2024/09/20 のログ
■伊都波 凛霞 >
「む…さすがにそれは失礼じゃない…?」
ぞっとしてきたなんて初めて言われた。
むっとした顔を一瞬してみせて、またすぐ笑みに戻る。
本気で受け取ってむっすりする程でもない。
「でも、探してはくれるんでしょ?」
くすくす。
他の誰が探してたとしても、慕われて、信頼されて、大勢に探されていたとしても。
だから俺は探さねぇ、なんて言葉はそこに続かない。じゃあ、それで十分過ぎる。
「警邏も大事なお仕事。任されてるってことはそこは信用されてるってことなんだから。
……? なんで私が監視役辞めるなんて話になるの?」
首を傾げる。むしろ今後もこれまで以上に構うつもりだ。
彼が、弟切夏輝を斬ることが出来なかった…それは、確実に、彼がただの"刃"という存在だけではない証左となったからだ。
「そ、私はそういうヤツ。ふふふ、理解ってる~♪」
そういってなんとも嬉しそうに笑う。
この監視対象の刃が顔見知りを、自分の親友をなぜか斬れなかったことがそんなに嬉しいのかと思う程。
怪我なんてしていなかったらうりうりと肘で突かれていたかもしれない距離感だ。
「──でも、本当に安心した。
命令の話を人づてに聞いて、慌てちゃったもの。……ありがとうね、あの子を斬らないでくれて」
おどけたような雰囲気は鳴りを潜め、真摯に、小さく頭を下げる。
監視役が監視対象に頭を下げる…前代未聞かもしれないが、そんなことも気にすることなく。
「また、来るね。
しばらくは安静に…でしょ?散歩もほどほどに」
次はドーナツの差し入れを持ってこよう。
またね、とひらひら手を振って踵を返すと、長い束髪を秋風に揺らし、少女は病棟のほうへと歩いてゆくのだった──。
■追影切人 > 「――”人でなし”が失礼なのは当たり前だろーが。」
なんて、気のない返事を淡々と返すが、これくらいで怒る奴でもないのは分かってる。
探してはくれるんでしょ?というくすくす笑い交じりの言葉に、不機嫌そうに無言。
だが、最後の”結果”はどうあれおそらく探すだろう。本人がそう宣言したばかりだ。
「…何か腹立つな…ったく。」
後でコイツが帰ったら煙草で一服するかと思いつつ。
流石に知己の前では吸わない程度の常識?はあるらしい。
(…つーか、俺の監視役なんてやってるとコイツも面倒に巻き込みそうなんだがな。)
いや、凛霞の場合多分自分から突っ込んでくる。間違いない…確信できるのが何か嫌だ。
本当、こういうのが刃の切れ味を鈍らせるのだが…”斬る”事に帰結する事は揺らがないとしても。
「――結果的に斬り損ねただけだ。俺は本気でアイツを斬り殺すつもりだったぞ。」
思う所はあったし、思い返す過去の一幕もあった。
だが、それ以上にちょっとぶった斬らないと”納得できない”何かがあった。
…最後の最後、急所を外したのは完全な無意識だが、それは手加減か?甘さか?刃が鈍ったか?分からん。
「――頭を下げんなっての…結局、斬り殺すどころかまんまと逃げられたしな。あの馬鹿――…。」
次に会ったら頭に手刀を叩き込んでやる。
もう、二度と会う事が無いとしても構わない。それはそれ。
これは決めた事だから会う事が無かったとしても関係ない。
「へいへい、チョコドーナツで頼むわ――ああ、凛霞。」
左手をだらしなくひらひらと振りつつ、先にこの場を辞する彼女を見送る――その最後に。
■追影切人 > 「――あの逃げ癖のある馬鹿女はオマエ”達”に任せる。」
ご案内:「医療施設群 中庭」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「医療施設群 中庭」から追影切人さんが去りました。