す。
「キングさん、あちらを抜ければ大通りに出ます」
「それでは行きましょうか、先導くらいはいたしますので」
そのまま空虚と静寂が満たした場所から離れていく。
■キング > 「まだ地名はほとんど知らないのだ。」
でもとりあえず異邦人街だけは覚えている
狩られかけた恨みはちょっとやそっとでは薄れない
「ギジン、やっぱりお前吟遊詩人とかだろ。色々難しい言葉が多いのだ!」
煙に巻かれてけほけほ
甘い香りなのが余計に怪しい感じがする
「む、じゃぁ任せるのだ!」
先導されるままについていく
流れで信用したのかはたまた…?
兎にも角にもスラムでのちょっとした騒動は終わった
ご案内:「スラム」からキングさんが去りました。
ご案内:「スラム」からギジンさんが去りました。