2024/09/04 のログ
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」に橘壱さんが現れました。
橘壱 >  
「ハァ……。」

常世学園 医療施設郡。
委員会用病棟の個室にて、ベッドの上で少年は思わず溜息を吐いた。
異能者の戦いというのは、容易く命の取り合いに発展する。
相手が殺戮者ないしそれに準ずれば当然のことだ。
落第街の戦闘にて、負傷した結果此処で軽く検査入院だ。
今の医療技術の発展は目覚ましい。
腹を割かれていても、もう傷の縫合や諸々は済んだ。
とは言え、少年は何も持たない非異能者。超人でもない。
傷の治りも、医療技術の助けもあってもそれくらいはかかってしまう。

「もう少し上手くやるべきだったな……
 いてて……クソ、ちょっと痛むな……。」

違反生徒との戦い。一応風紀には報告済みだ。
精神的安定性が見られない殺戮者、魔法少女マリア。
危険な少女だ。なんとかしなければ成らないが、今は休む時か。
それが実に、もどかしい。機械(マシン)は治っても、当の操縦士(パイロット)がこれじゃ意味がない。

「こういう時、傷の治りが早い人は羨ましいよ。
 無い物ねだりしても仕方ないんだけどさ。さて……。」

一応ルームメイトに手帳(オモイカネ)経由で色々話した。
数日分の着替えにタブレット端末に諸々持ってくるようには頼んだ。
寝て無ければそろそろ気づいてるはずだが…と、個室の扉を何気なしに眺めて見る。

ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」にイヴさんが現れました。
イヴ >  
大きなスポーツバッグを抱えた子狐。
看護師さんに入院しているルームメイトの名前を伝えて、病室の前まで案内をしてもらいました。
どんな状態なんですかと聞けば、とりあえず命に別状はないらしくて、一安心。

「入ってもいいのかな…寝てたら起こしちゃうかも」

ドアをノックしようとして、そんなことを考える。
…そーっと開けてみて、起きてたらノックして入ろう。
そう結論づけた子狐。
そーっとそーっと病室のドアをスライドさせて、隙間から中を覗いてみる。
気配なんかは消せるわけもないし普通に音もする。所詮子供の浅知恵。

橘壱 >  
噂をすれば何とやら、そうこうしていると扉がスライドした。
僅かな隙間に見える赤と碧が偶然に目が合う。
此方を気遣っているのだろう。
思わずその可愛げに笑みが溢れる。

「……起きてるから入ってきていいよ、イヴ。」

見ての通り無事ではある。
軽くちょいちょい、と手招きしてみよう。

「そこの冷蔵庫にプリン入ってるから、食べていいよ。ほら、おいで。」

イヴ >  
かけられた声に大きな狐耳がぴくんと反応。
起きていたこともだけど、声が思いのほか元気そうだったのもあって、良かったと薄い胸を撫で下ろして。

するするとドアをスライドさせれば、おおきなスポーツバッグを抱えて病室へ。

「元気そうで良かった~!
 もう、連絡聞いた時はびっくりしたんだからね?」

ベッドの隣にあったスペースによいしょ、とバッグを降ろして。

「言われたもの色々詰め込んできたよ~。
 え、でもプリン…お見舞いのやつじゃないの?」

ボクが食べていいのかな、と。
手招きに応えるようにちょこちょこと移動…。

橘壱 >  
思ったよりもパッツパツのスポーツバッグ。
そんなに頼んだっけな、まぁいいか。
数日とは言え、暇しないのが大事だ。

「何とかね。少し内臓が漏れたくらいさ。
 幸いにも、中にはギリギリ届かなかった。不幸中の幸いかな。」

恐ろしい切れ味の魔法だった。
ヘリに戻った後、意識を失った気づけば病院の天井だ。
もう半歩反応が遅れてたら重傷か、胴体が真っ二つだ。
思い出しただけで笑えない。
ほんの少し表情が引きつるも、ルームメイトの手前、笑みだけは保った。
不自然な引きつった笑みだ。

「いいよ、貰ったやつって言ってもあんまり食べる気分じゃないし。
 甘いものは好きなんだけどね。せっかくお使いしてもらったし、お礼位でさ。」

せっかく持ってきて貰ったんだし、それくらいのご褒美は必要だ。
そこ座りなよ、とベッド付近に立てかけられた付き添い用の椅子を顎で差す。

「イヴや皆の方は、変わりない?
 驚かせたのは悪かったけど、仕事上こういうこともあるだけだよ。」

イヴ >  
バッグの中身は必要なものを、
心配しすぎてとりあえず倍ぐらい入っている。
心配性なルームメイトをもったが故の誤算である。

「ええ……すっごく痛そう……。
 ここの島の医療技術が凄くて良かったけど…」

ないぞうが出る……それはきっとすごく痛そう。
助かったのは何よりだけど、眉をへの字にしてしまう子狐である。

「そう?お礼ならもらうー♪」

でも子供なのでゲンキンです。
ベッドの近くに椅子を開いて、ちょこんと座る。
慣れない場所なので緊張気味に尻尾がゆらゆら。

「ボク達は夏休みが丁度終わったくらいだよー。
 壱くん、前も入院したんでしょ?風紀委員ってやっぱり危ないんじゃ……」

街を守る、かっこいいAF。
眼をキラキラさせてお話を聞いたものだけど、
こうやって大怪我をしたりするとやっぱり心配。
冷蔵庫から手元に持ってきた、プリンくらいしか喉を通る気がしない…。
もぐもぐ。

橘壱 >  
「痛かったよ、普通に。
 しょうがないさ、違反生徒と戦う事だってある。
 こればかりは、風紀委員である以上仕方のないことさ。」

違反者とは何も、こそ泥や万引きを相手にしているわけじゃない。
特に、前線に出るということは凡そ戦いになるということ。
使い方と特性次第だが、異能も容易く凶器になる。
命のやり取り、殺し合いだ。危険も伴う。
眼鏡を軽く揚げると、でも、と首を振った。

「別に戦うだけが仕事じゃないからね。
 地味だけど交通整備とか、住民の相談とか、色々あるよ。
 それも立派な仕事さ。安全は地味で大変なことから守られるよ。」

別にそうして叩くだけど組織じゃない。
現実の警察だってそうだ。地味な仕事のが割合としては多い。
寧ろ、なにもない方が平和でいいくらいだ。
自分としては、AFが使える場所がほしいので何とも言えない所だが。

「好きに食べてどうぞ。てか早いな……。」

食いつき。意外と現金な奴め。
やれやれ、と思いつつ揺れる尻尾に目が右往左往。

「そっか。そう言えばもう夏休みも終わりか。
 はぁー……ちょっとは夏っぽいことして……たな……。」

一応とは言え、女と海にも祭りにもいった。
本当に一応、一応である。

イヴ >  
「仕方なくっても…」

むーん、となんだか腑に落ちないような表情を浮かべて、口にスプーンを咥えている。

「壱くんが帰ってこないと心配だし、
 怪我しちゃうとうわってなるし…、
 もしかしてもしかして死んじゃったら、悲しいし…。
 ホントにそれって、壱くんがやらなきゃいけないことなの…?」

揺れていた尻尾は子狐の心象を映すようにへにょり、耳も同じくへにょる。

「じゃあ、安全ことだけする……っていうわけにもいかないのかな…」

戦うことだけが仕事じゃない、というなら。
それだけをしているわけにはいかないのだろうかと。
こうやって、下手をしたら死んじゃうような怪我をするのは……。
風紀委員っていうのは、そんな目にあった生徒をまた戦わせたりもするんだろうか…。
子狐にはまだそういった組織の色々はわからない。

「そんなことゆってると、気がついたら冬になっちゃうよー?
 はやく元気になって、戻ってきてくれないと~」

なんか遠い目をしているような物の言い方に首を傾げつつ。