2024/11/29 のログ
ご案内:「スラム」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ご案内:「スラム」にF.U.R.Yさんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
普段は風紀委員としての警邏で来ることは殆ないスラムの一角
理由は──風紀委員に所属する者、ことさらこの辺りに踏み込む者は知っていて然り


「──逃走した違反生徒は件のエリア付近に逃亡。
 念の為に外側で待機しておいて、一応…踏み込んでみるから」

オモイカネで簡潔に状況を伝え、ふぅ…と深く深呼吸
目的なく踏み込み無用な争いを起こすのは、風紀委員としても望むところではないため、少女も近づくのは初めての経験である
それでも追っていた違反生徒が…となれば足踏みしているわけにもいかず、

一応応援の手筈だけを整え、左腕の腕章の位置をなおせば、荒れた街並へと踏み込んでいく──

F.U.R.Y > その獣は―――気が立っていた。

今しがたテリトリーに見知らぬ輩が入り込んできた事。その輩が無差別に銃を乱射し場を荒らした事。

何より、ここ最近の”不甲斐ない”連中との喧嘩で溜まったフラストレーション。

そこに、見かけた綺麗な制服、新たな余所者の気配。
ただでさえ気が立っていた獣の眼に映った、忌々しい”腕章”の姿は…

獣の怒りに火をつけて。

「おィ」

隠す気のない殺気。小さいにもかかわらず居場所を刻銘に伝える、低いうなり声に似た声。

それと共に、今しがた入り込んできた余所者の女の後ろにあった瓦礫が、”吹き飛ぶ”

激しい怒号の中から現れる獣の姿は――――
ボロボロの黒いライダースーツを身にまとい。
黒々と内部で燃えているかのような、溶岩を固めて作ったかのような左腕をもった、異形の”男”

赤が混ざったボサボサ頭はまるで威嚇するように逆立ちながら…女の方をにらみつける。

男の名は、F.U.R.Y。
この一帯をテリトリーとする、憤怒の獣。

「風紀の雑魚共が何の用か知らねェが…
 人のシマに土足で踏み込むたァいい度胸じゃねェか――――ッ!!」

伊都波 凛霞 >  
──過去にも、彼と対話を試みた風紀委員はいただろう
怒りを諌め、我々を狙う理由を問う者は、いた筈だ──

本来この少女も、それを重んじるタイプである
だからこの場に踏み込んだ理由をまず、説明しようとした
けれど、それは激しい憤怒によって遮られ届かない…

「───話を…っ!」

聞いて、と唇が音を出すよりも疾く、男の振り翳した拳が降りかかる
力任せの軌道は咄嗟とはいえ読むことは出来る
高速で走る思考はそれを避けることを容易に可能にする…"筈だった"

「(やばくない…?)」

ただの一撃じゃない
受け流して、とか…ギリギリを躱して、とか…
色々なパターンを加速する思考が描いてゆく───結論

掠っても、やばそう

「っ……!!」

大きく後ろに飛ぶことで回避──それでも、その拳圧の凄まじさに手元のオモイカネが弾き飛ばされる
これは──迂闊に対話を試みようとすれば、一撃でヒネられる

そう判断した少女の覚悟は、瞬間でキマる

「──已む無しっ!」

振り払う様に薙いだ両腕の袖口からその手に握られるのは、旋棍(トンファー)
スタンロッドを兼ねる暴徒制圧用の装備
徒手空拳の感覚に近く扱うことが出来、少女が愛用する得物の一つだ

「少し、大人しくしてもらいますから!!」

ぐ、と下半身に力を籠め…地を蹴る
辺りは薄暗く、この季節によくある小雨が降り始めていた
しかし男の激昂…その憤怒に呼応したかの様に、稲光が轟始める
その紫雷に照らされる中、瞬足で肉薄した少女は躊躇なく、その旋棍を勢いづけ、その異形の腕に向けて振り放った

──風紀委員の数々の報告…この男は"怪物"とカテゴライズしておいても問題ない、それを踏まえての加減のない一撃
並の人間ならそれを受ければ骨が砕けても、おかしくない

F.U.R.Y > 「知った事かよッ!!」

その獣、否、男はすでに”狩り”の体制に入っていた。
下より戦う以外の道などない。相手が風紀の人間ならば、なおさら。

この男には、風紀委員を嫌悪する”理由”がある。

「ここらはなァ…
 
 テメェらが出しゃばれる場所じゃねェんだよッ!!」

瓦礫を物ともせずに直進、左腕を大きく振りかぶる。
おおよそ武術とは程遠い、喧嘩パンチ。
だがその勢いは、拳に巻き上げられる風圧の凄まじさが。

その腕の一撃を”危険”と知らしめる。

伊都波 凛霞 >  
──過去にも、彼と対話を試みた風紀委員はいただろう
怒りを諌め、我々を狙う理由を問う者は、いた筈だ──

本来この少女も、それを重んじるタイプである
だからこの場に踏み込んだ理由をまず、説明しようとした
けれど、それは激しい憤怒によって遮られ届かない…

「───話を…っ!」

聞いて、と唇が音を出すよりも疾く、男の振り翳した拳が降りかかる
力任せの軌道は咄嗟とはいえ読むことは出来る
高速で走る思考はそれを避けることを容易に可能にする…"筈だった"

「(やばくない…?)」

ただの一撃じゃない
受け流して、とか…ギリギリを躱して、とか…
色々なパターンを加速する思考が描いてゆく───結論

掠っても、やばそう

「っ……!!」

大きく後ろに飛ぶことで回避──それでも、その拳圧の凄まじさに手元のオモイカネが弾き飛ばされる
これは──迂闊に対話を試みようとすれば、一撃でヒネられる

そう判断した少女の覚悟は、瞬間でキマる

「──已む無しっ!」

振り払う様に薙いだ両腕の袖口からその手に握られるのは、旋棍(トンファー)
スタンロッドを兼ねる暴徒制圧用の装備
徒手空拳の感覚に近く扱うことが出来、少女が愛用する得物の一つだ

「少し、大人しくしてもらいますから!!」

ぐ、と下半身に力を籠め…地を蹴る
辺りは薄暗く、この季節によくある小雨が降り始めていた
しかし男の激昂…その憤怒に呼応したかの様に、稲光が轟始める
その紫雷に照らされる中、瞬足で肉薄した少女は躊躇なく、その旋棍を勢いづけ、その異形の腕に向けて振り放った

──風紀委員の数々の報告…この男は"怪物"とカテゴライズしておいても問題ない、それを踏まえての加減のない一撃
並の人間ならそれを受ければ骨が砕けても、おかしくない

F.U.R.Y > 「ほォ…」

拳一つ、されどそれは特注品。
当たれば人を挫くなど造作もない。重機ですら穿つ文字通りの”鉄拳”。

その危険度を咄嗟に理解してか大きく避けた姿に、ただの雑魚じゃないと獣の直感が告げる。

戦いは生きる術であり目的ではない、が―――
それでも今この場、一瞬のやり取りで

”楽しめそうだ”と。

感じた自分に苛立ち一つ。

「…!」

落雷と共に振り放たれる鈍器。並みであれば避けようとすら思わぬ一撃。
この男の身体は異形の左腕に耐えられる”フレーム”になっている。並大抵の一撃など蚊に刺されたように感じるのみだが…
内蔵された機構に反応してか、それともその”武”たる挙動に危険を感じたか。

回し蹴りの要領でそのトンファーの一撃の軌道を弾かんとするだろう。

「ッ!」

バチンッ!
触れた足に走る衝撃は、やはり”並みじゃない”。
スタンの電流は大したダメージにはならないが…力の籠め方がただのゴロツキ共とは一線を画している。
まともに当たればこの男でも多少ダメージになりそうだ、と直感が囁く。

だが。

「ちょこぜェ!!」

多少のダメージが何というのだ。
そんなもの、これまでに負ってきた傷に比べたら大したものではなく―――

だからこそ、反撃に怖じる事なく、女めがけて追撃の右が飛ぶ。

先ほどの左ほどの威力はない、さりとて情人離れした膂力から放たれる幾度とない拳の応酬が。

伊都波 凛霞 >  
「!!」

こちらの腕の振る速度に蹴りを合わされた──なんて瞬発力
相手は怪物、迷うことなくスタンロッドの電撃を見舞う───その反応をしっかりを確認すれば、感嘆の一言だ
スタン電流の威力は然程ではないにしろ、十分以上に力が籠められる角度で、体重をしっかりと乗せた一撃だった筈が、
遅れて出された蹴りにその軌道を逸らされた
警戒すべきはあの異形の左腕だけじゃない──!

「(来る──、今度は、右!!)」

視覚に飛び込んだその追撃
その高速思考が齎す高次予測は、左ほどの危険度がないと判断する
──で、あれば

下半身から一瞬、その力を全て消沈させる
自然、沈み込むその身体のベクトルを──前へ!
拳を潜り抜け、その懐へと飛び込む
身長差はそれなり、十分にその空間は広い

「っ、はぁぁっ!!!」

殴り出されたその腕を捕らえ、裂帛の気合と共に地面に向けて一気に引き込む
単純な投げではあるが、それは男の驚異的な力を十二分に利用し固い地面すらも利用した一投だ

それで動きが止まれば関節を捉え、一度落ち着いて頭を冷やしてもらう──そんな算弾ではあった

F.U.R.Y > 男は格闘技の天才ではない。
むしろ格闘技術は学んですらいない分、正当な訓練を受けた者たちより一段劣るだろう。

それを補って余りある戦闘センスと野性の当て勘こそ、男を強者たらしめているのだが―――

しかして、勘とセンスに頼り切りな戦闘は無駄も多く。思考を加速させるような真似のできる技巧派との闘いは、はっきりと”不利”であった。

「(当たらねェ…!)」

悉くの打撃が空を切る。
両者の中にはっきりと存在する”思考速度の差”が、格闘戦の優劣を徐々に浮彫にさせていた。

「ちょこまかッ―――!」

拳を避けられ、懐に潜られる。
偶にいつ骨のある敵がやる動き、だが精度が段違いだ。
そして瞬間腕を取られた…と感じた瞬間。

視界がぐるりと回る―――

「ッ!?」

力を利用された、というような難しい理屈は男にはわからない。
だが、体格において圧倒的に有利を取っていた自分がコンクリートの地面に叩き付けられる感触は、初めて体感した”脅威”だ。

こいつは雑魚じゃねェ。
”強い敵”か――――!!

「ッ、離し、やが…ッ!!」

強引に引き剥がそうと体をもがつかせ、しかししっかりと抑え込められた体はそう簡単に逃されはしなかった。

伊都波 凛霞 >  
──この(ひと)は…

強い
ただしそれは、生物としての強度
その差を埋める技術があれば、渡り合うことは出来る
…それでも、並大抵の風紀委員じゃ一方的に狩られるわけだ‥と納得するしかない
それくらいの暴威
風紀委員が、脅威とはいえ表にでてこない限りは静観するという対応になるのもわからなくはない…

投げが成立すれば、すぐに(たい)を入れ替え、手首と肘をロックする形で抑え込む

「…ぅ、くっ…!」

それすらも、腕力で無理矢理引き剥がされそうになる…
単純な腕力勝負になっては勝てる道理がない
だからこそ、力がうまく入らない方向へしっかりと極めてる筈なのに…!

「は、離したらっ、また、殴りかかって、来るで…しょ…ぉっ………!」

それでも、少女の腕力でずっとその"暴"を抑え込めておける筈がない
無理矢理外される前に──その後頭部か、延髄に一撃を叩き込んで昏倒させるが吉…

「っ、あ…!」

その細指から、男の腕が力任せに逃れる
追撃を躊躇した僅かな時間、しまったと内心思いつつも、せめて起き上がる前に追撃をすべく、旋混を奔らせそのこめかみを狙う──

F.U.R.Y > メキッ…!

無理やり動かした反動か、右腕に痛みが走る。
関節が逝ったと理解するのに時間はいらなかった。

が…
外れたのなら構いはしない。
厄介な拘束は外れた。腕一本と代償でも安いものだろう。この相手<きょうしゃ>相手ならば。

「ヂィ”!!」

だが、それだけで終わるわけもない。
こめかみに放たれた一撃を直感で反応し、掠るに留めさせる。
それでも脳がくらりと揺れかける。骨格の強度は兎も角、構造は人のそれだ。頭部へのダメージは致命打になる。

だからこそ、まともに当たるわけにはいかなかった。


「ッ……やるじゃねェか、手前ェ…!
 ここ最近の中じゃぶっちぎりだぜ……ッ」

女を突き飛ばし、このままやり合うのは危険と判断したのか男が数m距離を取る。
短い攻防でここまで消耗したのは、初めてかもしれない。
それだけ目の前の相手が”天敵”たりえる、という事。


「ぶっ潰し甲斐があるってもんだ…ッ!」

きしんだ右腕ぶらつかせながら、未だ、戦意は喪失せず。