異能や魔術などの授業の実習に使われる施設群。
また、主に学生のための訓練施設が併設されている。
異能や魔術を制御するための実習や訓練であり、人や生物、器物を殺傷・破壊する目的のための訓練は認められていない。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:33:31 更新
ご案内:「訓練施設」から天川 コウハさんが去りました。
■天川 コウハ >
一つのダミーを切り刻んだ後は瞬時に次の目標へ駆ける。
複数戦いる場合を想定しており、複数戦のセオリーに基づいた行動だ。
複数戦のセオリーとは頭数で劣っている分、機動力と勢いと瞬時の判断力が重要だ。
特に足を止めたらそれはこちらの敗北を意味する程でもあるとコウハは考えている。
だから足は一切止めず、尚且つ一定の速度ではなく不規則に動き回る。
手に取れそうだが寸の所ですり抜けられる。
相手からすればこの独特な感覚こそが死神の体術の特徴でもある。
「腕は…落ちてないようですね。」
ほんの少しの時間で合計7つのトレーニングダミーが切り刻まれてた。
これで一旦休憩。
汗はかかないもののふ、と息を吐いて少し整える。
■天川 コウハ >
鎌を右脇の下段に置き、体全体を低くして前傾姿勢。
両手鎌という特殊な武器を使った戦闘術の構えの一つだ。
もし対人戦だと仮定すると相手側からしたらその特異な武装故に動きが読まれにくいというメリットがある。
勿論、戸惑う敵を気持ちが整理するまでご親切に待ってるわけなくそんな心の隙間に付け入るように動きもスピーディーだ。
「しっ…!」
事実、前傾姿勢から踏み込んだ足は一瞬で最高速度に達する。
それはまるでその場から消えたかのような瞬間移動を思わせる速度。
静から動の落差を激しくすることで消えるような錯覚を相手に伝えるのがコウハの独特な体術の秘密の一つでもある。
瞬く間に的に一撃。…否、三撃入った。速すぎて常人には連撃を目視は不可能
■天川 コウハ >
「…たまには動作の確認位はした方がよさそうですね。最近寒くなって身体も固まってきそうですし」
息を吐く。
11月という事もあって気温もかなり下がってくる。
時間は放課後だが、その時間ともなればかなり暗くなってくる季節だ。
陽が沈めばますます寒くなる。
身体が固まらないように入念な準備運動をした後、得物を出す。
「やはり、この重みは悪くないです」
召喚したのは身の丈は超える大きな鎌だ。
重さはゆうに100㎏はある。
それを片手でくるりと一回転回した後、両手に持ち、右脇の下段に置く構え。
ご案内:「訓練施設」に天川 コウハさんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から緋月さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から紫陽花 剱菊さんが去りました。
■紫陽花 剱菊 >
自ら申し立てた事。躊躇いは無い。
静寂と閉じた虚はほんの束の間。
僅かに一呼吸。根の底の虚が、昏き水面に赤を映す。
「……技も、武具も、全ては担う者次第。
わかりきった事と侮るなかれ。
行住坐臥。定めし場所は其方と私は違う」
飽く迄剱菊の思想で在り、彼女に教えるのは技。
思想でも無く、純然たる技術のみ。
思うことを、"敢えて"口出し言の葉と刻む。
戒めである。彼女を殺戮者に仕立てるに非ず。
狂人足れば、二律背反の行く末の一助に過ぎぬ。
全て、担った者の扱い次第。
「其方の"備え"が、猶予が在れば、其の暇を頂いていく。
一朝一夕で身に刻めるとは思わない。其方の才覚次第……」
楽に流れず、七難八苦を進むので在れば、
一切合切の妥協も加減も無し。頂きに至るまで、
狂気の果てに至るまで、生命の限り、力添えをする覚悟だ。
音無き歩みが、静寂がゆるりと、赤へと迫る。
「然るに、予言として伝えておく」
「……私は、どうやら加減が不得手らしい。
教え子に既に言われている。然るに……」
「暇を挟む時は、事疾く、潔く言うが良い」
言い終えるや否や、一足、音もなく目前。
何の躊躇もなく掌打を腹部へと放つのだ。
戦人故の機敏と不器用さ。有り体に言えば、承諾した時点で始まっている。
いなすか、受けるか。少女次第。少なくともことの始まる。
生傷を減らせるかどうかは……彼女次第なのであった。
■緋月 >
――――強い。
この御仁は、こと「殺す」事にかけては、己は足元にも及ばないだろう。
ただの一撃、それも構えという「用意」を行わぬ儘、放った一撃。
それで以て、ターゲットを粉砕せしめた実力に、率直に少女はそう感じ取る。
ぞわ、と背筋が粟立つような感触と同時に、その技の一端でも己に取り込めれば――
それは、確かに力になるだろう、と感じ取る。
だが、扱いを間違えれば、それは「殺す技」として牙を剥く事になる。
(………今更。)
心の底で、覚悟を決める。
例えどれ程の技だろうと、技は技。収めた所で、詰まる所…刀と同じ。
それそのものに、善しも悪しもない。それを決めるのは、振るう人間次第だ。
――もしもそれが、誰かの命を奪う事になるのなら。
それが、「求められた役割」を果たす事に繋がるなら。
否、あのひとを守るための必然となるなら。
「……守るために、命を奪う。
その矛盾の業は、技を振るう者が背負いましょう。
ただ殺す為でなく、生きる為に、護る為に、奪うという事の業も。
死に寄り過ぎる事はしません、が、忘れる事もしない。」
表情を引き締め、深く頭を下げる。
「――御身の修めたる御業、そのご教授を願いたく。」
殺す事を、当たり前と思うな。
振るうならば、相応の覚悟を以て。
覚悟を決め、そう申し出る。
――どれ程の時間があるかは分からないが、恐らくは。
その間の鍛錬は、激しく、壮絶なものとなるだろう。
■紫陽花 剱菊 >
虚に移りし景色が、ずれた。
否、斬ったのであろう。見事な太刀筋であった。
あいも変わらず、剱菊の表情は変わりもしない。
「私は決して、其の方の言葉を狂人とは言わぬ。
うべなるかな。一度握れば誰しもが思う事だ。思い上がりとも思わぬ。
……如何として、執念がまたものを産む。必定の流れ。狂人と疑うなかれ」
一度刀を取れば、拳を握れば思い至る。
何を斬れる。何を砕ける。時に思い上がりと嘲られる。
些かの違いは在れど、ややもすれば鍛錬もまた執念。
思想の違い成れど、剱菊は肯んずる。
即ち、当に過ぎ去りし道なり故。
「────────……」
斯様、剱菊は不器用な男で在った。
微笑む少女の様を見れば木偶と向き合い、手を添える。
さゆるように凍えた表皮を指先が撫でる。
刹那、掌打。寸勁と呼ばれる技術に近しき技。
幾ばくの距離も無く、空を張り詰める衝撃。
破裂音と共に、外面残して木偶の臓腑が空を染めし鉄花火。
"徹し"と呼ばれる打撃の技術。外側ではなく、内側の打撃。
指先のみで理解し、正確に内部へと"徹した"。
武芸者故に、最もわかりやすく雄弁な行動を選んだ。
顔色一つ変えること無く、武威を示したのだ。
「……其方の宣う言葉は、殺戮者には何と面映ゆい事だと聞こえる。
如何にして取り繕うと、刃は所詮肉切り包丁。人を、命を、一切合切を断つ。
余程、其方の先人よりも、其方が嘯く言葉のが余程狂人に聞こえてしまうな」
矛盾である。
斬るとは断ち、文字通りの別れの汀。
残すことなど出来るはずもない。故に、困難の意味を理解する。
故に其の我武者羅さに一つ、道を示そう。
「私が持つ技は全て、殺しの御業。
数多の武芸を、術を、戦に勝つ為に修めた。
……御覧の通り、無手の心得も修めているつもりだ」
武芸百般。
乱世で生き抜き、勝ち残る為に修めた。
そう、如何なる術を修めた。
全ては泰平の世のため、己が血の礎になる為の執念。
結果、何者であろうと殺してみせた。
泰平を夢み、夥しき血を浴びし殺戮者。
「……備えの猶予があるので在れば、其方の手伝いをすることも出来る。
私の収めし技も、授ける事も出来るだろう。但し、飽くまで殺しの御業。
命を残す事等、考えるに能わず。……どれほど伸びるかも、其方次第」
僅かに艶黒が揺れ、ゆるりと振り返る。
「然るに、"興味"が沸いた。
其方の理想の一助を、行く末を見届けたとも」
向かうべき方向は違えど、剱菊もまた当てはめれば狂人であった。
故に矛盾を孕んだ無想の境地。否定などしようはずもない。
選ぶのは全て、少女次第。
■緋月 >
「――確かに、「我等」も最初はそうであったかも知れませぬ。
人を斬る、命を斬る、殺す為の技。
ですが、ある時…一人の者が、ふと思い至ったそうです。
刀で人は、命は斬れる。だが、それ以外を斬る事は出来ぬのか、と。
風を斬る事は? 流れるモノを断つ事は?
空を、虚を、見えざるモノを、界を――時は…無は?
そうして、出来上がったのが…我が里にて伝わる、あるいは…最も、刀の本筋から外れた流派。
常では斬れぬを斬ろうとした、狂人達の執念の積み重ね。」
失礼、と前置きをして足を進め、少し離れた所に置いてあった、
準備の為の慣らしの素振りに使った木刀を取り上げ、黒き武士に背を向けてそれを中段に構え、
「――――疾!」
その気合と共に放たれた切り上げの一太刀は当然のように空を切り…それだけでは済まなかった。
ぴし、と、亀裂の入るような音。
木刀が走った跡から、瞬間、するり、とほんの僅かにだが、「風景が斬れてずれた」ような光景。
それを確かめた直後には、既に風景は元の通りに。
斬れてずれた跡など、残ってもいない。
「……木刀と、短い集中、それに今の私の実力では、この程度のものですが。」
ふう、と一息。
常の剣術とは思えぬ…魔技めいた一刀。
だが、人を斬るだけならばもっと効率の良いものがあるであろう…ある意味「無駄」の極みとも言える技。
斬ろうと思えば、人間、「界」も斬れるのだ、と、それを確かめたかった者の執念の技。
「――この地に来て、思うようになったのです。
空が斬れる、風が斬れる、流れが斬れる。
なれば――命を斬らず、傷を残さず、向かい合う者をただ「斬る」だけの技は、出来ないものなのか、と。」
それは大いなる、狂人の戯言。
命を、肉を斬らず、人を斬る業。そんなものがあるとしたら…それは殺しの技である剣術に、
真っ向から喧嘩を売りに行く技ではなかろうか。
愛か、と問われれば、またも顔を少し赤らめる少女。
軽く微笑みを浮かべ、口を開く。
「――世間一般で言えば、そうなるのでしょうね。
ただ、私に「大きな宿題」を与えたのも、そのひとでした。
命を断たず、肉を断たず、人を斬る為の業。それも…言いだしたのは私ですが、求めたのはそのひとです。
楽な方には流されるなと。理想の自分を、追い求めろと。
本当に…厳しくて、かと思ったら素直な事を口にしない、困った人です。」
楽に流される事はしたくない。
それは、きっと、そのひとから与えられた「宿題」を、少女なりにこなそうという生真面目さなのだろう。
逃がさぬように、やや我武者羅とも言える勢いで…「理想の己」を追い、
同時にそのひとを逃がさぬように走っているのだろう。
■紫陽花 剱菊 >
よもや、嘲る事も貶める事もするはずも無い。
有り体に言えばご覧の通り、思考が違う。居住まいが違う。
然さも在りなんとする静寂に佇み、赤を据える。
虚は少女を見極めんとするかのように。
「……"結果"を得るための備え。即ち鍛錬、仕込み、準備……。
決して其方を不足と言わぬ。現に、鍛錬を弛まず続けていると見受けた」
戦人の言わせれば此の場で不意を突かれようと"不足"であり、
討たれた側の不足の問題。然れど少女の言葉には合点が行く。
僅かに虚が、細くなる。
「如何にも。私の故郷は、常に乱世であった。物心ついた頃より、血の色を知っている。
其方の全てを否定するはずもないが……左様か。戦の為ではなく、唯斬る為、か。
……飽きるほど物を斬り、者を斬り、尽く斬った。斬って見せた。
私に言わせれば、所詮は殺しの御業。何くれと、それ以外で技を磨くのか……」
如何にお為ごかそうと所詮は殺戮の御業。
それ以上でもそれ以下でも無し。故に、異邦人。
根本的に、「斬る」一つをとっても考えが違う。
視野狭窄とも取られかねない、殺戮者の観点。
不意にゆるりと、歩み始める。
足音も無く、衣擦れも無く、
静寂が玉響と揺蕩い、木偶の御前。
「……此の世界は乱世に非ず。其方の故郷も相違無くば、
私こそがまた異物とは理解しているつもりだ。気をかける必要は無い」
たかが数年。生の全てを殺戮に変えた。
数十年とは言え、殺しの才覚を染み付かせた思考。
未だ染まった血を流すには能わず。
「───────……愛か?」
突拍子もない、一言。
僅かに口元が緩み、木偶に指添え、僅かに見返る。
艶やかな黒がはらり、はらりとさざめき、揺れる。
「……唯の山勘。違うのであれば笑ってくれて良い。
私を変えたのも愛だ。刃で在れと言った教えを、
人で無くば成らぬと思わせた。何とも気難しい夕暮れの女子であった」
「いとど、二度と会えるかは分からぬ身。
故に此の身は待ち人だ。そう言わしめたので在れば、離さぬ事だ」
「私には、出来なかった」
いっそ、惚れた女と逃げる道もあった。
彼女自身は其れを許さず、剱菊は尊重した。
己が我を徹せず、結果夕暮れ刻へと独り残された。
分かつ待ち人。愚かと理解しても、囚われ続けて幾星霜。
故に常世島に、紫陽花剱菊在りとせしめる。
■緋月 >
「――――――。」
武士の問いには、沈黙で返す。
不都合を指摘されて言葉を失った…というわけではなし。
僅かに瞑目し、かけられた言葉を自分なりに呑み込もうとする姿勢。
「――そうですね、戦いの場に於いて、総てを決めるは「結果」のみ。
課程を鑑みて何事かを問うは…全てが、戯言なのかも知れませぬ。
……私は、ただ「斬る」事を…「常では斬れぬモノ」を、斬る為の技を磨いてきた、
それだけの為に、血脈を繋いで来た者達の出です。
ある意味、「戦場」から最も遠いかも知れぬ、刀の技を継ぐ者達の裔。
恐らく、ですが、あなた様は…より戦の場が、日常と言える地から訪れたのでは、と。」
其処までを口にして、大きく深呼吸。
「――あなた様の「常識」では、理解が難しいやも知れませぬが…
私の向かう「戦の場」は――ここ、と明確には決まっていませぬが、幸いにもまだ「猶予」がある。
いつ呼び立てられるかは分からずとも、其処に備える為の時間は、残されています。
だから、「結果」を出来る限り「善い形」…この場合であれば、護るべき御方に
傷を残さず、事を終える方向へ持っていく…。
その為の「準備」は怠らずに置きたい。」
その準備のひとつとして、慣れぬ無手を「使える手札」にして置きたいのです、と。
書生服姿の少女はそう言葉を締め括る。
護るべき者については、少し照れたような、年相応の微笑みを浮かべ、
「……詳しくは、秘とさせて頂きたく。
ただ、言える事があるなら――私にとって、かけがえのない、大事な方です。
あのひとに「私がいい」と言われた以上は…それに出来る限りで応えたい。
その為にも、「楽に流される」事は、したくないのです。」
そう、年頃の娘のように。
■紫陽花 剱菊 >
「……左様か」
そういう事らしい。
ご覧の通り決して顔の愛想は良くない。
「……互いに縁に恵まれたようだな」
合縁奇縁。
あたかもなどと、不要也。
千尋に交わりし縁がまた、互いを此処に誘った。
唯、それだけの事に過ぎない。
彼女の事情を唯静かに剱菊は耳を傾ける。
静寂の中。気配すら揺蕩う。衣擦すら聞こえぬ。
如くは無く、居住まいは既に影に在り。
意識を外せば、瞬きすれば霞の如き消えてしまう。
そう思わせるような佇まい。
「───────……武の信念は、各々に通ずる。
何を斬るかを定めるかもまた、担い手次第。
然るに、想定外等と、戦とは不都合なものでは?」
行住坐臥を戦に定めし男はさも当然と事問うた。
戦いとは不都合、不条理、いみじくも斯くと折り合いを付けねば成らず。
付けれず不足と成った者から奈落に堕ちる。必然也。
事、剱菊から言わしめれば当然の備えであった。
即ち、武芸者足れば、彼女も同じ思考であると鑑みる。
故の疑問。否、全てを含めての鍛錬成れば相違無し。
貶めているのではない。口に出す程でも無いと思うが故だ。
「……、……否、私の聞き方も悪かった。
斯様、護るべき者とは、先程の縁に通ずるものかと思ってな」
■緋月 >
「真顔過ぎて冗談に聞こえないです…。」
またもバッテン口雰囲気。
そのような、聊か年上の「先輩」の様子を見ながら、思い返すは過去の事。
まだ己が「今の名前」ではない、里に居た頃の記憶。
どことなく、黒き武士は、その頃の自分に似ている気がする。
何処がと言われると困るが…強いて言うなら「雰囲気」だろうか。
「……どの世界でも、人の情けは有難いものです。
お陰で、私もこうして学生らしく暮らしていられる。
もしも何か歯車が違っていたら――否、言いますまい。
今、こうして在る事が全てなのですから。」
古めかしい言葉遣いも、故郷を思い起こさせる。
ついつい、こちらも釣られて過去の口調に立ち戻ってしまう位には。
「――まあ、難儀な仕事にはなりそうではあるか、とは。
その為にこうして、こちらを借りて訓練に臨んでいたという訳ですが。」
小さく息を吐きながら、武士の疑問に対して改めて口を開く。
「――私の学んだモノは「斬る」為の技。
必然、刀を用いた技が本流です。
徒手の技は通常扱わぬ「陰」の技……無刀の師が、弟子の筋の未熟を
把握し、教える為に扱う事が主眼の技。
無手を越えられぬ未熟に、刀での立ち合いは早い、と。」
通常、戦の場にては扱われぬ、裏の技。
だがそれは決して「実戦で使い物にならない」事を意味してはいない。
「勿論、刀を手放すつもりはありません。ですが、何事にも「想定外」は付き纏う。
「刀を手放していたからお役目を果たせなかった」…は、言い訳以下の戯言です。
使えるモノは、何であれ、使えるようにしておかねば。」
ぐ、と拳を握り締め。大きく息を吸って、吐く。
「護衛の担当を依頼された人数、という意味では私一人だけです。
担当の頭数が増える事が良い事になる…とは言い難い事もありますから。」
武士の疑問には、至極単純にそう答えつつ。