2024/09/07 のログ
橘壱 >  
「……マジで年取って硬くなったの???」

生物学上老化による効果は有り得なくはないがそうなのか。
そういうのが適応されるのか。うへぇ、と驚嘆。
絶対に違うとは思うけど、そう言われるとちょっと本気(マジ)っぽいのがちょっと嫌。

「……その程度で変わる程度の決意じゃないさ。
 僕にとっては何があっても変わること無い信念だよ。」

非異能者だからこそ持ち得るものなのかもしれない。
そしてそれは、ある意味より良い方向に磨かれた。
恐らく、試されたのだろう。だって、思わずぞわりと悪寒が走ったんだ。
少女の言う悪意の一言。ああ、多分嘘ではない。
本当に悪魔の取引、人を堕落に導くものだ。
恐らく、本当に手を取ったら彼女の評価が変わったのだろう。
憶測ではあるが、悪化したんじゃないかって。

「ぞっとしない話だな……。」

軽口のように返しておいた。
万一精神が弱っていたら、危なかったかも知れない。
ノートパソコンのキーボードを軽くなぞり、ふぅ、と一息。

「見直してくれた?」

なんて、気取った一言でも言ってやろう。

クロメ > 「……そうか。」

凡人が、人をねじふせる誘惑に耐えきる。
その非凡を前に

「……なにが、そうさせる?」

己の力だけで、目指すは世界一。
そんなことは、もうわかっている。
その信念を突き動かすものはなんなのか。

渇望か 絶望か はたまたそれ以上のなにかか
いや、そこに答えはないのかも知れない
それでも、怪異は問を発していた

「見直す、か」

少し、怪異は考える
一貫した、といえるその言動。
一方で、変化した、とも言えるその態度。
変化と、不動。その2つを持ち合わせた男。

「思ったよりは変人であったな。」

空中で、見えない台に肘をつき、手を組む
 

橘壱 >  
何がそうさせる。
その問いかけを真正面からされたのは二回目だ。
一度目はあの胡散臭い企業の社長。
そして、二度目は目の前の少女。
あの時も確かに同じような事を答えた気もする。
ふ、と浮かべる笑みは清々しいもの。

王者(チャンピオン)の矜持。
 単純に自分が楽しいことは、一番じゃないと気がすまない。
 ……まぁ、なんだろう。要するにさ、楽しんだ。AFを動かすのは。」

「ああ、AFってのは僕の使ってる機械人形だと思ってくれたらいい。
 ロボット。わかるかな?それを動かすのが好き。だったら、その分野で一位に成りたい。」

「……要するに、この世界で一番自由な奴でありたいのさ
 でも、どうせなら皆と一緒に飛べるような世界(ソラ)では在りたい……のか。僕は。」

それは、憧れが近しい。
非異能者(しょうねん)にとって世界(ソラ)は余りにも遠かった。
そして、そこへ連れて行ってくれるのは何の因果か機械人形。
憧れの空を羽ばたかせる鋼鉄の翼。それを手に入れたなら、存分に使うに決まっている。
それはかつては、自分本位な夢であった。
ただ、今見える空の風景はほんの少しだけ変わった。
多くの邂逅が、その考えに変化をもたらした。
それに"今"気づいたらしい。だから少年自体も妙な物言いになってしまった。
目を瞬かせ、自身の胸に手を当てる。
そうか、そんな風に考えていたのか、自分は。

「……いや、そうだな。
 ありがとう、クロメ。改めて再確認出来たかも知れない。」

今の自分の在り方を、今後の事を。
柔くはにかむ少年は、少女を見やる。

「変人でなければ、こんな夢語らないよ。
 キミ好みの答えでなければ、申し訳ないけどね。」

クロメ > 「鋼の絡繰人形か。
 人も、大層な玩具をつくるものだな」

ただの石から始まり、割り、削り、刃物をつくる。
金属をいじることを覚え、同じものを金属で作る。
金属もまた、素材を、製法を変えて、進化を続けさせる。

そして、ついに。人型の武器を作るに至る。
いわば、新たな人間の創造とも言える。

本当に、度し難い
しかし――

「……ふむ」

ふわり、と近づいて小さな手を伸ばす。
それは、壱の額の側へと伸びていき、指が触れるほどに近づく

「……障害はなさそうだな」

何かの確認をした。
事務的ではあったが、間違いなく何らか気になることがあったようであった。
いつもの、冷徹な顔と声だけに、冗談とも思えない。

「異常だな。お前の操るものは武器だ。
 それの行き着く先は、血と死しかない。」

じっと、碧の瞳を見すえる。
また、その奥に潜むものを透かし見ようとするかのように。

「それを、楽しむ。
 あまつさえ、皆と一緒に飛ぶ?
 お前は変人だ。いや、狂人か?」

近づいたときと同じように、ふわり、と音もなく離れる。
臣下を睥睨する女帝のように、改めて宙に座り直す。

「まったく、度し難い。」

裁定を下す。
人を認めぬ怪異からの……

「……が。幾分かは、マシ……か。
 本当に、人とは度し難いものだな。」

橘壱 >  
「クロメ……?」

不意に指が触れ合う。
少年の手は温かい、人の手だ。
まさか向こうから触れてくるとは思わなかった。
思わず呆気を取られてしまうが、続く言葉に顔を顰めた。

「えっ???何その意味深な言葉!?
 僕どうなってたんだよ最悪……。」

それこそ本当にぞっとしない。
いや、確かに人ならざるもの。
場合によっては何が起きても不思議じゃない。
そういうタイプの怪異らしい。この見た目で。
えぇ……と困惑しつつ自らの指を擦った。

「技術の進歩さ。元々は非異能者用の装備で、戦闘用じゃない。
 僕のは戦闘用にチューンナップされているけどね。」

元々は義肢、パワードスーツ以上の機能は存在しなかった。
戦いのための力を手にする為に兵器と成った。
確かに彼女言うように、武器の使い道はそこしか無い。
結局は力による制圧、殺戮の用途ではある。

「……けど、人を救うことも出来る
 元々は医療技術の結晶だし、事実救う事も出来た。
 これからも僕は戦い続けるだろうけど、それ以外の道もあるとは思いたいな。」

兵器としてだけではなく、それ以外の使い道もある。
だからこそ、夢の到着点の過程は変わり始めている。
交わる互いの視線。見透かすような瞳もなんのその。
それこそ、その蒼と金を真正面から受け止めて、見据えた。

「そりゃどうも。少しは考えを改めてくれたようで。
 どうせ今日も行く宛もないんだろう?だったら、一日くらい泊まってかない?」

「何だか眠くなくてさ、夜の話し相手が丁度欲しかったんだよね。」

クロメ > 「正気に思えなかったからな」

脳に何らかの障害がある可能性を疑ったようである。
狂ったのではなく、壊れたのかと

おかげで晴れて、正しく狂人であると認定されたのである。
名誉か不名誉かは本人次第

武器で人を救う
 バカバカしい話だ。度し難い」

殺戮兵器は殺戮兵器。
怪異は怪異。人は、人。
その不文律は破れ得ない。
それでも。それを成そうというのだ。

「言霊、というものを知っているか?」

ぽつり、と口にする。

「言葉には魔力がある。
 それは、時に呪いとも祝ぎともなる。」

答えを待たず、説明を加える。
その瞳は、また鈍い光をまとっている

「怪異相手ともなれば、なおさら、だ。」

真正面から視線を受け止める瞳を、見据える。

「いいのか?」

なにが、とも。なぜ、ともそこにはつかない。
それだけで考えろ、という問いかけ。

橘壱 >  
「言ったろ?正気でこんな事言わないさ。」

正しく狂人、妄言である事に自覚はある。
だからこそ何度だって言ってやる。
そのビジョンが見えて無ければ、羽ばたくことすら出来はしない。
ふぅ、とノートパソコンを閉じてベットに背を預けた。
上半身だけを起こしたまま、視線は彼女に向けたままだ。

「……それは"違うね"。」

ハッキリと、否定の言葉。

「クロメが知るよりも世界も、人も、変わってる。
 確かに兵器は戦うために造られるものだ。
 それでも、混迷で汎ゆる非常識が許される世界なら……」

「──────……そういったモノにだって、成り得るはずだ。してみせる。」

今や汎ゆる固定概念、常識は崩された。
混迷が神秘を、奇跡を日常へと落とし込み
汎ゆる非現実が現実に成り得た。
彼女の事情を知らないわけじゃない。
だが、それはもう過去の話だ。現在じゃない
人も、機械も、時代も何もかも変わっている。
だからこそ、世迷言と謗られてもいい切って見せる。
眼差しも表情も、真剣そのものだ。
また狂人とでも言うがいい。
この時代だからこそ、成し得るものがあると必ず証明して見せる。

「…………。」

また少女の両目が、鈍い光を持ち得た。
あの時の悪魔と同じ輝きだ。
彼女の言う事自体、わからなくもない。

何を今更……今まで散々色々話してきたよ。
 まぁ、結構塩対応だったけど、今更気でも使ってくれるのか?」

「気に障る言い方かもしれないけど、僕から見れば可愛い女の子と変わりないね。
 実際、見た目は結構小綺麗だし可愛らしいしなクロメも。」

そう、こんな時代だからこそその程度と言ってのける。
その実態がどうであれ、彼女の監視役を買った以上関わりぬくと言った。
だから、どんとこいというやつだ。毒を喰らわばなんとやら、だ。

クロメ > 「やれやれ」

小さな吐息。
先程の話をわかっているのか、それとも、理解できていないのか。
この度し難い者は、怪異の前で嘯いたものだ。

それは”違う”
してみせる

強い言葉を使ったものだ

「まあ、いいだろう」

それが本人の覚悟というのなら、無理に矯正することもない。
どうなろうと、関知するところではない。

好きに生きればいい

「……」

ぱちり、と指を鳴らす。
病室内の付き添い用の椅子が、勝手に立ち上がりベッド脇にセットされる。
その上にクロメは静かに降りる。

そこには、壱の言葉通り、小綺麗で可愛らしい少女が見舞客のように収まっていた。
……ように、みえた

気触れの茶会(マッド・ティーパーティー)か?
 気触れの帽子屋(気触れの挑戦者)

口から出るのは変わらない、声と言葉であった。

「観客くらいはしてやろう。
 せいぜい踊れ」

橘壱 >  
何であれ、目指すべき道は再確認出来た。
自分のやり方ももう迷う必要は無い。

「────好きなように生き、好きなように死ぬ。」

独り言ちた言葉は、かつての自らの生き様。
言葉は変わらないけど、意味合いは少し変わってきたのかもしれない。
自らを見つめ直すにはいい機会を貰った。
入院生活としては悪くない。
ふぅ、とちょっと気が抜けてたら隣に座っていた。
何だよ、可愛らしい所あるじゃん。思わず笑みも溢れると言うもの。

「誰がイカれ帽子屋だよ、ちびっこ怪異(アリス)め。
 いや、踊れないから。お前は僕をどうしたいんだよ、全く……。」

流石に冗談だろうが、今踊ったら入院延長コースだ。

「それとも入院延長したらキミが世話してくれるのか?」

半分図に乗るタイプ。
剰え怪異である少女をからかい初めた。

クロメ > 「好きなように生き――」

それが叶うのであれば、なんと甘美なことか。
至上の命題とも言える。

それを成し遂げられるかは、本人の資質次第
さて、この人間にできるのか

「名刀を持ったところで、持ち主が鈍らであれば……」

お題目がよくとも、担い手次第では実は伴わない。

「通じぬか」

冗談、というよりは比喩に近い。
いや、いっそ事実という体にして踊らせるのもありだろうか。
なにしろ、両者の間で言霊は吐き出されたのだ。

「世話? 傀儡にすればいいか?」

強制的に動かす、もしくは動かさなければ完全な管理下だ。
世話をする、というのならそれが一番安全確実であり。
冗談ではなく、本気の部分が漏れ出ていた。                                 

橘壱 >  
「……それはこれから分かるさ。」

鈍らか名刀か、これからの生き様は行動で示そう。
今更もう迷い自体はないのだから。

「いや、比喩なのは分かるけどそうじゃなくてな……
 ……ま、まてまて。人権とか尊重されないのか???」

「一応世話はしてくれるんだ……。」

比喩だとしても言い方ってものがある。
何よりも余りにも突拍子もない発想にちょっと表情が引きつった。
確かに物としてしまえば楽だがそれは世話じゃなくて"管理"だ。
しかも、ちょっとこれは冗談っぽくない。
半分くらいは本気だ。頷いてしまえば何されるかわかったものじゃない。
とは言え、世話自体はしてくれる気概はあるらしい。
こころなしか前よりもしょっぱくない。
が、良くも悪くも人との感性の乖離か。
ある意味人外らしい。

「そもそも僕なんか傀儡にして何の意味があるんだよ、まったく……。」

クロメ > 「……人権?」

首を傾げた。真顔である。
とは言え、曲がりなりにも美少女。
可愛らしく見えるかも……しれないが、内実は可愛くない。

なにしろ人権という思想の歴史はそこまで古くない。
古より生きる怪異は、まだ触れたこともない概念だったかも知れない。

「意味?」

ぼやきが聞こえたのか、鸚鵡返す。
その顔は、どこまでも冷たく、感情がないままに

「人は度し難い。
 ならば、ただ支配する。それが最も簡便かつ、優れた世話の仕方だ」

淡々と、述べる
そこに感情も、感慨も、なにもかもがない。
合理的な結論を、当然のように口にしている、とでもいうように。

「……まあ。
 そこまで世話をする義理などないがな」

橘壱 >  
「…………。」

本気で言っているのは、コイツは。
いや、多分本気だ。人間嫌いらしいといえばらしい。
しかし、だ。彼女の事をどうこういう気はないが
此処まで来るとちょっと怪しい。前後関係次第だ。
思えば、しっかりと彼女の話も聞けていない。
此れは丁度いい機会かもしれないが、次回だ。
体がいい感じに疲れてきている。

「……僕もそこまで望んでないよ。
 もうちょっと他愛ない話にしよう、一旦。」

流石に支配されるも"させる"のも勘弁だ。
後は眠気が来るまで、他愛のない会話を何とか紡ごう。
気づけば先に寝落ちしていたのは、此方なのだろうが
その時彼女が何を思うかは、夢の中の自分にはわかるまい……。

クロメ > 「……」

一息、息をつく。
本来、呼吸などさほど必要のない行為ではあるが、つい出てしまう。
それは一体、何に向けての行きだったのか

「いいだろう。」

椅子に座ったまま、やや低い視点で壱を見る。

……

傀儡化すれば、こんな会話も不要であろうが。
そこまで手をかける理由はない。

そして、言葉通り他愛のない会話をするのであろう。
AFとはなにか。といったことなら熱弁を聞けたかも知れない。

そうして、気づけば……男は意識を失っていた。

「……逝ってはいないな?」

それだけ確認して、まだ残る月を見上げる。
月は怪異をただ静かに照らすのであった。

ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」からクロメさんが去りました。