2024/10/25 のログ
ご案内:「スラム」にナナさんが現れました。
ナナ >  
「ハロウィンねぇ、あんた達みたいなのでもそういうのやるんだ。」

とある組織の事務所
その受付に置かれたカボチャをモチーフにしたお菓子を手に取る

サクリ、カボチャ味のクッキーらしい

「で、今日は何か新ネタ有るの?
……でしょうね、期待してないけどここまで来て無駄足だったのはこたえるわ。」

ため息1つ
研究区のとある研究所についての情報を求めるも、見事に何もない
依頼を出してもこれでは今後も期待はしない方が良いかもしれない

と、思い出したように1つ新情報が

「神出鬼没のコートの男…?
……良いわ、そいつについても一応調べて。」

嫌な予感はしつつ、今回の分の支払いを済ませる

建物の外に出れば少し肌寒い風が吹いている

ナナ >  
「寒くも熱くもない微妙な温度よね。」

気が付けばもうすぐハロウィン
事務所に転がり込んでから随分と経っていた
正直な所平和で、かなり過ごしやすくは感じている

だから、このままでも良いかななんて考えすら偶に思ってしまう事が有る

「はっ、いやいや…有りえないから。

……有りえないから、絶対。」

復讐をやめて、逃げつつも平穏に過ごす
出来ない事はないそんな未来を想像して直ぐに忘れる

有ってはならない下らない想像
復讐を忘れるなんて事は出来るはずがない
何年も何十年も経ったとしても決して自分が味わった地獄を忘れる事なんてできない

「あ゛ぁ…イライラしてきた。
思い出すたびにしっかり殺したくなるのもあいつらの才能だよね。」

カチカチ、歯を噛み合わす
イライラする
 

ご案内:「スラム」に夜見河 劫さんが現れました。
スラムの情景 >  
――世の中、イライラに悩まされる者がいれば、逆に何の実感も感じない事に悩まされる…
言い換えればストレスに悩まされる者もいるものである。

そして、そんなストレスはあまりにも蓄積すると一度解放した時に爆発的に広がるのが常であり。


突然、歯噛みをする少女から数メートルほど前方の路地から何か――否、何者かが、すっ飛んできた。
それもほぼ地面に水平な飛び方で。

飛んできた「そいつ」は…有り体に言って、ガラの悪いゴロツキじみた外見であった。
それが少女の面前と路地を横切ってすっ飛び、ちょうど路地を横断した先の廃屋の壁にぶつかって派手な音をたてる。

よろよろと起き上がったゴロツキ風の男は、鼻が潰れた上に顔の至る所が腫れ上がった、
中々ひどい状態で立ち上がり、頭をぐらつかせながら視線を動かす。

一度、白い髪をした少女に目が留まり、その直後、自分がすっ飛んで来た路地の奥を目にして、
何とも形容しがたい悲鳴を上げながら、ゴロツキ風の男はその場を逃げ出そうとよたよたと走り始める。

……その足音を追うように、男がすっ飛んできた路地の奥から、小さな足音。人数は――ひとり。
 

ナナ >  
「はぁっ!?」

音がした、振り返れば人が垂直に飛んでくる
そしてすぐ横を通り過ぎて壁にぶつかった

起き上がった男らしき人物は顔がパンパンに腫れている
どれだけ袋叩きにされたのか、こちらと路地の奥を見て走り去る男を見送る

「カボチャみたいな顔、仮装もあそこまでやれば大したものよね。」

さて、逃げて行った男が飛んできた方向からは足音が1人分
恐らくは顔面カボチャの製造主だろうか

興味本位でその姿が見えるのを待ってみる

夜見河 劫 >  
かつ、かつ、と、小さく足音が大きくなるにつれて、一緒に何かを引き摺るような音も聞こえて来る。
そこそこ、重さのありそうなものを引き摺る音。

そして、ゆらりと路地から姿を現したのは…あちこちがほつれたブレザーを着た、一人の男。
顔には包帯を巻いているが、血塗れの上に既に千切れて顔からいくらか外れて垂れている。

「………。」

路地から出て来た男は周囲を見渡し…白い髪の少女に気付くと、そちらに視線を向ける。
その眼は、敢えて形容するならどす黒く燃え上がる、劫火のような炎。
異様な光を宿す目で白い髪の少女に目を向けながら、引き摺っていたもの――
ズタボロになっているゴロツキ風の外見の男を、ゴミ袋でも捨てるようにその場に放り出す。

「………聞きたい事があるんだけど。
こっちに飛んできた奴、どっちいった?」

異様なぎらつきを見せる瞳に対して、口調の方はひどく平坦。
何と言うか、世間話を振るようなテンションだ。
 

ナナ >  
(早めの仮装…って訳でもなさそうね。)

さて、現れたのはさっきの男に負けず劣らずにボロボロに見える男
かなり激しくやり合ったのか、引きずられていたごろつきも合わせて全員がズタボロな訳で

「あっちに走って行ったけど、喧嘩でもしてた訳?」

隠す理由もないので逃げて行った方を指差す
声を聴いてみれば意外と元気な様で、ワンサイドゲームだったのかとも思ったり

「やっぱりこの辺りは相変わらずね。
おめでたいイベントの前でも血生臭いわ。」

この街で喧嘩が起こらない日なんて無い
そんな現実が改めて目の前に現れて呆れ混じれのため息を一つ

夜見河 劫 >  
「……逃げたのか。」

それが分かるとひとつため息を吐く。
途端に、ブレザーの男の瞳の異様なぎらつき方が、まるで火でも消えたように萎んでいき、
かわりにひどく無気力そうな雰囲気が出てくる。

「うん、まあ、そんな所。
こいつら、よくない薬を売ってたみたいだったから。
……殴ってもいい奴。」

がっ、と、放り出したボロボロの相手に軽い蹴りを一発。
蹴りを喰らった相手は小さく唸り声を上げて身体を震わせているので、死んではいないようだ。
負傷と心的外傷については保証されないが。

「…年中そんなもんでしょ、この辺りなんて。
カツアゲも、悪い薬の売り買いも、人攫いだって。
勿論、喧嘩も。」

言いながら、いい加減鬱陶しくなってきたのか、顔の包帯を引き千切って外す。
明らかになった素顔の造りは悪くはない…というか良い方に入るだろう。
それを異様な輝きを見せる眼が台無しにしているが。

「…悪い薬をお菓子に混ぜて流したりとか、割と平気でやる奴らもいるし。
まあ、俺には関係ないけど。殴っていい相手ならそれでいい。」

ぷっ、と血の混じった唾を吐くと、顔中の血を乱暴に拭う。
所々に打撲痕が見えるが…不思議と、傷などはついていない。
 

ナナ >  
「追わないんだ、まぁどっちでも良いけど。
薬の売人狩りなんて良い趣味じゃない。」

別に皮肉ではない
そっちにはあまり興味もないが薬の売人なんて居ない方がマシなのは同意できる

どうせこの街には腐る程居るので自分では態々何かしたりはしないけれど
ボランティアのゴミ拾いには感心する、そんな感じ

「殴っていいって、案外可愛い顔も合わせていい子ちゃんな訳?

そんなに誰か殴りたいなら殴っていいなんて言い訳しなくても好きにすればいいじゃない。」

そんな意見が出るのはナナの性根か、この街に馴染んだからか
殴ってはいけない等ではなく自分が殴りたいかどうかで判断するナナとしては、目の前の青年が息苦しそうに感じられた

「けど、ハロウィンが近いとそういうのも増えるのか…イーリス達に食べさせる前にチェックしとかないと。」

同居人の事を気にしつつ盲点だったハロウィンでの注意について考える
もしかしてさっき自分が食べたのも?なんて勘繰るが…今度から気にする事にする
 

夜見河 劫 >  
「――別に、趣味な訳じゃない。
今回は、殴っていい奴が売人だっただけ。」

血塗れの包帯を放り捨てながら、小さく息を吐く。
軽く腕を振ると、拳に飛び散った血が地面に飛ぶ。

「……殴っていい相手じゃないと、後々風紀が煩いから。
殴ったらダメな相手を殴ったり、殺したりしたら、『等級(ランク)』が上がって、自由が無くなる。」

気の抜けた声でそんな言葉を返しながら、頭を掻く。
ダメージを受けていたのか、軽く血が流れて来た。

――「監視対象」。
もしかしたら、白い髪の少女も何処かでその単語は聞いた事があるかも知れない。
様々な理由で、風紀委員会から監視を受けている者達。

この男も、口ぶりからして監視対象のひとりなのだろう。
「自由に振る舞って結果縛られる」事と「我慢と相手を選ぶ代わりに一定の自由を得る」。
それを天秤にかけて――あるいはもっと単純に考えて、この青年は後者を選んだ。
どちらが正解とも言えない、だがどちらかを選ぶ必然性のある二択。

「……家族がいるの。
なら、あんまり心配かけないほうがいいよ。
お前は「殴ったらダメ」な相手だと思うし。」

少女の独り言には、そんな声を。
つい先ほどまで殴り合いを演じていた人間とは思えない。

……よく観察していれば、顔面の打撲痕などが少しずつ薄くなっていく事に気が付くかも知れない。
異能か、あるいはそれ以外の何か、か。
 

ナナ >  
「趣味じゃないの?仕事?

等級って…あぁ、風紀委員の監視対象とか何かだったっけ。」

確かそんな制度があると聞いた事は有った気がする
細かい内容を省けば文字通り監視されている危ない連中

要は首輪付きと呼ばれる一種の笑い話の1つである

「はっ、首輪付きにそんな心配されたら笑い話だよ。
家族は居るけど私は心配されるよりする事が多いっての。

あと、お前じゃなくてナナって呼んでくれる?我慢男。」

暴力衝動が有る様に見えてランクなんて気にする態度と、お前呼びに高圧的な言葉が出る
息苦しそうという感想は段々とうじうじしてる、といった風に変わってきていた
 

夜見河 劫 >  
「そ。風紀の監視対象。
――首輪付きは本当だし、俺なんかその中だと大した事ないレベルだけど、
もし他の連中に遭ったら、あんまり挑発するのはやめといたほうがいいと思う。

見た事ないけど、二級以上は本物の「怪物」って話だし。」

他人事みたいに、そんな事を宣う。
実際、二級以上の「監視対象」に遇った事はないし、概要しか知らないが、
それでも「監視が窮屈」なレベルで「ヤバイ連中」だというのは、何となく想像がつく。
まあ、それが今目の前にいる高圧的な態度の少女に通じるかは分からないけど。

「我慢男じゃなくて劫。夜見河、劫。
――ナナ、ね。覚えとく。」

意趣返し…というには今一つ生気に欠ける声。
どう表現するべきか――敢えて言うなら、燃え残りの焚き火、と言う所。
その位に、活力というか、活き活きしている雰囲気が枯れている調子になっている。

うじうじしている、というよりは、生きている実感が欠けた雰囲気、というべきか。
 

ナナ >  
「こんな程度に挑発になるならこの街でご飯食べるのは無理ね。
怪物ならそこかしこに居るし会ってみたいわ。」

ここでプッツン殴りかかってくる位なら笑って相手をしていたが、思ったよりも青年は大人しいらしい
線引きがしっかりしているのか、もう発散し終わってスッキリしてしまってるのかは分からないけれど

「そう、なら劫ね。
お互い可愛らしいあだ名で呼ばなくなって良さそうじゃない。」

ちゃんと受け答えをするものの、彼…劫はどうも反応が鈍い
逃げたのと転がっているのを見るにここまで加虐する手合いにしては大人しすぎる

燃え上がると止まり辛く発散した後は暫く燃え尽き状態なのだろうか
どちらにせよ着火剤でも叩き込まないと今は大人しそうなままだろう

「それで、すっきりしたあんたはこの後どうする訳?
追いかけて叩き潰す~なんてテンションでもなさそうだけど。」
 

夜見河 劫 >  
「――確かにね。
此処じゃないけど、落第街には10人単位で監視がついてる「怪物」がいるって噂だし。
噂しか聞いてないけど、一度会いには行ってみたい。」

そんな危ない事をどこかぼけっとしながら口にする青年。
恐らく…会った後にする事は、殴り合いなのだろうが。
いずれにしろ正気とは思えない。

「逃げちゃったのは、もう仕方ない。
……前に一度、追い詰め過ぎて、関係のない女の子が人質になっちゃった事もあったし。
本当なら放っておくところだけど、なんだっけ……ハロウィン?
そんな行事で、間違ってこっちまで来ちゃう普通の相手が居ると、さすがにちょっと気まずいから。」

ごそごそとブレザーの裏を探って、携帯端末を取り出す。

「……面倒だけど、風紀に連絡して、引き取って貰う。
捨てられたって分かったなら、多分こいつも口が軽くなると思うし。」

普段だったらここまでしない。
相手が偶々良くない薬を取り扱っていて、世間が偶々賑やかになる時期だったから、仕方なく、だ。

「取調、面倒だと思うし、帰るつもりなら帰っていいよ。
俺はこいつらをぶん殴ってて、他には誰にも遇わなかった。そういう事にしとく。」
 

ナナ >  
「もうそいつ檻にでも閉じ込めた方が良いんじゃないの?」

会話ができる猛獣みたいなのまで居るんだと少々驚き
閉じ込められない事情でもあるのか何なのか

「ハロウィン知らないの?面白おかしい結構有名なイベントなのに。
追い詰め方下手なのか、中途半端にやるからよ。」

抵抗すらできない程心身共に折ってしまえばいいのにとは思う
若しくは、狩りを楽しむ様なタイプなのかも?なんて事も考えたり

風紀委員に連絡と聞けば、い゛っ…と顔を歪ませる

「その方が助かるわ。
正直風紀委員にお世話になりたい身分でもないから。

それじゃぁまたどっかであったらよろしく、劫。」

足早にその場を後にする
間違っても風紀委員と顔を合わせない様に…