2024/07/14 のログ
ご案内:「医療施設群 一般病棟」に落花彩晴さんが現れました。
落花彩晴 > 路地裏の蟻人との死闘から2日。病院に担ぎ込まれた時こそ危険な状況ではあったが…。
今は意識もはっきりとしている。それでもそれなりに重傷なのに変わりはない。

「…まぁ、我ながら頑丈で助かりましたけど。」

呟いて右腕をちらり、と一瞥する。結界の一点集中で補強しても、呪いの莫大な呪力と激突の衝撃。
それらが合わさって、ボロ雑巾みたいになっていたが、今は適切な治療のお陰で何とかなっている。

(とはいえ、下手すれば切断レベルでしたでしょうし…医療従事者の方には頭が上がりませんね。)

ふぅ、と吐息。左腕は幸い普通に動くし、下半身もあまり怪我は無いので歩ける。
頭部も頭突きの激突でかなりの衝撃とダメージを負ったが、生来の頑丈さのお陰で後遺症なども無さそう。

「…取り敢えず、私にしては上々の結果…ですね。」

式典委員会の先輩方とかには絶対に後で詰められるだろうけれど。
場合によっては”古巣”の人達にも事情を聞かれるかもしれない…気まずい。
それでも、それを承知で動いてズタボロになりながらもきちんと結果は出した。

ご案内:「医療施設群 一般病棟」に能守重高さんが現れました。
落花彩晴 > 本来なら、委員会用病棟で療養するべきなのだけれど、そこは固辞して一般病棟を少女は希望した。
…単純に一般病棟の空気の方が落ち着くというのもあるけれど。

「……けど、やっぱり課題は多いですね…もっと強くならなければ。」

左手を緩く拳に変える。自身が決して多芸多才ではないという自覚はある。
だからこそ、もっと体を鍛えて頑強さと腕力、体力を引き上げなければ。

「…本当、レベルを上げて物理で祓う!…ってスタイルですからねぇ、私…。」

特殊な装備やら術式やらは持ち合わせてないし、呪いに関してはそもそも絶対使いたくない。
…ただ、あの死闘ではそれが決め手になったのが悔しい。一番大嫌いな力に助けられたから。

「…このクソったれ…んんっ、忌々しい呪いに頼らない程度には強くならないと駄目ですよね。」

左手で自身の左目に軽く触れる。…そういえば、当たり前といえば当たり前だが片眼鏡が無くなってしまった。

(…新しい眼鏡も調達しないといけないですね…はぁ。)

能守重高 > ここ数日の路地裏騒ぎを全く知らない、とある教科の勉学に励んでいた少女は、
何かのきっかけにより直接な私信のやり取りはないが彼女にとっては古巣の場所に属するので
それにより知りえた情報をもとにお見舞いセットを風呂敷に包み
滅多に訪れる事のない医療施設の一般病棟に足を踏み入れる事となった。

そして、どこにいるのかしら?と視線を泳がせ、病棟のある階に上がり、受付で記帳なりを済ませると、

とある病室の扉を数回ノックを試みる、いきなり開けるとかいう不躾な事はしなかった。

「あのう、お見舞いに参りました」

落花彩晴 > と、扉をノックする音が木霊した。不思議そうな表情を浮かべつつも声を掛ける。

「あ、ハイどうぞ……能守先輩?」

思わぬ来訪者の登場に、一瞬だけ色違いの双眸を丸くして。
ともあれ、わざわざお見舞いに来てくれたのは有難い。
取り敢えず、近くに置いてあった椅子を左手で「どうぞお座りになってください」と示しつつ。

「…あの、よく私が入院しているのが分かりましたね…。」

一般病棟だから割と調べるのは苦でもないが、そもそも自分が入院した経緯はあまり知られていない筈だ。
ちなみに、左目は裸眼だと視力がほぼ無いので右半分の視界でしか碌に見えていない。

能守重高 > 扉の向こうの主が反応する時まで突っ立っていたが、
返事があるとゆっくりと扉を開けて中へと足を踏み入れた。
アルコールかその手の病院特有の香りが鼻をくすぐる。
とんでもない昔の記憶からは雲泥の差の環境にいいなと場違いな事を思いながらも。

「ご機嫌はい…どうですか、落花どの。」

彼女の現状を見て 瞬時に把握、機嫌はよくはあるまいと。
すぐに言葉を切り替えて差し当たりのない挨拶に留まった。
近くにある椅子へと勧められたのでそちらへ腰を下ろしながら、
質問が来たので嘘偽りだらけではあるが隠し事が苦手の見なればこそ、

「祭祀局祓除課祓使、より報が参りました。
 落花どの、元だそうですね、一昨日位に知りました。
 それでなくても数少ない知人が入院していると聞けばお見舞いをしないわけには参りません。」

一般病棟なので比較的調べるのは簡単でした。
問題なのは入院した経緯の前後。詳細は知らされていないが
路地裏で高頻度に討伐が行われているとは聞いたばかり。
学年では先輩だけど、言葉を交わした後輩が入院をしたと聞けば心配で来たのであった。

「お見舞いの…品がどのようなのがよいのか迷いましたが、
 いくつか持ってきました。ハンドクリームとゼリーの詰め合わせと…
 考えたのですがギフトカードセットを。」

自然由来のハンドクリームと諸々を風呂敷から取り出してどちらに置こうかと尋ねたい。

落花彩晴 > 「……はい?」

一瞬固まったように浮かべていた笑顔が凍り付く。
…祭祀局…祓除課…祓使……よりによって負い目がある古巣の所属ではないか。

(…いえ、まぁ私は数日で除籍されたから面識は本当に無いですけど…。)

取り敢えず、動揺を落ち着かせるようにゆっくりと深呼吸をする…大丈夫、面識が当時無いだけで気分はまだ楽だ。

「…えぇ、まぁ…はい。…最短除籍の恥な記録持ちですが…一応…。
…私としては、知人としての来訪の方が普通に嬉しいですね…。」

古巣には迷惑を掛けたので負い目しかない。とはいえ同時に未練もかなりある。
その辺り、まだ心の整理がきちんと付いていない部分もあるので複雑だ。

「あ、わざわざすみません…えーと、そちらのサイドテーブルに置いておいて頂ければ。」

手ぶらでも良かったのに、と思いつつベッド傍にあったサイドテーブルを軽くまた左手で示して。

(ハンドクリーム…あまり使ったことがないですけどいい機会ですかねぇ)

一応女子で乙女の端くれだけど、オシャレとかケアはあまり詳しくなかった。いいのか乙女。
ともあれ、改めてわざわざお見舞いに来てくれた能守先輩へと顔を向けて。

「まぁ、ちょっと重傷ではありますが命に別状は無いですし、後遺症も大丈夫そうなので。」

と、先んじて己の容態をこちらから述べておこうかと。

能守重高 > 「申し訳ありません」

彼女はフリーズしてしまった。
一瞬疑問に思うが反射的に頭を下げるように謝罪をした。
此方は現役の祓使なのだ、純粋な使い手ではないが術式が使えるというので属している。

そして彼女と全く面識はない。なぜ除籍されたのかも。
彼女が落ち着くまでの間 言葉は発せず じっと見つめる位でした。

「除籍の理由は問いません。トラウマを呼び起こす真似は致しませぬ。
 純粋な知人としてのお見舞いとなります、日本なのでお金より物なのではと思いまして。」

手ぶらはしなかった。季節柄 肌の保湿や乾燥防止にハンドクリームは必須では?と
必要最低限以上お洒落をしようとしない狙撃手がここにいる。香水も持っているがつけたのは数回だけ。

「ではこちらに…ハンドクリームと、ゼリーセットは冷やした方がいいのでは。
 ギフトカード数枚は退院後とかに使って頂ければ。」

サイドテーブルに手に取りやすいように並べたり置いたり。
肌のお手入れは最低限した方がいいですぞ、とかは小言を漏らした程度か。を。

「重傷。後遺症がなくてよかったです、あったら敵討ちをと考えていました」

彼女を心配そうに見つめる身。右腕がギプスって利き腕だとしたら苦労するのでは?とちらちらと見たり。

落花彩晴 > 「あ、あぁいえいえ!私の問題なのでお気になさらず…!」

早く心の整理を付けないといけないなぁ、とは常々思っているのだけれど。
矢張り一種のトラウマに近いものになっているのか、当時のアレを思い出すと心臓を鷲掴みにされたような気分になる。

「……えぇ。まぁ、おそらくあちらには記録として残ってしまってはいるでしょうが。」

何せ、当時一緒に任務に臨んでいた同僚や先輩にも被害を出している。
…頭にノイズが走る。矢張り当時のアレは自分にはまだ消化しきれない傷だ。

「…確か簡易冷蔵庫ならそちらに。ギフトカードは…そうですね。有難く使わせて頂きます。」

退院はそんな遠くないだろう。ただ、右腕の怪我だけは退院後もしばらくはリハビリが必要かもしれないが。
彼女のお小言に「あはは…」と、苦笑いを浮かべつつ頷いて。流石にそこは素直に頷くしかない。

「仇討ちは大袈裟ですって…能守先輩は能守先輩のお仕事ややるべき事がある筈です。」

自分の為に誰かが動いて傷つかれるのは苦手だ。だから少しまじめな表情でそう口にする。
結果的に紅い怪異の一角は撃破したし、何とかこうして生きてもいるが。

「…あ、私一応は両利きなので左手だけでも日常生活とかは不便無いですよあまり。」

基本は右手ではあるが、いざという時の為に左手もその辺りはきっちり自己鍛錬していたりする。

能守重高 > 「トラウマは己で解決するしかありませぬものですね。」

何か察するものがある、己の心との戦いなのだ。
人は生きていくうちに何かしらの挫折やトラウマを持ってしまう。
此の身もあるが口に出す事も大度に出す事はない。長い戦いであったからこそ言葉は閉ざしていた。

「ではゼリーセットは冷蔵庫に。こうします」

簡易冷蔵庫を開けてきっちり並べてパタンと冷蔵庫の扉を閉めた。
おまけでついていた使い捨てスプーンまで冷蔵庫の中にインしていた。
入院期間は聞いていないが大抵の入院期間よりその後のリハビリに時間がかかる。
骨が元に戻るのは自然治癒の場合大体三か月から半年だからです。

「私ですか…狙撃手としては街に下りてしまう野生動物を駆除か、
 元の場所に誘導するように威嚇射撃をするか、監視ですね。
 待機が多すぎてこう前線に出ないので日々申し訳なさで一杯です」

そして狙撃手は命令が下りないと動かない。
命令が下りてくるとそれに則り動くのだ、実際撃つのは数が少ない。
前線に出て撃つ事は稀すぎて 直接紅い怪異を下したことはない。
ものすごく申しわけなさそうな複雑な顔を浮かべながらもどかしさに最終的になった。

「両利き。それは素晴らしい、です右利きが多いと聞いていたのですが…。」

何か良い話題はないものかと視線が妙に泳ぐ。

落花彩晴 > 「…そうですね、己で乗り越えなければいけない『壁』…でもありますから。」

それは、自分の左目に秘められた数々の呪いの塊と向き合う事でもある。
…正直、まだそれに真正面から向き合るだけの”強さ”を私は持ち合わせていない。
彼女がゼリーセットを冷蔵庫に仕舞ってくれるのを見届けつつ、軽く会釈をして礼を。
ちなみに、少女の肉体は異能や魔術無しで素で頑強で治りが早い。
右腕は例外だが、その他の怪我なら一週間でほぼ治るだろう。

「……私はむしろ前線向き、というかそれに特化したものしか持ち合わせが無いので逆ですねぇ。」

実際、怪異と殴り合いで決着をつけた女である。だからこそこのダメージなのだが。
逆に言えば、怪異と殴り合いして”この程度”で済んでいるとも言えるが。

「あぁ、元々は右利きなんですけどね。私は戦い方もあって両手どちらも誤差なく使えるようにしているんです。」

まぁ、誤差も何も単純に殴り合いか太刀で打ち合うかの二者択一に近いのだけれど。
何故か視線が妙に泳いでいる彼女にはやや不思議そうな面持ちであった。

能守重高 > 「試練は乗り越えてこそでしょうか。」

ぽつりと呟くもとても小さく耳を澄ませないと聞こえないレベルであった。
一連の動作をした後は椅子に座りなおすが、あまり言葉を発することは少ない。
寧ろ言葉を選んで口に出しているのはここが病院で彼女が入院患者だからか。
期間は知らないが次会うのは病院の外でありたいものであった。

「立場が極端っ、私なんぞ前線に立とう者なら数秒持ちません。
 あ、あれなら…然しいえ、やはり無理ですね、射程外から射貫くしか芸がなくて。」

跳弾とかで射貫くのは出来るが剣とか拳とか物理攻撃は才能がなかった。
殴り合い? 無理過ぎる、無理無理と手を振ってしまった。

「であると…両利きで両目利きだと向かうもの敵なしですね。
 大切になさってください、あ、長居してしまいました、そろそろ帰りますね。お大事になさってください」

近距離に才能がなかった少女はよい話題が思いつかなかったのと
長居してしまったことに気づくと椅子から立ち上がって、
ねぎらいの言葉を残し会釈をして病室を後にしていきました。

落花彩晴 > 「…ですねぇ。乗り越えられるかどうかは…私自身の気の持ちようと頑張り次第、でしょうか。」

苦笑気味に答えて小さく肩を竦める。何だか先ほどからそれとなく気遣われているなぁ、と。
それが嬉しくありつつも申し訳なくあり。矢張り私はもっと”強く”ならないといけない。

「…いや、狙撃とか…ひっくるめて射撃全般は私にはさっぱりなので。そこは得意分野や適性の違いという事で。」

ひらひらと軽く左手を振って。自分は拳か太刀でガンガン前線でやり合うくらいしか能が無い。

「……目は、どうでしょうかね…。」

本当に小さく呟いた。そもそも今の時点で左目は殆ど見えていない。呪いの弊害みたいなものだ。
と、どうやらお暇してしまうらしい。もうちょっと話題とかあればなぁ、と思いつつ。

(…友達とか全然居なかったから、こういう時の話題作りが私は下手過ぎる…!!)

と、内心で反省しつつも、彼女が辞するならベッドの上ではあるがきちんと会釈をして見送ろう。

「お見舞いありがとうございました、能守先輩。次は学園か外でお会いできれば。」