2024/09/01 のログ
ご案内:「スラム」に伊都波凛霞さんが現れました。
■伊都波凛霞 >
今宵は単独侵入。
ご存知の通り、現状落第街はあちらこちらでギフト騒乱の真っ最中。
白と黒の仮面の連中が跋扈している。
此処に至るまでに既に数名を確保。
そして今も足元にその四肢を拘束された男が転がる。
「エリアD、6人目を確保。GPS情報から移送の手配をお願い。
無力化してあるけど、途中でギフト覚醒者と出会う可能性もあるから気をつけて」
連絡を終え、手帳を仕舞い、一息。
───異能者との交戦は神経を使う。
ほとんどが初見、まずは相手の能力を推察・看破するところからはじまる。
そう考えると対処としては剣技や格闘、魔術といった手合のほうがいくらか楽だ。
足元の男はこちらが風紀委員と視るなり攻撃性の高い魔術を詠唱、繰り出した。
一撃目を魔法抵抗素材の外套で振り払い、二度目の詠唱をはじめた瞬間に、喉を潰させてもらった。
───数日立てば喋れる程度の加減はしてあるが、詠唱を要する魔術師は大体はこれで事足りる。
「──さて」
覚醒者がどれだけひしめているのか想像もつかないが、
とりあえずこの身と風紀委員の腕章は、ならず者の格好の的の筈。
後の始末を応援に任せ、より入り組んだスラムの奥へと足を進めた。
■伊都波凛霞 >
単独なのは勿論理由がある。
普段落第街の警邏は裁定でもツーマンセル、要するに複数人で行っていた。
しかし此度の騒乱は、敵対想定レベルがかなり高い。
完璧超人と揶揄される伊都波凛霞。
普段は兎も角、そのスペックを十全に発揮した状態の彼女には下手な仲間は足枷となる。
言い方は悪いが、足手まといというヤツだ。
達人の如き格闘技者に覚醒した者は凛霞に一撃を浴びせることもなく、逃走した凛霞を追う途中仕掛けられた拘束罠に囚われた。
爆炎を発する異能を覚醒させたならず者は、その力を見せた次の瞬間には爆薬とオイルに囲まれ困惑している間に昏倒させられた。
狙撃を狙った者は、事前に警邏ルートを狙えるあらゆる狙撃可能ポイントを潰され、唯一の場所へと誘導され射撃前に確保された。
完璧な対応と圧倒的な速度での看破によって次々にギフトの覚醒者を無力化し、捕らえてゆく──。
珍しく本気だ、と。
彼女を知っている人間ならば思うだろう。
■伊都波凛霞 >
ただ、完璧を崩すのはいつだってイレギュラー。
あえて単独で行動しているのは、仲間がイレギュラーとなる可能性もあるためである。
そう例えば敵対勢力に捕らえられる、など。
伊都波凛霞という少女の性格を知れば知るほど、『人質』という戦法が何より有効であることが理解る。
───それが仲間なら尚の事。赤の他人であっても見殺しに出来る性格ではない。
故に、そういった個人対応を可とされるよりも前に、可能な限りの鎮圧を行う。
あえてスラムの居住者が少ないエリアを選ぶ。
緊急時に備え、歓楽街近くに数名の風紀委員が待機しているなどの対応策を講じてはいるが…。
「(…まぁ、力を得たギフトの覚醒者が、そんな手段を取る確率はそう高くは──)」
ご案内:「スラム」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
■芥子風 菖蒲 >
そんな思考を遮ったのは目の前で土煙を上げた飛来物。
土煙を上げて叩きつけられたそれは、複数の人。
覚醒者。今回の騒動で常識を失った連中だ。
男女含めて四名。くぐもった声を上げて動く気配はない。
程なくして同時に降り立った黒い風と如来像。
全身黒ずくめの少年は全身に青白いオーラを身に纏い
その背には如来像めいた妙齢の美しい女性の影が存在している。
まるで触手めいた無数の青白い糸を揺らすその様は、一種のおどろおどろしさと神々しささえ感じさせる。
「……ねぇ、まだやる?……聞こえてないか。まぁいいか。」
その少年の腕には風紀の腕章。
立ち上がる気配の無い四人を見下ろし、一息。
異能の関係上、1体多数には最適だった。
過去の経歴から警邏、及び鎮圧に抜粋された一人だ。
とりあえず連行しようかな、と思った矢先、向こう側に見える人影。
女性だ。腕には同じ腕章が付いてるしお仲間らしい。
見開いた青空の双眸をパチクリさせながら、ペコリとお辞儀。
「……どうも?お邪魔しました?」
■伊都波凛霞 >
「っと…」
突然目の前に着弾した、覚醒者らしき四名。
それから黒ずくめの少年が現れれば、成程と。
咄嗟に袖口からナイフを出現させ構え向けた右手を下ろす。
「───あ、追加。エリアDから北北西に30メートルくらい、覚醒者四人確保。ああ、私じゃなくて芥子風くんが」
名前を伝えつつ、「あってるよね?」と視線を向ける。
ナイフの代わりに取り出した手帳で先程の人物に加えて移送が必要である旨を待機組へと伝え。
「同じエリアに来ちゃってたとは。…調子、良さそうだね?」
手帳を仕舞いつつ、歩みよる。
「君をリストアップしておいたの、正解だったかな」
■芥子風 菖蒲 >
ゆらゆらと背部の糸が揺れる。
両腕を広げる青白い女性像は女神めいて穏やかだ。
ナイフを構えられても特に動じることも無く
自分の代わりに伝えられた通信には不思議そうに首を傾げた。
「別にオレの手柄にはしなくてもよかったのに。
まぁ、いいけど……、……。」
じー、青空の双眸が相手を見上げる。
何処か不思議そうなものを見る目だ。
「あんまりエリアとかよくわかんないから、とりあえず悪い奴に声かけてた。
暴れてるやつをとりあえず叩けばいいから、わかりやすいし。」
「ていうか、知り合いだったっけ?
ごめん、初めて見る顔だから。」
名前を知られてるし、なんか自分のことを知ってるみたいだし。
■伊都波凛霞 >
「手柄とかじゃないよ。
報告の手前、そういうのはしっかりしておかないとってだけ」
まぁお手柄ではあると思うけど、と付け加えつつ。
「今は風紀委員も君くらい強力な戦力が必要だから、それでも十分。
私がエリアを変えれば済む話だし」
概ね問題なし!と太鼓判。
仕事が増えて迷惑がる人もいるかな、と思いつつの件のリストアップ。
しっかりと動いてくれているのはありがたい以外ない。
「ああ、気にしないで大体の風紀委員の顔と名前覚えるようにしてるだけだから。
どこかで顔を見たことくらいはあったかな?
知り合いヅラするな!っていうんだったらそうとられないように気をつけるから、許してね」
■芥子風 菖蒲 >
「そういうモン?オレは興味ないから好きにすればいいのに。
だってほしい人いるし、たまにあげたりするよ?」
功績というものに興味はない。
名声だのなんだの、そういうものに無頓着。
なんならたまに一緒にいる人にあげちゃったりする始末。
それが悪いと思ってない。いらないからあげる。単純な思考だ。
「言い過ぎ。たまたま人よりも一人のが向いてるだけだよ。
……もしかして、なんかそういう範囲決まってた?」
職務には真面目だが意外と適当。
大雑把と言い換えてもいい。
随分とそういうのを重視するんだな。
そう思うと不思議そうに首を傾げた。
「ううん、別に。オレはそういうのの方が嬉しいよ。
ただ、なんだかオレの事に詳しいから、オレが忘れてたら失礼かなって。
うん、初めてならよかった。知ってると思うけど、オレは菖蒲。芥子風菖蒲。」
「そっちはなんて名前だっけ?」
ふるふると首を振れば後ろの糸が「OK」の文字を作ってる。
無意識化にそういうのが反映されるらしい。