2024/08/25 のログ
ご案内:「訓練施設」に緋月さんが現れました。
■緋月 >
「――――。」
今日も今日とて、瞑想に励む書生服姿の少女の姿がひとつ。
数日前に「最初の感覚」を掴んでから、今度はそれをより「身近」に置けるように、感覚を慣れさせていく。
「――――。」
やや突貫気味な修練なのは、否めない。
だが、時間的猶予がどれだけ残っているのかが分からない以上、多少の無茶はしても
より今の状況が「当たり前」になるように慣れて置きたい。
「――――。」
自身の内から、思念が届いて来る。
相変わらず尊大な態度だが、まあ慣れれば然程威圧感みたいなものは感じない。
深呼吸をひとつ。平静を保つ。
(……あまり五月蠅く言わないで下さい。
慣れずに返り討ちは、お互い望む所ではないでしょう。)
宥めるように思念の声を届ければ、不承不承といった様子で尊大な態度は緩む。
(あなたの言い分は分かります。
ですからこうして、力に馴染めるよう頑張っているのですから。
正直に言うと……駆け出したいのは、私だって同じです。)
「探し人」の事を軽く突かれ、そう返事を返す。
実際問題、慌てて向かっても折角得た力を使いこなせなくてはお話にならない。
だからこそ、本当は駆け出したい所を堪えて、こうして精神面の修練に時間を割いているのだ。
■緋月 >
「――――。」
暫しの沈黙、精神内での対話の後。
小さく頷く。傍から見れば軽く俯いたようにしか見えないであろう仕草。
(…分かりました。分かりましたよ。
「そちら」に慣れる必要があるのは、一理ありますからね…。
代償もないなら、少しやってみます。)
すぅ、と息を整え、ゆっくりと目を開く。
赤い瞳に、蒼い炎が灯る。
「………。」
そのまま、正面。右。左。もう一度正面。
ぐるりと、自身の使っている施設を見渡すような動き。
「……当たり前ですけど、何事もない、ですね。」
死者観測の能力。
自身が継承した神器の、最も基本的な能力。
その能力を使って、周囲を見渡した。
当然だが、「何事もなかった」。
それはそうである。
訓練施設に死者の霊が居たら大事もいい所だろう。
「……よし。」
ふ、と息を吐き、一度目を閉じ、其処から開く。
赤い瞳に、蒼い炎はもうない。
もう一度、瞑想状態に戻る。
(……こんな所に居る訳ない、ですか? それはそうでしょう。
――分かりました、今度は「それらしい場所」で試してみますから、少し静かにして下さい、ね?)
またも尊大な態度の思念が向けられるのを上手く宥めすかしながら、己の内の対話を続け、
その感触をより自身に慣れさせていく。