2026/03/05 のログ
ご案内:「黄泉の穴」に御雷 天華さんが現れました。
御雷 天華 >  
この島に於いて、最も魔性に近しい場所は何処であるのか。
答えの一つが正しくこの場、『黄泉の穴』とでも呼ぶべき爆心地。

何がそこに住まい、何が零れ落ちているのか定かでない。
だが、少なくとも怪異が現れ、そして危険な領域であるのは違いない。

「……ここが件の穴、ですか」

そしてその地は、かの少女にとっては少し特別な意味を持つ。
否、正確には少女が担う退魔術の使い手にとってその"穴"の名は、縁遠からぬモノ。

「しかしまた、"黄泉の穴"とは随分な名のを付けられているのですね」

だからこそ少女──御雷天華はここを訪れ、そして確認しに来たのだ。
名を照応して、彼女らの知る"それら"が現れぬとも限らないのだから。

御雷 天華 >  
故に少女の姿は常とは違う。
茶の髪も蒼銀に染まり、瞳も澄んだ湖の如く深い蒼に沈んでいる。
その身に神々しい神気を纏わせた白装束は戦いの為のもの。

彼女にとっては慣れ親しみ、そしてある意味で本来の姿がこれであった。

「……とはいえ、今の所感じられるのは有耶無耶の魔性だけ。
 念には念を……ではありましたが、"私たちの案件"でない確認はできましたか」

そう少女が呟けば、彼女の傍らには一振りの剣が顕れる。
まるで宙空から手元に水が集い、形を成したかのような蒼色の刀身を持つ十拳剣。

「今の所は、という但し書きは必要ですけど」

ここに来た最大の目的、それを果たせば後は帰るだけでいい。
されども少女にはもう一つ、ここに来たのには理由があった。

そう、ここは黄泉の穴。
魔力が渦巻き怪異が湧き出る魔性の巣窟。

退魔師がそのような場に来るのであれば、そこで為すことはただ一つ。

御雷 天華 >  
「ともあれ──今の私でどこまでやれるか試すのには、丁度いい手合いのようで」

──ただ、魔を滅する以外にありはしない。

煌びやかな剣を抜き、前へと掲げる。
暗雲の影の中に感じる魔性の気配を少女は見逃さない。

駆け出し、その不気味な闇の中をお構いなしに突き進む。
神器に等しい刃を揮い、魔を斬り祓うために。

ご案内:「黄泉の穴」にコトハさんが現れました。
コトハ > 落第街に足を踏み入れ、奥へ、奥へ。
逃げるように、闇雲に歩いて。歩いて、歩いて。
バリケードなど気づかなかったかのようにすり抜けて。
"穴"へとたどり着く

「なん、だ……ここ……」

暗い穴。
まとわりつくような、粘度を持った空気。
不気味ではあるが、不快感はない

「変なトコに来ちまったな……」

奇妙な空気に押されるように、歩を進める。
奇妙な気配をかき分けるようにして。

「なんだ?音?」

闇の奥に、音が聞こえる。
なにかが、居るのか?
僅かに警戒をしながら、それでも足は前に進んでいく。
まとわりつくなにかを蹴散らしながら。

「……人……?」

ようやく見えたそれは、人影だった

御雷 天華 >  
その場で繰り広げられるのは、演舞のような殺戮劇。

いや、そんな華麗で奇麗なモノではない。
ただただ冷徹に、それでいて淡々と、蒼き少女は魔を屠る。

一太刀にて裂かれた魔性は、その傷口を凍て付かせて崩れ落ちる。
実体のないエクトプラズムのような怪異すら、横に剣が薙ぐだけで両断される。
その剣は、まるで水を纏めて形作ったかのような、蒼く透き通った刃。

だが、それはただの水で出来た刃ではない。
神気を帯びた、退魔の為に神自らが形作った神器に他ならない。

「これで、最後」

その場に居た最後の一体を斬り払い、少女は呟く。
少なくとも手の届く範囲に動くモノはなくなった。

「さて、と」

少女は周囲を見渡す。
ここに近付く人影を察知したのか、そちらへと視線を見やって。

「貴女は"どちら"なのでしょうか?」

コトハ > 目の前に広がるのは、演舞のように振られる刃と、それに触れることで寸断される魔たち。
闘いとも言えない、ただただ滅びに向かうだけの狩りとも言えない狩り。
それらに縁のない少女にとっては、ある意味で幻想的とも言える光景。

「……すご」

思わず、小さな声が漏れる。
しかし、その刃が自分に向くとしたら?

「どちら?」

思わず、聞き返した。
どこか見覚えがあるような相手。しかし、記憶の中に照合する相手はいない。
とりあえずわかることは、この問答次第では自分も凍てつき崩れ去った魔性たちと同じ運命を歩むことになる、ということだろう。

「……よくわかんねーけど、そいつらと一緒ってことはねーと思うんだけどな。
 バケモンのつもりは……ねーし」

敵意はない、とでもいうようにホールドアップする。
もしくは降伏、だろうか。

「そういうアンタはどっち側なのさ。同士討ちってのもない線じゃねーわけだし?」

いつもの軽口、憎まれ口をきく。
こればかりは、変えられない。

御雷 天華 >  
返ってくる声は覚えのあるもの。
暗がりのこの場では一瞥しただけではその顔を覗けなかったが……。

「貴女は──」

視線を見やり、目を凝らせばハッキリと瞳に映る。
あの海岸で他愛のないやり取りを交わした相手の姿を。

「……何故にここに居るのかは聞きたいところですが。
 まずは返答いたしましょう。私は見ての通り、魔性の対に在る側です」

今の所は、という言葉は言葉にせず宙へと溶かし。
手にした刃を霧散させ、その敵意にも似た警戒を僅かに緩める。

「お久しぶりですね、琴葉さん……であってますよね?」

コトハ > 「まあ、流石にそうだよなあ。」

対になる存在、というのは少なくとも見た所では疑う理由はない。
真の内情などは知る由もないのだし。
それに、相手が刃を消したのも気を抜く要因にはなった。

「って、え?」

お久しぶりですという言葉と自分の名前。
既視感は正しかったのだという証明である。
ただ、微妙に見た目に覚えがない、と思い頭を捻る。

「……ん、んー……もしやその牛おっぱい、天華?」

特徴的な部分を思い出す。端から聞かなくても酷い物言いであった。

「そういや、今消えた武器もなんか水っぽかったな。
 水使うのが得意って話だったし、間違いなさそうだな」

知り合いとなれば、また更に気が抜ける。

「やれやれ、変なトコで会うもんだな。こんなスラムの奥にいるなんてなぁ。
 行くとこまで行ってみるってのも正解だったか?」

そういえば、この近くに岬みたいなのもあったっけ、と思い出す。

御雷 天華 >  
「……流石に覚えられ方は不服ではありますが、えぇその天華です」

何とも言えない顔をして、僅かながらに視線を逸らす。
そのまま肩を竦めてみせれば小さな溜息を一つ付き、髪や瞳を軽く指さす。

「今の姿は言うなれば戦闘衣のようなものでしてね。
 水を本気で操るとなれば、自然とこうなってしまうのですよ」

そういう天華の姿は、どこか神職のそれを思わせる。
或いはそれに祀られるような、神聖なものだろうか。

「ともあれ、それには此方も同意です。
 私は一応役目の一環でここに来てますが……貴女は?」

コトハ > 「いやだって、目も髪も色違うじゃねーか。
 そしたら別のとこで判断するしかないじゃん?」

それだけ変われば印象もだいぶ変わる。
似てるような気がしても、結びつけるのは少々難がある。
足し算をしていって当てるしかないのは、仕方ないのではないか、と少女は思う。

「はー……なるほど。そうなるんだな。
 確かに、色的にも水っぽいし、そういうもんか。
 それに、なんだ。巫女?とかそんな雰囲気もあんな。
 カミサマっぽさってーのかな」

説明に、素直に頷く。

「……神、聖……?神……?」

小さくか細い声で誰にともなく呟く
ともすれば、誰にも聞かせるつもりもないような、そんな声で

「私?あー……なんてーか、たまたま、としか言えねーんだけど。
 スラムに入っちまって、とりあえず奥に奥に来たら、さあ?」

嘘ではない。ただただ、スラムから逃げるようにしてきて此処までついたのだから。
此処は、居心地が悪いようで良いようで、不思議な感覚がある。

「せっかくだから見学でも決めようかと思ったって感じかな」

御雷 天華 >  
「否定はしませんけど、複雑な気分になりますよ」

女の子として、そこは羞恥心とか色々あって当然なのだ。
とはいえ、彼女の言い分も尤もなのだが。

「えぇ、そんなところですね。
 異能……ではないですが、似たようなものです」

その言葉に頷きを返し、けれども詳細は語らない。
問われれば答えるだろうが、説明するには色々とややこしいためだ。

「あぁ……地理的には確かに落第街の先にありますものね、ここ。
 そもそもスラムに来てる理由が知りたくはなりますが」

とはいえ、来てしまったものは仕方がない。

周囲の魔性の気配は今こそないが、ここが危険な場所だ。
退魔師としては庇護し、安全な場所まで送り届けねばなるまい。

「つまるところは迷ってきてしまったものですね。
 危険がない所まで、お送りいたしますよ」

コトハ > 「異能、ではない……かあ。
 私、そういうのには縁がねーから、あんまよくわかってねーんだけど。
 魔法、とかともなんか違うヤツなの?」

異能も魔法も、言葉は知っているし知識としてもある程度はわかってはいる。
それでも実際をよくはしらない。ゆえに、純粋な疑問であった。

「まあ、色々だよ。足が向きやすい方に行ったら、此処まで来ちまったってだけ。」

誤魔化しているのか、なんなのか。非常に曖昧な物言いをする。

「そりゃどーも。てか、天華って此処詳しいの?
 さっきの感じからして、なんだ。えーっと。"あっち"のを斬ったりするのが仕事、とかでよく来てるとか?
 ……うん?そしたら、此処ってそういうスポット?」

お上りさんのようなことをいった。

「もしそうなら、えーっと、あれだ。
 祭祀局とか、そんな感じなん?」

辛うじて知っている学園の組織名を口にした。
確かなんか、そういった感じのところだった気がするんだけど、と付け足す。

御雷 天華 >  
「魔法とも色々と違うところは挙げられますけれど……。
 まぁ、事象だけを見るなら、どちらも摩訶不思議には違いないですよ」

出元や起源、出力方式が違う……と、言葉でこそ語れるが。
傍から観測する分には違いが分からない、と言う彼女を肯定するように苦笑する。

「……ふむ、深くは聞きませんけど、あまり女の子が来ない方が良い場所ですよ。
 何があるのかわかりませんし……私が言えた事では無いですけどね」

とはいえ、それでも少女がここに来てるのは戦えるからに他ならない。
万が一に火の粉が降りかかっても、振り払えるからこそなのだろう。

「来るのは初めてですし、そもそも島に来てまだ数週間ですけどね。
 けれど話には聞いてましたから、他ならぬその祭祀局に」

そして、彼女の言葉を暗に肯定する。
その上でまだ新参者だとも口にする。

「ともあれ、ここはわりかし"そういうスポット"のようですよ。
 周りに居るのは片付けましたが、探せばまだまだうようよいるでしょうね」

コトハ > 「何にも知らない雑魚にゃあ、結果だけみりゃどっちも大して変わらんって?
 そりゃご尤も。」

発達した科学は魔法と区別がつかない、という物言いがある。
言ってしまえば、この話も似たようなものかもしれない。
結果だけ見れば過程など関係なく、似たようなもの、に見えてしまう。

「そこの違いを知りたいっても、よく知らなきゃ理解も出来ねえかもしれないしなあ」

あーあ、と肩を竦める。

「そうだなー。おっ……美少女に、女の子の来る場所じゃないって言われてもなー。
 説得力はあんまねーな。」

一瞬だけなにかを言いかけたのを飲み込みつつ、キャハキャハと笑う。

「マジか。新人さんだったか。の割に、随分と堂々としてたけどな。
 まあ、そんなもんか。島に来る前から"こういうこと"してたんだろ?」

随分と手慣れていたようにも見えたし、そういうことなのだろう、と勝手に推測する。
それに、術、らしきものも堂に入っている。

「そりゃおっかないことだな。美少女に寄って集ろうなんざロクなもんじゃねえ。
 来んな寄んな!」

魔性にもそういう輩はいるかもしれないが、別に全てがそうというわけではない。
おそらく少女もわかってて冗談で言っているのだろうが、言葉ではどちらともつかない。
しかし、その言葉に呼応したかのようになんとなく気配が弱まった気もする。

「つか、うようよ、かあ。でも根絶やしにするぜ、とかでもないよな?
 そんなん一人じゃキツそうだし。調査とか?
 いや、なんでわざわざ……なんて、それこそ私の言えるこっちゃねーけどさ。」