2024/07/03 のログ
ご案内:「訓練施設」に倖月 保志さんが現れました。
倖月 保志 >  
「ん~たまには体を動かすのも悪くないと思いますねえ~」

伸び伸びと準備運動している制服姿の男子生徒。
背中には野太刀を差しており如何にも剣を振りに来たというところか。
久々に体を動かす発言。それは1週間か2日か3日か不明ではあるものの最近の風紀委員の対応やテスト期間も相まって確かに体を動かす機会は減ったかもしれない。

「さて、テスト期間だからって体が鈍るのもいけませんし」
「まあ、かといってあの程度のレベルの問題であればそこまで勉強の必要がなかったかもしれませんけどね」

ぽろりと言葉を漏らす。
筆記試験でも成績は上の方であり、学園に入る前から英才教育を施されたので当然と言えば当然だ。

倖月 保志 >  
身体を伸ばす。
少しコキコキと節々から音が鳴る。これは少々錆びついてるか?
ついで左肩より上に突き出ている野太刀の柄を握る。
そして抜く。スルリ、と突っかかりもなく精神が研ぎ澄まされるような凛とした刃の音と共に抜き去る。

「ん~…剣を握って無心で振るうのは好ましいですねえ~」
「ははは、ボクも小さい頃は何か嫌なことがあったら時空湾曲部屋で一人で黙々と素振りしていましたねえ~」

抜き放たれた刃を見る。
精神が安定する。
人斬りとか日本刀マニアとかそういうものではないが幼少期から行ってきたルーティンと言えるだろう。

す、と浅く息を吸う
更に浅く吐く
軽く息を止める

倖月 保志 >  
剣を振るう。
全長は保志の体ほどもあろうかと言えるそれはほんの軽い動作で音速を超える。
切り返す。体の力は抜けきっている。にも拘わらず衝撃波が発生し、この場に並みの強度のガラスが張ってあれば全て割れてただろう。
すなわち保志の斬撃の一撃一撃はジェット機に匹敵するようなもので実際に少し動いただけで地面が巨大な生物が引っ搔いたような刀の爪痕を残す。
それを何度か繰り返す繰り返す。

「はぁ…少し動いただけで暑いですねえ~」

少しだけ息をつく。
近くにいた生徒に声をかけて世間話。

「皆さん、道着なんて着ているんですねえ~僕はお付きの人にいつも服を着せさせてもらってるのですが、いないので着れないんですよ~」

倖月 保志 >  
「ええ、着方がそもそも分からないんですよ~」
「うん?ボクは勿論、剣をしっかり皆伝以上まで修めていますが…」

会話を振られた生徒は驚きの声を上げる
これだけの腕がありながらそして相当な訓練をしたにも拘わらず未だに自分で道着が着れないのは甚だ疑問だろう。

だが嘘は言っていない。
なぜなら保志は超お坊ちゃんで技量こそ自分であげるものの面倒な雑用はお付きにやらせがち。
だってそうやって雑用とか無駄を省いたほうが効率的だし効果的だからだ。

「後片付け?それはボクがやるんですか?」
「ボクはやり方知りませんよ~」

ニコニコと悪びれもなくそして一切やる気もない。
使い終わったら掃除して収納。
当たり前の常識だが片づけ諸々は使用人の仕事だと思ってるのでそもそもからしてやるという概念がない。

ご案内:「訓練施設」から倖月 保志さんが去りました。