2024/10/26 のログ
夜見河 劫 >  
「噂だけど、閉じ込められる檻がない、って聞いた事はある。
閉じ込めても力づくで抜けられる、とか。」

確かそんな噂話だったと思う。
他にも普通の人間業とは思えない噂もいくらか耳には届いている。

「――そういう行事、縁がなかったから。賑やかだな、とは思うけど。

…そうだね、アレは俺のやり方が悪かった。
無関係の子を人質に取られちゃった事もだけど、逃げられないようにしとけばよかった。」

――まあ、そのお陰で出来た縁もある。
またいずれ、その彼女には会えればよい。

ついでに、今日偶然知り合いになった白い髪の少女とも、今度はもう少し穏やかな場で遇えればいいかも。

(……何考えてんだ、俺。)

心の中でため息を吐きながら、足早に去っていく後ろ姿に手を振り。

「帰り道、気を付けなよ。じゃ。」

恐らく大きなお世話だと言われそうな言葉をかけ、完全にその後姿が見えなくなってから、通話機能を起動。

「――もしもし風紀? …そう、「狂狼」。
定時外だけど、連絡。スラムでよくない薬の売り買いやってた奴を潰したから、引き取りに来て。」

そんな愛想も何もない調子で手すきの風紀委員を呼び立て、十数分程してから、
参考人として一緒に連行されていく青年だった。

(……帰れるかな、今日。)
 

ご案内:「スラム」からナナさんが去りました。
ご案内:「スラム」から夜見河 劫さんが去りました。