2026/02/03 のログ
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」に青霧在さんが現れました。
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」から青霧在さんが去りました。
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」に青霧在さんが現れました。
■青霧在 > 夢を見ていた。
具体的なことは何も覚えていないが、何かを責め立てられていたことだけを覚えている。
―――気分のいいものではないが、妙に慣れ親しんだ感覚でもあった。
………
ぼやけた視界が捉えたのは、真っ白な天井だった。
清潔で、彩りに欠けた天井。
それが医療機関のものであることを理解するにはそれほど時間を要さなかった。
徐々に鮮明になる視界。
乾いた喉、巡りの悪い思考、途切れた記憶、質量を感じない衣。
(随分と慣れてしまったな)
病室のベッド。
自分のおかれた状況を理解すれば、色々と整理もつく。
途切れた記憶も、動かない体も、納得がいく。
そのうち医師が来る。
それまで待っておくのが賢明だろう。
■青霧在 > 目覚めて数分、病室の扉をたたく音が聞こえる。
此方の返事を待つことなく、入室してきた人物が俺を覗き込むようにして言葉をかけてくる。
俺とそう歳も変わらないように見える男にかすれた声で返事を返すと、男は小さく頷いた後、状況を説明してくれた。
一時は死の境界を彷徨っていたということ。
まだ最低でも三日、長ければ一週間強は絶対安静だということ。
現状命に別状ないが、魔術を利用した一時的な前借りのような状態だということ。
これまた魔術によって急速回復の最中であり、その代償として行動を大きく制限させてもらっているということ。
下手に動くと、命に係わることはなくとも四肢や内臓に後遺症が残りかねないということ。
患者の性格や精神状態によっては逆に危険な治療だが、君なら大丈夫だと信頼しての選択だということ。
そこまで説明すると、「仕事や私物については風紀の子に聞いてください。お大事に」と言い残して病室を去って行った。
一人残された病室で、思考を巡らせる。
(あの怪人は、どうなった)
医師の言う魔術のおかげか、体は殆ど痛まない。
しかしながら絶対安静。おかげで、思考ばかりが巡ってしまう。
ともなれば、考えてしまうのはあの怪人―――カタストロアのことだ。
■青霧在 > 考えても仕方がない。
魔術で軽く見渡すも、自分の携帯が見当たらないから情報収集も出来ない。
医師が言うように、同僚から聞くほかないだろう。
だとしても、思考は勝手に巡ってしまう。
徐々に靄が晴れていく思考、そこに浮かび上がる双眸。
爬虫類の縦に裂けた瞳孔が、覗き穴からこちらを見ている。
あの時あの場所、最後の記憶がこびりついている。
トラウマになる、という事は無いだろう。
だが、暫くは剝がれないだろう双眸に表情を顰めてしまう。
などと考えているうちに、自責の念に苛まれる。
選択を、判断を、分配を、
誤った。
あの結果は、こうして病床に伏す事態は
他の誰でもない、自分が招いたのだと。
あの時、あの場所、俺があの怪人を止められていなかったせいで、別の犠牲が出ていたとすれば
その責任は、全て俺の―――
■青霧在 > 思考ばかりが巡り、静かな病室に扉を叩く音が響く。
数秒の後、返事を待たずに開いた扉から入って来たのはよく知った顔。
先程の医師のように此方を覗き込む顔に掠れた声で尋ねる。
「何か……用か?」
■新宮翔太 > 「折角来てやったのに、そんな言い方は無いだろう在」
苦笑いしつつベッド脇に立つのは、風紀委員会刑事課新宮翔太。
手提げの紙袋を枕元の台に置き、続ける。
「目が覚めたと聞いてすぐに来てやったぞ」
「どうせ色々気になっていたところだろう」
口調は軽いし、表情も穏やかだ。
しかしながら、茶化そうという雰囲気はない。
■青霧在 > 新宮の言葉に頷く。
ありがたい申し出だ。それに、新宮の情報網はこういう時頼りになる。
まず、あの場ではあれ以上の被害者はいなかったということ。
そして、あの時に折りたたまれた男子生徒は一命をとりとめたということ。
次に俺の負傷も最悪だったということ。
粉砕骨折、内臓破裂、神経断裂、大量出血etcetc
間違いなく命に関わる、これまでの怪我で最も死に近かったという。
そして、カタストロアが再び出現したということ。
今度は異邦人街にて出没し、風紀委員会が対応に成功したらしい。
これといって被害者も重傷者もおらず、無事撃退に成功したという。
あと、俺の携帯は壊れたらしい。
私用の携帯だったから特に支給は無い。無いが、新宮が立て替えだと言って同じ機種を用意してくれた。
プライベートに係らない部分は設定しておいてやったと、ありがたい限りだ。
■新宮翔太 > 「一先ず、お前の奮闘のおかげで犠牲者は最小限に抑えられた」
「お前は役割を果たした、在」
励ますように声をかけて、紙袋を軽く掴んで続ける。
「紙袋の中にはとりあえず必要なものが入ってる」
「お前なら一人でやれるだろ」
くしゃりと音を鳴らして、紙袋から手を放す。
「それじゃあ、俺はそろそろ帰る」
「もうちょっといてやりたいが、卒業が近いからな…」
「あんまり思いつめるなよ」
「じゃあな」
■青霧在 > 「ありがとう、翔太」
病室を去る新宮に感謝の言葉をかける。
振り向くことなく片手を振る姿を見送り、病室に再び静寂が戻る。
新宮は、あいつは
俺が役割と果たしたと言ってくれた。
確かに、あの場での俺の目的は応援到着までの時間稼ぎだ。
怪人のヘイトを受け持ち、これ以上の被害者を出さないようにする。
その目的を果たした以上、役割を果たした……
そう言っても良い、はずだ。
……
納得できないのなら、これ以上に考えていても仕方がない。
そう判断し、携帯の設定をすることにした。
異能と魔術で紙袋の中身を取り出し、携帯の設定を開始する。
―――設定を終え、新着に目を通していると、ある新着が目を引いた。
「……いいタイミングだな」
受け取りに行けるのはまだ先になりそうだが、今の自分に間違いなく必要なものだろう。
……と思ったが、契約が半ば未履行だ。
何か詫びを…そんなことを考えながら、携帯を置く。
(そろそろ……疲れたな)
治療によって抑えられているとはいえ、病み上がりだ。
安心もあって、急激な眠気に襲われた。
意識を失って落してしまう前に携帯を置き、眠気に逆らうことなく眠りについた。
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」から青霧在さんが去りました。