2024/08/23 のログ
ご案内:「訓練施設」に緋月さんが現れました。
■緋月 >
「…………。」
訓練施設で一人、瞑想のような姿勢を取っているのは、書生服姿の少女。
傍らに刀袋を置き、正座で座し、目を瞑っている。
無論、居眠りなどでは断じてない。
見る者が見れば、集中の為か、僅かに氣が揺らぐのを見て取れるだろう。
少女は目を瞑ったまま、ただ己の内に深く潜り込むように集中を続けている。
■緋月 >
(――まずは、己の中のあの仮面の存在を、しっかりと感じ取れるようになること。
自分の中――内面に近いなら、瞑想がうってつけだろう。)
定期的に深呼吸を繰り返しつつ、静かに己の内面を見つめ、深部に潜るように意識を集中させていく。
(深く――)
深く――
(深く――――)
より深く――
(深く――――――)
更に深く――
(――――――――深く――)
奥の奥、その深奥まで向かわんと、意識を研ぎ澄ませる。
■緋月 >
「――――――。」
どれ程の間、瞑想を続けていたのか。
――最初は、暗闇だった。
その暗闇の中に、一点。
小さな、灯りのようなもの。
ほんの小さなそれに、少しずつ、近づくように、意識を研ぎ澄ませていく。
焦る必要はない。
一歩、また一歩。
今、感じているものを、忘れぬようにしっかりと覚えながら、距離を詰めるように。
近づく。
近づいていく。
やがて、それがより明確に感じられるようになっていく。
近づいていった事で、はっきりと見えるようになった、と言う方が正しいのか。
――それは、あの黒い仮面。
蒼い炎のような光を双眸に灯し、己を真っ直ぐに見つめている。
■緋月 >
――あなたは、
――私が誓いを守る限り、共にあってくれますか?
思念が返る。
愚問、と言いたげな、尊大な態度。
だが、同時に真っ直ぐな思念。
道を過たぬ限り、我が力は汝と共に在り、と。
――ありがとう。
――今はまだ未熟者ですけど、
――貴方に相応しい「継承者」になれるよう、
――私も、己を鍛え続けます。
返る思念は、当然と言いたげな雰囲気。
普通であれば接した者を怒らせそうなものだが、同時に、継承者の克己心を信じる雰囲気の混じるもの。
ご案内:「訓練施設」にシアさんが現れました。
■シア > 「……」
少女が足を踏み入れた時。その場の空気は何かが異なっていた。
凍りついた、とも違う。どこか、済んだような空気。
清冽、と評すればいいのか。
「……」
その空気を前に、少女は物怖じすること無く歩を進める。
而して、音も、声も立てず。
空気と一体となるかのように。
「……」
少しの距離をおいて、静かに座る。
まるで、眼の前の少女に合わせるかのように。
■緋月 >
書生服姿の少女は、ただ静かに、瞑想を続けている……ように見える。
少なくとも、眠っていないのは時折深く行われる呼吸によって分かるだろう。眠っている者はこんな呼吸をしない。
身じろぎひとつしないのは、武術や瞑想の心得のない者には一種異様な風景に見えるかも知れない。
己の精神に、深く潜っている、と言えばいいのか。
当然、新しい来訪者である少女にも気が付く様子は全くない。
それが瞑想というものである。
外部の動きに心惑うようではまだまだ未熟。
入って来たジャージ姿の少女には、もしかしたらつまらないかも知れないが。
■シア > 「……」
呼吸音を聞く。正確には、呼吸の流れを聞いた。
この無音の世界では、呼吸音すら静かな凪のようで響くこともない。
ただ、空気の流れだけは、僅かに流動する。
この呼気は、なんらかの"呼吸法"である。
先日知った"瞑想"というものだろうか、と少女は当たりをつける。
「……」
深く、何かの世界に潜航っている。
没入――
その世界は、知らないではないが未だ未知数でもある
「……」
さらににじり寄って、間合いに入る。
手元には、するどい枝。
ただ、それを手の上で遊ばせたまま、少女を見つめる
■緋月 > 書生服姿の少女は、間合いに入られても微動だにしない。
ただ、静かに己の内へと沈んでいる。
独りで、何かを鑑みているのか。
あるいは、心の中の何かと対話しているのか。
それは、外からでは窺い知る事は難しいだろう。
静かに、深い呼吸の音だけが響く。
それ以外は変わらず微動だにする事なく。
正座の姿勢を保ったまま、書生服姿の少女はただ目を閉じている――。
■シア > 「……」
傍目には寝ているかのようにも見える瞑想。
しかし、そこから漏れ出る気配は深い何かを感じさせる。
「……」
じっとみて……僅かに首を傾げる。
外界の気配にも泰然たる様子で反応を示さない。
では、どこまで?
「……」
手にした枝を瞬速で突き出す。当たるか当たらないか、絶妙な間合いで
■緋月 > 「――――!!」
『何かが向かって来る』。
それについての反応は、極めて迅速だった。
素早く動いた右手で突き出された「何か」を素早く掴み取り、更に左手で
それを放った者の腕を掴み止めようとする。
恐らく、止められた枝は掴んだ場所を起点に容易く折れるだろう。
その位に、「迫る危機」への反応は早かった。
自身が潜っていた深度から、一気に浮上してくるレベルで。
素早く見開かれた目の片方に、青白い炎のようなものが一瞬、強く揺らめいて、次の瞬間には消えている。
それが、枝を突き出した少女に見えたかは、分からないが。