異能や魔術などの授業の実習に使われる施設群。
また、主に学生のための訓練施設が併設されている。
異能や魔術を制御するための実習や訓練であり、人や生物、器物を殺傷・破壊する目的のための訓練は認められていない。
参加者(0):ROM(1)
Time:10:29:15 更新
ご案内:「特殊訓練区域」から春夏冬 青さんが去りました。
■春夏冬 青 > 「…よし。動くな。」
何とか立ち上がり、体の調子を確かめる。
痛い、怠い、ヤバい、寝たい。
………よし、絶好調だな!
「いつかリベンジしてやるからな、木偶人形め…。」
恨み節を言いながら訓練場をあとにする。
■春夏冬 青 > 「やばいな普通に動けないぞ」
身体に蓄積したダメージに、異能の反動。
指先を蠢かせることくらいしかできん。
空いているからと夜遅くに来たのが仇となった。
「衛生兵ー、保健委員ー?あ、やべ、しばらく放置されるかこれ?」
なんか眠くなってきたし。
…もしや今ならここで寝てもバレないのでは?
■春夏冬 青 > 『戦闘訓練終了。お疲れ様です。』
アナウンスの声が響く中、天上を見上げる。
ノックアウトだぜ!俺が。
見上げるというか仰向けで動けないんですけどね。
チャージ中に攻撃するのは卑怯じゃん。
必殺技に理解のないゴーレムめ…。
『スコアを発表いたします。アキナシ様、17点。』
赤点ですってよ奥さん。
ぐえー。
■春夏冬 青 > 「ぐべ、ごば、ぎで、ぼが、がっ!!??」
これで何回地べたを転がっただろうか。
風紀委員たるもの最低限は動けるようにしろと通達を受け、何も考えずに始めた訓練。
難易度の設定でとりあえず『普通』にした自分をぶん殴ってやりたい。
「普通って感じじゃないんだよなぁ…。ぺっ!ぺっ!砂入った…。」
敵として出てきたのは5mくらいの鋼製ゴーレムで。
銃撃でも傷一つつかず、逆にこちらは動きの風圧でゴミのように転がるばかり。
風紀委員用のプログラムだとはいえさ?平均値高ない??
ご案内:「特殊訓練区域」に春夏冬 青さんが現れました。
ご案内:「演習施設」から先生 手紙さんが去りました。
■先生 手紙 >
――ヴン。
演習用の映像が切れ、殺風景な空間へと戻る。
「ン……まァ、鈍っちゃあいないってところかな」
こき、と首を鳴らして装備を仕舞う。それから両手の指をパキパキと鳴らしーの。
■先生 手紙 >
一拍置いて、次のWAVEに入る。
今度は360°を囲まれた状態。
懐から二挺目の拳銃を取り出す。こちらはデバイスではなく支給品(カスタム)の本物だ。弾は演習に合わせて非物質の、的である光と同じモノが撃ち出されるようになっている。
正面視認。光が消えるより早く、交差した両手が引き金を引きながら開いていく。
そしてバックステップからの軽い跳躍。後ろ回し蹴りでもう半分の排除にかかる。
――――制圧に欠けた時間は4秒ジャスト。
「……ま。無抵抗ならこんなモンでしょ」
ふ、と短く息を吐いた。
■先生 手紙 >
そして――――演習は開始された。
音もなく各所に浮かび上がる光の玉――的。それらを消す、ということが男の鍛錬らしい。
横目、路地裏。灯った光に一瞥を送る。視認では大した『異能』は発揮されない。が、光は2秒ほどで消えた。
次は自身の居る大通りに点在する的。数にして8。視認で1、指先での指向性で音もなく消し去っていく。
(……4、5……遠い、)駆ける――射程に入れての6。抜き去って直接手を触れて7――
懐から抜くのは拳銃型の『デバイス』――発動する単一系統の基礎魔術。衝撃に分類されるソレを一発撃ち込んで、最後の一つだけは弾けるように消え去った。
■先生 手紙 >
――ヴン。空間のテクスチャが変更される。
実像を持たずに再現されたのは『常世渋谷』。
実時間と同じ真夜中の仮想空間。
「……ヨシ。しかし再現度エグいな……」
シチュエーションをセットし終えて端末を懐にしまうのは、ヒラついた私服の青年。
なお、寮はとっくに消灯時間を過ぎている。
そこかしこに人工の光の灯る街中のイミテーション。現実と違うのはそれらに触れられないことと、「ヒト」が存在しないことだ。
――こんな夜中に鍛錬などと。同室に見られでもしたら目も当てられない。
ご案内:「演習施設」に先生 手紙さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から蒼空 奏さんが去りました。
■蒼空 奏 >
それでも不思議がられたり、不気味に思われたりはしない。
自分と同じように、異能の力を持ってしまったことで普通の生活ができなくなった人は、この島では周りに沢山いた。
そして多くの人が前向きだった。
だから自分も…悲観も苦悩も十分したのだから今は笑顔でいることを選ぼうと。
『あの』
背後から声がかかる。
なんだろうと振り向くと、さっきの男子生徒だった。
『まだまだ暑い時期だから、保健委員のお仕事頑張って』
彼はそう言って、清涼飲料水のペットボトルを差し入れてくれた。
さっきまで足の痛みに表情を歪めていた少年が、今はこうして笑顔を向けてくれる。
「あ、ありがとう…」
受け取った、ひんやりとしたペットボトル。
「うん、頑張るね」
笑顔でいよう、なんて思わなくても…自然を笑みが溢れた。
この島で、この学園で頑張ってみよう。
夏季休暇も終わった新しい学期、そんな風に思える一幕だった。
■蒼空 奏 >
と、夏季休暇も終わったタイミング。
それなりに利用者も多いせいか、ちらほらと怪我人が訪れる。
もちろん最低限保護がなされている環境なのでそんなに大きな負傷を負うことはないのだろうけれど。
足を挫いた男子生徒の患部をゆっくりと撫でる。
助けたい、治したい──そう想うことで、少女の手は淡い翠色の光に包まれる。
温かな光は苦痛を和らげ、傷ついた体組織を修復し…癒していく。
「えっと…まだ痛みますか?」
問いかければ男子生徒は何度か脚の様子を確かめ、痛みのないことを確認すれば立ち上がる。
実に礼儀正しく頭を下げる生徒に「治って良かったね」と笑顔を向け、手をひらりを振って見送って。
「(このくらいなら、反動も何もないんだけどなあ……)」
男子生徒の怪我を治した自らの手へと視線を落とす。
この島、この学園にやってきて、自分が特別じゃない…ということは少しずつ飲み込めたけれど。
まだまだ、自分の身体に宿っているこの力との付き合い方は…悩ましい。
とりあえず誰かの役に立っている。ということでなんとなく居場所として納得しているけれど。