2026/03/15 のログ
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」に青霧在さんが現れました。
■青霧在 > 目覚めてから、四日程経った。
入院から大凡七日経ったことになる。
身体はかなり動くようになり、痛みや疲労も和らいでいる。
以前無理やり退院した頃と比べれば、今の方がマシかもしれない。
しかしながら、退院は許可されなかった。
それとなく医師に打診してみたが、
『何言ってるんですか?』
と一蹴された。
「これが手元に来ただけマシか」
昨日お見舞いに来た同僚が持ってきてくれたもの。
委員会用の携帯端末である。
風紀委員としての権限を付与された端末。
これが無いと、殆ど何も伝わってこない。
大抵の場合は入院初日に誰かがもって来てくれるのだが、
今回は事が事なのか、それとも負傷の度合いのせいか。
持って行くなと、言われていたらしい。
■青霧在 > 最低限の報告は直接や友人経由である程度聞かされていたがやはり、
この情報量と向かい合っていないと落ち着かないように感じる。
ただ、以前ほどの焦燥感は感じない。
責務を果たし、役割と果たした実感があったからだろうか。
何も出来ないことが罪のようなあの感覚は、それ程ない。
そのお陰か、ずらりと並ぶ項目に目を通して
気を紛らわしていることにも後ろめたさを感じない。
とはいえ、中には気になるものも幾つかあった。
■青霧在 > 「壊れたか……」
一つは、あの刀のこと。
炉神、御津羽つるぎから譲り受けた刀。
恐らく、カタストロアにトドメを刺した重量のある一品。
俺の武装は、特別攻撃課の主計隊預かりになっているらしい。
それ以上のことは聞けていなかったのだが、問い合わせれば詳細が返って来た。
《聖蛇》や決戦兵装といった殆どの武装が無事の中、
あの刀だけは完膚無きまでに破損していた。
元々、折れやすいと言っていた筈だ。
そんなものがあの高さから落ちれば、その衝撃に破損しない訳がない。
落下先にあった電灯もろとも、スクラップになってしまった。
「……」
彼女は、壊れたと伝えても気にしないだろう。
砲弾としてでも使える、刀は道具、使途に応じて用いられてこそ刀。
そうでなくとも、始めて《聖蛇》を持ち込んだ時の反応を思えば、
恐らくは間違いない。
「退院したら連絡しないとな」
以前のような、不要の心配をかける訳にもいかない。
今回は急ぎの用でもない。
感謝を伝えに行くというのに、怪我だらけの姿で赴く訳にもいかないだろう。
■青霧在 > そうして炉神とのやり取りを思い返しているうちに、
刀について以外の会話までも思い返されていく。
《刀匠》の語る、《彼》についての話。
そして、求めるものの探し方の話。
『この世に求めるものが存在しないなら、
そうだ、自分で創ろう―――』
『存在するかもわからないものを求め続けてるんですから、そりゃそうですよね』
あの時の彼女の言葉を、俺は正面から受け止めていただろうか。
「怪しいとこだな」
全てのやり取りを詳細に思い返すことは出来ないが、
あの日の俺がまともに会話出来ていたかと言われると、そんなわけがないと言える。
あの戦い以降、腹の底から来る感覚。
そのおかげか、妙に心が凪いでいる。
改めて話がしたい。
そんな思いをが興る。
「さっさと……退院したいな」
入院期間がもどかしいと思うことはこれまでも何度もあった。
しかし、このもどかしさは。
少し、知らない感覚だった。
ご案内:「医療施設群 委員会用病棟」から青霧在さんが去りました。