2024/10/25 のログ
ご案内:「訓練施設」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」にイヴマリーさんが現れました。
■橘壱 >
常世学園 昼下がりの訓練施設。
生徒によってはまだ授業中だったり、
委員会の仕事真っ只中だったりするこの日今日此の頃。
橘壱はそもそも企業の推薦で入学し、大元としては企業所属になる。
今回、その企業たっての作業ともなれば、逆らうことは出来ない。
それが愛機と、時分の問題なら尚更の事。
此処はそんな訓練施設の一角。演習場とは違い、
人より3回りほど大きな卵型の機械が立ち並ぶVR訓練機器。
仮装シュミレーター訓練施設エリア、と言うべき場所だ。
機械の性質上、冷え込んできている施設なのにやたら此処は空調が効いている。
「『リベルダージ工業とエレトクロニクス社の共同開発』
『最新鋭AFの補助AIとして、リベルタージのAIはどれほどの機能性を得るか』」
「……お題目としては確かな事だし、
僕としても新しい力は欲しいものだけど……」
その角の休憩エリア。
椅子に座りながら端末の液晶に表示される資料を見つつ、
目の前の人物をちらりと見やる碧の双眸。
そこに映るのは、美しすぎる程に精巧な女性の姿。
否、正確には義体と言うべきか。
「まさか、既に生徒として登録してる人物を使うとは思わなかったよ。
キミがA3510-F201第二世代女性型一号。……イヴマリー、であってる、よね?」
現地集合に律儀に待っていたのは彼女しかいない。
人違い、いや、ドロイド違いってことはないはずだが、
間違えていたらまぁまぁ恥ずかしい。おずおずと訪ねてみる。
■イヴマリー >
「はい、相違ありません」
展開式の車椅子型ユニットを手に、その少年の問いかけに応える。
生徒としての学習こそが本懐として配置されたユニットではありますが、
その上でも与えられる仕事は優先事項として常々降りかかります。
「貴方が、エレクロトニクスの橘壱さんですね。
お互い初めての試みになりますが、どうぞよろしくお願いいたします」
皺にならないように小さく裾を引き、そのまま頭を垂れる。
彼の生まれ故郷に倣って言えば、これはお辞儀と言うそうです。
頭を下げる角度によって意味が変わるそうですが、その意味では最敬礼には程遠く。
対等なビジネスパートナーとして、私という個がへりくだる事は企業が許さないそうです。
「早速ですが━━」
自分のデザインよりも僅かに高いその姿。
黒い眼鏡をかけたその顔に、手を伸ばします。
そっと、人の体温よりも冷たい指先は少しこの時期にはつらいかもしれませんが、致し方ありません。
我慢してください。
「メディカルチェックを実施します。
瞳を開けたまま、大きく息を吸ってください」
その距離20センチ。
アイカメラに搭載されたセンサーが収縮を繰り返す網膜を記録します。
手の先のセンサーで触れたこめかみを伝う脈動が、電子データとなって保存されていく。
今回の試験は彼の身体に大きく負荷をかけかねない。
世界に名を轟かせた才覚に、隣人たる企業の優秀なパイロットに後遺症の残るような事があってはなりませんから。
用意は、万全を期さなくては。
■橘壱 >
ふぅ、と一安心。ドロイド違いは起きなかった。
「良かった。常世学園じゃ異邦人もそうだけど、
アンドロイドとかも珍しいワケじゃないしね。……改めて見ても綺麗だな」
人が作った造形である以上、そう見えるのが正常だ。
対人において、意図しない限り大抵は外面が小綺麗な方が良い。
どこぞの企業は、自社のアンドロイドを女性型に変えたら、
クレームが激減したという身も蓋もない結果も出ている。
ある意味では、向こうの技術力の高さの現れだ。
端末をテーブルに起き、はにかみながら此方も軽く頭を下げた。
「うん、そうだね。僕は壱。橘壱。
コズミックエレトクロニクスの専属装着者……予定、かな?」
現状は正式なものではなく、所謂仮免みたいなものだ。
最も、問題なく卒業出来る予定ではあるし、今のところ問題はない。
「好きに呼んでくれていい。
僕もキミをマリーと呼ぶけど、いいか、な……!?」
"イヴ"って言うとルームメイトと被るし。
とりあえず簡単なコミュニケーションをと思った矢先、
冷たい指先が温かな壱の頬に触れる。
何を、と思った矢先にその美顔が目前。
揺れる髪が頬を掠める。
余りにも大胆な行いに頬により熱が集まり、どきまぎだ。
「え、あ、ああ。そ、そう、そう、だね。
VR訓練と言っても、体調は大事だ……うん……」
エボルバーといい、機械ってほんとに遠慮がない。
気づくべきだ。自分達の見た目が如何に年頃の男子に悪いのか。
ともかく、誤魔化すようにへらっと笑いながらじっとする。
鼻から息を吸い、口から吐き出す深呼吸だ。
その網膜越しに、指先に、
橘壱個人の身体情報が記録されている。
■イヴマリー >
「ありがとうございます、そう思っていただけるのであれば、
デザインに携わった技術者たちも報われます。
性能以外にコストを割く事を良しとする声にも繋がりますから」
私という個は、言わばリベルダージの技術力そのもの。
性能だけでなく、デザインの節々までに誰かの生涯をかけた努力が傾けられているのです。
だからこそその賞賛は私にとっても喜ばしい物です。
「えぇ、もちろんです。蔑称に当たらない限りは貴方の自由意思に全てが任されます。
私も、倣って壱さんとお呼びさせて頂ければと」
小さな口を開き、そこまで伝えたところでデータの中に要チェック事項が羅列されます。
「━━ところで壱さん? 昨日の就寝はいつ取られましたか」
心拍数、体温共に上昇傾向、瞳はひとところを見ることなく落ち着きも無い様子。
これは、いけません。
VR訓練に過ぎないとはいえ、視覚を通じて脳には実戦に近しい負荷がかかるのですから。
『ライブラリにアクセス、緊張状態にある人類の鎮静化に適切な方法を━━』
瞬時に大量のデータがインプットされます。
未知の体験への緊張か、あるいは自己にかかる負荷への恐れか。
いずれにせよ、解決しなければ実行に移れません。
(従者シリーズのログデータを踏襲しましょう)
━━インストール。
「大丈夫です、壱さん。危険はありません。
実施にあたり貴方のバイタルは私が常に把握しますから。
安心してください、恐れる事もありません。
失敗したとしてもそれも確かなデータになります」
出力される声音を、より穏やかな物へ。
赤子をあやすような柔らかさで、無造作に伸びたその黒髪を優しくなでてそう語りかけます。
■橘壱 >
「いい趣味はしてるよ、うん……僕も結構好き」
デザインに関してはかなり、大分好み。
欲を言えば胸部が……いや、なんでもない。
とは言え、此の精巧なデザインだからこそ、色々気苦労もあったろう。
一度、というか何度かみたことあるぞ。
AFのデザインコンペする時だって、修羅場だったのに。
それがより、人として近づけようとすれば……言うまでもない。
「蔑称なんて付けないよ。
これからずっと一緒に仕事する"相棒"になるかもしれないのにさ」
そうでなくても、今の壱はそこまで性根がひん曲がってはいない。
機械的な返答に僅かに引きつった笑みを浮かべて、肩を竦めた。
「昨日は比較的早めに……0時過ぎ位?」
前線に出ずっぱりになると、夜間作戦だって参加する。
特に壱は、その辺りは遠慮なく出向く。
時には睡眠時間の関係で授業時間をずらすことも多々あるくらいだ。
睡眠時間の乱れは、実際多い。
「ま、まぁでもキッチリ睡眠時間は確保してるよ。
委員会もその辺りを理解して融通は……ちょ、ちょっと???」
不意に髪を撫でる冷たい指先。
さながらあやすかのようなバブみボイス。
クソ、無駄に耳障りいいなと思うオタクくん。
思わず胸に顔を埋めたくなったがンンン!!と妙な唸り声を上げて我慢。
傍からみられたらまぁまぁキモい。
違う、違うんです、と手のひら向けてどうどう、と。
「マリー、マリー!良く聞いてほしい。
ぶっちゃけ後で個人的にやってほしい位、
キミの甘やかしはすっごい効いた。後でASMRしてくれ。
それはそれとして、違う、違うの!別に睡眠時間とか、
訓練に対しての緊張じゃないの!いいか、良く聞いてくれ」
「キミに対して恥ずかしいと思ってるの!!
いいか、それくらい思春期の男子には美人ってこう、ね……?
あるんだよ!効果てきめんなワケだよ!だから、うん。一旦離れよう???」
何が哀しくてこんな解説せにゃならんのだ。
仕方ない。だって機械ってマジでコレくらいハッキリ言わないとダメ。
恥ずかしさと情けなさで顔から湯気でそう。
真っ赤な顔を両手で覆って軽く首を振った。
それはそれとしてキモヲタ発言が許されるわけじゃないけどな???
■イヴマリー >
「相棒、ですか」
ひと時限りの協力体制を指すには、興味深い言葉です。
理論上、搭乗者のサポートはわたしという個である必要はありません。
常世島という独自の文化の中でお互いに利害が合致したための選出。
データが揃えば、それは最適化された他の誰かに引き継がれるものでしょう。
言葉のあやかも知れません、この言語はあまりに表現に富み過ぎていますから。
それでも、その単語はメモリの中に暫く居座り続けて。
━━これを、この感情を人は気に入ったというのでしょうか。
睡眠、人が生きる上で必要な行動とされています。
理想としては8時間以上、長すぎず短すぎず可能な限り規則的に繰り返すのが良いとされますが、
そうはいかないのでしょう。
「ASMR……」
通常使用する言語リソースに該当なし。
拡張データとしてライブラリから要所のパッケージを導入。
━━成功。
「Autonomous Sensory Meridian Response、こちらの言葉では自律的感覚絶頂反応ですか。
視覚及び聴覚から与えられる刺激によって物理的な接触を伴わずに快楽を得る体験……
ヒトは常に革新的に生きているのですね」
性処理用途に開発されたシリーズのレポートは常に複雑怪奇でしたが、
人間の探求心とも呼ぶべきそれは常々私たちのデータを飛び越えて飛躍していきます。
とはいえ、逆効果ともなればリソースのパッケージを巻き戻す方が適切かもしれません。
正直に言いきられた言葉を受けて再構築。
「では、壱さん。どうか落ち着いてください。
お求めのその音声データに関してはコズミックエレクロニクスに送付しますので、
そろそろ試験に移りましょう」
機械的に、いっそ冷たいくらいの温度で言い切ります。
優しくすると興奮なさるのであれば、その逆を。
「……ひとまず確認を。
今回試験的に運用を行うのは、私という外部ユニットを使用するという事ですが
私が行うのは既存の機体制御以外の部分━━追加で運用を行う兵装の処理と視覚化になります。
物理的に貴方の脳にアクセスするという訳にもいきませんので、
AF内のディスプレイに貴方好みで出力と補助を行う形になります」
撫でつけて乱れた髪を整えつつ、淡々と。
「不明点や希望があれば可能な限り対処させて頂きます」
■橘壱 >
「そうでしょ?
これから仕事し続ける間柄かもしれないし、
引き継ぎ先があっても、キミの一部みたいなモンだよ」
「機械:マシン的には不思議な事かもしれないけど、
コッチは命を預けることにもなるんだ。今のうちに、愛着っていうか」
「友情とか、そういうのは感じたいと思うさ」
特に自分の体のことは良くわかっている。
度重なる無茶で、自分の脳内がどうなっているかも、だ。
建前上、彼女の言っていることは間違いではないが、
貴重な装着者を失わないように、手を回している。
企業としてはそれほどまでに壱を目にかけていることになる。
とうの壱はそんな事気にもかけていないのか、
ちょっとキザっぽく髪をかきあげはにかんだ。
「声に出すのはやめろ!
まるで僕が不審者みたいじゃないか、全く……」
まぁすぐ真顔になるんだけどね。
不審者みたい、というかキモいのは違いない。
「マリー、とりあえず調べてもすぐ口に出すのはやめようね。
うん、僕の尊厳も一旦守ってほしいから送るなら個人にしてくれ」
何が哀しくて上に性癖バラさなきゃいけないんだ。
全く、エボルバーといい、皆こういう感じなのか。
ハァ、と溜息を吐いて気を取り直す頃には、レンズの奥は真剣な眼差し。
「それで一応合ってるよ。
主な補助はその追加兵装の補助だけど、
可能なら戦闘全般、必要なら成体アクセスも許可されてる」
「僕の信用問題と言うよりは、
AIの有効性の証明って部分になるけどね。
ま、飽くまでバランス良く、さ。上手く二人三脚していこう」
特に今の頭、操縦の主な部分を補う部分が心配されている。
少し休めば治るものだっていうのに、皆心配性だ。
……同時に、それだけ無茶していたということだ。
性分とは言え、思ったより迷惑かけているらしい。
「大丈夫だよ、マリー。そろそろやろう。
……このままだと、記録内容がずっと僕が甘やかされるだけになっちゃうよ」
何時まで撫でてるんだろう。
いや、気持ちいいからいいんだけど。
オタクくん、そういうところだぞ。
■イヴマリー >
「そう、ですね。隠さずに申し上げるのであれば理解できたとは言えませんが。
私たちは本来疑問を持ちません。持つべきではありませんので。
ですから、この引っ掛かりは貴方の思うままに私も飲み込んでしまいましょう」
人らしくあれ、と私に授けられた使命に基づいて。
こういった人との関わりの全てを、大切にしていきましょう。
「検閲の上でライブラリに保存されるのですから、
思考データのままでは記録に残らなくて多くの方が困りましょう?」
ともあれ、差し止められたのであれば会社の窓口に音声が届く事は無く。
個人への送信データが島内の検閲に引っ掛からないかどうかは別問題ですが。
「いずれにしても、ひとまずはテストしながらと言った所でしょうか。
搭乗者への生体アクセスまでとなると、私の一存では測りかねますから」
信用問題、というのであれば他社のAIに任せる試験では無いと意見も出たでしょう。
軍事行動に特化したAIは既にリベルタージだけでなく他社からもリリースされ、
それをベースにすれば自社開発も夢という程の事でもありません。
「では、私は暫くボディから演算リソースをAF内の領域に移動させます。
車椅子に乗っていれば不意の事態があっても自走して離脱はできますので」
言いつつ、認証キーで起こしてあげれば車椅子は目覚めた獣のようにガチャガチャと一人でに組み上がる。
リベルタージお手製の特注品です。人間向けの同デザインの物では少々耐久性に欠ける所がありますし。
その上に腰かけて首筋の部位に当たるソケットを弾くようにして開けば、
透けるようなアクセス用のコードが一本伸びてくる。
「……ちぎらないでくださいね?」
それを手渡しながら、思い出したかのように冗談という物を口にしてみる。
これも、緊張を紛らわせる方法の一つとして提案された物でしたね。
■橘壱 >
そう言えばなんでアンドロイドなのに車椅子なんだろうか。
似合ってるからいいかと、思った矢先に物凄い勢いで変形する。
成る程、ああ言う機能もあるのか。アクセスコードを受け取れば、
コードと彼女を交互に見やる。
「……此れは、相棒になるかもしれないキミに初めに言っておく。
疑問に思ったことは呑み込まず、僕にぶつければいい。
生憎僕は人間だから、機械的にそれが正しいかはわからない。
けど、黙っていられるよりも、そっちのが良い信頼関係が築けるはずだ」
どんな些細なことでもいい。
互いの疑問を時にはぶつけ合い、解消し、
より人と機械の連携が確実に取れると思っている。
それっぽい言い方をしたが、早い話仲良く成れればいい程度だ。
「千切れちゃった時は、無線にしとけって
工業に文句言っておくよ。一応訓練なんだ。
気を抜く……とは違うけど、肩の力は抜いておこう」
なんだかんだ、リラックスしてるほうが成果は出る。
ちょっと冗談交じりに言ってやれば軽くウィンク。
そのままコードを一番近い訓練機器に差し込めば、
その楕円形の扉を開き中へと入る。
薄暗い内部へと立てば後は訓練機器が自動的に、
全身にAF用のVR行動用の機器が装着され、
最後にヘルメットが装着された。ふぅ、と一息。
ぶぅん、と鈍い音とともに機械が作動する。
次に映る景色は、精巧に再現された学生街の姿。
自身の姿もまた、蒼白の機人。AF「Fluegel」になっている。
正確には、装着している状態を忠実に再現している。
圧迫感や呼吸。挙動に至るまで現実と相違無い。
カメラ越しに見える景色を一瞥すれば、口を開く。
「──────訓練システムは正常に起動中。マリー、そっちはどう?」
向こうも正確につなげているなら、そろそろ……。
■イヴマリー >
「……そのあたりは難しい物ですね。
正直な言葉や疑問という物は統計として人の気分を害する物とされますが。
ですが、貴方がそう求めるのであればそのように」
承りましたと、小さく笑みを作ります。
私たちAIはヒトの言葉に従い、学ぶもの。
彼は戦闘全般にも補助の許可を出したのです。
翼に風を吹かせる事を、その懐に私を許容した信頼には応えたいものです。
『視覚及び音響情報の共有、機体データとのリンク問題ありません。
追加兵装へのアクセスを開始━━完了』
装着されたヘルメットの内側、データ化された私の思考を音声として出力する。
再現された学生街の街並み。
仮想的として危険度と共に順序立てて表示されていく撃破目標。
その距離がセンサーで計測され、感覚で把握するモノではなく、
兵装との親和性を加味した最適化された有効射程をディスプレイに可視化する。
『メインシステムにリンク ……戦闘モード、起動
システム、オールグリーン。いつでもどうぞ』
■橘壱 >
普段聞き慣れているCOMの音声とは違ったもの。
メタラグのオペレーターシステムのように、
改めてこういうのって男のロマンだよなぁ、とは思う。
自然と口元も笑みを浮かべていた。
『問題なさそうだね。
よし……いきなりシュミレートはMAXで行く。
そうでなきゃ、張り合いがない。……初めての相乗りだ』
碧の双眸が、鋭く町並みを射抜いた。
シュミレート設定された仮想的。凶悪な違反異能者。
並びに同様の兵器群。その町並みに見合わない程に配置される。
『────────Fluegel、出るぞ!』
勇ましく声を張り上げ、メインブースタに青白い炎が灯った。
シュミレーターとは言え、負荷はそのままだ。
脳波コントロールから掛かるGまで、全てリアルにキッチリ掛かる。
雑居ビルの屋上から空に飛び立つと同時に、対空砲火のように弾が飛び交う。
その間をくぐるように淀みなく飛び抜け、腰にマウントされたライフルを構える。
『まずはお互いに"慣らし"だ。
僕のペースで行くから、そのまま調整してくよ』
初めての二人三脚。
今まで全て、自分の頭で操作してきた。
同時に此れは、AIのお手並み拝見ともなる。
対空砲火を構える装甲車両目掛けてライフルを数発。
淀みなく、既に回避行動さえ予測し一撃必中の精度で直撃していく。
轟音と爆煙に合わせて一気に急降下。
同様に仮想敵である量産型AF目掛けて低空飛行からの蹴り飛ばし、
体勢の崩れた所に容赦なくライフル弾が発泡された。
AFの機動力を活かした高速戦闘。まずは、此方の動きを見せる。
そこから彼女がどう合わせてくるか、さて。工業の技術力や如何に。