2024/07/18 のログ
ご案内:「産業区/農業区」にクロメさんが現れました。
クロメ >  
「……」

単なる気まぐれであった。
この島を見て回る中で、少し離れた地があることに気づいた。
どんなものがあるのかと、なんとはなしに訪れ……

「……ほう」

"今の世"のなんともいえない匂いと気配があるものの
しかし、どことなく懐かしい匂い

此処には、過去があった

「……こんな場所がある、とはな」

小さく吐息のような声を漏らした

クロメ >  
「しかし……」

静かな、重力を感じさせない歩みで足を進める。
体格もあるが、それを加味しても、ゆっくりと。のんびりと。

「……違いは、する」

昔に比べれば遥かに進歩したもの
どこまでも変化したもの
そういったものも、確かに存在する

「……ふむ」

しゃがみ込む
その視線の先には遥かな農場が広がっている

豊かな、緑が広がっている

ご案内:「産業区/農業区」に橘壱さんが現れました。
橘壱 >  
常世学園 農業区。
学園でも特に重要な施設であり、此処の警備は厳重だ。
学生の身分であり、一応技術者の卵である壱は、時折警備ロボのメンテナンスにくる。
とは言え、卵である以上一人で任せられるはずもなく、基本は二人以上で行動するのだ。
そんなメンテナンスを終え、相方と別れた自由時間。

「……しまったな……。」

何時も使っている端末をあの日、忘れてしまった。
正確には先輩が持っているのはGPSでわかるのだが、さてどうしよう。
悪用する人でも無いし、無理にロックを開けばセキュリティ上データは消える。
問題はないのだが、こう、取りに行くのは中々度胸がいる。
"あんなこと"があった後だぞ。こっちが合うの気まずいよ。

さて、そんな事を考えながら歩いていると、見覚えのある背中が見えた。
しゃがみこんだまま、何かを見ている。あれは一体何を見ているんだろうか。

「クロメ……?」

少年も暫し、その背中を見ていた。

クロメ >  
「……」

わずか、呼吸を深める
香ってくるのは、毒されているが、それでもなお命の輝きを乗せる緑の匂い
それそのものには縁もなくなってしまった、懐かしいそれ

「……存外、やるものだ」

遥かに広がる芽吹きと
遥かに広がる豊穣に目を向け
小さなつぶやきを漏らし

「……ん」

自分としたことが、少々抜けていたか
見知った顔が近くにいることを見落とすとは

「……」

当面、ナニカをする様子もないので無言で農場を眺め続ける

橘壱 >  
超越者。人とは違う高みのいるもの。
一体何を見ているのか。皆目検討は付かない。
ただなんとなく、何時もの冷たい表情よりは穏やかな気もする。
なんとなく此方に気付いた気配もある。

「……自然が好きなのか?」

なんとなく、隣まで近づいて訪ねてみる。
肩を合わせて隣り合わせ。彼女と同じ景色を見たくなった。

クロメ >  
その人間は忌々しくも側まで寄ってきた。
全く以て鬱陶しい。

そして……言うに事欠いて、自然が好きなのか、か

「……別に」

応えは至極単純。
自然などは、不条理で理不尽な自分の存在とは相容れない

「ただ、少々……」

懐かしかった
ただ、それだけのことである。
郷愁、というのとも違う
しかし、思い出してしまったのだ。

「まさか、こんなところまで追ってくるとは」

隣に並んだ男に、軽く目を向ける

橘壱 >  
近寄った途端、何時もの表情に戻ってきた。
まるで自分が悪いみたいじゃないか。
相変わらず彼女は人間嫌いらしい。
はぁ、と思わず肩を竦めた。

「僕が来たからって嫌そうな顔するなよ。
 別にお前を追ってきたんじゃない。仕事のついでで偶然だ。」

監視対象とは言え四六時中見ているわけじゃない。
彼女は立場上、生徒である。人権は当然保証される。
備品でもなんでもないのだ。四六時中監視なんてしてるわけもない。
目の前に広がる緑の地平線を見ながら、横目に見やった。

「……少々、何?」

クロメ >  
「……そうか」

無駄に勤勉なのは人間のいいところでも在り、悪いところでもある
……と思ったが、今回はそういうことではないらしい
言っていることを鵜呑みにするほど甘くもないが、この程度の真偽は流石に読める

「別に。
 お前を個として否定はしていない」

ただ、人間という属性の時点で否定しているのだが
一々、識別して否定はしない

「……大したことはない。
 ただ、昔を感じた。」

どうもこの人間は、色々と気にしてくる
最初のめんどくさそうな感じでよかったのだが

「……妙なやつだ。なぜ気にする」

わずかに首を傾げた

橘壱 >  
「僕のことをストーカーか何かだと勘違いしてないか……?」

飽くまで一個人の生徒だ。
確かに繋がりは監視対象と監視役だが、文面程お硬いつもりはない。
怪異とは言え、此の学園にはそれこそ色んな種族がいる。
彼女の危険性がなくなれば、自然とそれもなくなるはずだ。
とは言え、ちょっと侵害だ。流石にじとりと睨んで抗議する。

「……僕個人としては、認めてくれてるのか?意外だな。」

飽くまで言葉通り受け取るなら、だ。
少しは彼女の中で評価が上がったのであれば、嬉しいことだ。
自然とその表情も柔らかくなった。

「昔、ね。昔はもっと自然豊かだったのか?」

それこそ機械文明もないような大自然。
彼女が生きていた時代にはもっと緑が豊かだったのだろうか。
植物栽培を補助する四つ足のロボが混じり現代的な農業風景を見ながら尋ねた。

「何故って、お前を気に掛ける事が悪いことでもないだろ?」

ごく自然と応えた。

クロメ >  
「そういうものだろう?」

監視役と監視対象。
その言葉からすれば、嫌でも追いかけなければいけない
そういうことかと思っていたが

どうやらそうでもないようだ
それなら、実に楽でいいことだ

「一々、蟻を区別するか?」

属として人が嫌いなのだ
一々、個としてまで分類することもない
……それを超えるほどに気に食わないことをするなら別だが
今のところ、そこまでではない

「そうだが。
 そういうことではない」

感じているのは、そういうことではない
この懐かしさは……

……いや、少し喋りすぎている気がする
己の心情など吐き出したところで、どうなるというのか

「なるほど。悪ではない、か。
 鬱陶しいことを除けば」

確かに質問をすること自体に悪はない
正義ももちろんあるわけではなく、ただの普通。

「……暇なことだな」

わざわざ、自分にそれをぶつけるあたりは

橘壱 >  
「お前が問題起こさなきゃ、そうでもないさ。」

そうならないことを願うばかりだ。
彼女もそこまで愚かではないだろうが、敵対するなんてゴメンだ。
戦ってみたいと思うが、そんな理由は勘弁して欲しい。

本当に人間が嫌いらしい。
人がしてきたことを考えると、当然ではある。

「するんじゃないか?
 別に人間の中にも色々いるし、それ以外だってそうだろ。」

良い奴も悪い奴も結局は個人から生まれる事が多い。
世界の全てを知っている訳ではないけど、そう言い返す位には余裕がある。

「少なくとも、僕はお前を悪いやつだとは認識してない。」

怪異の中でも大人しく、無愛想な女程度だ。

「そうじゃないって、思わせぶりなこと言ってなあ……
 ハッキリ言わないとわかんないだろ、僕はエスパーでもなんでもないぞ?」

呆れてため息交じりに言い放った。
それこそ普通の非異能者。
異能も特殊能力も魔術さえ使えない一般人。
人の心の中なんて、考えなんて読めるわけもない。

「……結構やることはある方だけどね。
 それとも構ってもらえるほうが嬉しいんじゃないか?」

なんて、おどけてみせた。

クロメ >  
「向こうから来なければな」

問題など起こす気はない。そう、決めている。決まり事なのだ。
といって、問題が襲いかかってきているのに何もしないほど無抵抗主義でもない。
ただ、それが面倒なのは確かだ。
そうならないことを祈るばかりである。

「……一々、識別する気はない」

それぞれに違いがあることなどよく知っている。
良いもの、悪いもの、そういった区分があるのもわかっている。
だが
そんなものは、たやすく崩れる
そこに価値を見いだせない

「悪を成していないしな」

悪いやつだと認識していない
そうだろう。悪という行為を行っていないのだから。
これで悪だと認識されるのであれば、目か脳か、その他の何かの機能不全を疑うべきだ。
……そもそも、種として疑うべき、か

「言う必要を感じない。
 ……知ってどうする?」

言ったところで大した話でもない。もったいぶる理由もないが、語るべき理由も感じない。
そういうことを、これは最近よく聞いてくる
本当に、おかしくなってきたものだ

「……」

おどける男に冷めた一瞥をくれる

「認識能力か、脳か。どこかに機能不全でも起こしたか?
 交代が必要ではないか?」

壊れたものに見張られても困るのだが