2024/08/16 のログ
落花彩晴 > (――これは素直に風花先輩に結果を報告して…魔導書の紹介とかして貰うのがいいかもしれませんね。)

先日、図書館で知り合った見目麗しい男子の先輩を思い出しつつ。
しかし、半ば予想はしていたけれどいざこうして結果として目の前に晒されると少しショックだ。

「…魔力の量は十分でも、攻撃や回復はいまいちで射程がそもそも短い…しかも…。」

自身の魔力の性質が『奪取』と『収束』だ。これだけだといまいち分かり辛いが。

「…要するにこれ、魔力を周囲から奪い取る事と一点に収束する事に長けてるって事ですよね…?」

後者はまだ分かる。問題は前者だ…奪い取るとか碌なイメージが沸かない。
それも、人から奪い取るのか周囲の魔力を奪い取るのか…これもいまいち分からない。

一先ず、検査結果の書類は折り畳んでパーカーのポケットに突っ込んでおく。
呪いに関しては今はどうしようもないから、魔術に関しては方針が半ば確定したようなもの。

「――せめて、もうちょっと汎用的な適性が欲しかったよ私は。」

思わず”素の口調”でぼそり。何時もより声が低いが落ち着いたそれが少女の本来の喋り方だ。

落花彩晴 > 取り敢えず色々纏めるとこうなる。
奪って束ねて自分を強化する。とことん自分本位な特性だ…気分が悪い。

(…やり方や応用次第でしょうけど、まず”自分ありき”の特性なのが何とも…。)

あくまで他者ではなく自己の為に作用する特性。自分が望んでいた方向性とは全然違う。
しかも自分単体では中距離や遠距離に作用する魔術がほぼ扱えない…これも最悪だ。

「…とことん自分を強化して殴り倒せ…って感じですね。」

唯一の頼みの綱が、属性的な相性が良い風と水だ。これが無かったら本当に自己強化の極みみたいになる所だ。

落花彩晴 > 「…まぁ、足りない部分は何かで補う、しかないですしね。」

自分単体では遠距離術式が使えないのは悔しいが、魔導書や魔導具にだって興味はある。
折角だからそっちの扱い方を学んでみてもいい頃合だろう。

「…そうと決まれば…うん、一先ずご飯食べて帰りましょうかね。」

朝一番で検査漬けだったので空腹だ。軽くお腹を擦ってから、ソファーから立ち上がる。
通り過ぎる研究員らしき人たちに軽く会釈をして、少女はその場を後にする。

研究員 > 「――彼女が例の……いずれ呪詛に潰されるか化物に成り果てるか…その前に研究したいものだね。」

そんな不穏な呟きと共に、研究員は少女の後ろ姿を見つめていた。

ご案内:「研究施設群」から落花彩晴さんが去りました。