2024/10/21 のログ
ご案内:「訓練施設」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」にリーゼロッテさんが現れました。
橘壱 >  
常世学園 訓練施設。
橘壱は何時如何なる時も訓練を怠らない。
非異能者である自分が出来る積み重ねは地道なものだ。
だが、それが確かな力になっていることは間違いない。
今日はベンチプレスの更新も成功した。着実に、上がっている。

「──────……ッ、ふぅ……!」

そんな訓練日和の昼下がり、トレーニングベンチに寝そべり、
140kgの重りを上下させながら、頭に付けた妙なヘルメット。
脳波コントロールによる操縦シュミレーターだ。
特に、脳一つで複雑なコントロールを行えるAFにおいて、
その負荷領域を上限を上げるために、肉体トレーニングをしながらはよく聞く。
体はひたすら重りを、脳内は高速の戦闘が繰り広げられていた。
滴る汗を気にすることもなく、息を切り定期的な動きを続けていた。

リーゼロッテ > 少年が訓練をしている最中、ふと目に留まるものがある。
それは機動兵器用の訓練ポッドである。

それがプシュー、と言う音をあげ、冷却を開始する。
ポッドが展開し、そこから出てきたのは金髪碧眼の娘。

長い髪を手で払い除けながら息を吐き出し。
ペットボトルで給水をしながらふと目線をベンチプレスの方にやる。

ことん、と言う音をあげ、ペットボトルが落ちる。
娘は目を見開き、わなわな、と露骨に震え始めた。

橘壱 >  
鋼鉄の翼が脳内で駆け回る。一つ、二つ。
着実に仮想敵を落とし、三つ、四つ。
ラストはシールドで受け流し一閃。
訓練項目の終わりと同時に、ゆったりと重しを引っ掛けに置いた。

「ふぅ……ちょっと休憩しよう……」

肉体負荷もそうだが、脳の負荷も掛かる。
要するに全体的にだるい。適度な訓練には、
適度な休息が必要だ。ヘルメットを取り、
傍に置いてあったトランクからペットボトルを取り出した。
キンキンに冷えたスポドリだ。遠慮なくぐびっと一杯。

「ん……ふぅ……うま……ん?」

落ち着いた頃に視線に気付いた。
誰だと碧の双眸を見やると、金髪美人が見えた。
なんだか見覚えがあるような……。あれ、怒ってる?

「え、えぇ……」

僕、なんかやっちゃいました。
もしかして僕ですか?と自身を指さした。

リーゼロッテ > 「ここで見つけたが百年目って奴よ橘壱ッ!!!!」

メタリックラグナロクで喧嘩を売っては敗北し。
世界大会で喧嘩を売って敗北し、二位と言う立場に甘んじさせられ。
挙げ句の果てに勝ち逃げされた因縁の不逞の輩。

そんな不逞の輩に負けっぱなしでいられなかった。
因縁の輩がここにいると突き止めた時には復讐の炎を燃やしたものだ。
父親から半ば追放されるような形ではあったがここに来れた。

父親からの信頼を、チームメンバーたちからの信頼を。
何より、この私のプライドを取り戻す為にわざわざこんな僻地にまでやってきたのだ。

「覚えてないとは言わせないわよッ!!」

ずびしっ、と指を突きつけた。
なんかこいつ覚えてなさそうなリアクションしてやがるけど。

橘壱 >  
びくぅ、張り上げた声に肩が上がる。

「うぇぉぁ!?ハ、ハイッ!!」

思わずぴしっと姿勢を正してしまった。
なんだか凄いお怒りだぞ、此の子。
しかもマジでこっちの事でお怒りだった。
美少女に怒鳴られるのがご褒美って言う人もいるが、
どんな人間でも怒鳴られるのって気持ちよくない事だよ。
碧の双眸をパチクリしながら、胸元から彼女の顔まで視線を上げた。

「え、っとぉ……」

どうやら知り合いらしい……のだが、
どうしよう。マジで覚えていない。
いや、正確には"見覚えはある"。
そう、確かに会っているはずだが、微妙に記憶と合致しない。
気まずそうに頬を掻いて、おずおず、と。

「そのぉ、どちら様でしたっけ
 ご、ごめん。キミみたいな美人の知り合いがいるほど前は交流が広くなくて……」

恥を忍んで、勇気の問いかけ!

リーゼロッテ > 「……ッ!!」

ピキィ、と青筋が浮かび上がるのが見えた。
そのままにっこり微笑んだ。
美人の笑顔は怖いって知ってるか橘壱。

「ああ、そうね。そうなのね。あなたにとっては有象無象、そのへん飛んでるカトンボと同じ扱いだったってワケ……ッ!!」

逆に怒りに火を煽ってしまった。
違う。これはそんなものではない。
言うならば燃え上がる火災現場にガソリンをぶちまけた。
そんな気配を感じてしまう。
お前、アウトかセーフで言えばアウトだぞ。

「あんたが世界大会で捻り潰してくれた世界二位よッ!! 何ッ?! それともあんたにとって世界一位もどうでもいい位だったわけッ!?
 だったら話変わってくるんだけどッ!?」

橘壱 >  
「(思ったよりも顔怖いってコレ!!
 凛霞先輩とかがキレるとこんな感じかな……)」

もちろん知りませんでした。
ひえ、と成りついついトレーニングベンチから立ち上がる。
烈火の如く怒る彼女の姿に思わず一歩引いた。
人間ワケもわからないと最初に引いたりするらしい。

「世界二位……?」

ただ、その言葉を聞けば思い当たる範囲は一気に狭まる。
訝しげに目を細め、逆に距離を詰め、彼女の頬に両手を添える。
そのまま顔を近づければ、文字通りまじまじと見つめた。
世界二位の、金髪美女。確か……───────。

「リーゼロッテ=アーレスマイヤー……!?
 本当に?おお、久しぶり!なんかあの頃より可愛くなったから気づかなかった!」

しれっとこういう事するタイプ。
汗が弾ける整った少年の顔が間近で微笑む。

リーゼロッテ > 「ひゃッ?!」

両頬を添えられ顔を近づけられ、顔を近づけられる。
この男……。

「……ッ!!」

真顔でなんてことを言い出すのだ。
顔を真赤にして、そして。

「顔がッ!! 近いッ!! と言うかッ!!」

手を振り上げ、思い切りその頬めがけ平手打ちを繰り出そうとする。

「デリカシーがかけらもないッ!!!!」

橘壱 >  
「うわっ」

デリカシーの欠片のない男、ついでに空気も読めない。
何故ならこう見えて鍛えているから。思わず手で受け止めてしまった。
あ、ちょっと気まずい。ついつい止めれそうだから反射的に……。

「ご、ごめんごめん、久しぶりに会えたからつい……。
 ちゃんと覚えてるよ。決勝戦の事も。キミと戦うのは楽しかったしね」

ちょっとテンションが上がってしまった。
失礼、と少し距離を離してお手上げポーズ。
でも事実、少し舞い上がってしまったのも事実だ。
この前のことといい、こうして昔の知り合いに出会えるのは嬉しさがある。
あの現役時代も、引きこもり壱にとっては青春の代替だ。
そこにいる人間、景色の事は今でも昨日のように思い出せる。

「にしても、気づかなかったよ。2、3年ぶり?1年くらいかな?
 うん、あの頃よりもちょっと垢抜けた感じがしてたからさ」

つい気づかなかった。
首にかけていたタオルで汗を拭い、軽く首を回す。

「というか、キミも常世学園に来てたのか。
 何ていうか、数奇な運命というか……異能制御とか?
 それともキミの事だから、学園の"No.1"にでもなりに来たのかい?」

なんて、からかうように。

リーゼロッテ > 「距離感バグってんのよあんたッ!!
 見覚えがあるからって普通女の子のほっぺ触るッ!?」

しかも受け止められた。
ぐぎぎ。
こいつ、ぐぎぎ。

「覚えてる割には私の顔忘れてた疑惑あんだけど。
 あんた、何。手のひら返しの速度もナンバーワン?」

ふん、と息をつけば腕組みをして。
大きいそれが窮屈そうにしている。

「ここに来たのは単純な話よ。
 兵器の性能テストよ。ご存知あんたのとこのライバルになりえるパワードスーツのね。
 ――――そのついでにあんたと競いに来たわ。
 私の異能なんて制御するまでもないものだしね」

つん、と顔をそむけつんけんしてしまい。
昔からそういう尖った部分は変わっていない。

橘壱 >  
「そうかな……言っても僕等こんなもんじゃないかな。
 ほら、現役時代に一緒に写真取ったじゃん。カメラさんに言われた奴だけど」

これ、とタブレット端末で見せるのは、
互いに現役選手時代に揃ってハートマーク作ってるアレ。
1位と2位の仲よさげ風景は実際良い宣伝写真になった。

「い、いや、本当に気づかなかったんだって!
 なんなら"大きく"もなってたし、最近は結構色々あって……」

よもやあの時代のライバルを簡単に忘れるはずもない。
実際ちょっと最近激動だったし、数年あれば結構変わるんだよ人間。
どうどう、と弁明をしながら視線はたまに下に行く。
因みに現役時代の大きさも覚えてる。男の子だからね。

「……へぇ」

数奇と思っていたが、そこまでとは。
いや、彼女のことを考えれば敢えてなのかもしれない。

「そこまでも、僕の後追いかい?"No.2"。
 僕が此処に来た理由だってキミと同じだしね。
 確かに"コッチ側"でも、張り合う相手は欲しかったんだよね」

そういう壱の表情は何処か得意気だ。
敢えて挑発的な言い回しは、現役時代と変わらない。

リーゼロッテ > 「宣材とプライベートを一緒にすんじゃないわよッ!!」

がーっ、と吠える。
そもそも宣材でやったものを何故後生大事に持ってるんだこいつ。
なんだこいつ。

「どこ見て言ってんのよあんた」

半眼で睨みつけた。
男だから仕方ないとは言え、睨みつけておいた。ぎろり。

「ええ、そうよ。
 私の父もあなた達のAFには大層興味があるみたいね。
 父の作ったW.I.S.D.O.Mもそう悪いものではないと思うけれどね。
 ちょうどよかったじゃない。
 機動兵器と殴り合い出来るような事滅多にないでしょう」

これはこの島をあまり知らないから出た言葉。
こっちのことを知らないがゆえの驕りでもあった。
いるんだよなぁ、怪物って。

橘壱 >  
「えぇ……でもプライベートでもメタラグしてたじゃん。
 一緒にランク回したりもしたし。そんな怒鳴らなくても……」

一体何をそんなに怒っているんだ。
困ったように頬を掻いて首を傾げた。

「……ド、ドコダロナー」

露骨な棒読み!
思わず目を逸らした。けど、すぐに戻す。

「W.I.S.D.O.M……キミの所の企業が作った機動兵器でしょ?
 いいよね。って、ライバル企業側の僕が言うべき事でもないか」

たしか彼女のマイスターアームズが作ったものだ。
此の時代に生まれた最新鋭の機械は、どれも非常に優れた代物だと思っている。
段々と思い出してきた。そう言えば、初めて出会った時も、
こういう自信満々に溢れていた感じだったっけ。
相変わらず変わらない雰囲気に懐かしさを覚えつつ、苦笑。

「それが結構いるんだよねぇ……異能者も然り、
 普通に機械(マシン)についてくるようなそういう怪物」

実体験でもあるし、それ以前から壱は知っている事だ。
決して周りを侮るような真似はしない。
寧ろ、非異能者だからこそ、だ。一切の驕りがなかった。

「なんなら映像もあるけど見る?
 直近の僕の模擬戦映像」

ほら、とタブレット端末を揺らして見せつけるように。

リーゼロッテ > 「私が一方的に突っかかってあんたが高笑いしながら一方的に蹂躙してただけじゃない」

そんな認識だった。
酷いよ。高笑いまではしていないと思いたい。

「目線ばればれよ。
 気をつけなさいよ。バレてないと思ったら案外バレてるものよ」

ふん、と息を抜いて。
腕組みをといた。

「ええ。相転移エンジンの実用化によって漸く完成したわ。
 完成してからの世代交代が早いのは……大体あんたのとこのAFのせいよね」

競い合うライバルがいてこそ。
完成するまでは長かったが、完成してからの発展の仕方は飛躍的だった。
相転移エンジンによる無尽蔵のエネルギーを使い、空間相転移による着脱によって場所を選ばない機動兵器。
そして、そのコンパクトさによって閉所でも起動出来ると言う強み。
それはAFにはないものだった。

「……は? 冗談でしょ。
 機動についてくるだけならともかく、殴り合いでしょ。
 質量の差ってもの考えなさいよ。
 あんたのAF、8mぐらいあるじゃない。
 普通はパンチ一発受け止めるのも困難でしょ」

質量の差ってものがあるでしょ、と常識を説く。
残念だったな、この島では常識は通じない。
ぶら下げられたタブレットには視線がいった。

橘壱 >  
思わずぎょっと目を開いた。

「ま、まてまてまて!キミの中の僕ってそんなイメージなの???
 純粋に楽しんでいただけで、高笑いも蹂躙したイメージもないんだけど……」

まぁ時に蹴散らすような形にはなったかも。
仕方ない、勝負の世界だから加減するわけもない。
ただ、あの世界(そら)では誰よりも楽しん(自由)でいた。
その自由な姿は、時にそう見えたかもしれない。

「うっ、気をつけます……、……ん?」

じゃあ、もしかして環菜ちゃんや悠薇先輩も気づいてたのか?
そして彼女は見ていても許してくれるのか…やっぱり優しいな。
相変わらずな彼女の空気に無意識に口元はにかんだ。

「競合相手に合わせて技術も進歩する。
 或いはそこに需要があれば……今の時代じゃ、余計に思うよ」

特に変容後の世界はあらゆる技術が横行する。
余りにも節操がないくらい、色んな分岐点が存在する。
技術の進歩は、今でさえもかなり目覚ましい。

「それは規格上の最大サイズ8mかなぁ。
 巨人族の亜人系の人とか用のね。AFは飽くまで、
 パワードスーツだから僕が来ても精々1.9くらいだよ」

8mの大きさで操作も出来なくはないが、スカスカだ。
タブレット端末を操作すれば、画面に映るのは模擬戦の風景。
蒼白のAFの高機動に追従し、剰え追い詰める風紀委員生徒。
前日の伊都波凛霞との模擬戦がそこに映っている。
此の世界において、ああ言う達人クラスともなれば珍しくもない。

「……ね?いるんだよ。
 此処は特に、時代の最先端だからね。
 確かにW.I.S.D.O.Mはいい機械(マシン)だけど、
 絶対じゃないんだ。もちろんAFもね。今のうちに、考えは改めたほうがいい」

機械(コレら)は飽くまで、
その力を埋める外付けのパーツにしか過ぎないのだ。

リーゼロッテ > 「基本的にあんた蹂躙しかしてないわよ」

蹴散らされてた側の感想。
どうしてこんな化け物が非異能者なのかがこれがわからない。
本当にわからない。

「一度目は許すけど二度目はないわよ。
 二度目は」

拳を握りしめてみせた。
と言ってもこいつの反射神経では私の拳は届かないかもしれない。
そんな諦めも若干混ざっていた。

「ふ……うぅん…………」

見せられた模擬戦の様子。
自分は絶対ではない。そんな事は知っていた。
だって眼の前にその証明がいるからである。
だけど。それをおいといたとしても。

「ちょっとドン引きだわ……」

機動兵器と真っ向から殴りあいが出来る。
端から見ていて正直ないわーである。
常識と言うものが阻んで見たくないものを見た感じである。
え、こいつこんな化け物を相手したの? みたいな。
嫌なもの見たわーって感じ。

橘壱 >  
「そ、それはいいすぎじゃない?僕等いい勝負してたよね?」

少なくとも壱視点そうだった。
実際拮抗しているつもりだったし、ギリギリな時もあった。
おかしいな、純粋に楽しんで笑ったりしていただけなのに……。

「お、落ち着いてくれよリゼっ。流石にそんな失礼しないって!」

どうどう、と軽く手のひらを向けて宥めた。
幾らノンデリとは言え痛い目を見たいわけではない。
流石に言われたことは守る。にしても……。

「(……6cmくらい?最後に出会った頃より、間違いなく"増えた"よな)」

そういう所を覚えているオタクくん、キモい。
流石に口に出すのは憚られるので、黙っておいた。

さて、そんなやり取りを尻目に映像は続く。
一進一退ではあるが、時に生身の凛霞が追い詰めたり、
装備と戦略、そしてその身体能力でAFと渡り合う姿がありありと見える。

「……言いたいことはわかるよ。けど、現実なんだよね。
 こっちは科学の鎧があるっていうのに!……けど、まぁ、
 そういう時代なんだし、おかしい事でもないよ」

今じゃ、ありえないことはあり得ないと言えるほどに、
世界には様々なものが溢れかえっている。
これもまた、数ある中の一つなんだろう。
笑みに苦いものが走るチャンプは、何時だって挑戦者精神を忘れはしない。

リーゼロッテ > 「一方的に嬲られた記憶の方が多いわね」

こちらとしては遊びではなく本気だった。
メタリックラグナロクも訓練の延長線上だったからだ。
だがこいつは軽々と上に羽ばたいていくのだ。

「そう。……あんた他の女の子にもそうなわけ?
 絶対バレてるわよそれ」

脳内で計算されてるなど露知らず。
よかったな、オタクくん。
口に出してたら拳ですまなかったぞ。

「投げた所とかドン引きだわ。
 ショットガンを最小の動きで回避するのもドン引きだわ。
 グレネードの爆風を避けるのもドン引きだわ。
 何、あんた相手したのスーパー超人なわけ?
 人類を超越した新たな新生種?
 それとも未知の異世界生命体なの?」

橘壱 >  
「そ、それは流石にいいすぎじゃあ……
 もしかしてなんだけど、僕のこと嫌いだったりする?」

そう、壱は純粋に楽しんでいた。
その中で自分に最も近く、そして
自分と同じくらい"餓えている"彼女を気に入っていた。
なんならあの頃の壱には珍しく、自分なりに友情を感じていた。
つもりだったのだが……やばい、幻想が崩れそう。
思わず口元も引きつった。

「なっ……!?ふ、不可抗力だって!!」

したし見た。わざとじゃない。半分位は。

「言いたいことはわかるけど、そういうものさ。
 島の外にだって、こういう人いるんだし、この島にだってそれなりにいるさ」

それこそ"これ以上"の人間だっている可能性だってある。
まぁ、得も知れぬ不条理な感じは強く理解できる。
速い所なれておきなよ、なんてちょっと先輩風。

「僕も歓迎するけど、常世学園(コッチ)じゃ僕も挑戦者(ちゃんレジャー)さ。
 それでもいいなら、何時でも何でも相手になるよ。リゼ。モタモタしてると、置いてくよ?」

なんて浮かべる笑みは、現役時代のスカした雰囲気と同じだった。

リーゼロッテ > 「嫌いじゃないわ。好きでもないけど」

自身から見た客観的事実を言っているだけである!!
けれどそれでも何度も挑むぐらいには気に入っていた。

「けれど気に入ってるわ。じゃなきゃ挑まないもの」

ふ、と微笑んで見せてから。
そして、すっとタブレットを指差した。

「不可抗力ではあるようだけれど……ねえ?」

生乳ダイヴを見てしまった。
そんなところまでしっかり撮ってあるだなんて。

「不可抗力……とは言え……ねえ?」

見たくないところ見ちゃったなー、って面しながら。
まあいいわ、とそっちは切り替えて。

「ならいつでも挑んでもいいってことよね? チャンピオン。
 早速相手になってもらおうじゃない」

橘壱 >  
「僕も気に入ってるよ、キミの事は。
 チャンプと知っても挑んでくる相手じゃなきゃ、張り合いがない」

世の中、自分より少し上ってだけで日和る奴等がいる。
そういう意味では彼女は違った。寧ろ食らいついてくる。
そう、にているんだ。その"餓えてる"所は。
だから、ある意味現役時代最も気に入ってたし、
最も友情を感じていた人物ではある。

「あ、やば……ていうか、何処まで撮ってるんだよ!?」

これ普通に模擬戦終わった後だし。
何d根底まで撮っているんだ。思わず頭を抱えた。
はぁ、と額を抑えた手でそのまま前髪をかきあげ、ニヤリと笑った。

「勿論。言っておくけど、手は抜かない。
 僕はあの頃よりももっと強いよ?」

それこそこの学園に来て、数々の経験が生きている。
精神的にも、数々の事象が今の壱を作り上げている。
ぴ、と人差し指を向ける始まる勝負の先がどうなったかは、さて──────……。

リーゼロッテ > 「チャンピオン相手じゃないと挑む気にはならないわ」

それはこの娘も相当にやると言う事。
でなければチャンピオンになど喰らいつけない。
求める意味も場所も違うけれど。
彼女には彼女なりに食いつく理由がある。

「知らないわよ。私に聞かないでよ」

どうしてそんなところまで撮られてるのかは知らない。
だがしかし、ここの人間の上限値は見れたと思う。
自身の意識の切り替えにも役に立った。
そういう意味では実に参考になる動画だった。

「そう? 私もあの頃とは違うわよ。
 食らいついてあげるわチャンピオン」

獰猛な笑みを浮かべ、挑むは頂き。

ご案内:「訓練施設」からリーゼロッテさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から橘壱さんが去りました。